Bataille féroce BC école gratuite   作:川上低春

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今の今まで空挺戦車って乗員乗せたまま輸送機から降下させるもんだと思ってた。これも全部特攻野郎がいけないんや



7.「喧嘩です」

ピンゼン地帯

 今回大洗女子とBC自由学園が試合を行う会場は、東西に長い会場で西には中世ヨーロッパ風の建物が立ち並び漁業が盛んな市街地と、そこから2kmほど東に進むと城塞跡地が見え、そこを境に地面の7割が膝ほどまである水に浸かっている湿地地帯が広っている。そしてその南には2キロメートル四方の敷地を有していた巨大な兵器工場がある。今では既に工場として機能しておらず、まともに壁も存在していない建物が辛うじて崩れておらず、地面のいたるところに回収されていない兵器、資材の残骸が転がっている。

 

 

 そんな試合会場を大洗のチームはたっぷり4時間会場の下見に使い、そしてBC学園へと戻ってきた。 

 戻っている途中、とある倉庫前を横切ろうとしたところで優花里が突然ハッチを開け通り過ぎていき倉庫を目を輝かせながら見つめていた。全員何事かと思ったが、Ⅳ号を出発地点の場所に停車すると、すぐ降りた優花里はすぐに先ほど見ていた倉庫へと走って行った。

 

「おおーー!!AMXCDCにELC!!それにFochじゃないですか!」

 

 視線の先にはアデルたちが乗る霧里野一建築工房学科の戦車があった。つられて付いてきたみほたちも堅牢な勇姿の兵器達に感嘆の声が漏れた。

 

「あれ見て私達と同じアヒル戦車がある」

 

 自身がアヒルチームの車長でもある典子が指差す先にはアヒルと形容するには丁度いいフォルムのAMX40が3両横並びしていた。

 

「あれはAMX40といってフランスの軽戦車です。曲面装甲が特徴で実際にアヒルとも呼ばれてるんですよ」

 

「あれ黄色に塗りたいですね」

 

「「「うん」」」

 

 妙子の言葉に典子、忍、あけびのアヒルチームは無性にAMX40を黄色に塗り、乗りたくなっていた。

 

「おかえりなさい」

 

 倉庫の奥から作業着を着たシャールが歩いてきた。CDCの整備をしていたようで作業着は油まみれだった。

 

「会場はもういいの?」

 

「はい。ありがとうございました」

 

「う、うん。お礼なんて、まだ時間あるし試合まで学園祭楽しんでって」

 

「「「「「おおーー!!」」」」」

 

 みほが返事をするよりも早く外野が返事をしてしまい、みほが驚いてしまった。

 

「シャール殿!もしかして今回この車両で戦うんですか?」

 

 優花里はわくわくしながらシャールに訪ねた。

 

「ええそうよ」

 

 その言葉に優花里のテンションは最高潮に上がるが、みほは逆に自分達が想定している戦車では無かったので顔が険しくなった。

 みほの想定では全国大会時に出場する。ARL-44やARL V39だと思っていたが今倉庫内を見る限りではFoch、3両にAMX40、3両さらにCDCと奥で物陰に隠れていてわからない小型軽戦車がある。想定しているより火力とスピードが底上げされているイメージで、自分の中で思い浮かんでいた作戦を抜本的に見直す必要が合った。

 作戦の修正を頭の中で精一杯していると、突然ほっぺが引っ張られていた。気がつけば目の前には沙織がにこやかな顔をしながら両手でみほのほっぺを広げていた。

 

「にゃにしゅるの」

 

「ほらほら。そんな難しい顔しないで笑って笑って!」

 

「そうですよ考えすぎるのはよくありません」

 

「なるようになるさ。それより屋台見てまわろうよ!」

 

「え!?でも」

 

 思わずみほは杏の方に顔を向ける。

 

「いいよ行ってきて。情報は私達で調べておくから。じゃみんな2時にここ集合そのあと会議ね」

 

「「「「はい!」」」」

 

[ほらみぽりん行こ]

 

「う、うん」

 

 沙織に引っ張られる形で倉庫を移動する3人。そんな中麻子は別の道を歩き、優花里はずっと戦車を眺めて反応が遅れていた。

 

