こころがぴょんぴょんしそう……しそうじゃない? 作:ほったいもいづんな
それは皆がラビットハウスに集合している時だった。
「私はデレ期に入ったからよろしく」
と、皆の前で言った。 何のことだか分からないココア達にリゼが茶々を指差す。
「アレに対してって意味だからな」
アレに目を向ける、そこには茶々がいつも通りアイスティーを飲んでいた。 思考が停止すること10秒。 一気に爆発する。
「えぇー! リゼちゃんが茶々にデレたのぉ!?」
「いいい、いつそんなことが決まったんですか!?」
「 」(心停止)
「な、なな……!」
ココアは純粋に驚き、チノは純粋に慌てる。 そしてシャロは純粋に死のうと思った。 そして千夜は……
「本当なんですか! 茶々!」
「え、なんのこったよ?」(素)
「リゼちゃんが茶々さんの浮気相手になったことです!」
「あ? それは違えよ」
何やら語弊が生まれたようだ。 茶々は面倒くさそうにアイスティーを飲みながら説明する。
「あいつが、デレ期に入ったとかややこしいこと言ってんのが悪いのよ。 あいつはただ妹脱却を目指してるだけだから」
「……つまり?」
「絶賛俺攻略中ってとこだろ」(メインヒロイン)
「んなっ……!」
狼狽える千夜にリゼは勝ち誇った顔で言う。
「一手だ、ほんの少しだが……一手リードさせてもらったぞ……」
「わ、私だって負けて……」
「私はもう自分の気持ちを伝えたぞ? お前と違ってな……」
「あうぅ……」
リゼと千夜による舌戦が繰り広げられている、それを茶々は昼の韓国ドラマを見ている感覚で眺めていた。
「お前はよく茶々とスキンシップをしているようだがなぁ……私にとってそれはもう何年も前に到達した地点だ!」(中国3千年)
「!! ……ま、負けた……スキンシップの数の差で……」
「楽しそうだなこいつら」(他人事)
ラビットハウスは今日も騒がしかった。
「 」(天国への階段)
「シャロちゃーん! カフェインを吸う呼吸をしてー!!」
「これです! このコーヒーなら……」
ハジの方で心停止したシャロの蘇生が行われていたことを後で知る茶々であった。
「どうしようどうしよう……!」
千夜は焦っていた。 確かにリゼと茶々は兄弟同然の仲の良さだ、だからと言ってそれが恋愛に繋がるとは思ってもなかった。 茶々もリゼに対してそういう目を向けたことはないと思っていたが、よもやリゼの方から仕掛けてくるとは思わなかった。
「茶々さんが取られちゃう……」
千夜は周りに気配りできる人間故、自分に対して気を配ることがない。 もっと言えば自分を蔑ろにする傾向がある、そんな千夜だから茶々に対して甘える時は度が過ぎるくらい甘えるのだが。
「うー! うー!」
因みに千夜は今自室に寝転がっている。 一人部屋でゴロゴロ転がるサマはさながら駄々をこねる子どものようで。
「……そうだ!」
何かを閃いた千夜は携帯を手に取りアドレス帳を開く。 どうやら誰かに相談をするようだ。 一体誰に? シャロは現在瀕死、チノに相談するのも変、リゼは論外、ならば残されたのは……
「もしもしココアちゃん?」
『あ、千夜ちゃん? どうしたの〜?』
同じ学校に通う親友、ココアだ。
「ココアちゃん今大丈夫?」
『うん! 今は一人で散歩している所だったし。 ……千夜ちゃんが電話してくれなかったらずっと孤独だったよ……』
「そ、そうだったの……」
電話越しから聞こえてくる声から、一人孤独でプルプル震えているココアを容易に想像出来る千夜。 存外メンタルが弱いココアに今相談しても大丈夫なのかと若干の不安を覚える。
「実は相談したいことが……」
『……え? 相談……?』
「えぇ……あ、でも今すぐじゃなくても……」
「聞くー! 相談聞いちゃうよぉ〜〜! お姉さんに任せなさぁーい!!」
そんな不安は一瞬で消え去った。 メンタルは弱いが切り替えは早い女、それがココアだった。 急にテンションがメーターを振り切りそうなココアに少々引きながら相談を始めた。
「実は……この間リゼちゃんが言ってたじゃない? デレ期に入るって」
『ふんふん……』
「それで……私も何かアプローチしないといけないと思ったんだけど……それが思い浮かばなくて……」
『なるほどなるほど……』
千夜の相談をツッコむ事なく聞き入れるココア。 千夜が茶々に対して並々ならぬ想いを抱いているとか、そこそこ危ない精神状態であるとか、そこら辺の所を全て受け入れられるココアはやはり頼れる姉……?
