とある中佐の悪あがき   作:銀峰

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ガンダムブレイカーバトロール見たので初投稿です。


新機体入手までの道のり

モビルスーツ研究施設の場所を特定してサスロ・ザビの埋葬地点に着いたのはいいが…

 

「やっぱり居やがるな…」

 

埋葬地近くには連邦軍の兵士が、巡回している。

ご丁寧に武装までしている者も存在している。幸いなことにモビルスーツの姿は見えないが、連邦軍の本隊は直ぐに到着できる所にある。強硬突破は難しいだろう。

加えて此方の人数は12名。どれも戦闘員でモビルスーツも操縦出来るが武装はあいにく隠し持てる拳銃ぐらいである。まともに戦闘はできないだろう。

そしてもう一人…

 

「…どうしたんだい?」

 

「クーディいるしなぁ…」

 

「むっ足でまといいたいのか?私そこそこ強いよ?船の皆から教わってるからね。ほら、しゅしゅ」

 

そう言ってシャドーボクシングをする彼女。それに合わせてスカートがはらりと舞う。うーん。ちんまい。でもそれとは言え、拳の威力はなかなかに有りそうだ。普通に風が切れる音がしていた。

まぁぶっちゃけると、モビルスーツの操縦が出来るのが少なくチベ級に残す分を考えると人が居なくなるからなのだが。

 

「ともかく潜入せねば話にならんが…しゃーなし」

 

「本当にやるのか…」

 

彼は髪を後ろにかきあげ、懐からあるものを付ける。クーディにぶつを渡す。

後ろの男達にも合図し、いつでも出れるように準備させる。

 

「よし作戦開始…!」

 

 

 

 

 

「ふぁあ。ねみい」

 

そういって手を口に当てながら大きな欠伸を一つ。連邦軍で正式採用されている制服を軽く着崩した服装の青年。その姿からは明らかにやる気というものは感じられない。そしてそれに律儀に返すもう一人の男。よく見ると連邦軍の制服にものりがつけてあるらしい。几帳面な男のようだ。

 

「うっせ。ぼやくな。オレだってねみいし、こんなザビ家の墓なんて警備したくねぇよ」

 

「くっそ。戦争は終わったはずだろ?何でこんなサイド3くんだりで警備なんぞせねばならんのだ」

 

「正確にはまだ条約は締結してねぇよ。その話し合いはほれ」

 

そういって、指を指す。その先にあるのは、でかでかとした逆三角形の建物だ。あれは元はザビ家の官邸だったところだ。今は連邦軍のモビルスーツが我が物顔で居座っており、過去に連邦を苦しめた面影はすっかり見えない。心なしか建物についている顔(窓ガラスが絶妙な配置で設置してあるため顔にみえる)も心なしかしょんぼりしているように見えた。

 

「今偉い人たちが話し合ってるよ」

 

「そんなんわかってンよー。だから危険がないように各地の拠点とか施設に連邦兵が配置されてんだろ?」

 

「そうだ。わかってるじゃないか。俺たちだけここで巡察任務に駆り出されてるわけじゃ無い。そう特別なわけでもねえよ」

 

「ってもなぁ…でも俺たちこんな夜中に連続で巡察してんだよ。もう周りもすっかり暗くなっちまったよ!これで3日目だそ!この任務…しかも警備対象は墓場…ジオンの偉いさんの墓なんだろなんでこんなとこに警備つけるかね」

 

そう言って頭を上の方にあげる。この立ち位置では全体が見えないほど大きい。高さもそれなりにあり、見上げると首が痛くなりそうだ。何も知らぬ人が見れば、ここが墓場だとは思うまい。

 

「知るかよ。ジオンの施設の周りには警備が厳重になってきてる。噂じゃモビルスーツ開発施設がこのサイド3のどこかにあってそれを上の人が探し回ってるってな。…俺らの間じゃ密かな噂になってる」

 

「知ってるよ。まだそれらしき施設が見つかってないし。グラナダに有った。何らかの施設もぜーんぶ爆破されちまってるらしいしな」

 

