第1話 剣巫との出会い
それは太平洋上に浮かぶ島。
カーボンファイバー、樹脂、金属、そして魔術によって造られた人工島である。
絃神島にあるファミレスで男2人と女1人が
現在ファミレスで3人が座っている場所から聞こえる音は2種類ある。1つはノートにペンを走らせる音、もう1つは食事の音だった。
「……………」 カリカリカリカリ
「……………」 バクバクバクバク
「……………」 カリカリカリカリ
「……………」 バクバクバクバク
「……なぁ」
「…ん?なによ」 バクバクバクバク
「静かにしてくれねぇか…マジで」
「何よ、あたしはその課題を見てあげる為に来てるのよ?」
「さっきから食べてるだけで見てもらった覚えがないんだが……つうかあからさまに課題の量多すぎだろが、しかも授業でやってねぇぞこの範囲……うちの教師達は俺になんか恨みでもあんのか‼︎」
「いや、あるだろ恨み」
古城の嘆きに反応したのは若干空気になっていた
「空気は余計だ……。んで、毎日平然と授業をサボった奴が恨まれないわけがないだろ?」
「おまけに夏休み前のテストも無断欠席よね」
矢瀬と浅葱にごもっともな意見を言われ古城は口ごもるが…
「だからそれは不可抗力だろ…俺の体質あの担任知ってるくせに……それに追試のテストやっただろうが…」
古城は寝不足のせいか目が若干血走っていた。
「ん?体質って何よ、古城って花粉症かなんかだっけ?」
不思議そうに聞いてきた浅葱の言葉を聞いて古城は自分の失言に気付いた
「ああ、いや。その…夜型っていうか、朝起きるの苦手なんだよ…」
「何それ体質の問題?吸血鬼じゃあるまいし」
「だ、だよな……はは」
的を射た浅葱の言葉に古城は引き攣った笑顔で言葉を濁すしかなかった。
「あたしは好きだけどね〜那月ちゃん。実際良いセンセーじゃん。出席日数足りない分補習でチャラにしてくれてるんだし」
「まぁな、けどテスト追試で受けてしっかり点数取ってんだから少しはこの量減らしてほしいぜ…」
古城の愚痴に矢瀬と浅葱は複雑な表情で見つめた。古城は授業に参加しない不良っぽい生徒であるが追試で受けさせたテストはかなりの高得点、俗に言う優等生(テスト限定)であった。
「……よし、終わった〜。もう宿題なんてやらねえ。」
そして漸く古城が宿題を終え区切りがついたので浅葱が
「ん…終わったのね。んじゃあたしバイト行くね」
「バイトってあれか?
古城が記憶を頼りに浅葱にバイトの内容を聞いた
「そ、保安部のコンピュータの
そういい浅葱はファミレスをでてった
その後ろ姿を矢瀬が見ながら
「いつも思うんだが、あの見た目と性格で天才プログラマーってのは反則だよな…」
「まあ良いんじゃないか?人それぞれなんだし……てか、あいつ飯食べただけで何にもしてねぇ……」
古城は疲れた顔で言い、
「そろそろ帰るか…終わったし」
「だな」
となって2人は会計を済ませファミレスをでた。
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「(どうしてこうなった…)」
古城は心の中で呟いた
ファミレスを出てから暫くして古城と矢瀬は誰かに尾行されていた。
「(あー、こんな時に原作知識あったら楽なんだろうな…。まあ無い物ねだりしてもしょうがないか…)てか、あれで尾行のつもりなのか?」
「言うな、古城。それよりあんな可愛い女の子に尾行されるなんてお前さん幸せだねぇ」
なんだか隣の矢瀬が変な事を言っているが古城本人は気にしない
それより尾行される理由を考える事を優先していた。
すると矢瀬が
「ま、頑張りたまえよ。俺はここで曲がるわ。んじゃ‼︎」
「あっおい!?ったくどうしろってんだよマジで…(向こうはこっちが全然気付いてないと思ってらっしゃるし…取り敢えずゲーセン入って様子見…かな)」
そう考えゲームセンターに入り様子見する古城だが少女はゲーセンに入らず店の前で動揺していた。夕暮れ前にゲーセンの前で1人立ち尽くす少女の姿に古城は何故か自分がひどい事をしているような罪悪感に襲われた。
「……はぁ…」
古城はため息をつき、自分から聞いて確かめようと思って店を出ようとした。が、タイミングが良いのか悪いのか少女は店内に入ろうと決心したところであり入り口でばったり鉢合わせてしまった
「……あ…」
「……だ…第四真祖!」
彼女は慌てた声で叫ぶと、ギターケースを前にやり重心を落として身構えた。
反対に古城は彼女の一言を聞き何故尾行されたかよくわかった。故に落胆した。
「……なんか用?」
