とある中佐の悪あがき 作:銀峰
私はとあるこの艦にある一室に向かっていた。
もう足元はふらふらで生存本能にしたがって動いていた。
冷静な部分がダメだと叫んでいるが、あいつを出せば割と最新鋭機だ。
連邦にもまだそんなに手に入れてないはずだ。
いまさら手に入れられてもたいした痛手でもない。
モビルアーマーの方はすぐには動かないが、モビルスーツの方は動く。
あいつを入れて放り出せば二隻の内一隻くらい落とせるかもしれない。
その場合、私の最高傑作失うのは辛いがを私の命には代えられない。
いつの間にかドアの前にたどり着いていた。
此処は私とひょろいメガネ男ぐらいしかあけられない。
鍵を差込みパスを打ち込む。
My treasure
あのメガネが打ち込んだパスだが、その宝物を知らないところで放り出されるとは、皮肉でしかない。
あとで何か言われるだろうが、あいにく今の私は少し大きめの買い物で散発したときの高揚感ぐらいしかない。
ドアがスライドし暗い殺風景な室内が照らされる。
いない・・・
「逃げたのか?」
あのメガネが?いやそんなことはない。ほかに部屋もないし。
カンカンと音を鳴らし部屋に踏み入る。
暗くて目がなれない。誰だこんな設定したの!!
部屋が暗いのは出すとき、空けた瞬間逃げようとした捕虜をライトの光に目をくらませその隙に捕まえるためなのだとか言っていたが今は関係ない。
目が慣れてきた。
「いた・・・」
目的のものがボールのように丸まって浮かんでいた。
近くによって襟掴み歩き出す。
行き先は格納庫だ。
急がなければ・・・
首が苦しい。
せめて死ぬときに痛みがないよう寝ていたのだが・・・・
痛みには慣れているが、息苦しいのはなんか新鮮。グエッ。いやなれてないかも。
このままだと流石に苦しいので、空気をえるために首を上に向ける。
ぷはぁ。んー、ガンッ。
背伸びしたら腕をぶつけた。痛い、いや痛くないかな。ガンッやっぱ痛い。
もうぶつけたくないので体を丸める。
あの部屋掴まる所も何ないので艦の振動であちこちぶつけたのだろう。痣ができてる。
はぁ
ため息をつく。ガンッ嫌がらせかな。
どうやら私はどこかに運ばれてるようだ。
まあ襲われてるみたいだから出撃しろとでも言うのかな。いや言わないのかな。
出撃するとしたら乗る機体は多分、前乗った魔女の帽子みたいなモビルアーマー・・・じゃないね。
調整が不十分とかで少し完成してないらしいし。
じゃあその護衛機のゲルググかな。
まったぶんそうだろうな。いや今出たら高速離脱中のこの船に帰ってこれないと思う。
そんなひどいこと・・・
いつもどおりか。
着くまで眠らせてもらおう。お休み。
ガンッ・・・・イタイ
「乗りなさい」
格納庫に着いた。
やっぱりゲルググだった。
ペイッ。
ゴミでも捨てるみたいに放り投げられた。
ベタッっと全身でくっつく。
逆らってもいいことないのでさっさと体を滑り込まして乗り込む。
ゲルググ系の機体は始めて乗るが、まあできないこともないだろう。いやできないかな?
っていうか実戦自体が始めてだ。
起動スイッチを押して各種確認レバーをオンに、すぐに機体の動力が動き出す。
うん問題ない。
「起動できたらすぐに出なさい」
無理を言う。まあ行くけど、武装を手に取り(ビームライフルとシールド)挟まっているせいで下敷きになっている。詰めれればいいと思ってるな。
隣にあるモビルアーマーが邪魔。
大きすぎる。いやこの船が小さいのかしら。
仕方がない。
モビルアーマーの接続を少しはずして武装を引っ張り出す。
準備完了。いや機体の周りについてる出撃前にはずすことってかいてある札を剥がしてないし、完了してないのかしら。ま、いい。
「いっきまー___」
最後まで言わせてもらえずに私は宇宙空間に放り出された。
「なにが起こった!」
「それが・・・コンテナのひとつが開いて中に入っていたMS…ゲルググが放出!」
「それは分かっている!!誰か乗っているのか!?」
「不明です!!」
正規のパイロットのはずがない。そのパイロットは今通信機に張り付いている。
混乱した艦長は頭をバリバリとかきむしった。
