転生者の名は暁古城   作:ちばーな

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おまたせしました!
いよいよ本格的な戦闘が入ります!
が、文がぐだぐたで読みにくい…と思うかもしれません
どうかご了承くださいm(__)m

それでは第4話をお楽しみください


第4話 日常の崩壊

ずっと走り続けた結果人工島(ギガフロート)の岸壁に辿り着いた

 

「先輩…さっきのは……」

 

雪菜はほとんど息を乱していないが頬がかすかに赤くなっていた。自分が古城の手を握り続けていた事に気付いたのだ

 

だが雪菜は古城が自分から離れないよう警戒して手を離さなかった

 

「ああ。眷獣だったな。しかもあの魔力の大きさだと…宿主(やどぬし)は相当な大物だろうな」

 

顔をしかめたまま古城が言った直後巨大な爆発がまた巻き起こった。

 

人工島(ギガフロート)の上空に大きな火球が出現し、遅れて突風が襲ってくる。その時一瞬だが爆発の中に焔を纏った妖鳥(ようちょう)の姿が見えなのを古城と雪菜は見逃さなかった

 

数日前に騒動を起こしたチンピラ吸血鬼の眷獣とは比較にならない。島を震わすほどの破壊力から長老(ワイズマン)貴族(ノーブルス)まではいかずとも名のある''旧き世代''の眷獣だろう

 

それが実体化し、まだ続いているという事は戦闘はまだ続いているのだ。それだけで吸血鬼の相手が''旧き世代''と同等の戦闘力を持ってるということがわかる

 

「先輩、すみません。ここでお別れです。先輩は先に自宅に戻ってください」

 

「姫柊?」

 

「わたしは何が起こってるのか調べてきます。安全が確認出来次第戻りますので」

 

「だが…」

 

古城は姫柊がどこか遠くに行ってしまいそうな気がした

 

「大丈夫です。わたしにはこれがありますから」

 

そう言って彼女はギターケースから武器を抜いた

 

「真祖と戦うまめに与えられた装備、七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)と言われるものです。あの程度の眷獣、雪霞狼(せっかろう)の敵ではありません」

 

「姫柊…」

 

「では…」

 

そう言って雪菜は人工島の断崖から飛び降りた。飛び降りた先にはモノレールがあり、その上に着地して戦闘が行われている絃神島東地区(アイランド・イースト)へと向かっていった

 

「姫柊…!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

戦闘が行われている倉庫街ではあちこちで大規模な火災が起きていた。

 

雪菜は眷獣が暴れている現場へと向かっていた

すると暗闇から虹色に輝く半透明の巨大な腕が妖鳥(ようちょう)と空中で接触した

 

 

次の瞬間妖鳥の翼が根本からちぎれた。そして体勢を崩した妖鳥の巨体を捕まえた

 

すると妖鳥の形が段々と小さくなり最後は消えた

 

「魔力を……喰ってる!?」

 

倒した眷獣の魔力を喰らう

そんな眷獣の存在は聞いたことがなかった

 

すると前から誰かが倒れる音がした

 

「なっ!?」

 

雪菜が見たのは、重傷を負って倒れた吸血鬼の姿だった。おそらくこの吸血鬼が先程の妖鳥の宿主だろう

 

するの奥の方から声が聞こえてきた

 

「ふむ。目撃者ですか。想定外でしたね」

 

聞こえてきた男の声に気付き雪菜はハッと顔を上げた

 

そこに立っていたのは右手に半月斧(バルディッシュ)と装甲強化服の上に法衣(ほうい)をまとった男がいた

 

「戦闘を止めてください。行動不能の魔族に対する虐殺行為は、攻魔特別措置法違反です」

 

雪菜は出来るだけ穏便に済ませるため警告するが

 

「魔族におもねる背教者たちが定めた法にこの私が従う道理はありません」

 

男は無造作に言い捨て、巨大な戦斧(せんぶ)を振り上げた

 

「くっ、雪霞狼(せっかろう)ー!」

 

雪菜は負傷した吸血鬼目がけて振り下ろされた戦斧を、ぎりぎり雪霞狼(せっかろう)で受け止め、弾き飛ばした

 

「ほう……!」

 

戦斧を弾き飛ばされた男は後方に飛び退き、驚愕と歓喜の混ざった表情を浮かべた

 

「なんと、その槍、七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)ですか!?''神格振動波駆動術式(D O E)''を刻印した、獅子王機関の秘奥(ひおう)兵器!よもやこのような場で目にする機会があろうとは!……いいでしょう、獅子王機関の剣巫(けんなぎ)ならば相手に不足なし。ロタリンギア殲教師(せんきょうし)、ルードルフ・オイスタッハが手合わせを願います!そこの魔族の命、見事救ってみせなさい‼︎」

