【艦隊これくしょん】エピソードα シスの誕生 作:エクロパリアン
A long time ago in a galaxy far, far away....
遠い昔、遥か彼方の銀河系 で……
ついにフォーマス・ピエットは地球への本格的な潜入任務を開始した。
しかし、その潜入先の町でピエットは道に迷い人生で何番目かの危機に直面する。
そんな危機に直面していたその時、ピエットは奇妙な少女に遭遇した。
少女は五月雨と名乗り鎮守府から迎えに来たとピエットに告げる。
この少女は何者なのかピエットはまだ何も知らない……。
――――
私は五月雨という少女と一緒に歩いている。
目的地はニホン軍の海上戦力の基地、横須賀鎮守府だ。
五月雨は何と、私が潜入する横須賀鎮守府の軍関係者だった。
話によれば私を迎えに待ち合わせポイントに行ったが私がいつまでたっても来ないため周囲を捜索していたという。
何故私の事が分かったのかと聞くと答えは簡単だった。
まず、私がニホン軍の制服を着ていたこと、そして一番の理由が、私の外見があからさまにニホン人では無かったからということだった。
資料写真を見たのだろう。
何故、同じ人間にここまで反応するのか?私は考えた。
原因はこの星の文明が未熟なのと風変わりな習慣にある。
この星の人間はいくつかの人種に別れいる、これは珍しい事ではない。
珍しいのはその人種が幾つかの国に別れて人種ごとに国家を形成している事だ。
これでは惑星統一政府など夢のまた夢だろう。
とにかく、このニホンという国もその内の一つだということだ。
その為、外からの人間に対して過剰に反応してしまうのだ。
「それにしてもまさか、君のような少女が軍の関係者だとは思いもしなかったよ」
「〝私達を〟初めて見る新人の提督さん達はよく言うそうです」
私は五月雨の言った〝私達を〟の部分が少し気になったがそのまま会話を続けた。
「そういえば、ピエットさんは何故、軍に入ろうと思ったんですか?確か前は在日米軍基地で働いていたんですよね?あそこは政府が支援金を沢山送っているから生活は楽だって聞きましたけど……あっすいません!余計なこと聞いちゃって」
五月雨が私に申し訳なさそうな顔をして頭を下げる。
「別に気にしてはいない」
私がそう言うと五月雨は安心したようにホッとした表情をした。
別に私がその程度で気にしたり怒ったりすることはない。
それどころか痛くも痒くもない。
何故なら今、五月雨が言ったことは全て私が潜入するために作った嘘だからだ。
五月雨が知っている正しい事は私の名前だけだ。
「そういえば、この町に来たときから思ったんだが、何かあったのか?あちこち燃えた様に見えるが?」
私は辺りを見回して言った。
しかし、何故か五月雨はその質問に答えようとしなかった。
「ん?どうした」
「それは……」
私が首をかしげて五月雨の方を向くと五月雨はあからさまに気分を落とし先程までの元気は無くなった。
「それは……後で話します。もう少し進めば分かると思うので……」
五月雨は私に対し苦笑いを浮かべた。
私は意味が分からなかったが何かあったのだろうと直感で分かった。
それから道中、五月雨は何も喋らず重苦しい空気になっていた。
無言のまま道を進む。
私は早く情報を収集したかったがこんな雰囲気では有益な情報は入手できないだろう。
そんな状態がしばらく続いたある時、私はフッと思った。
建物が消えた……。
町を進むにつれて建物の数が極端に少なくなっている。
厳密に言えばあるにはあるが、それはもはや建物といえない瓦礫の山だった。
周囲を見ると周りには炭と建物の瓦礫、それと無数のクレーターだけだった。
「……ここも」
「え?」
五月雨は私の前で止まった。
そのまま背を私に向けながら話を続ける。
その声は今にも泣き出しそうだ。
「ここも、あの事件に巻き込まれたんです……」
「……事件?」
私がそう聞くと
五月雨は私の方を振り向き弱々しく頷いた。
「ほら、一週間前にあったUFO事件の事です」
「UFO……事件?」
「はい……」
UFO事件……なんの事だ?。
UFO何て言葉は資料には載っていなかったが……。