ちなみに艦長は捕虜室の中に閉じ込められているパイロットのことを知らない
「そうだ!あなたはなにか・・・?あれ?」
艦長はさき程から黙り込んでいる女性に声をかけるも、どこに行ったのか、影も形もない。
「ええぃ」
仕方がない。知り合いっぽいメガネ男のほうに声をかける。
が先ほどから出撃したゲルググの映像を眺めている。
二三回呼びかけてはっとしたようにすまないといって此方をみる。
その顔は信じられないとでも言いたげだ。
「お前はあのゲルググのパイロットを知っているのか!?」
「いや、知らないかもしれないし知っているかもしれない」
どっちなんだよ。その突っ込みを抑えて先を促す。
それで、と。あのパイロットはいったい誰なんだ?とも
その問いを受けたメガネ男は、それを無視し目の前で突然、ポケットから携帯端末を取り出し弄り始める。
これだから研究者という人種は!!その叫びを押さえ込んでたえる。
そもそもあの女とこの男は研究者らしいのだが、この艦にある魔女の帽子のようなモビルアーマーを戦場に連れていけと上官に命令されて一緒に連れてきたのだが、
こいつらは最終兵器だの革新的な兵器などわめきア・バオア・クー戦に参戦しようとしたのだが間に合わず。ついた頃にはもう味方はとっくに降伏していた。
俺たちも降伏しようとしたが、あれを渡すわけにはいかないと騒ぎ立てやもなく停船。
それは何だと聞いても黙秘していいやがらねえ。
挙句の果てに行き場がなく漂っているところに奴等にみつかりこの事態だ。
段々腹が立ってきた。
いっそのこと撃ち殺してやろうかと思っていて所に、やっぱりとつぶやいて男が顔を上げこちらを向いてくる。
「あれは___
「出てきたのはいいのだけれどどうしよう」
MS、ゲルググに乗っている少女はそう呟く。
何の説明もなくいきなり乗せられたので状況など分かるはずもない。
目を瞑り、周りを確認。
ふうん?
少女の駆るゲルググは、とりあえずあいつら撃破すればいいんだろうと言わんばかりに、そこまで距離がはがれてなかったサラミス級に襲い掛かる。
ビームライフルを三連射。
高速移動中に撃ったこととそこまで距離が近くないこともあって三発中二発は外れてしまった。
当たった弾は艦に貼り付けてあるジムの一機にあたり中破させた。
爆散してドミノみたいに倒せないかと思ったがそれはさすがに都合が良すぎたようだ。
いきなり出てきたことが幸いしてまだジムは出てきてない。
今の内に取り付いて破壊する。
そう決め弾幕を潜り抜け接近する。
サラミス級なんてマゼラン級に比べればちょろい。
簡単に言うが確かにサラミス級は弾幕が薄いが、それは全方面に向けているときの話で、今の一機だけを狙っているという状況はエースパイロットが専用機をもっていても躊躇うものだ。
そのなかに一般機のゲルググで簡単に突っ込んでいったのだ。
これを見ていたものに、あの機体に乗っているパイロットは今日初実戦なのだといってもだれも信じはしないか、悪い冗談だとでもいって笑い飛ばすだろう。
「・・・・」
一気に近寄りブリッジにビームライフルを突きつけてやる。
その状況に驚いているようだった。
音が聞こえたなら馬鹿な!!とでも叫んでいることだろう。
というか実際に叫んでいた。
引き金を絞る。
ブリッジのガラスにヒビが入り、艦橋が爆散する。
まだビーム砲や機関砲は生きているが頭を潰したので、その狙いはまだらだ。
速度も落ちている。
この船はもう無視してかまわないだろう。
「一隻目・・・___ッ」
この艦のジムがもう動き出したか。いやいまさらかな。母艦はやられたのだし。
二機か・・・いや今下側からもう三機出てきた。
合計5機。
こいつ等をほおって置いてもう一隻の撃破に向かいたいが、撃破できたとしても向こうに搭載してある六機とこの5機追いかけてきて挟まれたら、十一対一になる。
流石に無理な相談だ。
というわけで却下。
迎撃しておくことにする。
その間にもう一隻は離れて追いつけなくなるだろうが、仕方ない。
あきらめて貰うしかない。いやあきらめてないから、私を出撃させたのかな。
うおっと。ごめんね。無視して。いや謝る必要あるのかしら?
