こころがぴょんぴょんしそう……しそうじゃない? 作:ほったいもいづんな
今回はキャラ崩壊増し増しです。
この街のいたるところにウサギが生息している。 理由? さっぱがわがんね。 公園とかに行けば発情したウサギいっぱいいるから性教育にちょうどいいんじゃない?(投げやり)
今は午後の3時くらい、まだまだ明るいこの時間に俺はラビットハウスじゃなくて公園にいる。 別にサボりじゃねえし、ただココアが頑張っているのを察して抜け出してきただけだし。 外の空気をすぎた吸いたくなっただけだし。
「ズズッ、ぷはー! 今日もいいペンキ☆」(RU)
俺はベンチに座ってアイスティーをすする。 アイスなのにすするとかこれもう分かんねえな?
「あぁ茶々さん、こんにちは」
「ヌ? あ、『ブルーマウンテン』姉貴、こんちゃす!」
ブルーマウンテンこと『青山 ブルーマウンテン』は作家さんだゾ。 昔に書いた小説はラビットハウスがモチーフになっていて、昔のマスター、つまりはチノのおじいちゃんの事を尊敬しているそうだゾイ。(DDD) ブルマ(DB)は年齢は知らないけど多分俺より年上だから敬って、どうぞ。 スタイルもいいし、面白い人だけど……残念美人的なアトモスフィアを感じる人だ。
「ここにいていいんですか? お仕事の方は……」
「どうせ誰も来ないからへーきへーき!」(店員の屑)
ラビットハウスが繁盛してるだって? そんなのは年に一回あるかないかでしょ。それにティピ太郎が言ってたけど、ラビットハウスは隠れ家的な店を目指しているって言ってたし。 話題に上がるとティピ太郎を誤魔化す方が大変なんだよなぁ〜
「そういうブルマ先生はどうしたん? またネタギレっすか?」
「はい……次に登場する新しい登場人物を考えているのですが……中々思いつかなくて……」
「ふーん……。 あ、そうだ。(閃き) 明後日にココアの姉が来るらしいっすよ? 何でも頼れる系お姉ちゃんらしいっすけど……」
「頼れるお姉ちゃん……閃きました! 今からラビットハウスに行ってココアさんのお姉さんの話を聞きに行きましょう!」
どうやらお役に立てたようだ。 いい仕事してんねぇ、どうりでねぇ!(熱い自画自賛)
「取材です! 茶々さんも行きましょう!」
「え、それは……」
「さぁ!」
「えぇ……」
今ここで戻るとサボってた事に何か言われそうだし、困った……くまった……。 ……ん?
「青山先生! 見つけましたよ!」
「あ、大変!」
「締め切りが近いんです! 早く執筆してください!」
この人は確かブルマ先生の担当の人だった気がする。 ……つーか締め切り近いならそもそも外に出てないと思うんですけど……あ。(察し)
「えぇと……えぇと……」
「さぁ! 戻りますよ!」
「えぇと……そうだ! 今から取材に行くんですよぉ」
「ふーん、明日締め切りなのに……ですか? そんな暇あるとでも?」(論破)
(明日締め切りなら)ないです。 素人にもハッキリ分かんだね。
「それじゃあ……えぇと……」
「それじゃあって言うのか……」(困惑)
「そうだ! この人私の恋人なんですよ〜」
「ファッ!? うっそだろお前!」
「なのでこれからデートに……」
「……そんな言い訳が通じるとでも……?」(強者の貫禄)
なぁんで俺も巻き込まれないといけないんですか? つーかデートにしろ外に出てる時点で怒られるの確定だと思うんですけど。(名推理)
「さぁ! 帰りますよ!」
「あぁ〜れぇ〜」
「あ、気をつけて、どうぞ」(礼儀を欠かさない人間の鑑)
ブルマ先生大丈夫っすかね……おもっくそ引きずられてたけど……。 担当の人怪力だなぁ。(失礼)
「あれ? 茶々じゃん」
「茶々さんこんにちは〜」
「お、マヤにメグじゃないっすか。 オッツオッツ」
マヤこと『
メグこと『
リゼから三人の頭文字を取って「チマメ隊」と呼ばれている。 今はチノがいないからマメだな!(意味深)
「何してたの?」
「さっきまでブルマ先生と話していたんだゾ」
「あぁ、だからさっきブルーマウンテンさんの声が聞こえた気がしたんですね」
届かぬ思い……(DJ!DJ!)でも自業自得だからね。 しょうがないね。