 

「ロタリンギアの殲教師(せんきょうし)!?何故西欧教会の祓魔師(ふつまし)が吸血鬼狩りをするんですか!?」

 

「我に答える義理はなし!」

 

そう答え殲教師の男は大地を蹴って加速し、戦斧を振るう。強化鎧によって威力の上がった斬撃は当たれば人の身など軽く引き裂くだろう

 

 

だが雪菜はそれを完全に見切り、身体をずらす事で紙一重ですり抜けた

 

そして反撃。攻撃を終えた直後の右腕を狙って槍で突く

オイスタッハはその攻撃を回避不能と見ると鎧に覆われた左腕を出すことで槍を受け止めた

 

魔力を帯びた武器と鎧が激突する

 

魔力を帯びた物同士でぶつかり合ったらどうなるか?それは単純(シンプル)に魔力の大きさで決まる

 

雪霞狼(せっかろう)と左腕の装甲は数秒拮抗を保つが砕けたのはオイスタッハの左腕の装甲であった

 

砕けた瞬間オイスタッハに隙がでたので雪菜は一撃離脱するべきだと判断し離れて距離を稼いだ

 

「なんと…我が聖別装甲(せいべつそうこう)の防護結界を一撃で打ち破りますか!流石は七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)…実に味深い術式です。素晴らしい!」

 

そう言うオイスタッハの表情はもはや狂気に満ちていた

 

彼はここで倒さなければならない、オイスタッハの狂気に満ちた顔を見て雪菜は決断した

 

 

 

「ー獅子(しし)神子(みこ)たる高神(たかがみ)剣巫(けんなぎ)が願い(たてまつ)る。破魔(はま)曙光(しょこう)雪霞(せっか)神狼(しんろう)(はがね)神威(しんい)をもちて我に悪神百鬼(あくじんひゃっき)を打たせ給え‼︎」

 

 

雪菜が(おごそ)かに祝詞(のりと)を唱えた

 

すると雪菜の体内で練り上げられた呪力を七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)が増幅。槍から放たれた強大な呪力の波動に、オイスタッハは表情を歪めた

 

その直後、雪菜はオイスタッハに攻撃を仕掛けた

 

「ぬぉ……!」

 

雪菜の嵐のような猛攻にオイスタッハは防戦一方になる。獣人の攻撃すら軽く止めることの出来る強化鎧を纏ってるにもかかわらずだ

 

この事実に殲教師は驚愕した

 

雪菜は人間であるため、速さは獣人や吸血鬼には及ばない。肉体のスペックが単純に違いすぎるのだ

 

だが雪菜は自身の持っている異能能力、霊視(れいし)によって一瞬先の未来を視ることで、初動を速くすることが出来る、それによって結果的に誰よりも速く動いているのだ。

 

この霊視に高度な槍術を組み合わせることで強化鎧によって強化されたオイスタッハに渡り合えるのだ

 

「ふむ、なんというパワー…それにこの速度!これが獅子王機関の剣巫ですか!…いいでしょう、獅子王機関の秘呪、確かに見せてもらいました…やりなさい、アスタルテ!」

 

強化鎧の筋力を全開にして背後に跳躍した。彼の代わりに雪菜の前に飛び込んで来たのはアスタルテと呼ばれた人工生命体(ホムンクルス)だった

 

命令受諾(アクセプト)執行せよ(エクスキュート)、''薔薇の指先(ロドダクテュロス)''」

 

少女のコートを突き破って現れたのは巨大な腕。巨大な腕が雪菜に向かって襲い掛かり、雪菜は雪霞狼(せっかろう)で迎撃

 

巨大な魔力と呪力の衝突によって大気が震えた

 

「ぐっ!」

 

「ああ……っ!」

 

激突に打ち勝ったのは雪菜だった。''薔薇の指先(ロドダクテュロス)''と呼ばれた眷獣を銀の槍がじわじわと貫いてく。眷獣のダメージが逆流しているのか、アスタルテと呼ばれた少女が弱々しく苦悶(くもん)の息を吐く。そして…

 

「あああああああーーっ!」

 

少女が絶叫し、彼女の背中からもう一本の腕が現れる

 

眷獣が2体、というわけではなく左右一対で1つの眷獣なのだろう。そして出てきた左腕が頭上から雪菜目掛けて襲いかかった

 

「しまっーー」

 

雪菜の雪霞狼は眷獣の右腕に刺さったまま…抜けば押しつぶされるだろう。故に左腕を避けることはできない

 

雪菜は優れた剣巫であるがゆえに、確実な死を一瞬で理解してしまった

 

