新米提督苦労譚~艦娘たちに嫌われながらも元気に提督してます~   作:ぬえぬえ

26 / 97
提督代理の『矛盾』

「やっぱりしれぇのカレーが1番です!!」

 

「そいつはどうも」

 

 スプーンを握りながらにこやかな笑顔を向けてくる雪風。真っ正面から称賛の言葉を聞かされるのはむず痒いものなんだが……そんなカレーまみれの顔を向けられてもねぇ。

 

「ほれ」

 

 溜め息を付きながら紙ナプキンを雪風に投げ渡す。紙ナプキンを受け取った雪風は不思議そうな目を向けてきたので、俺は無言のまま自分の口許を差した。

 

 ジェスチャーから惨状に気づき、彼女は急いで口許を拭うも広範囲だったためにナプキンはすぐさま黄色に染まってしまう。その様子にすぐさま追加の紙ナプキンを手に取った。

 

「ここに……いらしたんですねぇ……」

 

 一生懸命拭う雪風に残りのナプキンを押し付けた時に後ろから声を掛けられた。振り返ると、膝に手を置いて肩で息をする和服姿の艦娘が一人。

 

 

「榛名か、どうした?」

 

「……お久しぶりです」

 

 俺の言葉に榛名は大きく数回深呼吸をして乱れた息を整えながら笑顔を向けてきた。しかし、その額に汗が浮かんでおり、まだ肩で息をしている。緊急の用か?

 

「先ほど、吹雪ちゃんが提督を探していましたよ」

 

「吹雪が?」

 

 吹雪って、あの演習の時に土下座して懇願してきた艦娘だよな。

 

 初対面の上にいきなり土下座をされたからよく覚えているが、まともに言葉を交わせずにそのまま別れてそれ以降顔を合わせたことは無い。まともに会話したとは言い難く、ハッキリ言ってしまえばそこまで接点は無いのだ。そんな接点のない俺を走り回って探しているってのは、一体何事か?

 

 

「何でも、急ぎの用でお話したいことがあるらしいですよ。提督がお帰りになったと聞いて真っ先に執務室に向かったらしいですが、ちょうどいらっしゃらなかったようで……その後、ずっと鎮守府内を探し回っていたみたいです。先ほど会った時に提督の自室に行くよう勧めたので、恐らく今はそこに居ると思います」

 

 俺が帰ってきてからずっと探し回っていたとは……吹雪には悪いことをしちまったなぁ。しっかし、鎮守府内を探し回るほどの火急の用ってなんだ? まぁ、ともかく今は彼女と話をすることが先決だな。

 

「雪風ちゃんにも言伝を預かっていますよ。工廠の妖精から『艤装ノ整備デ相談アリ。至急、工廠二参ラレタシ』、です」

 

「艤装の整備ですかぁ? 雪風はいつも通りでいいんですがねぇ……?」

 

 榛名が受け取った工廠の妖精からの言伝に雪風は若干面倒くさそうな顔になる。いや、面倒くさがっちゃいけないだろ。そんな理由で整備を怠って、いざ戦場で不調起こして大破、なんて目も当てられない。装備の手入れは自身の身を守ることだ、絶対に手を抜くもんじゃねえだろう。

 

「艤装はお前の身を守るもんだろ? 馬鹿なこと言ってないでさっさと行ってこい」

 

「……しれぇに言われちゃ行くしかないですねぇ……では、行ってきまーす」

 

 雪風の手から汚れたナプキンを受け取り工厰に行くよう促す。それに雪風はばつの悪そうな顔を浮かべるも、そう言いながら敬礼をして食堂を出ていった。

 

 ……ちゃんと工厰行くかねぇ? 後でちゃんと行ったか確かめておこう。

 

「では、早く行きましょうか」

 

「そうだな……ん? 榛名もついてくるのか?」

 