「つーかそういうマメコンビは何してんだぁ?」
「マメコンビって何だよ〜!」
「えっと……今からラビットハウスに遊びに行こうと思って」
「お、そうなんすか? ちょうどいいや」
これでマメコンビを連れてって、ココアの為に連れてきたんだよ! って言えばサボりも許されるな!(人間の屑)
「今さぁ、ココアが特訓してっから、お前らの力を貸してくれよなぁ〜頼むよぉ〜」
「特訓! 面白そう!」
「お手伝いすればいいんですね?」
マメコンビは扱いやすくてーーーーんっんー! ええ子たちでよかったぜ。(世界の歪み)
「じゃけん行きましょうねぇ〜」
『わーい!』
俺たちはラビットハウスに向かった。 やっぱチョロイっすね。(暗黒微笑)
「あ! うさぎさんだー!」
「茶々ー! アイス買ってー!」
「……小学生には勝てなかったよ」(レイフ⚪︎目)
マヤは何度も俺に奢らせ、メグは気がついたら他所に歩いていく……。 お兄さんのストレスがマッハ、悪いことはできないってハッキリ分かんだね。(白目)
「お邪魔しまーす」
「チノー! 遊びに来たぞー!」
「ぬわああああん! 疲れたもおおおおん!」
「マヤさんメグさんいらっしゃいです。 あと茶々さんは働いてないから疲れるはずがないと思うんですけど(名推理)」
ちっ、ばれたか。 名探偵かてめえはよぉ!
「二人とも何で茶々さんと一緒だったんです?」(無視)
「何か面白いことやってるって聞いたから!」
「えぇ……面白いんですかね……」
ココアのお姉ちゃん特訓は端から見たら面白いです。 当たり前だよなぁ?
「どういうこと?」
「えっとですね……明後日にココアさんのお姉さんが来るそうなんです。 それでお姉さんの前でかっこ悪いことは出来ないって事なのでみんなで特訓してたんです」
「わほーい! 面白そー! 私もやるー!」
「頑張ります!」
「ありがとう二人とも!」
メグとマヤにココアを任せて、俺は千夜とシャロの所に向かう。 あとついでにリゼもいる。
「ついでとは何だついでとは」
「先輩、茶々にいちいち構う必要ないですよ」
相変わらずこのお嬢様(笑)コンビは辛辣だなぁおい。 それに比べて千夜はお淑やかで優しいゾ。
「茶々さんは寂しいと死んじゃうからちゃんと構ってあげないとダメよ二人とも?」
優しさが……優しさが欲しい……欲しくない?
「つーか、リゼがツッコミ無しで手伝うなんて珍しいっすね」
いつものリゼなら息が乱れる程ツッコミを入れてると思うんですけど……。 今回は珍しく協力的じゃない?
「……それは、その……。 私には兄弟姉妹なんていないからな……ちょっぴり羨ましいし、頑張っているココアを応援したくなっただけだ……ホントにそれだけだ」
リゼが珍しくショボくれている。 あ、いつもか。 ……ったくそんな寂しそうな顔してんじゃねぇぞ?
「オイィ、お前には俺というお兄さんがいるだろ?」
「お前はお兄さんというよりはおじさんだ」
「おじさん↑だと!? ふざけんじゃねえよお前、お兄さんだろォ!!」
「(そんな年じゃ)ないだろ」
まったく、何て言ってリゼは顔を逸らす。 でもこっから笑っているリゼの表情丸見えなんだよなぁ……
「あんたみたいな汚い存在がリゼ先輩の兄に相応しいとでも思ってんの?」
「汚さは関係ないだルルォ!?」
「関係大アリよ。 リゼ先輩ほど高貴な存在にはそれ相応の気品が必要なんだから」
「私そこまで高貴な存在じゃないと思うんだが……」(冷静)
「でもシャロちゃんの言う通りだと、シャロちゃんにリゼちゃんの姉妹になれないわねぇ」
「うぐっ!」
「貧乏性に気品はないってそれ古事記にも書かれてるから」
「グヌヌ……」
シャロはそのまま千夜と話し続ける。 俺は途中からフェードアウトしたリゼに話しかける。
「リゼはお姉ちゃんが欲しいのか?」
「いや、別にそういう訳では……」
「おめえが寂しいって言うなら、みんながちぁ〜んと来てくれるから。 もっとみんなに甘えて、どうぞ」(兄の貫禄)
「……お前はいつも変なところで……まったく」
変なところって、俺はいつも通りだから。 俺におかしな所はねぇよなぁ?
