オーバーロード 白き羽の天使 作:tetoto
あと遅くなりました。すいません^^;
ミカの発言にフレイは驚きながらも改めて燃える家屋を見ると不思議と美しくも見えてきた。そんなふうに眺めていた時、家屋の近くで動くものをフレイは見つけた。大きさは多分自分たちと同じくらいで二足歩行で歩いている。隣を見るとミカとセバスも気付いたようで真剣な態度でこちらに視線を向けていた。
「二人とも取り敢えずは僕に任せてくれないかな?もし危険だと判断したらすぐに殲滅するし、その時は殺しても構わない。どうだろう?」
「畏まりました、フレイ様のご意思通りに」
セバスの返答がすぐだったことにフレイは驚くが、執事は主人に従うものだとか設定されているのだろう。…さっきは忠言されたが。
ふと、もう一人の返答がないことに目を向けるがミカは難しい顔をしていた。
「ミカ、何か気になることがあるのかい?」
少し躊躇ってからミカはおずおずと話し出した。
「失礼ながら、フレイ様の安全面が物足りないように感じます。フレイ様の強さは理解していますが…、その…」
「また居なくなられたら寂しい?」
なんとなくそんな気がしたから口にしたフレイだったがどうやら図星だったようだ。ミカは今にも涙がこぼれそうなほどに瞳を麗せていた。
「ミカの気持ちはすごい嬉しいよ。でも情報をひとつでも多く得たいんだ。ダメかな?」
「いなくならないと…、絶対にいなくならないと。…約束してくれますか?」
フレイは目の前の光景に心を奪われていた。ミカのか細い声を愛おしく感じた。ミカの今にも崩れてしまいそうな表情に絶対に守りたいと思わせられた。だから、フレイは決意した。
「もう、一人にはさせない。ミカのことを絶対に泣かせたりしない。約束する。だからミカは、僕のことを信じてくれるかい?」
「…はい。絶対に守って下さいね。約束ですからね?」
炎により赤く照らされる星空のもと2人は約束を交わした。
ミカとセバスの賛同を得たフレイはすぐに行動を開始した。まず配下の天使に村の周りを囲ませ、その上で新たに天使を召喚した。
ー上位天使作成 サキエルー
魔法ではなく特殊能力によっても召喚できるフレイは魔法以外も試すことを忘れていなかった。ミカは空を見上げる。しかし空から召喚されるのではなく、変化は目の前で起きた。いきなり目の前に水が集まり出したのだ。空気中や大地、木々から水が集められどんどん大きくなっていく。やがて大地と木々が枯れたところで中空に浮かぶ水の塊は止まった。水の中は透明であり、何かがあるようには全く見えなかった。ミカとセバスは何も起きないことに疑問を抱いたようで水の中を疑視している。フレイは2人に呼びかけた。
「そろそろ準備も出来たから行こうか」
その言葉に
「この水の塊はこのままなのでしょうか?」
真っ直ぐにこちらを見つめるミカにフレイは教師のように説明する。
「これはね、水の塊じゃないんだよ。ね、サキエル?」
その言葉を待ってたと言わんばかりに水の塊は開き、枯れ果てた大地や木々が嘘のように先程よりも青々と生い茂っていく。水の塊は周りに水を溢れさせながら開く。それはまるで丸くなっていた天使が羽根を広げるようであり、実際に中から天使が現れた。
現れた天使の羽根は全体的に水色がかっていて、後ろで結われた髪もセルリアンブルーのように蒼くなっている。見た目は女性らしい体型であり、目覚めたような雰囲気がなんとも色っぽい。
「はぁい。おはようございます、フレイ様」
サキエルと呼ばれた天使は艶やかな声でフレイに挨拶をして周りを見舞わしていた。そして燃えている家屋を見て嬉しそうにした。
「あちらの家屋の火を消せば宜しいのでしょうか?」
サキエルの要領の良さに感心しながらもフレイはすぐに命令を出す。
「そうだね、あの家屋の火を止められるかい?」
「はぁい、畏まりました」
サキエルは返事と共に指を炎に向けて振った。すると雲もないのに空から雨が降り、すぐに火を鎮火してしまった。鎮火し終えたサキエルは嬉しそうにフレイに言う。
