こころがぴょんぴょんしそう……しそうじゃない?   作:ほったいもいづんな

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こちらは後編になります。

前編を見てなくても……いいんじゃないんですかね?




最終回 後編 俺はウサギにならなくていい

 ーーそれはありふれたよくある話。

 

 とある所に一人の不幸な少年がいました。 その少年は親もなく、心に大きな闇を抱えていました。

 

 ある時、一人の少女に出会いました。 その少女は太陽のように明るく、温かい心を持っていました。

 

 その少女の心に触れ、少年は自分の闇を光に変えることが出来ました。

 

 次第に仲良くなっていく二人は、何時しかお互いを愛し合うようになりました。

 

 しかし、少女は病気が原因で亡くなってしまいました。

 

 一人残された少年は今日も一人、愛した少女と同じ話し方をして生きています。

 

 ーーきっとどこにでもある、ありふれた話。

 

 

 

 

 

 

 タカヒロから渡されたメモに書かれていた住所に向かっていくココア達。 辿り着いた先はどこかのお金持ちの屋敷の前。

 

「大っきいねぇ〜」

「ウチと同じくらいか?」

「リゼさんの感覚で言わないでください……」

「随分と……金持ちって感じね」

「ここに茶々さんが……」

 

 思い思いの感想を呟く五人の前に、屋敷の門から現れた老執事が話しかける。

 

「失礼、お嬢さん方。 この屋敷の主……『茶温家』に何かご用ですかな?」

 

 現れた老執事は柔らかな物腰で、それでいて油断ならない立ち振る舞いで五人の目的を伺う。 だが、この五人前に……特にココアの前にそんなちょっぴりのシリアスなど無意味だった。

 

「すご〜い! 執事さんだぁ〜!! 本物のセバスチャンだぁ!!」

「ちょっとココア、失礼よ!」

「だってリゼちゃんの家にはどっちかって言うとSPみたいだし」

「別に屋敷だからって執事がいるわけじゃないぞ」

「……ほっほっほっ。 中々元気なお嬢さん達だ」

 

 老執事は悟る。 この五人は決してやましい理由があってここに来たのではないと。 中々の審美眼の持ち主である。

 

「ココアさん、目的を忘れたんですか?」

「そうよココアちゃん。 今は……」

「そうだった!」

 

 当初の目的を思い出し、ココアは老執事に尋ねる。

 

「ここに茶々来ませんでした?」

「!」

 

 老執事は少し驚き目を見開く。

 

『……?』

 

 そして五人を観察したのち、口を開く。

 

「そうですか……あなた方が茶々殿が仰っていた……」

『知っているんですか!?』

「えぇ。 茶々殿は毎年ここに来られます。 その度にその年に何があったのかを私めに話してくれます」

 

 そう言いながら老執事は五人を中へと案内する。

 

「どうぞ。 茶々殿のいる場所まで案内いたします。 申し遅れました、私はここで執事をさせてもらっている『元蔵(げんぞう)』と申します。 どうぞお好きなようにお呼びください」

 

 

 

 元蔵が先行して進むのはよく整備された山道だ。 たとえ山歩きに適していない靴だとしても容易に歩くことが出来る。 付いて行っている五人は困惑していた。 何故屋敷の中ではなくその裏の山を歩いているのだろう、と。 その様子を察した元蔵が五人に質問をする。

 

「不思議ですかな? 山の中に入るのは」

「は、はい。 てっきり屋敷の中にいると思って……」

「ほっほっほっ、ご安心ください。 決して長い道のりではありませぬ。 あと5分もあれば茶々殿がいる場所に着きますよ」

『はぁ……』

 

 そう言われればそう信じるしかあるまい。 だが決して五人の疑問が解けた訳ではない。

 

「……気になりますかな?」

「え?」

「何故茶々殿がここに居るのか、何故か 茶々殿がこの茶温家の敷地内に入れるのか……気になって仕方ない様子ですね」

 

 元蔵は振り返らず、歩きながら話し続ける。

 

「理由は……茶々殿本人から聞いた方がよろしいと思います。 私から話させてもらうなら……1つだけ」

 

 不意に足を止める元蔵。 五人は思わず立ち止まり元蔵を見る。

 

「茶々殿は今もなお、ここで起きた事を抱えて、囚われています。 ですが、今日の茶々殿は何時もとは違い、以前のような明るさを取り戻していました」

 

 元蔵は振り返り、五人に深く頭を下げる。

 

「あなた方を見て理解しました。 きっとあなた方のおかげなのだと。本当に感謝いたします」

 

 突然頭を下げられて戸惑う五人。 茶々のことなど何も知らないのに、礼を言われ頭を下げられるとは思わなかったのだろう。 数秒後に元蔵は姿勢を戻し、右腕を上げて先に進むよう促す。