『うー……ん、今から千夜ちゃんがリードするのは難しいと思うよ?』
「そうよねぇ……」
『それに、普段ツンツンしているリゼちゃんは妹キャラだったけど、妹脱却したら新たなギャップ萌えとしてすごく目立つからね。 千夜ちゃんもそれくらいのギャップがないとちょっと厳しいかなぁ』
思いの外的確に解説してくれている。 10万年以上生きている悪魔が流暢に相撲の解説をするみたいに。 やはりココアは出来る姉だった……?
「ギャップかぁ……」
『あとは……それ以上の衝撃か……』
だがやはりココアはクォクォア。
『既成事実ってやつを作ればいいってこの間見た昔のビデオで見たよ!』
ポンコツなのは変わりなく……
「既成事実……既成事実!?」
これには千夜も目をパチクリ。
『うん! 男は既成事実さえ出来ればあとはこっちのものだってドラマのヒロインが言ってたよ!』
「まさかここに来てすっごいあやふやなアドバイスをするなんて流石ココアちゃん!」
『えへへ〜褒めてもいいよ〜』
決して褒めてはいない。
「でもそっか……確かに事実さえ出来れば……」
『私はこれくらいしか出来ないかな……? 参考になればいいんだけど……』
「ううん、とっても参考になったわ! ありがとうねココアちゃん!」
『どういたしまして!』
礼を言って通話を切る。 千夜の心の中は一つの言葉で埋め尽くされる。
「既成事実……作ればいいんだ!」
千夜は確かに登り始めていた……この果てしなく続くヤンデレ坂を……(手遅れ)
「……」
茶々は困っていた。 茶々の視線の先にその原因がいる。
《〜〜♪》
茶々の視界にチラチラ入り込んでくる……『ミルクの亡霊』だ。 いや、亡霊と呼ぶにはフリーダム過ぎるそれはリゼが茶々に告白した日から現れた。
「……幽霊になっても呑気してんなぁ、こっちはそれどころじゃねぇってのに」
茶々の視界に入るミルクは自由そのもの、だが茶々が悩んでいると一方的に言葉を飛ばしてくる。
《大体茶々君が頭を悩ませているのは茶々君自身が原因の時ばっかりなのだー》
(ぐっ、うるせえ)
《茶々君がもっとハッキリとしていれば困る事もないのにー》
(こ、こんの……)
ミルクは茶々の言葉を聞いているのか聞いていないのか、ただただ直球を茶々に放る。
(あぁもう、何だってこんな妄想に文句言わなきゃならねぇんだっつうのよ)
ただでさえ周りの女子達に頭を悩まされるのに、言葉通り現れた『妄想』にまで付き合わされるなんてついていない。 だがこの妄想は茶々が一人の時のみ言葉を発する。 故に耳を塞ぎたくなったら誰かに会いに行けばいいのだ。
《そもそも茶々君は誰彼構わず優しくするのもいけないと思うのだー》
(うるへーうるへー……それが俺の取り柄だ)
《だから自分に優しく出来ない》
(……)
ミルクの言葉に茶々は黙る。 それは紛れもなく的を得ていた、核心と呼ぶよりは本音と呼んだ方がいい。
《いつも自分以外が幸せになる事ばかり考えて、唯一自分の幸せを考えて、それが出来たのが私との付き合いだけなのだー》
(……それが悪いかよ)
《そんなに茶々君の世界は狭くないのだー。 それも知っているはずなのに知ってて閉じこもってる》
(…………)
茶々は自分が不幸になる事に慣れてしまっている。 それは茶々の辛い過去の出来事から生まれた負の精神。 自分さえ耐えればいい、自分さえ我慢出来ればそれでいい、そんな負の精神を背負ってしまっている。 それは茶々も気付いている、わざわざミルクに、自分の作り上げた妄想に指摘されるまでもない。 だが妄想はただただ言葉を茶々に投げる。
《せっかく公認された浮気なのに……勿体無いのだー》
(うるせぇ! 黙ってろ妄想!)