無造作にビームライフルをジムに向け発砲。
頭部に命中。
よろめいてる隙に、ビームナギナタを一刀両断。いや突きだけど。
こっちのほうがカッコいいじゃない。いや悪いのかしら。
撃破。
仲間がやられて慌ててる。
ジムの一機に向け、数発撃ってみたが、シールドで防がれてしまった。
同じ手を食う程馬鹿ではない!ということか。
一当てして撤退する。する場所ないんだけど。
そろそろサラミス級から放たれる迎撃がしつこくなってきたから、場所を変えるだけだ。
一定の場所にずっと撃ち続けてるけてるから、障害物みたいになっていて少し邪魔なのだ。
これで一機ずつ追いかけてくれれば、各個撃破すればいい。
幸い此処は見晴らしがいい。
追いかけてこなくても、ジムのビ-ムスプレーガンよりこっちのビームライフルのほうが射程が長い。
射程外から撃てば一方的に撃破できる。
そう思って相手の射程外まで距離をとる。
追いかけてはこなかった。
あたふたしていて、まるでダメだ。
振り返って狙撃用スコープをとりだし、狙いを定める。
これで終わり。まあこの戦闘が終わっても帰れないから私の人生も終わりでしょうけど・・・
ちぇっくめいと。
爆発。
私が撃ったのではない。むしろ逆だ。こちらが爆発したのだ。
モニターから見える風景が二転三転する。
スコープを覗き込んだまま回ったので気分が悪い。
望遠鏡をのぞきながら、ジェットコースターに乗ったような気分だ。
回るだけでもきついのに、倍プッシュである。
本能がここから動けと言っているのでそれに従い、機体のフットペダルを踏む。
視界の片隅にピンク色の閃光が走るのが見える。
姿勢が安定しないまま移動したのでさらに気持ち悪い。
吐きそう。
うっ
「けっほ・・・げほ・・・!」
胃に吐くものが無かったので、空えずきだけだ。
こっちの方がきつい。
コクピットみたいな空間で吐かなくてよかったのかもしれない。
そう考えることにする。じゃないとやってられない。
スコープを外し、ダメージを確認する。
右脚部が丸々無くなっていた。
これは・・・とてもまずい
モビルスーツのAMBACシステムがはたらきにくいと言うのもあるし、なによりゲルググというMSは下半身にスラスターが集中している。
腰、右足部、左足部だ。
この三分の一が失われたのだから、単純計算で三十パーセントの推力ダウンだ。
ロックオンアラート。
さらに後ろに5機。
どうやらもう一隻から味方を助ける為、こちらに駆けつけてきたんだろう。
避けてはいるが先ほどより動きが鈍い。
こんなのはただの時間稼ぎだ。いずれ当たる。
「はぁ・・・」
目をつぶり、覚悟を決め撃破される時を待つ。
「・・・・?」
おかしい攻撃がやんだ。
私をねらっていたジムが光に貫かれ爆散。
味方・・・?
いやあれは戦艦の主砲クラスの光だ。
ここらへんに戦艦なんていないし。たぶん誤射だろう。
それで助かったわけだが、助かったというより「味方の攻撃に当たるなんてバカな奴だ」とぼんやりと考えていた。
そもそも戦艦がモビルスーツサイズの小さな的を当てるのは不可能に近い。
だから戦争初期、数に勝る連邦軍がジオンのザクに負けたのだ。
だがどうだろう。その考えを裏切るように次々とジムが貫かれ破壊されている。
そんなバカな。
ビームが放たれてくる方向を見る。豆粒みたいな距離だ。
当たっている確率は十六発中二発だろうか。
少なくなんて無いむしろ奇跡だ。
ふつうはかすりすらしないものなのだから。
考えてるうちに、あの戦艦の艦載機であろうモビルスーツのスラスターの光。
接近してくる。段々見えてきた。
ジオン系列の機体特徴的であるモノアイ。
ジャケットを着ているようなずんぐりとしたシルエット。
とある少佐(当時)が提唱し、一年戦争中期に開発された機体。
当時はジェネレータの問題があったそうだが、時間を掛けエンジンの改良を重ね、その問題を解決。
ジオン軍ではビーム系統の装備が一番始めに、装備された機体でもある。
総帥自ら、この機体が後一ヶ月早く生産されていれば、ジオン軍は勝利していたのではないかと絶賛された、ザクに次ぐジオン軍のベストセラー機。
実際この機体の所為で今連邦は戦力不足に悩ませている。
連邦軍やその上層部にとっては恐怖の象徴だ。
そのベストセラー機のドムをコストダウンや軽量化を目的に作られたのがゲルググである。
それが一、二、三機。
三機のリックドムが残りの三機のジムを撃破していく。
最後の抵抗とばかりに、本来黒色の部分を白く塗装してあり手に持っているジャイアントバズーカの他に細長い筒のような武器を背負ったドム(おそらく隊長機だろう)に狙いを定め、発砲。
白いリックドムはバレルロールしながらそれを回避。
主武器であるバズーカをむけ、発砲。
まるで吸い込まれるように、放った砲弾はジムが構えたシールドに命中。
シールドを構えた右腕ごと吹き飛ばす。
うわぁ。えげつない。
最後はビームサーベルを取り出し、鍔迫り合い。ジムの方が押されている。
ジムの方は片腕しかないのが響いているのか、それともドムの方が高出力だからか。
きっと後者だろう。たとえジムが両手が使え、万全の状態だったとしても。
ジムのサーベルが洗礼された刀だとしたら、リックドムの方は丸太である。
達人だったなら刀で丸太を切れるだろうが、常人がやっても切りかかったほうが折れてしまう。
それは火を見るよりあきらかで、
結果はジムが押し切られる形で、サーベルごと真っ二つになってしまった。
そうして謎の機体は、私が散々てこずったジムをあっさり撃破してしまった。
原作キャラはよ出したい・・・・(直ぐ出すとは言っていない)