「まぁ連邦とジオンの技術は、10年ほどあちらのほうが優っている。研究施設の一つや二つ見つければ連邦のモビルスーツの性能も10年は進む…なんてうまい話は無いが大分進むことには変わらないだろうな」

 

「そりゃすげえ!でもよ。もう戦争は終わっちまっただろ?これ以上技術上げてどうなるってんだよ。敵はもういねえだろ」

 

「さぁな。案外まだ残党はいるだろうし、それ対策じゃ無いのか?」

 

「ジオンの亡霊って奴か、怖いねぇ…誰だ!」

 

「敵か!?ってなんだ。ただの草むらじゃねえか」

 

二人とも暗がりに銃を向ける。すわ敵かと思いきや。どうやら敵と誤認したらしい。たしかに一部地面がこんもりしておりそれが人が伏せているように見えなくもない。ん?なんだなんもねえじゃねぇか。

 

「なんてな!びっくりしたか?」

 

「脅かすなよ…」

 

「まぁさっきの話も俺たちには関係ないさ!まさか墓場になんてそんな重要な施設あるわけないんてんだ!罰当たりにもほどかあらぁ」

 

「そうだな。まぁ俺たちは怒られない程度にまじめにしてるさ」

 

「バカ真面目だねぇ。こんな仕事押し付けられてるってのに」

 

「むっ。元はと言えばお前が、勤務をトランプで決めようなんて言い出したのがきっかけだろうが!しかも俺が知らない間に巻き込みやがって!」

 

「わー!ごめんって!ほんとに悪かったよ。でも俺があそこでハートを出してりゃ勝てたんだよ!」

 

「知るかこのギャンブル脳!俺を巻き込んでじゃねーよ!」

 

「ごめんごめん!…

 

言い訳する男にぶちぎれたのか大声を出す。それを見てひたすら謝る相方の男。二人は言い合いをしながら巡察ルートを歩いていく。二人は夜の闇の中に消えていった。そこの近くにややこんもりしてる草むら二つ。

 

「…いったか?」

 

「…どうやら行ったみたい」

 

がさり、草むらから男と背丈が小さい女が出てきた。クーディとユーセル中佐だ。どうやらここで巡察が行くまで隠れていたらしい。所々に草が付いていた。それに気づいたのか二人は、軽く服をはたき草を落とす。

 

「あ、クーディ頭に草付いてる。とるぞ」

 

「うん。ありがとう…というか、よくこれで気づかれないもんだね」

 

「さっきは肝が冷えたけどな」

 

ったく驚かせやがって、ひゃっとしたがただの冗談だったみたいだ。

 

「止まれ!誰だ!」

 

と、思っていたのだが、どうも油断させるための罠だったらしい。さっきの兵士が引き返してきて、誰何してくる。

 

 

 

「怪しいやつだ。とりあえず本部に連絡するか…ってうん?」

 

本部に通信を入れたが、どうにもつながらない。

出てきたのは8人の男達。いや小さい子供もいるな。花束を抱えている。

全員背広姿だ。

 

「どうした?こんな夜中に墓参りって時間ではあるまい」

 

そう問いかける。答えたのは、オールバックにグラサンをかけた男。どうやらコイツがリーダーらしい。

 

「いやーサスロ様のお墓に献花をしにきたのですか、手違いが有りましてね?時間が遅れてしまい…」

 

「そんな話は聞いていないが…」

 

聞いたか?と男は後方に居るはずの相方に声をかける、が…

 

「あれ?いねぇ」

 

後ろに居るはずの相方の姿はこつ然と消えていた。

しまった。油断したこいつらにやられたのか!

直ぐに俺も倒されるだろうが一矢報いてやる。

そう振り返った瞬間…  

 

「てめえら!あいつに何を…」

 

「お嬢ちゃん可愛いねぇ、何歳?へぇ小学校ぐらいかぁ!えらいねーパパのお手伝いできたの?」

 

よく見れば、集団にいた小さな女の子にしゃがんで声を掛けていた。どうやらしゃがんでたせいで見えなかったらしい。

 

「馬鹿が」

 

ガスッ。思わず手にしていた銃の底で頭を叩いていた。

何やってんだ。この男は

 

「いてぇ!」

 