「……そうだな、偶にはココア達に甘えてみるか」
「お、そうだな」
「ただし茶々、てめーはダメだ」(ボーボボ)
「ファッ!?」
俺たちがやんややんやしている内にマメコンビの特訓は終わっていた。 でも大した成果はないってはっきりわかんだね。(諸行無常)
「ゴメンなココアぁ……」
「力及ばす……ごめんなさい」
「いいんだよ二人とも! あ、そうだ! 二人にコーヒー入れてあげるね!」
どうやらココアが二人に労いの一杯を入れてあげる様子。 というか今語録がココアの口から出なかった!? もしや一子相伝の技が遂にココアにも……!
「(受け継がれて)ないです」
心を読むのは止めろチノ。
「お待たせー! ラテアートにも挑戦してみたよぉ」
二人に出したコーヒーには、ココアの言う通りラテアートが施されていた。 ……つーか普通に上手ない?
「ココアさんこれですよ!」
「何が?」
「ラテアートだよ! ここに来た当初の落書きとは大違いだ!」
前に聞いたけど、当初のココアのラテアートは中々凄まじかったらしい。 チノほど前衛的ではないが。 簡単なものしか出来なかったと聞いていたけどぉ……コレ普通に凄い……凄くない?
「あったじゃないか、ココアの成長した証が!」
「私……成長してる……のかな……」
「もちろんだ!」
「そっか……。 えへへ……ありがとうリゼちゃん」
ココ×リゼ、イイぞぉ〜コレ。
「よぉ〜し、明後日頑張るぞー!!」
「……それじゃあ私たち何もしなくてよかったんじゃ……」
「あら、みんなで頑張ったから気づけたのよ。 ならいいじゃない」
「終わりよければ全てよしって、それ一番言われてっから」
ま、明後日頑張って、どうぞ。
マヤとメグは日が暮れる前に帰ったが、シャロと千夜は暗くなるまでラビットハウスに残っていた。 流石に暗い中帰すのはアレなので俺が送っていくことにした。
「やぁっぱ、日が落ちるとちょっと冷えっぞ」
もうすぐ夏だからって、調子に乗ってはいけない。(戒め)
「二人は寒い……寒くない?」
「大丈夫ですよ」
「心配いらないわ」
「お、そうか? 今なら暖めてやるよぉ、嬉しいだルルォ?」
「あんたに頼るくらいなら野たれ死ぬわ」
「わぁー暖めてもらっていいですかぁ?」
「いいよ、来いよ! 胸に飛び込んで胸に!」
「やめときなさい、匂いが移るわよ」
オォン? シャロぉ、それって俺が臭いってのかぁ? これでもココア達に気を使って毎日風呂入ってんだけど。
「男はみんな臭いのよ」(真理)
何てこった……否定が出来ない……
「あらシャロちゃん、それがいいんじゃない」
『ファッ!?』
「うっそだろお前! ……嘘だよね?」
「幼馴染が臭いフェチと知った時、私はどうすればいいのよ……」
「うふふ」
もはやミステリアスっつーか一種の変態だなこりゃ。 多分レスリング見せたらハマりそう。 俺的にはレスリングはOK、でも申し訳ないが尊師はNG。
「千夜……お願いだからこれ以上変にならないで……」(懇願)
「流石の俺も擁護出来ねぇなぁ……」
「??」
何可愛く首傾げてんだおめえ、可愛いじゃねぇか。
そんなこんなで千夜のフェチに驚愕しながら歩いていたら無事到着した。
「ふぅ……帰ってきたわね」
「それじゃあ……送迎料、30分で5万!」
「あ? 何が送迎料よ、精神汚染の謝礼から払いなさいよ」
「はい、リゼの写真」
「……今回はこれで手を打ってあげるわ」
「これが噂に聞く「越後屋」ね!」
越後屋は別に隠し撮り写真を売っていた訳ではない、申し訳ないが越後屋に対する熱い風評被害はNG。
「それじゃあね」
「うん、またねシャロちゃん」
「お、お疲れナス。 明後日もよろしくぅ!」
「ま、考えといてあげるわ」
そう言ってシャロはボロ小屋……家に入っていく。 ……辛そう、辛そうじゃない? でも俺がタカヒロさん達と昔行った国にはもっと酷いのあったからそれに比べればマシじゃん?