「私パス教室で寝る」

 

「あ、私はもう少しここにいるであります」

 

「うんわかった」

 

「麻子ー!2時集合だからねー!」

 

 力なく歩く後姿からは返事は無く、そのまま校舎を曲がり姿が見えなくなった。気づけば優花里の姿もなく、シャールの案内で倉庫内に入り戦車を見学させてもらっているようだった。

 

「じゃ華、みぽりん行こう」

 

「うん」

 

「はい」

 

 

「ここわ・・・」

 

 周りを見渡すが見覚え無い景色に呆然と立ち尽くす麻子。そこは人通りがなく後ろには校舎が前には川を挟んで雑木林が広がっていた。沙織の危惧していたことが現実になり現在麻子は迷子であった。

 

「ねむい・・・」

 

 普段の通学路なら問題ないが、生憎ここは初めて来る場所で。虚の目で帰れるほど甘い場所ではなかった。普通なら来た道を戻ればいい筈だが、麻子は周囲を確認していたがやがて睡魔に負け、もうどうでもよく思えてきた麻子は近くにあったベンチに腰掛そのまま眠りに付くことにした。

 

 

 アデルは立ち尽くしていた。彼女にとって今日のように天気のよい日には外で昼寝にもってこいで、最近のお気に入りの昼寝スポットは戦車道倉庫から校舎に向かうまでの間の一本のわき道を裏山方面に向かい、麓に流れる川に沿うように置かれたベンチである。

 しかし今日はそのベンチの元に一人の少女が座っていた。

 

「…」

 

 見たことの無い顔とどこかで見たことあるような制服にどうしようかと考えたが、別に座れる場所はあるのだしと、アデルも彼女の隣に座り共に眠りに付くことにした。

 

 

「ねぇねぇ次あそこの教室行こう」

 

「もう沙織さんったらそんなに食べると試合中眠くなりますわよ」

 

「大丈夫V」

 

うーん

 

 みほは落ち着きなく、辺りをキョロキョロ落ち着きなく見渡していた。

賑やかな校舎内を歩き時間を潰しているが、平日の金曜日の校舎内には一般人はいないので違う制服を着ている自分達には常に注目が集まり、その視線はみほにとっては恥ずかしいものだった。しかしそれを察してか沙織も華も常にみほに対して話しかけてきており、幾分緊張は和らいでいた。

 

「わたしねぇアイスココア」

 

「わたくしは緑茶で」

 

「私は紅茶かな」

 

 飲み物を決め3人は会計に経っている1人の男子に話しかけようとした。

 

「む」

 

「あ、すいません」

 

 3人の横からたまたま教室にいたテトも男子に声をかけようとしていた。

 

「・・・なによ」

 

「い、いえ」

 

 威圧的な態度をするテトにみほは怯み、条件反射でテトに譲ってしまった。

 

「ちょっとあなたの方があとから来たじゃない」

 

 譲って当然のような態度をとるテトに、カチンと腹が立った沙織はみほの前に出てきた。急に出てきた人間に言いたいことを言われたテトも一歩前に出て睨みつけた。

 

「何言いがかりつけてんの,ぶっとばすわよ」

 

「う」

 

 「暴力」とういう単語に沙織は押し負けてしまった。

 

「暴力には屈指ません!」

 

「?あんたたちもしかして大洗の?」

 

 屋台の前で険悪な雰囲気が続いていた4人だが、みほ達の制服がBC自由学園のものではないことに気づき表情を一変させた。今までは怒りや苛立ちだった表情が好奇心や面白さに変わっていた。

 

「え、ええそうよ」

 

 テトは考え込み、沙織と華の若干後ろで俯き加減のみほの顔を唐突に覗き込んだ。みほはテトの威圧した表情に狼狽しっぱなしだった。

 

「ふーんそっかそっか。ならお先にどうぞ」

 

「え」

 

 3人はテトの急な態度の変化に驚き、沙織は不振に思った。

 

「急に態度変えるなんて怪しいわね」

 

「いやいやあとで私がぼこぼこにするんだから、こういう時くらい優しくなきゃね」

 

「「「え」」」

 