「はぁい、終わりました」
そう言って近付いてきたサキエルは何かを待つようにフレイの前で止まる。そんなサキエルに対してフレイは感謝を込めて美しく柔らかい髪を撫でた。
「うん、ありがとうサキエル」
「フレイ様にそう言って貰えると嬉しいです〜」
サキエルは頬を朱く染めながら頭を撫でてもらうが撫でてもらう度に羽根が動くためほんとに嬉しいようだ。フレイもそれがわかったため、次回からも撫でようと心に決め今回の反省をしていた。
『天使の召喚にはやっぱり代償が必要なのかぁ。上位天使だったからって言うのもありそうだし、下位の天使の召喚もしてみないとなぁ。やることは多いなぁ…』
そんな考え事をしていたフレイの横でミカは静かに俯いていた。
簡単な挨拶を済ませたサキエルを仲間に加え、鎮火された家屋に向かうが相手は全く動く気配がない。
「もし生きている人がいたら出てきて欲しい」
一応呼びかけるがやはり動く気配はない。一応相手が敵か味方かも分からないため無理矢理従わせたくはないが出てこないことには話が進まない。
「うーん、仕方ないかな…。ミカ、少し下がってもらえるかな?」
「? かしこまりました」
ずっと隣を離れてくれなかったミカも何かしらの意を汲んでくれたようだ。
ミカとセバス達を後ろに侍らせたフレイは腰に掛けた細剣を抜刀した。フレイの主武装である エペ・ラピエル の刀身は透明度が高く透けて見えるほどであり、持ち手の部分に施された十字には薔薇が施されている。見た目は美術品のようだが
そんな
「一応言っとくけど完全に消えた訳じゃないからね。消えたって言うか吸収したって感じだから」
そうミカ達に説明しながらもフレイは驚いていた。切ることにより消す、もとい吸収する効果は以前と変わらないが範囲はここまで広くなかった。周りにあった家屋の大半が1階部分だけになってしまうとは思っていなかった、というか正直いってやり過ぎていた。そんなフレイの気もしれずミカ達は褒め称える。
「流石フレイ様、お見事で御座います」
「フレイ様、すごいです〜」
セバスとサキエルがフレイを褒める中でミカだけは細剣を見ていた。
「さっきまで透明だったのに少し白くなったような気がします…」
そんなミカの独り言にフレイは説明する。
「この剣は切ったものを吸収することが出来るんだけど、剣が白く濁り砕けちゃうんだ。まぁ吸い込んだのを出せば一応大丈夫なんだけど」
「…なるほど。だから白くなったんですね」
ミカは周りをよく見ているなぁと感心しながらフレイは再度呼びかけた。
「もし消えたくなければ出てきて下さい」
先程とは違い、脅すような内容だが口調は柔らかい。
そんな声に家屋からいくつかの人が出てきたが全員ではないようだ。
「どなたかお話を聞かせてくれる方はいますか?」
人達は顔を見合わせていたがそのうちに老人が返答する。
「私はこの村の村長をしているものです。あなたは救世主様なのでしょうか?」
想像していなかった返答に困惑しながらもフレイが答える。
「僕達はこの村が燃えているのを発見したため、鎮火しただけです。家屋については敵か味方か判断しかねたため申し訳ない」
「それについてはお気遣いなく。鎮火していただき感謝申し上げる」
老人は怯えながらもフレイ達と話す気があるようなのでフレイはすぐに細剣を腰に戻した。すると家屋は元通りになり、村人達は驚くばかりであった。
村長との話を終えたフレイは頭で整理をしていた。ここはユグドラシルでは無い違うどこかで、内容も少し変わっているというのが確定した事実だった。
先ず周りに存在する国々はユグドラシル時代にはなかったものであり、モモンガさんも知らない名前だったということ。
次に召喚や効果にちょっとした違いがあるということ。
そして何より、ユグドラシル時代に比べてリアルに近すぎるということが最大の謎だった。
書いたはいいけどなんか変な気がするのはなんでだ。
いや、言わなくても分かってるんだ。…うん。
まぁそのうちよくなるさ(遠い目)
頑張るのでよろしくお願いしますm(_ _)m