「さて、俺もイキますよぉ〜イクイク」
「あら、もうイっちゃうんですか?」
「……何で千夜もカタカナにしたのか、これもう分かんねえな?」
「??」
え、何? 千夜の中だと今首を傾げるのがブームなの? あざといの? アイドル路線なの? お兄さんにはもう分かんねえ。(諦め)
「帰っちゃうんですか……? せっかくですし上ってお茶でも……」
「いや、今からお邪魔するのは流石にアレだと思うんですけど……」
「そうですか……」
千夜はシュンと大人しくなり少し俯いてしまう。 ……んだよしょうがねぇなぁ。(悟空)
「わぁーたよ、30分くらいお邪魔させてもらうから。 それでいいよなぁ?」
「……!! はい!」
そしてそのまま千夜の家にドナドナされる。 ホモは出荷よー
「今飲み物取って来るから待ってて下さい」
「ありがとナス」
千夜の部屋に案内された。 千夜の部屋は女の子女の子してる、つまり普通だな。 ……でも要所要所によく分からない兜とかが置いてあって何だか不思議。
「おや、噂の居候じゃないか」
「ファッ!? ……えぇと……お邪魔してますぅ……」
「ふん、さっさと茶を飲んで千夜と話して帰ることだね」
この人はあれだろ? 千夜のおばあちゃんでティピ太郎と犬猿の仲何だっけ? ……でも悪態つきながら羊羹くれた、優しい……!
「あれ? 今おばあちゃん来ませんでした?」
「そうだよ。 羊羹くれたゾ」
「あらそうんですか。 うちのおばあちゃんが初対面の相手に羊羹あげるなんて珍しい……」
昔は鬼婆って呼ばれていたらしいっね。
「あ、はい、お茶をどうぞ」
「サンクス。 ……にしても千夜の部屋って結構小綺麗っね」
「そうですか? これくらいが普通だと思うんですけど」
「ココアもチノも、いい具合に散らかっているからもっと千夜を見習って欲しいなぁ俺もなぁ」
ココアはまだ普通に散らかるだけだけど、チノはジグソーパズルやらボトルシップやらがあるからぶっちゃけ汚い。 汚いっつーかごちゃごちゃしてる。
「普段はココアちゃん達のお部屋に行くんですか?」
「いやぁ〜行きたい時に行く感じですね。 大体……週に7回くらい」
「いつもどんなこと話したりしてるんですか?」
あ、ボケがスルーされた。
「いつもは……王道を往く……学校とか家族の話ですね」
「へぇ〜」
「そう言えば、ココアはよく俺の隣とか膝の上とかに座ってくるんだよなぁ〜。 スキンシップ激しいってそれ、一番言われてるから」
「へぇ〜……そうなんですかぁ……」
ま、兄貴分としては甘えられるのは嬉しいからね。 チノとも激しくぶつかり合いたいんだよなぁ……
「……ふふ♪」
「え、何その音符は……」
「それ!」
「ファッ!?」
な、何か急に千夜に抱きつかれたんだが……どうしたらいいの俺?
「あの……なんばしょっと?」
「私もココアちゃんみたいに甘えてみたくなっただけです♪」
「いや、流石にこの体制はマズイと思うんですけど……」(冷静な分析)
思っきし真正面から抱きつかれている。 ……どういうことなの。
「はぁ……茶々さんって結構筋肉質なんですね」
何かスッゴイ胸板を触られている。 サワサワされても別にそういう事で興奮はしないんですけど……
「ち、千夜?」
「はい、何ですか?」
「あのぉ……まぁだ離れませんかねぇ……?」
「まだまだです♪」
「えぇ……」
あ、おい待てい! 今体制変えたでしょ! これ絶対だいしゅきホールドになってるでしょ! 俺は詳しいから分かるんだ! これ以上はアカン!