「あの日、やつらは突然やって来たんです。夜の事でした……あの音、あの攻撃、今も忘れられません深海悽艦の物でもない奇妙な戦闘機……そっちの方は無かったんですか?」
五月雨の質問に私は一瞬答えられなかった。
なにせ五月雨がなんの事をいってるのかさっぱり分からなかったからだ。
私はすぐに自分の脳をフル回転し今ある情報だけで考察しようと試みた。
五月雨の言ったこの話の鍵は、音、見たことの無い戦闘機、そして攻撃、恐らく五月雨の見たことの無い攻撃だったのだろう。
私はもう一度周りのクレーターを見渡した。
すると、あることを思い出した。
そうだ。確かヴィアーズが一週間前にタイボマーがニホン中の施設を空爆したと言っていた。
なるほど、それなら五月雨が言っている事も頷ける。
ここも空爆を受けた場所ということか。
これで問題は一つ解決したがもう一つの問題は私が所属していた設定になっている在日米軍基地が空爆を受けたかどかどうかだ……。
……駄目だ、さっぱり分からん。だがここで黙ったままでいたら怪しまれる……仕方ない。ここは一か八かに賭けよう。
「ああ、こっちもあったぞ」
「そうですか……やっぱり全国で起きてるんですね……」
「やっぱり?」
私は五月雨の言った〝やっぱり〟という言葉に引っ掛かった。
まるで、まだ何か知っていそうだ。
「実は政府の要人も軍の上層部もかなりの被害が出たらしくって今、情報が規制されているんです。それで、もしかしたら他の鎮守府もこんなことになってるんじゃないかって皆が……」
なるほど、情報統制か。
野蛮人共にもそれなりの知恵はあると見える。
だがまだまだ甘い。情報統制をやるなら徹底的にやらねばならん。
こんな年端もいかない少女にまで話が
広がっている様ではこの国の情報統制能力はかなり低いだろう。
まぁ、この程度の技術力で帝国の攻撃を少しだとしても隠せていることだけは称賛しよう。
走行しているうちに私達は海の近くまでやって来た。
目の前にはフェンスで囲まれた広い土地が見える。
外から見る限り何らかの軍事施設であるようで迷彩の軍服を着てガスマスクをした兵士のいるゲートの向こう側にはこれまた迷彩色の四角い施設が幾つも見えた。
どうやらここが私の潜入先、横須賀鎮守府らしい。
私は五月雨に連れていかれゲート前に立っている兵士の前までやって来た。
「お疲れ様です」
五月雨が兵士に向かって敬礼をする。
兵士の男も敬礼をすると五月雨と何かを話始めた。
「――はい。それで問題ありません。許可は取っていますんで」
見ているとどうやら五月雨は何らかの手続きをしているようで兵士に資料を見せている。
そして、しばらくして五月雨は兵士からボードを受けとるとその上の紙にペンで何かを書き私を呼んだ。
「ピエットさん、ID持ってますよね?この人に見せてください。そしたらこの紙の空欄にお名前をお願いしますね」
五月雨が私にペンと先程のボードを渡す。
私は銀色の鞄からIDカードを取り出すと兵士へと渡し、まだ覚えたてのこの星の文字で名前を空欄に書いた。
兵士はIDカードに載っている私の顔写真と私の顔を何度も見返してきた。
その顔は見えなかったが相手は明らかにそのガスマスクのゴーグル越しに私をジッと見ていた。
私の額に汗が滴り落ちる。
もし、ここでバレたら全て一貫の終わりだ。
ヴェイダー卿に殺されるどころかここで殺されるかもしれない。
緊張と恐怖の時間が過ぎていく……。
たった、数十秒の事だがまるで何時間も立ってるように感じた。
すると兵士はIDカードを私に渡した。
「……通ってよし」
私は安堵した。
どうやらバレること無く順調に事は進んでいるようだ。
「さぁ!早く行きましょピエットさん!」
五月雨は私の手をギュッと握りしめた。
以外とその手には力があり、とても年相応の少女の力とは思えなかった。
「ああ、っておい!ちょと待っ――」
私はそのまま手を引っ張られ物凄い勢いでゲートを越え気づいた時には鎮守府の敷地内への侵入に成功していた――。
第三話の投稿です。
いやー正直、一人称のほうが三人称より書きやすいと感じました。
完成度はともかく……。
最近、『スターウォーズ反乱者たち』を見てるんですが正直ダースベイダーの声はうーんと首を傾げます。
でも、しょうがないですね。