ポケットモンスターブラッド   作:ホッシー@VTuber

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第12話

「ルールは1対1のシングルバトル。どちらかが戦闘不能になったら、終わり。いいか?」

「は、はい!」

 バトルフィールドの向こう側でユカリが頷く。

「じゃあ、リオル。頼んだ」

『うむ』

 足元にいたリオルはフィールドに入った。

「チコちゃん! お願い!」

 ボールを投げてチコリータが出て来る。足踏みをして気合が入っているのをアピールした。

『とりあえず、様子見だ。向こうから来るのを待とう』

 テレパシーで指示を出すとリオルは小さく頷く。

「来ないならこちらから行きます! チコちゃん、<たいあたり>!」

 ユカリの指示を聞いてチコリータがリオルに向かって突進して来た。

「いなせ」

 走って来たチコリータを受け流すリオル。勢い余ったチコリータはそのまま、顔面から地面に叩き付けられる。ユカリの口から短い悲鳴が上がった。

「<はっけい>」

 その隙にリオルがチコリータの背中に<はっけい>を叩き込もうと接近する。

「<つるのムチ>!」

 しかし、相手は態勢を立て直さずにツルを伸ばし、リオルの右手首を掴んだ。

「地面に叩き付けろ」

 すかさず、空いた左手でツルを握ったリオルは思いっきり引っ張ってチコリータを振り回し、フィールドに激突させた。

「<スカイアッパー>」

 ダメージが大きいのかフラフラしているチコリータに向かって技を繰り出し、相手の体は空高く舞い上がる。

「ち、チコちゃん!?」

 ユカリは叫びながらフィールドに落ちて来たチコリータを抱き抱えた。

『え、えげつないことをしたな……』

『<ブレイズキック>よりはマシだろ』

 テレパシーでリオルと会話しながらユカリに近寄る。

「ゴメンな、チコリータ。大丈夫か?」

 瀕死のチコリータの葉っぱを撫でながら問いかけた。目を開けたチコリータは小さく頷いてくれる。

「ユカリ、急いでジョーイさんに」

「は、はい!」

 慌ててポケモンセンターに駆け込むユカリを見ながらため息をつく。

『それにしても、さっきの戦い方、すごかったな。ポケモンバトルには慣れているのか?』

「まぁ、な」

 足元で質問して来るリオルに軽く答えて、俺もポケモンセンターの中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チコちゃん、大丈夫?」

 ポケモンセンターのソファでチコリータを抱えながらユカリ。聞かれた本人は葉っぱをブンブンと振って元気さをアピールしている。

「よかったぁ……でも、トーマさんって強いですね。まさか、あそこまで圧倒されるとは思いませんでした」

「ユカリはいつ、チコリータを貰ったんだ?」

 質問に質問で返すが、ユカリはあまり気にしていないようですぐに答えてくれた。

「2週間ほど前です」

「チコリータの他には?」

「いいえ。この子が初めてのポケモンです」

「そっか。大切にね」

「はい!」

 笑顔で頷くユカリを見て思わず、頬が緩んでしまう。俺も最初にポケモンを貰った時はすごく喜んだ。

(それが今じゃ、あれだもんな……)

 ため息を吐くとリオルがズボンの裾を引っ張った。

「どうした?」

『いや、何だか哀愁に満ちた波動を感じて』

『お前、そんなことまでわかるんだ』

『これでもリオルだからな』

「あ、あの! トーマさん!」

 テレパシーで会話しているとユカリが大きな声で俺を呼んだ。

「何?」

「そ、その……今、旅をしているんですよね?」

「ああ、そうだけど」

「わ、私も一緒についt――」

 ユカリは言葉を最後まで続けることはできなかった。突然、ポケモンセンターの壁が爆発したからだ。

「な、何だ!?」

 館内が大混乱に陥る中、チラッとリオルに目を向ける。

『人の波動が、4つ。いや、その後ろからもう2つ来ている』

『6人か……』

 しかも、まだポケモンを出していないようなので全体的な戦力は把握できていない。

「と、トーマさん! これは何かのイベントですか!?」

「ポケモンセンターの壁を破壊する奴らが楽しそうなイベントをしてくれるとは思えないな」

『来るぞ!』

 リオルの叫びで前を見ると煙の中からガブリアスとストライクが出て来た。それも俺たちの方に向かって。

『こいつら、リオルを狙った奴らの仲間か!?』

「<でんこうせっか>!」

 俺の足元からストライクに突っ込むリオルだったが、ガブリアスの<ドラゴンクロー>で吹き飛ばされてしまった。その間にストライクが俺の前に着地する。

「くっ……」

 ストライクの<きりさく>を紙一重で躱し、そのまま蹴りを入れた。ストライクの体が後方へ飛ぶが入れ替わるようにガブリアスが俺に接近する。

(狙いは俺!?)

「<バトンタッチ>!」

 咄嗟にリオルと位置を交換。

「<スカイアッパー>!」

 そのまま、リオルはガブリアスの顎に拳を叩き込む。ガブリアスの体がグラリと傾く。

「おらっ!」

 そこへドロップキックを放ち、ガブリアスを吹き飛ばす。

「トーマさん、後ろ!」

 ユカリの悲鳴で後ろを見るとストライクが右の鎌を振り上げていた。

「がッ……」

 鎌が俺のお腹にヒットし、体から力が抜ける。<みねうち>だ。

『トーマ!』「トーマさん!」

 リオルとユカリが絶叫する。返事をしようとするが、その前に意識を刈り取られてしまった。




因みにトーマが最初に貰ったポケモンと今、持っているもう一匹は違う子です。
更に最初に貰ったポケモンはタマゴから孵した子だったりします。
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