 いつの間にか腕を掴んでグイクイ引っ張ってくる榛名の言葉に、俺は流されそうになりながら問いかけた。初めて会った時はまだ鎮守府内を把握してなかったし、初めて来た駆逐艦の宿舎だったからお願いしたが、流石にもう食堂から自室までなら一人で行けるぞ。ここで榛名がついてくる理由が分からん。

 

「実は、私も提督にお話があって探していたんです。そしたら吹雪ちゃんも探していたので出直そうかと思ったのですが、このまま提督のお部屋で二人まとめてお話すればそこまでお時間も取られないかと思いまして……駄目でしょうか?」

 

 何故か上目遣いで首をかしげてくる榛名から俺は思わず視線を外す。そんな間近で見つめられると気恥ずかしくなるから仕方がないだろう。

 

 しかも榛名は顔が整っている分その振る舞いも絵になるわけで、ついこの間まで男ばかりの軍学校に居た手前そう言うのには慣れていないんだよ。

 

 って、そんなことはどうでもいい。榛名も用があるのなら後でまた時間を見つけて話すよりもこのまま部屋に行って二人の話を聞いた方が良いな。

 

「では、早速行きましょう!!」

 

 俺が納得するのを見届けた榛名は顔を綻ばせて元気な声を上げる。やけにテンションが高いな、なんて感想を抱きながら俺は彼女に引っ張られながら食堂を後にした。

 

 

 自室に向かう途中、榛名は俺が大本営に出頭している間の鎮守府の出来事を話してくれた。

 

 襲撃による資材確保で奔走したこと、傷付いて動けない艦娘の世話をしたこと、『補給』される資材が切り詰められて満腹にならなかったこと、それによって空腹で眠れない駆逐艦を寝かしつけたこと、時には自分の『補給』分を分け与えたりしたことなどなど、聞いていて心が痛むものばかり。

 

 

 そんな胃がキリキリする話の中で特に驚いたのが、吹雪が金剛に噛み付いたことだ。

 

 

 俺の記憶が正しければ、あの時の吹雪は金剛を責めないようにと懇願してきた。そのためならどんな無茶なことでもすると豪語したあの吹雪が、自らの身を削ってまで守ろうとした金剛に噛み付いたのだ。これは驚かずにはいられないだろう。

 

 主に遠征と哨戒組の吹雪と別だった榛名はそこまで詳しいことは分からないのが、遠征組や哨戒組の艦娘の伝聞、そして先程本人に出会った際に聞いたらしいから信憑性は高い。

 

 そんな信じられないような話の発端は、金剛が組んだ遠征や出撃、哨戒のローテから始まる。

 

 当時、金剛が組んだローテーションは鎮守府に所属している全艦娘が1日2回ほど何らかの任務を行うように、任務の合間には十分な休息を取れるように出来るだけ時間を離すなどの配慮がされていた。更には、バケツなどの資材以外のモノを見つけてきた者には次の日のローテーションに口を挟めるなどの優遇処置をしたそうだ。その分『補給』は切り詰められていたが、報酬などで艦娘たちの中から不満の声を上げる者はいなかった。

 

 しかし、その中で吹雪は、無断でローテーション以上の出撃や遠征、哨戒を行っていたらしいのだ。しかし無断で任務をこなすのはまだ可愛い方で、時には無理言ってローテーションを変えてもらうことすらあったのだとか。そして、遠征に行ってバケツを持ち帰る度に金剛に出撃回数を増やすように進言していたらしい。

 

 更に、彼女は『補給』や休息すらも必要最低限をギリギリ超えるか超えないかのラインまで削っており、時には『補給』せずに任務にあたることもあったそうだ。只でさえ少ない『補給』を更に減らし、『補給』が少ない分重要になる休息を十分に取らず遠征や哨戒を行っていたのだ。そんな無茶をしても倒れなかったのは艦娘であるが故か。しかし、それを何日も続けるといくら艦娘と言えども倒れるのは必須だ。

 