「お前!疲れてるからってあんな子に手だすな!バカか?馬鹿か」

 

「…めっさいてぇ…」

 

相当痛かったらしい。叩かれた方はまだ頭を抱えてうずくまっている。なんだか真面目にしていたのが馬鹿らしくなってきたらしい。あきれた様子の男。

 

「あのーそれで私たちは…」

 

「ん?ああ、まぁ本部には繋がらないし…今コーエン将軍が来ててな。あんまり問題は起こしたくないんだ」

 

「そこを何とか…」

 

「通してやりたいけどねぇ…俺個人じゃどうとも…」

 

困ったように顔をしかめるグラサンをかけた男。どーにもうんさん臭さは拭えない。が、ザビ家の墓だ。そんな事も有るんだろう。

唸っていると接近してくる小さな人影が

 

「おねがい。れんぽーぐんのおにーちゃん…!」

 

背が小さいため一生懸命背伸びをしながら、おねがいして来る女の子。ちいさい背丈と小顔な顔立ちも相まってとても可愛らしい。世の男性なら即座に許可を出してしまいそうだが…

 

「いいじゃねーか通してやりゃあ、どうせ上は忙しくて取り合っちゃくれねーよ」

 

「しかしだな…」

 

いつの間にか回復していた兵士が生真面目な相方に声を掛けた。

 

「おねがい。おにーちゃん」

 

「花を置いてくるだけだろ。さっさといって帰ってこい。それまでは俺たちはなにも見なかった。それでいいだろ」

 

勘弁したかのように両手を上げて背を向ける。

どうやら通すことにしたらしい。

 

「ありがとう!おにーちゃん!」

 

「はいはい。さっさと行け」

 

「うん!」

 

そう言って背広姿の男たちは地下の霊安室に向かっていく。そして階段を下っていったのを確認した後男たちは警備に戻るのだった。

 

「しかしまぁ献花ねぇ…」

 

「…しかし通して良かったのか?」

 

「うっせーロリコン。本当だったらダメに決まってるだろ。でもまぁ、」

 

「でもまぁ?」

 

「コーウェン将軍からはここら辺一帯に今夜侵入するものは-

 

 

 

全員通せといわれているからな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかしやりましたね!警備がザルにも程がありますよ!」

 

「しっ声がでかい。まぁ確かにそうかもな」

 

グラサンを外して胸ポケットにしまいつつうんさん臭いおとこたち、ユーセル中佐率いる潜入部隊は無事に潜入を果たしていた。

 

「まぁ無事に潜入できたし、良いことだよ。うん」

 

幼女役をしていたクーディが顔を抑えながらそうコメントする。どうやらあの舌足らずな口調が相当恥ずかしかったらしい。耳まで赤くなっている。まぁ彼女のおかげで助かった部分もあるのであえてつっこまないでやろう。

 

「それで?ここにはどんなお宝が眠ってるんですかね?まさか本当に仏さんの顔拝みきたとか?」

 

「ばーか。モビルスーツだよ。モビルスーツ、中佐が作戦前に話されただろう。聞いてなかったのか?」

 

「そりゃ聞いてたけどよ…」

 

背広姿に変装している兵の一人が、身を抱くようにして身体を震わせる。

 

「モビルスーツの研究施設なんてあんのかよ。なんか薄暗いし、不気味だぜ。モビルスーツってより、幽霊でも出てきそうだ」

 

「まぁな、何でこんなとこに研究施設なんて作ったんだか…偉い奴の考えはわかんねえな」

 

一行は建物の中心部に近づいていった。

通路は三人横に並べば一杯いっぱいの狭い通路だ。照明は持ってきたライトが2つのみ。視界は良好とは行かない。入り口から漏れてくる風が低い音を立てる。それが一層気味悪さを感じさせてきた。

 

「ほら、無駄口たたくな。もうすぐサスロ・ザビの寝室だ」

 

ずいぶんと下った頃だろう。通路を降りきった先には、大昔のエジプトのピラミッドの王の部屋を思わせる空間にでた。中心には縦長の箱が安置してある。あれがサスロ・ザビの眠っている所だろう。実際は爆発テロでなくなったらしいので遺体は無いのだろうが…

それでも他人の墓を荒らすような真似はあまりしたくはなかった。こんなことでも無ければ寄ることも無かっただろう。持ってきた花束をそっと献上し、お祈り。

 

「お騒がせします」

 

果たして彼は何を思い、そして死んだのか。今となっては何も分からない。死者は何も語らない。ただそこにあるだけだ。花束から真っ赤なバラの花を取り出す。

どうやら生前サスロ・ザビが好んでいた花らしい。マシュマーかな?

