私は今、様々な事が原因で会いたくない極悪神父の所に正義の……もとい世紀のバカと向かっている。なんでこんなことになるのよ…………。挙げ句、その世紀のバカの衛宮君といえば…………。
「――――ねぇ、アーチャー?」
「なんだね。凛?」
「何で衛宮君は通路を曲がる時、壁に張り付いて行く先を覗いてから曲がるのかしら?」
「さぁな(確か、警察に職務質問されてケンカになったことが原因だった気が……)」
「それと曲がった瞬間、道を真っ直ぐ指差してジャスティスって小さく呟くのはなぜかしら…………しかも懐のモデルガンを掴みながら…………」
「俺にはわからん……(ただの警戒だろうよ……昼間はやらんだけましだと思ってほしい)」
なんでこんなやつに私は優しくしてるのか?…………そして私の妹は桜は何でこれに惚れてるのか…………。
なんなのかしら? 間桐の家に引き取られたせいで男の趣味が悪くなったとか? あーでも……口だしたら条約違反だし……なんでお父様は間桐に桜を送ったのやら…………遠坂のままなら口だしまくるのに。
――――これでも桜の思い人のハズだし最低限の責任くらい果たさないと
「――――ジャスティス…………――――ジャスティス」
――――家に帰りたい。あと桜は男の趣味が悪い。妹の将来が心配だ。こんな奴が妹ではないとはいえ妹に手をだすなんて考えたくない。
こんな変人に桜は渡せない――あーでも桜が望むなら…………何とか真人間にならないかしら? 正義感は人並みにあるんだから……あー無理か…………。
「ホーリーナイト・グローリー――――周囲の警戒を怠るな…………ここらで敵の襲撃の一つや二つあっても不思議じゃない。移動中、人は最も無防備になる」
「セイバーです。シロウ。だがその通りだ。行軍中が最も敵の襲撃に脆くなるときだ。私も警戒を怠らないようにしましょう」
セイバー――――最優のサーヴァント……人格も良さげで真面目……そしてヘッポコバカの魔術師だとも思えなかった魔術師のサーヴァントなのに……ランサーを容易く撃退したであろう技量……それほどのサーヴァントの筈なのに……。
「セイバーって天然なのかしら? いやもしかして……これがホントのバカ真面目?」
「――――知らぬ」
なぜアーチャーは苦しそうな顔をしてるのかしら?
「アーチャーどうかしたの? 何かあった?」
「いやね。なんでもないよ……しいて言うなら妙な状況になったなって思ったくらいだよ(セイバーよ。君は残念な奴だな。流されやすいとゆうか…………なんというか)」
そんなの私が一番、思ってるわよ。誰のせいよ? ランサーのせいか? ランサーが彼を殺したせいだわ。
絶対に許さない。よくもやってくれたわね。
次あったらガント滅多打ちよ。冬木のミサイルランチャーを名乗れるくらい撃ち込んでやるわ…………!
そのあと宝石魔術をありたっけぶつけて――――そのあと拳で殴ったあとガント撃ちして……そのあと、やっぱりガント滅多打ちよ。
(凛が嗜虐的な笑みを浮かべながら…………あらぬ所を見ている!!!)
「ふふっ…………」
「アーチャー……なぜ貴方のマスターは一人で笑っているのだ?」
「ワ、ワカラナイヨ。セイバー」
…………おっと。
「何も無いわよ。セイバー貴女は周りの警戒を続けて…………ウフフ」
顔に出てたか……気を付けよ。
「了解しました――――凛」
「――――ジャスティス。――――ジャスティス…………クリムゾンジャスティスデビルよ」
「――――…………あ? へ? あー何よ!」
(凛がキレるのも時間の問題だな)
「この坂の上の教会でいいのか?」
「そうよ」
言峰教会――――あの極悪神父の根城……できれば行きたくなかったけど……彼に聖杯戦争の説明なんて面倒くさくてやってられないし……アイツに押し付けなきゃ。
「ならいくか……クリムゾンジャスティスデビルよ!」
「ルシファーだのデビルだの……私を何としても悪魔に仕立てあげようとするわね! 私は遠坂凛よ! 後、ジャスティスとデビルって矛盾してるじゃない!」
「わかったよ。遠坂――この名を呼べばいいんだな」
始めて名前で呼ばれた気がする。ちょっと感動した。
(わかってないな。コイツ確か、この時アイツは闇を裏切り名を忍び戦っているだとかどうとか考えてた筈だ。間違いない)
「もーいいわ。早く行くわよ」
コイツにツッコミしてたら夜が明けるわ…………。
始めて言峰綺礼って男に早く会いたくなった…………。
早く坂を登らないと…………。