 事実、吹雪はここ何日もの凄く疲れ切った顔だったようで、それを見た他の艦娘たちが休息をするよう促すも彼女はそれを聞き入れることはなかった。

 

 

 

 その時、口にした言葉が、「私は『兵器』だから」―――だとか。

 

 

 勿論、そんな疲れ切った吹雪の姿を黙っているわけもなくすぐさま金剛に報告。報告を受けた金剛によって、今日のローテーションから吹雪を外されることとなった。それに憤慨した吹雪は自ら金剛に直談判し、そこで口論になったらしい。

 

 まぁ、結局は金剛に言い含められて鎮守府待機を受け入れたようで。納得の行かない様子だった吹雪は俺が帰って来たことを知り、現在に至るのだとか。

 

 

「そんなことがねぇ……」

 

「まぁ、吹雪ちゃんが遠征の度に見つけてきてくれたバケツのお蔭で、傷付いた子達の入渠が予定より早く済んで本当に助かったんですけどね」

 

 吹雪の話を聞き終え俺はため息をつく。横の榛名も内容が内容だった手前、苦虫を噛み潰したような顔になっている。吹雪の言動には賛同出来ないが、そのお陰で入渠のスピードが上がったのだから一概に吹雪を責められない、ってことか。

 

 

 だけど、一つ気になるのが、吹雪と口論になった金剛の方だ。

 

 

 金剛は自らを含め、艦娘を『兵器』だと言い張っている。その根底にあるのは、入渠無しの連続出撃、『補給』と言う名の食事制限、難癖による暴行や伽、そして過度な進撃による轟沈などの初代が彼女や他の艦娘に行った蛮行だ。そんな扱いしか受けていないために、彼女はそれが当たり前だと思っているのかもしれない。むしろ、潜水艦の出撃を見るに、根底には初代の扱いが少なからず染み付いているのだろう。

 

 そして、吹雪は出撃ローテから外されたことに、自分の疲労なんか考えずに出撃させろと抗議した。それはつまり、自らを『兵器』として扱うよう金剛に言ったのだ。『兵器』の扱いが初代のモノと近い金剛からすれば、その発言は非常に都合がよかっただろう。何せ、疲労や損傷を考えずに出撃させてもいい、自らをこき使えと言っているのだから。

 

 

 しかし、金剛はそれを拒否した。『兵器』としての扱いを望まれたのに、だ。

 

 

 何故、彼女が拒否したのかは分からない。彼女の『兵器』の考え方が、吹雪の望んだことと違っていたのは十分あり得る。それにあれだけの扱いを受けてきたのだから、彼女の『兵器』の考え方は初代の扱いを真っ向から否定しているのかもしれない。しかし、なら何故初代が強制した『補給』を続けているのか、と言う疑問が出てくる。

 

 金剛が飲んでいた紅茶に関してもそうだ。他の艦娘は弾薬や鋼材などの資材の食事を強制しているのに、彼女だけは紅茶を飲んでいる。それはつまり、資材の食事を強制されて自らは夜な夜な街へ繰り出して豪遊の限りを尽くした初代と同じことをしていると言える。それならば初代のやり方を継承しているとしよう。しかし、今度は疲労や損傷を考慮したローテーション組み、そして伽の廃止などが上がってくるのだ。これをどう説明しよう。

 

 

 つまるところ、金剛の言動には一貫性がなく、矛盾が多いのだ。

 

 

 今の体制は、初代が敷いたものから必要ないモノを選んで廃止にしただけであろう。つまり、今も続けられている物は何らかの理由があるものと言える。その理由は運営する上で必要不可欠なモノ、『補給』に関しては大本営との交流が途絶えているために資材以外の食い扶持が無いためと考えられる。疲労や損傷を考慮したローテーションも貴重な資材をおさえるためと言えよう。運営的な面から見れば少なからず矛盾の説明がつこう。

 