「うふふ……♪」
やばいって!(闇遊戯) このままだとこの文面に載せることが出来なくなっちゃう! ノンケになっちゃうヤバイヤバイ……!
『ラットゥギャーザラットゥギャーザ……♪』
携帯からの迫真の着信音がこんなにも嬉しいだなんて……嬉しい……嬉しい……
「電話に出ていいっすか?」
「いいですよ♪」
あれ、あっさりしてんな? まま、とにかくでましょ。
「もすもす?」
『あ、茶々さん? ココアだけど……シャロちゃん達送り終えました?』
「あ、ココアちゃんだぁ」
『千夜ちゃん? まだ着いてないの? って言うか何で千夜ちゃんの声が……?』
そらお前、今千夜の顔が俺の顔の真横にあるからよ。 めっちゃいい匂いするんですけど。(女の子特有のいい匂い)
「今茶々さんとレスリングごっこしてるからよぉ」
『レスリング!? 何で!?』
「茶々さんと熱く組み合いたくなって……」(意味深)
『えぇ……』
流石のココアも困惑している様子。 当たり前だのクラッカーだよなぁ?(ゲキ古)
『えぇ……と、茶々さん、レスリング終わってからでいいから帰りにちょっとお買い物頼んでもいいですか?』
「あ、いいっすよ」
『えっとね……』
ココアから今日の晩飯の材料の買い出しを任される。 任されたっつーかチノの苦手な食材買いに行くだけなんだよなぁ〜
『それじゃあお願いします〜』
そう言って通話を終える。 今から出ればパパパって買って、終わりっ! ……何だけどなぁ。
「……」
「……♪」
未だにだいしゅきホールドしている千夜をどうやってひっぱがそうか……
「千夜……そのぉ……」
「はい♪」
「か、帰りたい……から……離れておくんなし」
「もうちょっと♪」
「えぇ……」
これあれだろ? もうちょっとって言い続けて無限ループするやつだろ。 イザナミだろ? ったくしょうがねぇなぁ……それなら最終兵器レズビアンを呼ぶしかないな。(英断)
「……? 誰にメールしているんですか?」
「んん〜? ツッコミ芸人」
「ツッコミ芸人……あっ(察し)」
千夜が察した時、物凄い勢いで千夜の部屋に入ってくる人間が一人。
「茶々〜あんた千夜ん家で何して……る……の……ファッ!?」
そう
「あらシャロちゃん」
「あ……うん? ……え……ん!?」
「助けて! ライダー助けて!」(迫真)
助けて! ボスケテー! 本当に、助けて下さいオナシャス!
「い……今こそ、リゼ先輩から受け継いだ奥義を使う時……っ!」
「え、リゼ死んだんすか?」
「喰らいなさい! ドロップキックぅ!!」
「たわばっ!?」
「ああっ茶々さんが!」
俺はシャロのドロップキックを顔面にくらい、倒れた拍子に千夜から無事……無事? 離れる事に成功した。 ……前が見えねぇ。(しんちゃん)
「なぁ〜にがヘルプミーよ。 人の幼馴染の部屋で何してんのよ!?」
「しょうがねぇなぁ……。 あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!(ポルナレフ)」
シャロに一連の流れを説明する。 そう、俺は座ったと思ったら千夜に抱きつかれていた! 何言ってるか分からねえと思うが俺もよく分からねえ。 超スピードだとか催眠術だとかそんなチャチなもんじゃ断じてねえ……千夜の恐ろしい片鱗を味わったぜ……!