茶々は言葉をかき消すように怒鳴る。 それは普段の茶々からは想像も出来ないような怒気だ。
「閉じこもってるだとか、優しく出来ないだとか、全部言葉だ。 囚われなければいい、置いていけばいい、俺はただ今のど真ん中であいつらと一緒にいるだけだ」
《…………》
その言葉にがっかりしたのか、顰めっ面でミルクは黙る。 そして煙のように消える。
「おー消えろ消えろ。 どーせ忘れた頃に出てくるんだろ」
茶々の言う通り亡霊は消えては現れを何度も繰り返す。 その度に茶々が怒鳴り黙らせる、その繰り返し。 だが亡霊は、ミルクは茶々に何かを伝えようともしていた。
「何が『亡い女を想う』から妄想だよ。 想って何が悪いってんだ」
だが今の茶々にはまだ届けられない。
千夜は茶々を呼び出した。 名目上は勉強を教えてもらうこと、本当は茶々との既成事実を作るためだが。
「おじゃまするわよぉ〜」(カッチャマ)
そこに何も知らないホモが行く。 いや今からイクのだが。
「どうぞー、私の部屋に行きましょう」
もちろん現在宇治松家には他の人間はいない。 千夜の計画的犯行によるものである。
「にしてもクォクォアじゃなくてよかったんすか?」
「今日はちょっとココアちゃんが苦手な所なので……」
「ふーん……」(非察し)
ココアは以外と理系女子である。 数学や物理などは周りより出来る方だ。 そのせいか文系は壊滅的で、どれほど数学等でいい点数を取ろうと文系が足を引っ張る。 故にココアが苦手と言えば文系であることは確定的に明らか。
「……文系って千夜出来ていませんでしたっけ?」
ココアとは反対に文系に強いのが千夜だ。 流石は大和撫子代表(木組みの街)、現代文から古文、歴史や地理にも強い。 そんな千夜がわざわざ教えを請おうと言うのだ。 茶々からしてみれば変な話である。
「実は……ちょっと難しい課題が出ちゃって……」
「ほーん」
「それが……あ、喉乾いていませんか?(唐突) 今飲み物持ってきますね」
「お、おう……別に喉乾いてないけど……」
茶々を自室に置き、台所に向かう。 そして冷蔵庫に閉まってあるアイスティーをコップに注ぎ、そして……
ーーーーサーッ(迫真)
茶々のコップに白い粉を入れる。 そしてかき混ぜ溶かし、千夜は妖しく笑う。
(この間茶々さんから貰った即効性のある睡眠薬を入れたアイスティーを飲めば茶々さんにあんなことやこんなことが……)
まさかの野獣と化した千夜。
「おまたせしました。 アイスティーしかなかったですけど、いいですか?」
「ありがとナス!」
そしてそれに気付かず差し出されたアイスティーに口を付け……
「クゥン……」(瞬獄殺)
そのまま後ろに仰向けになり眠り始める。
「やったわ」(ガッツポーズ)
完全勝利した千夜、もはや誰にも千夜を止められない。
「ふふ……茶々さんのは、だ、かぁ〜! 脱ぎ脱ぎしましょうねぇ〜」(目がハート)
茶々の衣服を脱がしていくそのサマは、誰がどう見ようと変態だった。 だがその表情は……
「ーーえ」
一瞬にして消える。
「これ……」
茶々の上半身は傷だらけだった。 何かに引っ掻かれた痕、何かが突き刺さった痕、少なくともそれらのキズはアメフトやラグビーなどのスポーツですら付くはずのないキズ。 そしてそれらは人為的に付いたようにしか見えなかった。
「…………」
千夜は言葉が出なかった。 これらのキズはどう見ても人によって付けられたもの。 千夜の脳裏には凄惨な光景が頭をよぎる。
(キズ……ケガ? 何で? どこで? いつ? 知らない。 聞いたことがない。 もしかして子どもの頃? 虐待? イジメ? 性ーー)