 しかし、それでも説明できない矛盾もあるわけで、それについては金剛や他の艦娘たちの個人的な見解が根底にあるのだと思う。それがどれだけ重要なモノなのかは分からない。まぁ、傍から見ればどんなに理不尽な我が儘であっても、当人にとっては非常に重要なことであるのは違いない。

 

 こればっかりは、本人たちと話さなければならない。差し詰め、今回はその第一回目と言えるか。

 

 そんなことを考えていたら自室へと続く廊下に差し掛かる。ここからならもう部屋の扉を目視出来る距離だ。そうして自室の方に目を向けるも、そこに吹雪の姿は無かった。

 

「あれ、吹雪は?」

 

「おかしいですね……また探しに行ったのでしょうか?」

 

 部屋へと近づいていく中で榛名に問いかけるも、彼女も不思議そうに首をかしげるだけであった。まぁ、いないのなら仕方がないか。先に榛名の方を済ませてしまおう。

 

 そう結論付けた俺は部屋の鍵を開ける。因みにこのドアはあの時に蹴り破ったモノだが、次の日の内に元通りに直っていたっけ。雪風曰く、『うちの妖精さんは優秀なんです!!』とか。

 

「さ、入ってくれ」

 

「いえいえ、提督より先に入るなんて出来ませんよ!! ドアは榛名が閉めますから先に入ってください!!」

 

 ドアを開けて中に入るように促すも、何故か慌てたように榛名がそう言って逆に促してきた。いやいや、普通上官に入るよう促されたら従うもんだろよ。そう諭しても頑なに入ろうとしない榛名。

 

 いい加減に……って、なんか部屋の中が散らかってるな。いや、俺の部屋は執務室に家具を回したせいでベッドしかないんだけど、そのベッドが何かすごいことになってるんだよ。

 

 シーツはベッドの上で盛大にめくれ上がっており、枕はカバーを剥がされてベッドの下に転がっている。毛布に至っては、粗大ごみにでも出すかのように丸められてフローリングの上に転がっている始末。何これ新手の嫌がらせですか? 『お前のベッドねぇから!!』とでも言いたいの?

 

 

「……榛名、ベッドがすごいことになっているから掃除してもいいか?」

 

「え? ……あ、はい!! 榛名は大丈夫です!! おおおお、お手伝いします!!」

 

 俺の言葉に榛名は部屋の中を見ると何故か小さく息を呑み、そう言いながら慌てて部屋に走りこんだ。頑なに拒んでいたのにどうしたんだ? まぁいい、早くやっちまおう。

 

 

 

「忘れてたぁ……」

 

 ん? 何か今スゴイ不穏な言葉が聞こえてきたんだけど気のせい?

 

 

「榛名、『忘れてた』ってどういうことだ?」

 

「へ!? なななな何でもありませんよぉ!!」

 

 シーツを直しながら俺が問いかけると、何故か引くほど狼狽える榛名。視線は宙を右往左往しており、額からは大量の汗が滲んできている。明らかに何かを隠している……って言うか、もうこの時点でビンゴだろ。

 

 

「ここで何をしていた?」

 

「それは……その……」

 

 再び問いかけると言葉を濁しながら視線を逸らす榛名。否定しないってことは、この惨状を作り出したのは榛名とみていいだろう。一体何が理由だ?

 

「理由は何だ? 金剛にでもそそのかされたか? それともまた―――――」

 

 そこで、俺の言葉は途切れた。

 

 

 

 後ろから強烈な衝撃を受けたからだ。

 

 

 いきなりのことに対応できず頭からベッドに倒れこみ、ベッドの縁に額をぶつけた。脳に直接響く衝撃と激痛、そして背中から軽快な音が聞こえ、一瞬意識が飛びかけるのを何とか堪える。そして、片手で額を押さえながらもう片方の手を背中に伸ばす。

 

 背後からの衝撃、そして今なお背中にかかる重み。明らかに何者かがぶつかり、そのまま倒れこんできたのだ。そんなことが出来るのは現状、一人しか居ない。

 

