とある開発者とテスパイの受難   作:桐畑 正美

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お待たせしました。
今回の独自設定として、コロニーの建造の出資等はガンダム種から、公国政治移行前についてはアメリカ合衆国法制度を参考にしました。
お楽しみ頂ければと思います。


コア3の神隠し

サイド3 地球よりもっとも遠いスペースコロニー群である。

コロニーは島3号型コロニーで密閉式である。中心に太陽光を照射する管が通り、他の島2号型と比べて閉塞感が強く、まるで工業用コロニーを思わせる造りになっている。

 

現時点のサイド3の政体の首長はジオン・ダイクン。

政体は一応共和国制を取っている。

元々は東欧諸国系の国々が資金を出し合い、それをアメリカが援助して建造したのがはじまりのサイドである。

 

地球からもっとも離れ、何もかも地球至上主義の条約により一方的に不利なコロニー群の独立性と対等な関係の確保を要求する人々が多いコロニーとしても知られている。

 

コロニー内部の建物はそれぞれのコロニーにより大まかに特徴がある。

サイド3の中心的コロニーのコア3はヨーロッパ地方の絶対君主制全盛の時代を思わせる建物が多い。

それがまた、連邦に反旗を翻す土壌になっていると根拠になっていない主張をする連邦代議士もいる。

サイド3は25基のコロニーにより構成されている。

コロニー間の経済力の差は基本的に無いが、サイド3の建設開始時期はコロニー移住開始早初期にまで遡る事が出来るため統合戦争終結直後、連邦議会に影響力があった財閥や個人が一種の貴族染みた振る舞いをしたのに習い、サイド3も門閥貴族や財閥が支配階級に名を連ねている。

 

ちなみに、連邦議会で有名な門閥貴族は連邦統合軍司令部、軍令部長のゴップ家、財閥系では極東アジアの鉄鋼王のヤシマ家。 他にルナツー司令部のテンアム家等である。

蛇足ではあるが、後々軍神としてその後の復興作業や連邦議会の派閥争いに影響力を及ぼす我らがレビル大将ですが、残念であるが彼は貴族ではなく、士官学校首席卒業からのエリートコースと、サイド3の独立戦争での捕虜体験からの大脱走。

その英雄譚が地球居住者に大ウケ、そこに目をつけたゴップ家が後見人として後押ししての総司令就任である。

つまり、レビル大将は戦争がなければただ単に今流行りの典型的なのーきんじいさんとして若手の高級士官候補者からは煙たがれ、定年後暫くして連邦議会に与党政権の数合わせのために出馬させられ、コロニー居住者差別発言の失言退職の未来像だったはずである。

戦後、連邦が勝利して間違って連邦議会貴族に経済的に不利益な終戦交渉をしても、政治的に確たる地盤がないので交渉を反古にし、その責任を押し付ける事も出来るためゴップ家はレビル大将の後ろ盾になったのである。

 

 

 

マーク視点

 

ミリアリアとその友人のシルビアと別れたマークは車寄せに止まっていたタクシーに乗り、連邦軍のコア3総合連絡事務本部に向かった。

 

連絡事務本部とは、いくつかの連邦方面軍ごとに置かれている軍と地方政体、公共団体や民間団体との連絡業務や広報、軍の募集業務と緊急時の動員要請窓口である。

一般的にここで統合本部から新規入隊の募集枠決定に基づき傘下の募集事務所にノルマの募集人員を割り振り、決定。

そしてそのノルマの達成のために必要なイベントの実施計画の作成、実施、計画に基づき応援や支援の要請を行っている。

 

マークはまずこの本部に向かい、コア3の現状の確認と目指す募集事務所の場所の情報の入手をしようと考えたのである。

 

とりあえずホテルの車寄せに止まっていた高級ホテルにはいささか場違いな庶民的な小型セダンタイプのタクシーを捕まえる。

官庁街を目指すとはいえコロニー内部の空気に抗うつもりもないマークにとってはある意味都合の良いタクシーではある。

もっとも、今や反連邦の急先鋒のコロニー。いくら目立ちたくなくても宿泊客のほぼ全てが地球居住者か、連邦職員。若しくは連邦系のNGO団体のメンバー。

このコロニーの昨今の世論の動向を考えてみれば自ずとこの種のタクシーが車寄せに停まる事自体かなりおかしく、本来なら決して乗ってはいけないタイプのタクシーではある。

 

案の定、タクシーの運転手が話し掛ける。

「旦那さん連邦の職員さんですか?」

「何故そう思う?」

「いや、だって。車寄せから出て来るときに親しげに手を挙げたべっぴんさん、ありゃ領事館の人でしょう?

もう一人はちょっと見ない顔ぶれですけどね?

この界隈では有名な人ですよ!」

 

マークは一気に頭に冷水を浴びた気分になり、オールシーズンジャンパーに手を入れて握っているモノに力が入る。

 

「いいや?知らんよ?もう一人の方はサイド6のジュニアの幼なじみでな。さっき声かけられたとこ。

連邦軍の制服を着てたからびっくりした。」

 

「ところでどちら迄?」

 

マークは少し考えて「サイド6の領事館ビル 迄。」

 

タクシーの運転手は返事をすることなく車を発車させる。

以前一度だけコア3の募集事務所の同期生と連絡を取った際、返信でもらった事務所の外観写真の添付されたメールの片隅にサイド6の領事館の紋章の入ったビルが写っていたのを思い出したのである。

一般的にこうした建物が比較的近くに密集するのは、ぶっちゃけ自国の施設の防衛の為である。

つまり、連邦軍の施設の周辺に自国の施設を置けば万一の際、自国民の救出を連邦軍に依頼するのも容易になるし、世界一巨大な軍からレア情報の収集するのも密談するのも何かと都合が良い。場合によってはコロニーのある意味地下の構造を利用して『地下トンネル』を作っても良い。