それをメモに示された場所に設置した。

すると、

 

「隠し扉か!」

 

側面の壁が開いていった。どうやらここを進めと言うことらしい。

 

「よし、中に進むぞ。そこの2人は見張りだここに残れ」

 

いち早く進んでいこうとしようとした部下を引き止め、此処に残るように指示する。見張りを命じられた2人は分かりやすく顔を青くしていた。

 

「そりゃないっすよ。中佐…」

 

「俺たちにこんな薄暗い所にいろって…?」

 

「見張りは必要だろ。ほら無線機」

 

ぽん、と懐に隠し持っていた機械を渡した。確かにこの暗さは答えるのかも知れなかった。相当な暗さだ。加えて墓場というのもあった。

 

「しゃーねーな。ほれ」

 

「何ですこれ?」

 

「グラサン、怖さが紛れるぞ」

 

「えぇぇ…」

 

まだ不満を垂れていたが、嫌々そうな顔で真っ黒な眼鏡を掛けた。こんな暗闇の中でそんな光を写しにくいものかけるとどうなるか明らかだ。案の定、

 

「なんも見えないです…」

 

「だろうな」

 

それが分かっていてかけたのか…視界不良のせいかグラサンをかけた兵は分かりやすい程にグラグラしていた。

気が晴れたのなら良かった。…うん。よかった。

 

2人を置いて奥に進む。

どうやらまだ先は長そうだ。通路も先ほどより狭くなっていた。

 

「まだ続くのか…」

 

うんざりとした気分になりながら通路を進む。

しばらく通路を進んでいく。

 

「でもユーさん。こんな所にお宝何て有るのかな?よしんば有ったとしてもモビルスーツなんてなさそうだけど…」

 

小さな人影が、軽やかな足取りで集団の前に出てきた。

クーディだ。確かにこの通路の広さや移動距離からしてあまり大きな施設では無さそうだ。いや、と言うよりこの通路の長さはどこか別の施設に繋がっているのか…

どうやら先は長そうだ。見張りも立てたししばらくは何もなさそうだが、

 

「まだ分からないぞ。入ってから結構歩かされてる。もしかしたら別の施設に繋がってるのかもな」

 

「ふーん。でもそんなの眠ってるのかな?核爆弾でも眠ってる訳じゃ無いだろうし」

 

「お前なぁ、そんなんここにあったら困るどころじゃないだろ…」

 

そんな事を呟くクーディ。一瞬その可能性を危惧して背筋が寒くなるが、そんな事は無いと一蹴する。

 

「そんなのが暴発したらどれだけの規模が吹き飛ぶと思ってんだよ。ジオンの本拠地だぞ。ここ」

 

「まぁ確かに…」

 

「嘘つけ」

 

自分がいった発言が大袈裟だと思っていたのか、すぐ彼女は肩をすくめて笑った。まぁ否定してみたが可能性は無くはない。限りなく低いと言うだけで、何かの手違いが合っただけでコロニーが吹き飛ぶ兵器など誰がすぐ目の前に置いときたがるだろうか。俺ならいやだね。

 

「…まぁ最終決戦用だった!とか言われると有るかもな」

 

「冗談じゃない!そんなのあったら真っ先に逃げ出すよ。私は」

 

「確かに」

 

冗談で言った可能性をまさか肯定されるとは思ってなかったのか、驚いた様子でこちらに振り返ってくる。が、すぐにいかにも知ってました。と言わんばかりに前をむく。どうやら恥ずかしかったらしい。意地っ張りめ。

 

「でもわざわざジオンの膝元でやってた研究だ。それに匹敵する物は有るかもな」

 

「でもそんな前時代の核なみのものがあるとは思えないけど…」

 