「はぁ……とにかくあんたはお使い頼まれてんでしょ? 早く巣に帰りなさい」
「あ、はい」
「あぁん、そんなぁ……」
「あんたは反省しなさい!」
「それじゃ、またナス」
外に出てスーパーの方角に向かう。 歩きながら先ほどのことを思い返す。
「はぁ……一体何だってんだ千夜の奴ぅ……」
あいつ……日に日にスキンシップ凄くなってるってハッキリ分かんだね。
「ま、今は早く買うもん買って帰らなきゃ(使命感)」
茶々が去った後の千夜の部屋に未だシャロの姿があった。 どうやら千夜を説教しているようだ。
「全く、茶々にいくら迷惑がかかろうが、ココアやチノちゃんにまで迷惑かけちゃダメでしょ!」
「はぁい……反省してまぁ……す」
流石に自分の行動を見直して反省した千夜。 少しショボくれている。
「はぁ……あんな汚物のどこがいいんだか……」
「あら、茶々さんには良いところ一杯あるわよ?」
「……あんた茶々と何かあったの? 賄賂でも貰った?」
「ふふっ、秘密よ♪」
言いながら千夜は思い出す。 自分が茶々に甘えるようになった日の事を……
それはまだ茶々がラビットハウスに来てから3日しか経っていなかった頃、千夜は散歩をしていた際に公園に立ち寄った。 そこに大きな木の下で泣いている男の子を見つけた。 心優しい千夜は何事かと思い少年に歩み寄る。 少年から話を聞くと、「風船を手放してしまい、木に引っかかって取れなくなった」と涙を流しながら教えてくれた。 千夜はロングスカートを履いているのに木を登り始め、あっという間に風船を確保した。 千夜は元々体力がある方ではなかったが、泣いている少年の為に奮闘した結果、木登りする小学生も真っ青な速さで登り終えた。
だがその後がいけなかった。 着地する際に格好つけて木から飛んだのが原因で、着地の際に足を挫いてしまった。 だが千夜はそれを悟らせずに少年に風船を渡す。 今ここで足が痛む素振りを見せれば少年が何らかの責任を感じてしまうと思ったからだ。 風船が戻って来た少年は大いに喜び、千夜にお礼を言って走り去っていった。 千夜はそれを笑顔で手を振りながら見送った。
少年が去った後、近くのベンチまで何とか辿り着いたものの、この足で帰るのは危険だと理解する。 誰かを呼ぶにも携帯はこんな日に限って家に忘れてしまった。 誰か知っている友人が通るはず、そう思って千夜は待ち続けた。
だがいくら待っても誰も通り掛からない。 待ち続けた結果日は暮れ始めている。 流石の千夜にも余裕がなくなり目尻に涙が浮かび始める。 そんな時だった。
「ぬぅぅわぁぁぁん疲れたもぉぉぉん! 止めたくなりますよ配達ぅ!」
くっそ汚い声が公園内に響く。 茶々が公園に来たのだ。 茶々はこの日、タカヒロに頼まれてワインを色んな家に配達していた。 街を知ることも兼ねて朝から日が暮れ始めるこの時間まで街を右往左往していたのだ。
「アレェ? お前は……宇治抹茶の千夜だな!」
「えっと……茶々さん? でしたよね……?」
ココアに紹介されて大した日も経っていないのだ、名前もまだ覚えていないのも仕方のないこと。 茶々はこんな時間なのに公園のベンチに座っている千夜に疑問を覚える。
「……おめぇどうしたん?」
「えっとその……ちょっと足を挫いちゃって……」
千夜は決して少年の事を口にしなかった。 うっかりな自分が勝手に転んだたけだと茶々に説明した。 茶々はそれを聞いて「あ、ふーん(ねっとり観察)」と言って千夜の前で屈む。
「痛むのはどっちの足っすか?」
「み、右足です」
「ふーん……触りますよ……お体に触りますよ……(鬼鮫)」
そう言って千夜の足に触れる。 そして数秒触れたのち手を離して公園の水飲み場に向かう。 懐から出したハンカチを水で濡らして千夜の元に戻る。
「ま、適当に応急処置しとくゾ」
そう言って慣れた手つきでハンカチを千夜の右足首に結びつける。 一連の動作があまりに慣れていたため千夜はされるがままにされていた。
「終わりっ! しばらく安静にしとけよぉ?」
「あ、はい……ありがとうございます……」
「それから……ホラ」