 沙織とみほは飲み終わった後、校舎裏に来いと言う風に勘違いしてしまったが、華はテトの言葉から午後に試合すること戦車道の部員であることに気づいた。

 

「ではあなたは戦車道の」

 

「そう霧里野一建築工房学科戦車道部、強行偵察係、枝園=D=テトよ覚えておきなさい」

 

 「どやぁ」と誇らしげな表情と自身に満ちた声で自己紹介するテトに臆することな3人も次々に挨拶をしていった。

 

「に、西住みほです」

 

「武部沙織よ」

 

「五十鈴華です」

 

「みほに沙織に華ね・・・・・ほら買った買った」

 

 順に名前を覚えたテトは直後に今度は早く買うように催促され、テトも3人の後でココアを購入するとテトも3人と同じ席に座り会話に参加し始めた。

 最初こそギクシャクした空気だったが、他愛の無い会話が進むにつれ。わだかまりも無くなりいつしか楽しげな雰囲気になっていた。

 

「え~M3リーがピンク色!38tが金色!?っぷははははは!なにそれ面白い」

 

「ねぇ今じゃ考えられないけど。その時はⅣ号もおしゃれさせたかったって悔しかったんだから」

 

「ほんとあのときの沙織さん怒って増したもんね」

 

 あの頃の沙織の残念そうだった表情を思い出し笑っているみほにとなりで 座っていたテトが近づいてきた。

 

「あんたも大変ね。こんなの一人でまとめてたんでしょ。私なら絶対無理だわ」

 

「でもあのときの私も自分の戦車道がわからなくなってたし、みんなに出会えたから戦車道が楽しいって思えたの」

 

「持ちつ持たれつってやつか」

 

「そんなところ」

 

 人見知りのみほもいつの間にかテトと気軽に会話ができており、このことにはみほ自信が一番

驚いていた。

 そんなことは知らないテトはうんうんうずきながらココアの最後の一口を飲みきった。

 ココアの味に満足的だったテトは気づかなかったが、対面している華と沙織にはテトの後ろに形容しがたい怒りの感情を顔に出している2人の女子がいることに気がついた。

 

「うわー霧里野一のゴキブリじゃない」

 

「なんでこんなところに害虫がいるのよ。誰か駆除しなさいよ」

 

 わざとらしく大声で喋る2人に周囲の人間も視線が集まる。みほとテトも振り返るが、直後不快感を露にしている女子生徒が口元を抑えながらテトを見ていた。

 テトも彼女2人の左胸元にある赤色六角形のワッペンを見た瞬間笑顔が消えた。

 

「なんかいった」

 

「さっさと消えなさいって言ってんのよ」

 

「邪魔よ」

 

「お前らが消えればいいんじゃない」

 

 テトは立ち上がり侮蔑する2人の下へ歩く。

 テトと2人には頭1つ分身長差があったが、その程度のことでテトは物怖じせず睨みつけた。

 みほたち3人は突然のことについていけずただ見守ることしかできず、周囲の人間も同じでざわついていたが仲裁に入るものは誰一人いなかった。

 

「お前も、あの隊長も汚い手で不愉快極まりないのよ」

 

「どうあの試合もせ卑怯な手でも使ったんでしょ。頼むから死んでくれない」

 

 そう言われた瞬間テトの右拳が言った女子生徒の顔面に叩き込んでいた。予想外の行動に驚いたもう一人の女子生徒の顔面にもテトは左拳を叩き込んだ。

 

「このやろう!」

 

 2発目は体勢が不十分で、女子生徒は鼻血を出しながらも仰け反った体を利用しテトの顔面に殴ろうとした。

 しかし大振りなその攻撃はテトには余裕でかわし。もう一発殴ろうとしたが、1発目で殴られ地面に倒れた女子生徒が起き上がり、蹴りをテトの左脇腹にあたり直撃させた、苦い顔をしながらテトはそのままけられた反対方向に倒れこんでしまった。それを皮切りに形成逆転してしまい女子生徒は倒れこんだテトを2人ががかりで袋だ抱きにしていた。

 すぐ他の生徒によって喧嘩は収められたが、テトも女子生徒2人は駆けつけた教師によって連れてかれてしまった。

 

「・・・・」

 