サイド3の本拠地で、まさかギレンがこの施設を知らないとは考えにくい。それなりの研究をしているってことだろう。あと核並みではないかもしれないがな。

 

「一瞬で世界のバランスを変えてしまう、知識や情報というものは確かにある」

 

「…たとえば?」

 

「ジオンが最初にやったコロニー落としとか、小惑星を落下させて地球を冷やすとか…さっきいった旧世紀の核爆弾も、ミノフスキー粒子やモビルスーツだってそうだ」

 

小惑星の話は将来の話だ。どこぞの赤い人がやるな。俺も出来なくはないが。ルナツーは…敵の宇宙最大の連邦の拠点だ。もうの時点で手持ちの戦力では無理だ。戦力が増えたら行けるかもな。アクシズは…そもそも地球圏内にない。まぁ、手頃な石っころが合ったらできるかもな。

 

「世界は安定しているように見えても、少しずつ変化している。そういった力のある発明や実験なら、タイミング次第で…」

 

最後に、ボンッと言いながら手のひらを開く。此方の言いたいことが分かったのだろう。彼女は少し考え込むように顔を下に向ける。そういった発明のひとつである強化人間。彼女も戦争の被害者だ。ワッケインが、寒い時代だと言っていたことも分かる。

…まぁ俺はそんな事は言えないし、言えないんだろう。彼女を…クーディを利用している。戦いに駆り出している。もう一年戦争は終わった。次までの戦いには少しだが時間がある。その期間だけでも彼女を平和な世の中を満喫させるべきなのかも知れない。これが終わったら戦争に巻き込まれないサイドに送るべきなのかも知れない。俺の手から離れて自由な暮らしをー…

 

「…どうした」

 

「…」

 

無言で手を握ってきたクーディに、やや目を見開きながら問いかける。

 

「…別に、怖いから手を繋いでいるだけ」

 

「…まぁ、確かに回りは暗いからな。でもお前にも可愛いとこあるじゃないか。さっきまで平気そうな顔してたじゃないか」

 

「う、うるさいな。ほらさっさと歩く!」

 

クーディはどちらかというと、抱え込むタイプだと思っていたのでこれは意外だ。怖くても独りでずんずん先に進むタイプだと思っていたが。

長い髪に覆われて見にくいが、少し耳が赤くなっている。どうやら恥ずかしいらしい。

 

「おい、お前は身長俺より低いんだから手を繋いでると歩きにくいんだけど」

 

「本当にうるさいな。ユーは。言っても後一年ぐらいあればこの身長差はすぐに埋まるだろう?大差ないよ」

 

「流石に胸までしか無いような奴に後数年で追い付かれやしないよ」

 

「そーかい。数年後を楽しみにしてるんだね。…その日が君の命日だ」

 

「物騒だな!このやろう返り討ちにしてやるからな!このちんちくりん!」

 

「いったな!このおたんこなす!」

 

 

ちんちくりん発言に切れたのか、こちらを見返して言い返してくる。怒りのせいか顔が真っ赤だ。

 

「うすばかげろう!」

 

「おたんちん!」

 

「わからん!おたんちんとか初めて聞いたぞ!」

 

しばらく言い合っていたがお互いに息が切れて言いあいがやんだ。疲れる。さっきまで何してたか忘れるてしまうわ。

 

「はぁはぁ。今日は…引き分けで手を打つよ。数年後楽しみにしてるんだね」

 

「はぁはぁ。それでいいぞ。おっきくなったらな」

 

謎に一年後に彼女の成長を見ると言う話で決着がついた。こちらもつい了承したが、こい発言の意味分かっているのか。分かっていってるんだろうな。数年は一緒にいてと言ってるように聞こえるんだが。

 

「…どうしたんだい?」

 

「…いいや。なんでもない」

 

あ、顔そらしやがった。

 

「まぁいいや」

 

案外手を繋ごう云々も此方の思っていることが分かっていたのかもしれない。もしそうなら気を使わせてしまったな…

そんな事してる内に出口が見えてきた。なんだかんだ繋いだままの少女の手を引いて歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




せさびさだからなんかひどい
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