オセロットがISの世界に転移してしまったら? 作:火だるま男
昔ある所に若い山猫がいました。山猫は自分は誰よりも優れていると思っていました。ですがある時に蛇と出会いその思いをズタズタにされました。ですが山猫はその蛇に興味を持ちました。山猫はその蛇と出会って変わり始めました。なら異世界にとばされてしまった山猫は変わらずにいられるのでしょうか?
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~3万フィート上空~
MC-130EコンバットタロンIの貨物室には一人の少年と20体程のAIロボットが乗っている。
AIロボット達は護衛目標である少年を守るためにアウターヘイブンが用意したのだ。
彼ら、いやロボット達は護衛目標である少年を守るため、M63、M37イサカ、サプレッサー付きガバメント、
もしくは、RPG-7などで武装している。援護はアウターヘイブンのレールガンとREXだ。弾頭は核ではなくアウターヘイブン謹製の徹甲弾だ。最早これ等で大規模なテロどころかその気になれば戦争が出来るくらいだ。だが今回はテロや戦争をするのではない。デュノア社にいる屑共を殺しにいくのだ。
『降下開始まで、後30秒』
普通なら上空から降下するのであればパラシュートが使われる。だが今回使われる物は武装ポッドだ。
武装ポッドは見た目はシャーペンに人が一人だけ乗れる大きさに拡大したような物で上部にはパラシュートが格納、下部に20ミリ機関銃4挺が取り付けられている。
「素晴らしい!」
オセロットは感動していた。この兵器が実戦投入されれば作戦の成功率はさらに上がるからだ。
「『降下開始まであと十、カウントダウン始めます。十、九、八、七、六、五、四、三、二、一、投下』」
ポッドは固定フックが外れ重力により落ちていく。オセロットもすぐにISを起動し落下する。
「ははは、スネーク!俺もあんたみたいに大切な物を守りたいらしい。」
オセロットの目から涙がこぼれた。今までこんな感覚がなかったのだ。
『敵三人、排除開始』
ポッドパラシュートと共に下部に設置された機関銃が一斉に発射、周りの敵を一掃した。周りにはグチャグチャになった。警備員の死骸があった。
オセロットは屋上に着くと、すぐにISを待機モードに移行、そのまま下に降りていく。社内には警備員がいるがどう見ても完全武装の兵士だ。ロボット達は一人一人静かにナイフで殺していく。
屋上の警備員を全て殺したあと、デュノア社長が監禁されている部屋に着いた。ロボット達は全員階段で戦闘中だ。周りから銃声の音若干聞こえたが気づかないと聞こえないぐらいの音だ。
オセロットは静かにドアを少し開ける。中には一人の男が立っていた。
「デュノア社長だな?」
オセロットは瞬時にドアを開け中に入り男に銃を向ける。もちろん銃はシングルアクションアーミーだ。
「き、君は」
「手を上げろ。」
デュノア社長とおもしき人物はすぐに両手を上げた。
「ま、まだ子供じゃないか!?」
「それがどうした?普通だろ?それよりもデュノア社長だな?」
再度確認を取る。
「あ、ああ、私がデュノア社長だ。君は?」
「俺か?俺はリボルバーオセロットだ。お前をここから出してやる。」
オセロットは銃をガンスピンさせながらホルスターに突っ込む。
「リボルバーオセロット?少女ではないのか?」
「何?」
オセロットはもちろん女ではない。それにこっちではあまり有名になる事はしていない。
「どういうことだ!」
オセロットは取り乱してしまい口調が荒々しくなった。
「に、二年前にテロがあったんだ。その主犯格がリボルバーオセロットと名乗る十五歳ぐらいの少女だったんだ。今はどこにいるかも。」
「もういい、ここから逃げるぞ。」
オセロットは諦めることにした。ここは自分のいた所とは違う、と無理やり自分に言い聞かせた。
「逃げると言っても、逃走手段は?」
「屋上につけば分かる。」
オセロットとデュノア社長は屋上に向かうため階段に向かった。その時、いきなり爆発音が轟いた。
「ヒィ!?」
デュノア社長は腰を抜かしたみたいだがオセロットは驚いてすらいなかった。
「な、なんだい、さっきのは、」
「手榴弾かRPGだ。階段付近でロボット達が戦っているみたいだな。」
「ろ、ロボット!?ロボットってあの!」
「あ、ああそうだ。それよりもここから逃げるぞ。」
屋上に出たオセロットはすぐにヘリを向かわせるようにした。
五分もしないうちにヘリは到着した。
「さあ、デュノア社長、お前を歓迎しよう。」
デュノア社長とオセロットが乗ったヘリはすぐに上空に避難した。次の瞬間最上階と屋上が吹っ飛んだのだ。
デュノア社を守っていた警備員は死者百二十七名、重傷者三名であった。