 呆然としている3人の元に慌てて教室にシャールが入ってきた。

 

「ごめんなさい。見苦しいところを見せてしまったわね」

 

「い、いえ・・・」

 

「場所変えましょうか」

 

 3人はシャールに促されるまま連れられ喧嘩後の片付けで騒然としている。教室を出て行った。

 

 

 

 シャールが連れてきたのは屋外の物静かさが売り屋台で、楽しげな会話とともにパラソルつきのテーブルで会話している生徒達で溢れていた。そこに3人は空いてる席に座ると5分ほどでシャールが銀色のトレイに4人分のエスプレッソとクッキーやマカロンなど一口サイズのお菓子を持ってきた。

 

「さ、どうぞ」

 

「はい。いただきます」

 

「ありがとうございます」

 

「いただきまーす」

 

 一口で食べられる大きさのお菓子はそのおいしさも合わさり手が常にお菓子へと進んでいた。

 

「ふふふおいしいでしょ。先ほどはテトが迷惑をかけてしまったわね。テトも申し訳なく思ってたわ」

 

「い、いえ」

 

「でも私達と話しているときに急に態度が変わったので」

 

「そうそう急にどうしちゃったんだろ」

 

「まぁここの悪い風習・・・・かな」

 

「?」

 

「あまり身内の恥ずかしい話はしたくないんだけど。テトと喧嘩してた女子って左に赤いワッペンしてたでしょ。あれは元自由フランス学園のシンボルで合併する前の自由フランス学園の生徒達がしてるの」

 

「あ、BC学園と自由フランス学園は仲が悪いって」

 

「そうテトは元BC学園生徒だったからいざこざが絶えないのよ。それにテトってああいう性格でしょ」

 

 確かにと最初に会ったときの態度を思い出すと納得できてしまった。。

 

「許してやってね。根は優しいから。だって1年生のときに・・・・」

 

 われに返ったシャールは慌てて口をふさぎ、クッキーに手を伸ばし食べていたが、 思わず口を滑ってしまった言葉に沙織はただならぬにおいをかぎつけキラキラした表情でシャールを見つめていた。

 

「あ、あの1年生の時何があったんですか」

 

「え?・・・う~んでもこれは私の口からじゃいえないわね・・・」

 

「え~~」

 

 聞かせてもらえ無いことに残念がる沙織に、しばし考え込んだシャールがまたよからぬことを思いついていた。

 

「じゃこの後の私達の試合に勝ったら聞かせてあげる」

 

「よし勝つわよ」

 

 沙織はシャールの言葉に俄然やる気を出した。

 

「沙織さん急にやる気になったね」

 

 みほの言葉に沙織は「面白そう」だからと答えは簡潔な答えのものだった。

 

「じゃそろそろそろ時間だし行きましょうか」

 

「あのテトさんは大丈夫なんですか?」

 

「ええ試合には出させてもらえるわ。心配してくれてありふがとう」

 

「いえ」

 

「じゃ行きましょうか」

 

 

「あ、西住殿ー!」

 

 Ⅳ号の近くにいた優花里が、みほたちに大きく手を振ってアピールした。

 

「優花里さんずっとここにいたの?」

 

「はい!シャール殿に見学許可に加え戦車内まで見せていただいおりました!シャール殿ありがとうございます!!」

 

「いえいえ喜んでくれてよかったわ」

 

「え、見せてもらったの?」

 

「流石に私の乗っているCDCしか見せれなかったけど」

 

「いえいえ充分であります」

 

「おい西住何をしている会議を始めるぞ」

 

「あ、はい」

 

 少し離れているところから桃が呼んでいたのでシャールに改めてお礼をし歩いていった。

 

 

  みほやシャールが倉庫に集まっいる頃、アデルはようやく目を覚ました。今日は日差しも然程強くなく風も心地よい屋外で寝るにはうってつけ日和だった。「なんで人は働くのだろうずっと寝てればいいのに」ふとアデルの頭にそんなことがよぎった。

  再び目閉じたアデルは寝ぼけた頭でしょうもない議論を永遠としていた。

 

 そういえば隣にいる同志は

 