もし成功例が出来れば自国民のまさかの動乱に巻き込まれた際のリスク低減や、こっそり大使、領事ご一家の脱出の際にもっとも安全に逃げられるルートの一つとして利用出来る。

 

 

「サイド6領事館前、、、ね?」

タクシーが走り出す。

運転手は符丁染みた番号とサイド6領事館と無線に告げる。

暫くするとリアウインドウから『シュー』との音がするとすぐに眠くなる。

 

 

 

ミリアリア視点。

 

 

キシリアとの会談後ジオニック工場の技師用ミーティングルームで本格的な概要説明と、主にジェネレータ関連のディスカッションという名の問題点の追及が行われている。

ジオニックが核融合炉の一般的な安全性の高さと、ミノフィスキー粒子の特性からくる絶対的安全性の確立に対する補完かつ、究極の安全装置だとする見解の論文その他の資料を山程押しつけて勉強不足を指摘する。

 

シルビアは安全性に対しては、従来の核反応炉よりかは安全性の高いモノであることは認めたものの、モビルスーツに搭載するレベルまで小型化した場合のリスクや、事故、撃墜によって機体喪失時にミノフィスキー粒子の喪失状況下の中性子線の漏洩対策等を指摘して追及する。

また、いくらかのジェネレータの小型化でスペースが出来たとはいっても、推進剤たるプロペラントの容量が航続距離的にかなり不足していると感じているのも激しい口調で追及する。

 

結局、推進剤の成分や燃焼効率は実際の航続距離のデータと密接な関係があるので軍事機密ですと押しきられ諦めた。

 

ジェネレータに対してはシルビアは核反応について強制的に封じるミノフィスキー粒子と同じ様なトンデモ粒子を発見、実用化手前迄きているので深くは追及しない。

もっとも、発見、実用化は連邦軍にも秘密にしているので、現時点ではマークやデータを保管しているシルビアも知らなかったりする。

知っているのは、ミリアリアと開発予算案をカムフラージュして通した軍令部のゴップ提督、ルナツーの軌道上正反対側にあるやはり超小型の既に廃鉱の資源衛星内にある秘密工場責任者のバスク(当時中尉)のみである。

開発は既に終了して今は大車輪で生産と生産性の向上に取り組んでいる。

 

さしあたりルナツーのミリアリアがテストで使うサラミス級の巡洋艦3隻に一回戦闘分程度搭載出来ることを目標数に生産している。

 

 

そうしてミーティングが終了、見学もさしあたりみたいところの部分の視察が終了した。

 

 

まぁ、ミリアリアが内緒で工場にガイガーカウンターを持ち込み、連邦環境基準がーとか、簡単な操作体験~とか

ルナツーに持ち帰り、逆解析するから実機をよこせとかさんざん〇ヤ真っ青な強請をしたのだが、めんどくさいので割愛しました。

 

さんざんわがまま嫌がらせな要求をしーのして工場の技師に追い出されるように後にすると、

 

「あ~あつまんないの~」

とミリアリアは宣う。

 

「どこが!あんたいい加減にしなさいよ!私の仕事を邪魔したいの?」

シルビアは青筋立てて怒りだす。

 

「まぁまぁ。後は私が何とか宥めますから。」

と愛想笑いをしながら広報のアイナはとりなす。

 

「その可愛い愛想笑いもいつまで続くかなぁ?」

ミリアリアは黒い笑顔でアイナを見つめる。

 

「あんたね!ホントに怒るよ!」

シルビアは膝の上の右手を震わせる。

 

「あれっ?シルビィは気づかなかった?あのさ?あの工場の視察したブロックにフリーの自薦超一流パパラッチ、自称ジャーナリストが二人いたよ?

去年まだ真面目に開発に勤しんでいた私を、マークの愛人呼ばわりして不正に開発試験をしているとか嘘を書き立てたヤツ!」

 

「どーしてその時に言わなかったのですか!」

アイナは真っ青になりながら警備員とキシリアに連絡を入れ始める。

 

「あの場で言えば連邦軍人の私が手引きしたと言われるし、どうせ言わなければまたジオニックと内通しているとか書かれるだろうし。

どうせなら今のタイミングでバラしてジオンの方に後のことはおまかせしようとね?

まず逃げきれるとは思えないし。逃げきれてもその時はたぶん賞味期限切れのネタになるでしょうね?」

ニマニマとミリアリアは黒い笑顔で笑う。

 

「こっちは笑えないわよ!ホントに!」

シルビアは疲れた表情でぐったりする。

 

 

「警備員も侵入者に気づかなかったようですが、カメラで該当者を特定。間もなく拘束できるようです。

お二人はとりあえずホテルにお送りするようにとのことです。

尚、事態が事態なので辞退や拒否は認めないとのことです。」

アイナは申し訳なさそうに言い、エントランスに誘導する。扉を出て最初の角を曲がったところでシルビアとミリアリアは気を失う。




如何でしょうか?
次回は現在連載しています、ジョニーライデンの帰還の作中に出てきます、亡命ムサイについて独自の考え方で書いてみようと思います。





出来ればお手柔らかに感想文が欲しいなぁと思います。
自己満足で投稿していますが、読んで頂きました文が読みやすいのかな?とかいろいろ気になっています。
個人的な事情で感想返し等は難しいと思いますが、いろいろ不安になって。我ながらめんどくさい作者とは思っています。
ご用とお急ぎでない方はご一考くださいませ。m(。≧Д≦。)m
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