茶々の過去の壮絶な1年の事を知っているのはタカヒロやミルク達だけ。 千夜は知らなかった。 そんなのは当たり前だ、茶々本人も教えようとはしなかった。 だから想像もしなかった。 だから
「うっ……!」
言葉の出ない代わりに込み上げてくる吐き気。 だが千夜は必死にそれを抑える。 今ここで吐き出すことは、ソレを自らが認めること。 それは茶々に依存していた千夜が、依存するなら
「っ……はぁ……はぁ…………ッ」
千夜は自分という女がこれほどまでに愚かで、人間としての最低ラインを超えていたのかと自分を責める。 だがどんな言葉を心の内に吐き出しても意味はない。
「茶々さん…………」
千夜は涙を流す。 その涙は茶々の体に落ちる。 千夜は茶々が目を覚ますまでただただ泣いていた。
《あ〜あ、泣かせちゃったねぇ茶々君》
亡霊は見ていた。
《君は闇の中から光へと踏み込んだ気になっていただけなのだ。 いや、光にいたのに知らず知らずのうちに闇に戻ってしまっていた》
亡霊は泣いている千夜の頭にそっと手を置く。 置いた所ですり抜けてしまうから添えていると言った方があっている。
《今の茶々君は闇の中から光を覗いているだけ。 だから闇を覗いてしまったこの子は闇に当てられてしまったのだ。 可哀想に、よしよし》
ミルクはまるで母親のような優しい眼差しを千夜と茶々に向ける。
《君が自らの闇を出さないからこうなるのだ。 早いところ闇から抜け出さないと……誰も幸せになれないよ?》
寝ている茶々に送られた言葉は、ひたすらに優しかった。
「ぅ……クォクォア……?」
「うっ……ひっぐ……茶々さん……」
「え゛えええ!?」(バラガス)
目覚めた茶々の目の前には泣いている千夜、そして何故か上半身が裸になっている自分。 まさかのダブルショックが茶々を襲う。
「え、ちょっ、ちょっと待って? どういうことなの……(レ)」
「茶々さん……ごめんなさい……」
茶々は自分の身に何が起こったのかをニュータイプ並の察知力で理解する。 自分が昏睡レイプされそうになったことに若干の恐怖を感じたが、千夜が涙を流す理由が分からなかった。
「私……茶々さんに何があったなんて知らないで……知ろうともしないで酷いことをしようとしてた……」
「……あ」(察し)
「茶々さんに勝手に依存して……私のワガママばかり押し付けて……私、最低……っ!」
茶々は自らのキズをなぞる。 確かにこのキズは自らの心を傷つけた忌むべき傷痕。 だがそれがまさか千夜の心を傷つけることになるとは思っていなかった。
「千夜……」
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
両手で顔面覆い、茶々に謝り続ける。 そんな千夜を見ながら茶々の頭には全く別のことで埋め尽くされていた。
(こいつ……何て優しい奴……)
それは千夜の優しい心に対する感動だった。
「千夜お前……すっげぇ優しい奴だなオイ」
「……そんなことないです……私は最低です……」
俯く千夜に茶々は絶えず言葉を送る。
「そこらの依存系女子の大半は自分の事しか考えていないけどよぉ、千夜は俺のために泣いているクッソ優しい心の持ち主だってハッキリ分かんだね」
「そんな……私は……」
「大体コレはもうガキの頃の奴だから今更感が半端ないんだよね、もう俺にとって死ぬほどどうでもいいことだし」
事実、茶々はもう昔の事には決着を付けてある。 このキズもタカヒロ達との出会いに必要だったと割り切っている。
「大体千夜は要らん所で気を使いすぎだってそれ一番言われてるから。 もっと笑ってよホラホラ」
