オーバーロード 白き羽の天使 作:tetoto
動き出した歯車
西暦2138年現在、DMMO-RPGの中でも特に光り輝くタイトルがあった。それは日本のメーカーが満を持して発売したゲーム
「サービス終了前にナザリックで最後を過ごしませんか?」という"友人"でありギルド長でもあるモモンガからの連絡だった。 サービス終了ということに少なからずショックを受けたが終わってしまう前にもう一度ナザリックに行きたいと思った。アインズさんには「お誘いありがとうございます、ぜひ伺わせてもらいます!」と連絡を返し、仕事に励んだ。サービス終了日、本当は有休を使って1日ナザリックで過ごしたかったかが仕事が入り、最悪なことに残業までする羽目になっていた。サービス終了の2時間前にはなんとか帰宅して間に合ったがゲームの始まった場所がナザリックから少し距離があった場所だった。普通なら第九階層の
「まだみんな居ればいいけど」
神の悪戯か、はたまた必然なのか、もうこの時には時の歯車は歪んだ時を刻みだしていた…
ナザリックに着くと右手・左手と指を見ていき左手の人差し指に探していたものを見つける。
閑話休題
そんな便利な指輪を使って第九階層の
そこには黒っぽいスライムのヘロヘロさんと今回連絡をくれたモモンガさんがいたが話に熱中しているようでまだこちらには気付いていないようだ。
「いや〜、本当にまだ残っているとは思っていませんでしたよ」
「ギルド長として守っていただけですから…。それにこうやって今日来てくれただけで嬉しいですから」
「私からもありがとうございます!モモンガさん」
「あ、フレイさん!いえいえ、こちらこそ来てくれてありがとうございます半年ぶりくらいですかね?」
「そのぐらいですかね…」
フレイがいきなり話しかけたため、モモンガとヘロヘロは驚いたが昔から影が薄かったと二人して笑っている。
「フレイさんばんわーというかおひさーです。"御曹司"まで来るなんて、さすがモモンガさんですね」
「私も"御曹司"が本当に来てくれるなんて思ってませんでしたよ」
「もう23になったんですから御曹司なんてやめて下さいよ」
二人してふざけているのを懐かしく感じて嬉しくて笑った。いや、嬉しいはずなのだが今は"御曹司"というその言葉が胸につっかえた。ただのいつものふざけあい。だが今日は妙にその言葉が重く感じた。
なぜだろう…。さっきまでの仕事を思い出したから?今日でサービス終了だから?いろいろな言葉が思い出が浮かんでは消えていく。
『お前は私の言うことを聞いてこの会社を引き継いでいけばいいんだ、私の言うことだけを。わかったな?』
そんな父からの言葉が改めて胸を貫く…。
「せっかくフレイさんに会えたんですが。そろそろ…」
「ああ、もう時間ですね……」
そんな2人の声に、フレイは頭を切り替える。
「ヘロヘロさん明日も仕事なんですか?」
「そうなんですよ〜。うちはブラック企業なんで大変ですよ〜。モモンガさんすいません」
「いえいえ、来てくれただけで嬉しかったですから」
「また何かのゲームで会えるといいですよね。ではそろそろ眠気もやばいんで落ちますね」
「お疲れ様でした、また」
「…お疲れ様でした」
モモンガさんの何か言いたげな様子が気になったがなんとなく何を言おうとしたか分かったため口には出さない。ヘロヘロさんがアウトしてからその場は静寂に包まれ、少しの時が流れる。
「フレイさんは大丈夫ですか?」
静かだがはっきりした声が部屋に響き、モモンガの動かない骸骨の顔が寂しく歪んだように見えた。
「僕は大丈夫ですよ最後まで残るので。モモンガさんを1人にはしませんよ!」
思ったことを言っただけのつもりだがモモンガさんが笑ってくれたことにより今更ながら恥ずかしくなる。
「それは良かった。最後にギルド長1人とか寂しすぎるので」
どこか陰りのある言い方にフレイはおどける。
「でもその方が悪の王みたいですよ?」
そんなふざけたつもりのフレイだが"悪の王"が苦笑いなのを見てジョークがすぎたと反省する。
「最後だし王座の間で待ちましょうよ、"悪者らしく"」
「フレイさん、分かっててやってますよね?」
そんな指摘にフレイは知らん顔でモモンガを引っ張っていく。
「よし、行きましょう!」
引っ張られながらもちゃんと付いてくるためモモンガさんも嫌ではないらしい。というか嬉しそうに見える。
骸骨と天使という本来は仲の悪そうな異業種二人は連れだって第十階層、ナザリック地下大墳墓の心臓部である王座の間へと歩き出した。
お読み下さりありがとうございました。
サービス終了は次回になります。文字数少なくすみません…。
フレイの種族やその他諸々はそのうちに分かってきますので気長にお待ち下さい。
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