 

 

 

「榛名……何のつもりだ?」

 

 首を限界まで背中の方に回しながら低い声を出す。その言葉を投げかけた当の本人は、俺の背中に身を預けながら顔を埋めるだけでうんともすんとも言わない。むしろ、何故か背中に顔を摺り寄せてくる。

 

「おい! はる――」

 

「ようやく二人っきりになれましたね……楓さん(・・・)

 

 俺の言葉は呟くような榛名の言葉に遮られた。いや、正確には彼女がいきなり下の名前で呼んできたのに驚いたのだ。

 

「榛名は……榛名はこの時をずっと待っていました……」

 

 そんな言葉と共にもたれ掛かっていた榛名の身体が背中から離れた。しかし、腰の辺りで馬乗りされているため、動くに動けない。

 

 次に聞こえたのはスルスルと布が擦れ合う音。それと共に背中に軽い布のようなものが触れる感触が。

 

 

 

 

 

 

 それらから連想されるもの――――『伽』。

 

 

 

 

「え!? ちょっ、ま!? まままま、また金剛にどやされるぞ!!」

 

「別に構いませんよ? お姉様も、きっと分かってもらえますから」

 

 『伽』と認識した俺は力任せに身体を動かして背中に乗る榛名から逃げようとする。しかし、腰に体重を乗せられている、且つ絶妙な体重移動でことごとく俺の動きを抑制する榛名によってその拘束から逃れられない。

 

 焦る俺の耳にそんな涼し気な榛名の声が、そして布がこすれる音が聞こえる。それを聞くたびに、下手に後ろを振り返れなくなって俺の可動範囲(主に首の)が制限されていく。そんな俺も思いも裏腹に、積み重なる布のような感触は重量を増していた。

 

 

 てか、このままいったらまた変な誤解を生むじゃねぇか!! これ以上、死亡フラグを立てるのは御免だぞ!!

 

 

「待って榛名!! 待ってくれ!! お、俺は『伽』なんか望んじゃいねぇんだよ!!」

 

「……何を言っているのですか? これは『伽』ではありませんよ?」

 

「押し倒されて服を肌蹴させ始めている時点で『伽』以外に何があるんだよぉ!!」

 

 榛名の疑問に叫ぶようにそう応えた。すると、後ろから息を呑むような声が聞こえ、同時に背中にのしかかっていた重みが消える。これぞ好機、ととらえた俺はガバっとベッドから飛び退いてドアへと走り出す。

 

 

 

 しかし、その瞬間、首根っこを掴まれて襟が勢いよく喉仏に食い込んだ。一種の呼吸困難に陥り、激しくせき込む。その余波で全身の力が抜けた俺の身体は真後ろに引っ張られ、背中から勢いよく柔らかいモノに突っ込む。

 

 それが毛布、先ほど紐で縛られていた毛布だと理解する前に、前方に黒い影が掛かる。それが何かと認識する前に、俺は本能的に顔を手で覆った。

 

 

「『伽』と勘違いするなんて、楓さんは酷い人ですね」

 

 次に聞こえたのは榛名の声。気のせいか、いつもより上擦っているような、そして荒い息遣いが微かに聞こえてくる。

 

 

「金剛型戦艦三番艦、榛名」

 

 その言葉に俺は背筋に寒気が走った。その言葉は、前に榛名に『伽』を迫られた時の言葉と同じだったからだ。思わず起き上がって彼女を止めようとした時、その顔が目に入った。

 

 

 

 目を半開きにさせて顔を上気させた彼女が、目の前に放り込まれた餌を見つめる獣のような表情をしている。色々と突っ込みたいところはあったのだが、そこに悲壮感はない。あの時とは比べ物にならないほど魅力的な表情の榛名がそこにいた。

 

 

 思わず見惚れていると、彼女はその表情のまま口をゆっくり動かした。

 

 

 

 

 

「提督との『初夜』、参ります」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。