1,零春
春。それは、暖かく眩い光。
俺には、かけ離れた言葉だ。
……そんなことは、どうでもいい。
そして、毎日が過ぎるのはいつも寒い。
1人。1人。1人。
1人は、寒い。
家に行けば、妹はいる。
だけど。
1人。所詮、1人なのさ。
悔いはないよ?別に。
自分で望んでしまったことなのだから、それまでだ。
今日も、寒い日が来る。明日も。明後日も。
でも、俺は別に関係なく生きるさ。
当たり前だろ?ぼっち最高だ。
───通学。朝は、バスだ。
一番落ち着くかも知れないな、ここ。
乗った矢先に窓を覗けば、遅れて乗れずのサラリーマンや学生。
車内は落ち着いていて、書類を見直している人や単語帳を見ている人。寝ている人もいれば、俺と同じような人もいる。
ここ、やっぱ落ち着くな~。
───そして、暇が生まれる学校に着いた。
俺の学校、差々越高等学校(ささのえつこうとうがっこう)。
俺はいつものように足早に自分の席へ行くと、イヤホンをして曲を聴きながら、突っ伏した。
これが俺の日課だ。
この至福の時間は、早く過ぎ行くもの。
もう、HR(ホームルーム)だ。
「皆さん、おはよう。今日は、転校生が来る。本当はもう来てるはずなんだが、教室に入って来なくてな……」
そ、そうなのか。
まぁ俺には関係の無いことなのだけれど。
1時限目、2時限目と着々と時は過ぎていく。
遂には、もう昼飯の時間だ。
昼飯は、親の手作りの弁当。
これと言った特徴もない弁当だけどな。普通が一番だ。
昼飯の時間もあっという間に過ぎ、余った時間を朝のように過ごす。これが、俺───即(すなわ)ち、ぼっちの1日。
だけど、今日は違った。色々と。
2,一滴
「あぁ、お前達、今日の5時限目は急遽学活だ」
先生が、急いで教室に来た。
そして、学活になった5時限目。
「朝来てると思ったんだが、あの後電話したところ来てなかったみたいなんだ。転校生の事な。そして、今来たから、急遽変更だ」
俺にとっては、すごいです嬉しい事だ。いや、他の人も嬉しいか。授業が潰れたのだから。
「おーい、入ってこい」
俺は、この後。実に3秒後、悪夢を見ることになるのだった。
「こ、こんにちは」
その顔は、俺の脳裏を叩き起こし、思い出の引き出しを一気に開けることになった。
「では、自己紹介を」
「はい。僕は、奈良県立鹿末高校から来た、固間 未弛(かたま みたる)で────」
「チッ、なんだよ」
俺は、込み上げて来たものを止めることは出来ず吐き出してしまった。俺が呟いた言葉に、教室にいるみんなは軽蔑した目で見てきた。
ぼっちの特権。これ。
「秀太じゃん。……あ、転校してきた理由は──」
俺の名前を、声になどしたくない、とまるで言っているような声音で言った。
あいつは、俺の幼馴染み。幼稚園、いや、それより前からの付き合いだ。俺の家の隣に、住んでいたのだ。
そして、小学校と中学校は一緒で、だけど中学生の3年生の初めに引っ越していった。
確か……3歳からの付き合いだったっけな。
まぁ、それはもう色々な事があった。
楽しかったさ。とても。俺はコイツがいなくては、どうなってた事か。
その結果、コイツという生き物が存在(い)たせいで、現に俺はこうなっている。
そうなった理由は、中学の時に起こった────。
どうも。
小説家になろうからなんでルビがまだ振れてません。
暇な時に、振ります。
これからもよろしくお願いします!
お読み頂き、ありがとうございます。