  重たい瞼を開け隣を見るとアデルと同じように寝ている。名前も知らない少女がまだいた。名前も知らず、着ている制服も違うがアデルはなんとなく彼女がここにいることの安心感があった。

謎の安心感でアデルはそのまままた眠りについた。

 

 

「 ええい遅い!武部もう一回連絡しろ」

 

「 は、はい!」

 

集合時間から25分過ぎ、試合試合開始5分前になっていた集合場所にはまだ麻子の姿はなく桃は苛立っていた。

 

「もー!麻子何やってんのさ」

 

沙織の耳にはコール音は聞こえてくるが電話に出る気配はまったくなく、電話をしている沙織も不安と苛立ちを隠せていなかった。それはみほと華、優花里も同じだった。

 みほは相手チームに申し訳ない気持ちになったが、目の前の試合開始を待つBC自由学園の生徒のようすがおかしかった。テトはこちらに申し訳なさそうな顔をして視線を合わせようとしないが。他の生徒はざわつき近くにいる友人と不安そうに会話をしていた。

 こちらの様子に察したのかと思ったがどうも様子は違った。シャールが電話をかけているが、周りの生徒がざわめきたっている。しばらくすると電話を終えたシャールがこちらに歩いてきた。

 

「すみませんこんな大事な試合なのに1人まだ来てない生徒がいて、できれば試合開始時間を少し伸ばせないかしら」

 

 申し訳なさそうな顔をしながらシャールが頭を下げた。

 

「事情は了解した。こっちも来てないのがいて延ばしてもらおうと思っていたのだ」

 

「迷子じゃないのかしら」

 

「いえ教室で寝ているまずです。今確認に向かわせている」

 

「わかったわ何にかあったわ言って」

 

 

 

 試合開始10分前アデルはようやく起きた。携帯の着信履歴にはシャールの名で十数件着ており若干焦りながら集合場所である倉庫へと早足で歩いて行った。すると50mほど進んだ場所でふと振り返ると先ほどいたベンチは既に空で麻子の姿は無かった。

 

 「あ」

 

 しかしアデルが歩いていると目の前に先ほど自分の横で寝ていた見覚えのある姿がふらふらとした覚束ない足取りで歩いていた。

 

「なぜ人は起きなきゃいけないんだ・・・・」

 

 ふと漏らした麻子の言葉にまったくの同感であったアデルは倒れそうになった麻子を支えた。

 

「大丈夫か?」

 

「問題ない。それより倉庫」

 

「?何かあるのか」

 

「皆が待ってる」

 

「・・・・・ああそうか練習試合の大洗女子学園の生徒か、なら案内しよう」

 

 事情を察したアデルは自分も試合に出場することを伝えると、肩を貸しながら目的地まで一緒に歩いていった。

 

 

 2人が到着した直後に桃と沙織が2人に対して起こったり、もう一人がBC自由学園戦車道の隊長だったことが発覚しあたふたしたりしていた。

 

 今は落ちつき両学園向かい合い並び試合開始挨拶を行っている。

 

「一同礼!!」

 

 審判の合図とともに全員礼をすると、2チームは互いの持ち場に移動した。

 

「ちょっと麻子そっちBC自由学園のほうだよ!私達はこっち!」

 

「ん~~」

 

 ほとんど目を閉じている麻子は自分でどこに進んでいるかわかっておらず、沙織が慌てて自分達のほうへ引っ張って行ってた。

 

 シャールも車に乗ろうとしたがアデルがいないことに気づき振り向くと、整列していた場所でまだ動いていないアデルの姿があった。

 シャールは気づいていなかったがアデルは終始みほのことを見ており、今でも沙織と麻子のやり取りを楽しげに笑っている。みほのことを見ていた。

 あの西住流で、1年で大洗女子学園を全国優勝へと導いた人間、それらがアデルにとってはとても興味深いものであったからだ。

 

「いくぞ」

 

 ついさっきまで寝ぼけていたアデルの口調が、突然いつもの冷静な口調へ変わっていることに驚いたが、いつものアデルであることに気づいたシャールも気を引き締め後に続いた。

 

「ええ・・・あとテトのことで少し話があるわ」

 

 移動がてらシャールは歩きながらテトが起こした喧嘩騒動の本末アデルに話した。

 

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