取り敢えず人違いだと言うのは無理がありそうだったので率直に質問をした。その時の古城の顔はいかにも面倒くさそうな顔をしていた。
「私は
「……は、」
古城は訳のわからない言葉に気の抜けた返事をした。実際獅子王機関、剣巫、三聖、初めて聞く言葉が多すぎてどう理解すべきかわからなかった。
故に古城はすっぽかすことにした。
「あー、人違いだ、他をあたってくれ」
「え?人違い?え、え?」
彼女は古城のデマを本気で考えたあたり、案外素直な性格かもしれない
その隙に立ち去ろうと背中を向けた古城を少女は慌てて呼び止めた。
「ま、待ってください!あなたは暁古城じゃないんですか!?」
「いや、監視とかそういうのは間に合ってるから。じゃあ、俺急いでるんで」
と適当に言葉を濁しその場から急ぎ足で離れていく。
ある程度歩いたところで古城は少女がついてこない事を確認しておこうと振り返るが、あまりの出来事に驚いた。
「良い年こいて中学生にナンパかよ…オッサンたち……」
古城はこの状況をなんとかするべく嫌々戻ろうとするが、事態は深刻化してしまった。
「…あ……」
古城が腑抜けた声をだした。何が起きたかというと男たちのどちらかが少女のスカートをめくったのだ。そしてそこに出現したパステルカラーのチェックの布きれを視界に収めてしまい古城は硬直してしまったのだ。 そして…
「
少女が呪文を叫んだ。
次の瞬間男の身体が突然勢いよく吹っ飛んだ。
古城は見た限り掌底だと感じた。だが魔力の流れは感じなかったし、精霊が動いた様子もなかったから正確に理解することは出来なかった。
吹き飛ばされた男はどうやら
「あのガキ、
ナンパ男の片割れは我に返って怒鳴った。そして男は本性をあらわにきた。
すると目が真紅に染まり牙がついていた。所謂吸血鬼である。
「
吸血鬼の男の左脚から鮮血に似た何かが噴き出した。それが段々形となり炎を纏った馬になった。
馬の
「こんな街中で
少女には驚きこそあるが恐怖はなかった
「
背負ったままのギターケースから彼女が抜き出したのは楽器ではなく銀色に輝く
槍の柄が一瞬でスライドし長く伸び、格納されていた刃が穂先から突き出てきた。彼女はこの槍で眷獣と戦うつもりなのか槍を構え突進してくる眷獣に突き立てた。
結果は馬の眷獣が
「な……!?う…嘘だろ!?俺の眷獣を一撃で消し飛ばしただと!?」
使い魔を失ったナンパ男が恐怖に駆られて後ずさる。しかし少女は怒りの籠った瞳で槍を構え躊躇なく男の心臓を貫こうとしたところで………
「ちょっと待ったァ‼︎」
「えっ!?」
古城が槍の先端を殴り飛ばして槍の軌道を変えた姿に少女の目が驚いたように見開かれた
「暁古城!?
少女は突然現れた古城を警戒するように距離を取り、近くに停まっていたワゴン車の屋根に着地した
「おい、あんた。仲間連れてさっさと逃げろ。あとこれに懲りたら中学生をナンパするのはもうやめろよ。不用意に眷獣使うのもな!」
「あ、ああ…す、すまん……恩にきるぜ」
古城は面倒くさそうな口調でナンパ男に怒鳴ると、男は青ざめた顔で頷き、気絶した仲間の身体を担いで去っていった。
「お前もさ〜、どういうつもりか知らんがやりすぎだろ」
疲れた様子で言う古城の言葉を聞いた少女は油断なく槍を構えたまま答えた
「どうして邪魔をするんですか?」
「邪魔って…、目の前で喧嘩してたら普通止めようと思うんだがな。」
「公共の場での魔族化、しかも街中で眷獣を使うなんて明白な聖域条約違反です。彼は殺されても文句を言えなかったはずですが」
「それを言うならあいつらに先に手を出したのはお前の方だろ?」
「そんなことは……あ…」
反論しようとしたが男たちと争いになった経緯を思い出したらしく黙り込んだ
「これに懲りたらすぐそんなもん振り回して殺そうとするのはやめろよな」
「………」
このままいい感じで古城は帰れると思ったのだがタイミング悪く風が吹いた。少女がワゴン車の上にいた事により舞い上がったスカートの中身を古城は見てしまった。
「…なんで見てるんですか!///」
「いや、待て!今のは俺は悪くないはずだ!」
古城は必死に説得するが……
「……もういいです。……いやらしい……」
少女は顔を真っ赤にして古城を
「……勘弁してくれ…。…ん?」
力なくぼやいた古城はふと道路上に落ちていた何かに気づいた。
財布にはお金の他にクレジットカードが1枚と学生証が入っていた
「えっと…3年C組…
これが第四真祖である暁古城と剣巫である姫柊雪菜のであいであった
申し訳有りませんが不定期更新となります。2週間に1度のペースでいきます