白銀の鷹が青白い光を伴いながら七羽も突っ込んでくる。
その一つ一つがこの俺――――ジャスティスファンタズムを持ってしても必殺の一撃に他ならない。
そんな技をこれほど多用する目の前の少女の過去にいったい何があったのだろうか?
きっと悪人に騙され闇に堕ちたに違いない。きっと彼女の心は実は悲しみに揺れているに違いない!
だが、この俺――――ジャスティスファンタズムにかかれば即刻、目を覚ますだろう。
ならば! する事は一つ!
「ちょっ!!! 衛宮くん!? 何でいちいち突っ込んでるの!?」
俺の愛の抱擁しかない!!
遠い過去――――俺に正義を教えた男と話した。
『いいかい? 士郎。悲しんでる女の子には優しくするんだよ――――』
『優しくするってどうすればいいんだよ?』
『え゛え゛? あ、そうだね。うーん。慰めたり撫でたり抱き締めるとか?』
『へー! なら正義の味方だからちゃんとしないとな! 俺、悲しんでる女の子には優しくするよ!』
『僕が言うと色々と複雑だけどね。その通りだ。正義の味方とかは関係なく女の子には優しくするんだよ』
そんな会話をしたんだから!
きっと大丈夫だ!
待っていてくれ!!
「ふふっ――――甘いわね。お兄ちゃん、背中ががら空きだよ?」
背後から鷹の羽ばたく音が聴こえる。
だが俺は無視して走る。恐れる事など何もない。俺は正義の味方だ。例え何が起きようとも逃げたりはしない。
そして悪人に身を落とした無垢な少女から逃げるなどジャスティスファンタズムの心が許さない。
「ガント!」
「っ!」
背後の鷹が遠坂の呪いの一撃で散らされた。どうやら俺の姿のせいで鷹の操作を誤ったようだ。
ナイスサポートだ! 相棒! 遠坂よ! 君は今日から俺の相棒であり親友の一人だ!
「うおおぉ!!! 少女よぉおおおお!!! 怖くないよ! こっちおいデェエエエエ!!!!」
俺は
――――命の抱擁に大地の恵み。風の柔らかさに海の恵み。太陽の息吹に星の瞬き。夜の優しさに朝の美しい光を形に込めて俺は技に昇華する。
ジャスティスファンタズムの第三秘奥義――――――『|慈しみ抱き締める聖域の箱庭それは愛の抱擁なり《ラブ・ユトーピア・サンクチュアリ》』!!!!!!!!!!
「きゃあ!!!! た、た助けて!! バーサーカー!!!」
「ここには俺達と君だけだ! 悲しまなくていい!!!」
俺は全力で彼女を愛し続ける。彼女は身体を動かし俺から離れようとする。
人が信用できないのだろう。俺は何度も
「大丈夫だよ。怖がらなくていいんだよ。俺が抱き締めるから……君は俺が守る」
言葉を耳元で囁く事は忘れない。これが人を安心させるコツだ。
「衛宮くん! このまま捕まえていなさい! 魔術で動きを止めるわ!」
「愛! 愛! 愛!!! 俺の愛!!! 愛の抱擁!!! 愛を受け取れ!! 俺の愛をおおおぉオオオオオオ!!!!」
「あァァァァあァァァァ」ヽ(´Д`;)ノ←イリヤ
「え、衛宮くん? 錯乱してるの?」
「助けてバーサーカーァァァァ!!!!!!」
少女は謎の悲鳴を上げたのを聞いた俺は何かに怯える少女を強く強く抱き締め続けていた。