「『紅き双角の悪魔(ディアブロ・ルシファー)』め……俺の秘密を探りに来たか?」
「女狐はもういい。思い出すと気分が悪くなる! で? 衛宮? ストーブは直ったか?」
ミスターアンノウン事――柳洞一成いや我が友、一成はディアブロ・ルシファーを逃してしまった俺に当然の事を聞く。
ディアブロ・ルシファーは今はおいておこう。俺に与えられた戦いの結果を伝えなくては……!
「あぁ。少し調子を崩しただけだ。人間で言うならば老人だからな。だがこの俺、ジャスティスファンタズムの手にかかればあのストーブも絶好調だ。もう直した」
「流石、衛宮だ。もう直したのか? ありがとう。すまんな。いつも」
「なーに。ミスターアンノウンと俺の仲じゃないか気にするな」
「それでは俺の気がすまないぞ。衛宮よ。あと俺は柳洞一成だ。ミスターアンノウンじゃない」
「そうだよな」
「ああ、そうだ衛宮」
忘れていた。この男もまた世に名を忍んでいた。チェリー・ブロッサムと同じだったか。うかつだったか――。
「そうだよな。お前もまた背負うものだものな。すまない。気付いてやれなくて……一成これからは気を付ける……」
「――平常運転か……いや、まぁいいさ、名前で呼んでくれるのならな。衛宮よ。俺はお前が何者でも友達だからな。一緒に治していこう。病気を――――喝!」
一成もか? なんでみんな俺を病気扱いするのか? 俺はごく普通の高校生を演じているのに――――。
「俺は健常者だ」
「――――え?」
「え? 何?」
「自覚――やっぱりないんだな……衛宮よ」
何の話をしてるんだ? コイツは?
「え、え、まぁ良いだろう衛宮。教室に行こう。チャイムがなってしまうぞ? 校内に居て遅刻など笑えないからな」
「ん? あぁ。俺はジャスティスファンタズム。ヒーローたるもの時間は厳守だ。ジャスティスファンタズムもまた変身時間が決まっているしな」
ジャスティスファンタズムは一日、五時間しか変身できない。
それを破ると体の構成物質のジャスティコロイドが乱れ体に変調をきたし魔術回路が使用不能になるのだ。
悪を倒すためにしっかりと時間を確かめないといざというとき戦えないからな!
世界の平和を守るジャスティスファンタズムは厳しい戦いをいつだって強いられているのだ。
「ヒーローは知らんが時間を厳守する姿勢は素晴らしいぞ。これで頭がマトモなら完璧なんだが」
「忘れるな一成。この世に完璧な正義なんてない!!」
「お前俺の事『完璧なる生徒会長(ミスターアンノウン)』って呼んでなかったか?」
「お前の話じゃない! 俺の心構えの話だ!」
「そうか……まぁ行こう。すまなんだ。心に刻んでおこう――喝!!」
「あーそうだ。わかれば良い!」
こうして俺達は自らの教室と言うもうひとつの戦場に向かったのだった――――。
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