茶々は千夜の頬を掴みムニュムニュ弄る。
「お前が『全身全霊』千夜でいる時は、ものっクソいい笑顔してるからよぉ」
「ひゃ……茶々さん……や、やへ……」
「いいか千夜、木は何故木なんだ?」(哲学)
「……ひぁい?」
唐突に哲学を叩き込まれる千夜。 何故ここでそんな話が? もちろん千夜を慰めるためにだ。
「木が『全身全霊』木であり続けるから木なんだ。 岩も『全身全霊』岩であり続けるから岩なんだ」
「……??」
「お前も同じ、千夜が『全身全霊』千夜であり続ける時が千夜なんだよなぁ。 その時のお前はすっ…………ごい笑顔だから。 それが本当の千夜なんだよなぁ」
千夜はいつも笑っている。 だが茶々と二人きりの時はもっと笑っている。 それを茶々は知っている、茶々はその笑顔を見るのが好きだった。
「お前が一体ナニを誤解したかは知らないけどさぁ……俺はいつも『全身全霊』俺であり続けてるつもりだから、聞きたかったら聞いて、どうぞ」(スマイルプリキュア)
何言ってんだこいつ。(読者代弁) 突然哲学放たれても理解出来るわけないだろ! いい加減にしろ! ……だが千夜は茶々の言葉を受けて気付く。
「茶々さん……」
「お、理解したかぁ?」
「……いつまで上半身裸何ですか?」
「お前が脱がしたんだルルォ!?」
茶々、ここまで半裸だった。
「あ、その前に……」
千夜は服を着ようとする茶々を制し、手を伸ばす。
「このキズ達……触ってもいいですか?」
「お、鬼鮫かな? いいゾ」
千夜は傷痕を指でなぞる。
「あ……」
傷痕は暖かかった。 茶々と同じ体温をしていた。 千夜はこの傷痕達が茶々を苦しめているのだと、雪のように突き刺す冷たさをしていると思っていた。 だが傷痕は茶々と同じ暖かさを持っていた。それは茶々がこの傷痕達も自分なのだと受け入れたことなのだと千夜は知る。
「……暖かい……それに柔らかい……」
「あの……まぁだ時間かかりそうですかね……?」
千夜は決意する。 茶々の事をもっと知ろうと。 茶々の『全身全霊』をもっと見て感じようと。 そして全てを知った時、『全身全霊』で茶々を好きになると。 本当に恋を始める為にこれから始めようと密かに決意する。
「茶々さん……私……これからもっと茶々さんのことを知ろうと思います」
「え、聞いてくれれば答えるんだけど」
「へ? ……えっと……もっともっと自分から知っていこうと思います!」
「いやだから、聞いてくれれば答え……」
「私、頑張ります!!」(頑張りますロボ)
「お、おう……」
千夜は今まで自分の事だけのために甘えてきた。 これからは茶々の為に茶々を知り、そして甘える。 そのために茶々を知っていく、それこそが茶々を本気で好きになる為に必要なのだと悟る。
「だから今は……」
「んぉ?」
千夜は茶々の頬に顔を近づかせ、そして……
「……チュ」
「ファッ!?」
唇を押し付ける。 慌てる茶々に千夜は悪戯っぽく笑う。
「それで我慢します……♪」
「え、あ、お……えぇ……」
茶々はキスされた左の頬に手を当てる。 そしてそこからほんのりと伝わる千夜の残熱に触れる。
「……何かよく分かんねえけど、千夜が笑顔ならいっか」(能天気)
いつもの千夜が甘えてくる時と同じ、『全身全霊』千夜であり続ける時の熱を感じ、嬉しそうに笑った。
今回の話を要約すると。
①千夜が茶々に盛る。
②茶々の過去に気付き未遂に終わる。
③千夜は本気で茶々のことを好きになる。
3行でまとまるって情けねぇな?
今回も誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。