ソードアートオンライン~黒の剣士と白髪の管理者~ 作:神崎優
デスゲームと化したこのゲームの開始一ヶ月でもう二千人も死んでしまった。
「…」
まだ第一層すらクリアされていなかった。
「キ~リト!顔が怖いよ」
「え!?す、すまん」
「もうすぐ会議が始まるから急ご」
「…あぁ」
これから第一層の迷宮区の攻略会議が行われようとしていた。
「着いた!」
「まだ始まってなかったみたいだな」
会議に参加しそうな人達は少なかった、なぜなら皆死ぬのを怖がっていたからだ。
「始まるよキリト!」
「落ち着けよユウキ」
そしてとうとう会議が始まった。
「皆今日はよく集まってくれた!俺はディアベル!職業は気持ち的にナイトやってます!」
ディアベルがそう言ったら皆が笑っていた。
「ははは…ん?」
キリトが見ていた先には、
「…」
立ちながらこの会議に参加しているであろう男性プレイヤーと、
「…」
座りながらこの会議に参加しているであろう女性プレイヤーが左右にいた。
(溢れたのかな?)
「キリト?どこ見てるの?」
「…いや、何でもない」
ひとまずほっておくことにした。
「じゃあ皆早速会議を始める!まずは、」
「ちょっと待ちい」
いきなり男性プレイヤーが話に割ってきた。
「わいはキバオウっちゅうもんや」
なぜか関西弁だった。
「会議を始める前に言っておきたいことがあんねや」
そのあとキバオウはこう言った。
「こん中に今まで死んでいった二千人に謝らなきゃいけない奴が居るはずや!」
「!」
「…キバオウさん、あなたが言う人達というのは元βテスターのことかな?」
「決まっとるやないか!」
キリトは自分に言い聞かせていた。
(俺は…俺は!)
「βテスターの奴らはこんなゲームが始まった直後にルーキーを置いて自分達だけが得するようにしたんや」
その後のキバオウの顔は怒りがあふれていた。
「こん中にもおるはずやで!元βテスターの輩が!」
キリトはどんどん追い込まれていた。
「そいつらに今まで集めた金とアイテムを差し出してもらわなパーティーメンバーとして命は預けへんし、預かれん!」
キリトが自白しようとした瞬間、
「いくらなんでも言い過ぎだお前」
キリトが向いた先には、あの立ったまま会議に参加してたあの男性プレイヤーだった。
「なんやと!」
「てめぇな、元βテスターが苦戦するほどこのゲームは甘くないんだぞ、わかってんのか?」
「そ、それぐらいわかっとるわ!」
「だったらここで元βテスターの奴らを弱体化させてその後何のメリットが残るんだよ」
「な!わい等が強くなれるだろこのまぬけ!」
「じゃあ一言、元βテスターの装備を手に入れてボスに勝てると思ってんのか?」
「そ、それは」
「勝てるはずねぇよな、元βテスター達も苦戦してるんだからな」
「そ、それがどないしたんや!」
「まだわかんないのか、結局のところ自分達で強くなるしかねぇんだよ!」
「くっ!元βテスターの装備が手に入ればわい等は強くなれんやで!」
「装備したところで戦闘力の基本であり核であるレベルが低かったらただの宝の持ち腐れだ」
「な、なんやて!」
「装備なんかで勝てると思ってるから弱いんだよ」
「な、なにをー!」
キバオウは怒る寸前だった。
「悪いがお二人さんちょっといいか?」
「あん!?」
「何?」
「俺の名前はエギル、キバオウさんあんたこのガイドブック貰っただろ」
エギルが見せたのは手帳サイズのガイドブックだった。
「も、もろうたで、それがなんや!」
「これを配っていたのは元βテスター達だ」
「な!?」
「俺はこの情報を使って攻略していくのかと期待してたんだが」
「くっ!ふん!」
キバオウは悔しそうな顔をして席に着いた。
「ありがとうさんエギルさん」
「別にうるさいかったから止めたまでだ」
「そっか」
エギルは自分の席に座り、謎のプレイヤーはキリト達の方に歩いて来た。
「お兄さん凄いね」
「?自分の思ったことを言ったまでだけど?」
「お兄さんもここに座りなよ!ついでにあっちにいるお姉さんも!」
「え?私?」
ユウキは気づいてらしく、奥にいる女性プレイヤーもこっちに呼んだ。
「すっかりパーティーメンバーにされたよ」
「私も」
「えぇ~!いいじゃん!」
「…はぁ」
そして会議が行われ皆が終わったのと同時に解散ということになった。
キバオウさんケンカ(口喧嘩)でフルボッコ