茶々は千夜の前で屈み、千夜に背を向けている。 乗れ、という意味なのだろう。 流石にそれは……、と千夜は思ったが歩くのも悪いと理解していたので、少しの葛藤ののち茶々の背に体重を預けた。
「それじゃあ行きますよぉ〜イクイク」
「わっ……!」
茶々は千夜を背負い立ち上がる。 そのまま歩き始める。
「おめぇ軽いなぁ、女の子かぁ? ……あ、女の子だったな」
「……」
「え、無視は酷くない?」
千夜は茶々のよく分からない間の取り方に気づかない。 茶々の背を見ながらずっと考え込んでいたからだ。
(広いなぁ……茶々さんの背中……)
よもやこの年になって自分より年上の男性に背負われるとは思ってもいなかった。 その逞しくも暖かい背に、幼少期に両親や祖母におんぶされていた頃を思い出す。 まだ千夜が周りに甘えていた頃だ。
「何だか……懐かしいな……」
「……? 何がだ?」
「こうやって誰かに背負われるのがです」
「ふーん……女の子ってあんましおんぶされたがらないよなぉ……」
「そうですかね?」
「だってまだチノがちっちぇ頃……今もちっちぇけど、おんぶとかだっこしようとしたら、やけに拒否られたからなぁ……」
「ふふっ……きっと恥ずかしいだけですよ。 女の子は何時だって誰かに甘えたいものなんです」
「それって千夜も何すか?」
「え?」
聞かれて考えてしまう。 自分が誰かに甘えたい時があるのか? いや、それは当然ある。 幼馴染で親友のシャロに、ラビットハウスの友人達に。 だがそれで相手に迷惑がかかってしまうのではないか、千夜は思った、なら我慢すればいい。 我慢すれば辛いのは自分だけなのだと。 みんなと一緒にいるだけで満足だと。
「私は平気です」
答えた、何ともないと。 だがこのう○この擬人化にして人間の鑑である茶々にはお見通しだった。
「お前……バカじゃねぇの?」(嘲笑)
「え……」
「そも、俺の質問に「平気」って答えるってことは、誰かに甘えたくなるって言ってるようなもんだよなぁ?」(名探偵)
「あ……」
「なのに平気って……お前大丈夫か?」
「うぅ……」
千夜は何だか恥ずかしくなって来た。 まさか出会って余り日が経っていない相手にここまで失態を見せてしまい、顔が真っ赤になるほど恥ずかしい気持ちで一杯だった。 茶々に顔を見られないのは幸いだっただろう。
「まぁ……何だ……」
しかしこの男、普段とは打って変わって紳士な態度をとる。 歩きながら、前を向いたまま千夜に話しかける。
「もしよぉ……お前が誰かに甘えたくなったり、バブみを感じたくなったらよぉ。 俺のところに来いや、バブみはやれねえけどぉ……俺に思っきし甘えて、どうぞ。 何されたって困らねえからよぉ」(菩薩)
茶々は笑いながら言った。 その表情を千夜は見た。 屈託のない笑顔、まるで子どもか生徒を諭す大人のような、暖かな笑みを浮かべていた。 千夜は自然に頷いた。
「……はい、ありがとうございます……!」
そう言って茶々の背中に顔を埋める。 今自分はどういう顔をしているのだろう? でも確実に笑っている、それだけは千夜自身理解していた。
その日からだ、千夜は茶々と二人きりになると茶々に甘えるようになった。 駄々をこねる子どものように。 だが茶々は戸惑いながらも、決して拒みはしなかった。
もちろん二人の間に恋愛的な感情はない。 だが二人には家族や兄弟に似た奇妙な繋がりが出来た。 今はこの奇妙な繋がりのままだろう。 だが、この繋がりがいずれ新たな繋がりになるかもしれない事に、二人はまだ気づいていない。
「ふふっ、今日はよく眠れそう。 お休みなさい、茶々さん……♪」
同じ時、茶々はふと千夜の事が頭に浮かぶ。 また無茶振りをされるのだろう、そう思うと不思議と笑みがこぼれる。 今日はよく眠れそうだ、そう思い茶々も床に着いた。
前回のラストはココアだったか今回はチノかリゼかと思ったか! 残念、千夜だよぉ!
理由? 薄い本で千夜ものが少ないから。(私並感)
誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。