だが死を覚悟するほどの時間などない

 

 

雪菜は最後に一瞬だけ、ある少年の顔が脳裏によぎった。短い間だが監視役である自分を受け入れ一緒に居てくれた人物を

 

「(私が死んだら、先輩に会えなくなる……嫌だ……)」

 

死にたくない、と雪菜は思った。

 

だが死は(せま)ってくる。もうダメかと雪菜は諦めかけたその時

 

 

 

 

「ーー姫柊(ひめらぎ)ィーーーーーーー‼︎」

 

 

会えないと思ったばかりの少年、暁古城の声が聞こえてきた

 

「うおおおおォーー‼︎」

 

古城は握りしめた拳に魔力を込め巨大な腕の形をした眷獣を殴りつけた

 

すると虹色に輝く眷獣の左腕が物凄い勢いで吹き飛んだ

すると眷獣の宿主である少女もその衝撃に引きずられて転倒し、雪菜と戦っていた右腕が消滅した

 

雪菜はそのでたらめな光景を呆然と眺めていた

 

「先……輩?」

 

そしてようやく我に返ったのか

 

「先輩!?なにをやってるんですか!こんなところで!?」

 

「はぁ〜、疲れた」

 

この場違いな古城の台詞(せりふ)にこの場にいる全員が唖然とした

 

「で…あいつら一体何なんだ?」

 

「あ、えっと…あの男はロタリンギアの殲教師(せんきょうし)だそうですが…じゃなくて!なんで先輩がここにいるんですか!?」

 

「あー、その話は後な。で、ヨーロッパからわざわざ来てまで暴れてなにが目的なんだ?」

 

「先程の魔力…貴族(ノーブルス)と同等かそれ以上……もしや第四真祖(だいよんしんそ)の噂は真実ですか?」

 

そう言った殲教師に古城は

 

「…スルーかよ、まあいいけど。で…取り敢えず今すぐこの島からでてってくんねぇかな」

 

「それはできません。我が目的を果たすためには!」

 

「そうか…なら俺の気が変わる前にとっととこの場から消えてくれ。迷惑だ」

 

「ー!先輩!?」

 

姫柊の言葉を今は無視して古城は真っ直ぐ殲教師を見る

 

殲教師は少し考える素振りを見せ、ここは退くべき、と判断した時、殲教師を庇うように前に出た少女は

 

再起動(リスタート)完了(レディ)命令を続行せよ(リエクスキュート)、''薔薇の指先(ロドダクテュロス)''」

 

「ーー!」

 

「待ちなさい、アスタルテ!今はまだ(、、、、)、真祖と戦う時期ではありません!」

 

古城はアスタルテを見た瞬間警戒して身構え、殲教師は止める為に叫んだ

 

すると少女が困惑したように瞳を揺らした。しかしすでに命令を受けた眷獣は止まらず古城を狙って襲いかかった

 

「先輩、下がってください!」

 

槍を構えた雪菜が古城の前に立とうと動こうとするが、古城は雪菜を後ろに引っ張りそのまま前へ出た

 

「ーー!?先輩‼︎」

 

古城の予期せぬ行動に雪菜は古城に向かって叫んだ。このままでは古城があの眷獣の攻撃を受けてしまう、と雪菜は思ったからだ

 

「………」

 

だがこんな時に、いや…こんな時だからこそ古城は冷静だった。冷静にこっちに時間差で向かってくる両腕を見ていた

 

そして右腕が古城に当たる寸前、古城は眷獣の腕に右手を添えてそのまま横に流し、流した時の力の流れを利用して左腕を裏拳で殴って迎撃した

 

この流れるような動きに誰もが目を奪われた

 

「人の話を聞けよな…ったく」

 

この光景を見たオイスタッハは撤退した方が良い、このままだとやられるかもしれない、と感じた

 

「アスタルテ…行きますよ」

 

そう言い殲教師と人工生命体(ホムンクルス)は闇夜に消えていった

 

 

 

 

「……行ったか…」

 

そう言う古城を雪菜はあり得ないものを見たような顔で見ていた

 

「先輩…?今の、何をしたんですか?」

 

今のとはおそらく古城が眷獣の攻撃をどうにかした事のことだろう

 

「ああ、最初に来た右腕を右手で横に逸らしてそのまま裏拳を左腕にぶつけただけだ」

 

さらっととんでもないことを言う古城に雪菜はただ呆然とするしかなかった

 

「取り敢えず帰ろうぜ。凪沙にアイス買わなきゃ行けないんだ」

 

「え、あ…はい」

 

そう言って2人は帰宅することになった

 




最後締まらない感じですみません
第5話は土曜日を予定としています

それではまた次回
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