 

「もうそこが目的地でございます。 このまま真っ直ぐお進みください」

「元蔵さんは……」

「私はここでお待ちしています」

 

 そう言われては進むしかない。 五人は歩く、そして辿り着いた。

 

「わぁ……!」

 

 誰かが漏らした声。 それは目の前には街を一望出来る小さな広場。 地面には色取り取りの花が咲いており、ここだけ別の場所の様に思えてしまう。 それに心を奪われるのも数秒、奥の大きな木の下でナニカの前に立っている茶々をココアは発見する。

 

「茶々さん!」

『!!』

 

 ココアが走り出したすぐ後に残りの四人も後に続く。

 

「おーい! 茶々さーん!」

「……?」

 

 自分を呼ぶ声に反応した茶々は振り返る。 そこにはこちらに向かって走ってくるココア、チノ、千夜の姿。 そして……

 

「うだらぁ!!」

「そいやぁ!!」

「ファッ!?」

 

 何かが振り切ったのだろう、リゼとシャロがドロップキックして飛んでくるのが見えた。

 

「シュバルゴ!?」(逆6v)

 

 そしてそれを受け止めた茶々は吹き飛ぶ。 自業自得、諸行無常。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何でこ↑こ↓知ってるのよ?」

「お父さんに教えてもらいました」

「タカヒロさぁん……」

 

 どうやらタカヒロさんがこの場所を教えたみたいっすよ? やめてくださいよホント……

 

「せっかくよぉ〜人がイケメンモードに入って黄昏てんのによぉ〜」

「は? 汚物にイケメン何てあるわけないでしょ」

「自分から言っていくのか……」(呆れ)

 

 ちらっと遠くを見てみると元蔵さんがいるしよぉ……

 

「……茶々さん何か調子悪い?」

「ちょっといつもとは元気がないですよね?」

「そんなことないです、元気ビンビンだぜぇ?」

「やっぱりいつもよりキレがない……」

 

 そんなスランプ気味の投手みたいなこと言われても……

 

「茶々さんの後ろにあるのって……」

 

 チノが指を指している。 その先には『あいつ』の墓。

 

「これ? は↑か↓」

「見れば分かります。 ……失礼は承知で聞きます、どなたのですか?」

「……」

「……やっぱり答え辛いですか?」

「……」

 

 ……それチノ達に関係ないと思うんですけど。(指摘) だって……ん? そもそも何しに来たんだよオラァン!?

 

「茶々さんが朝からいなくて……それで気になって追いかけて来ちゃいました」

「おう、ココアが正直者でお兄さん嬉しいゾイ」(DDD)

 

 えぇ……ますます関係ないじゃないですか。

 

「しょうがねぇなぁ……そんなに知りたきゃ教えてやるよ」(渋々)

 

 俺は墓石の天辺に手を置く。

 

「こいつはな……『茶温 美瑠玖』っつーここのお嬢様の墓石で……」

 

 ……あ、これ言った方がええか? ……まま、ええやろ。

 

「元……? 元なのか? まぁ、元恋人だ」

「そうなんですか……」

「そうか……お前の……」

「知りませんでした……」

「そうとは知らずに……」

「何て失礼なことを……」

『…………』

 

 ありゃ? 意外と淡白……

 

『…………』(俯き)

『…………?』(気付く)

『……………………』(凝視)

「お、どうした?」

『………………………………』(着火)

「そんなに変なことだったか?」

『ファァァァァァァァッッッッ!!!??』(爆発)

 

 うぉ!? うるせぇ、ばらすぞ!

 

「彼女!? 彼女がいたんですか!?」

「おう、そうだよ」(肯定)

「そんなの一言も知りませんよ!?」

「そら、(話すことじゃないから)そうよ」

「私は聞いてないぞ!」(妹分の特権)

「だってリゼは他の女の話をすると機嫌悪くするじゃんアゼルバイジャン?」(兄貴分の言い訳)

「あんたホモでしょ!?」

「ホモでもありバイでもあるんだよ。 かの有名な阿部さんだってそうだルルォ?」

「私のことは遊びだったんですか!?」

「申し訳ないが誤解を招く発言はNG」

 

 こいつら急にまくしたてやがる、うるさくて耳が痛いし、何かこいつらいじけちゃうし。

 

「落ち着きたまえ^^」

『凄く落ち着いた^^』

 

 やっぱりリューサンの名言を……最高やな。

 

『落ち着くかぁぁぁぁ!!』

「ダメみたいですね」(諦め)

 

 あぁ……じゃあちょっとカット。(WRCA)

 

 

 

 

 

 

 

「……つー訳では、俺は毎年この日に墓参りに来てるわけ」

 

 面倒くさかったけど、ミルクに関すること全部説明してやった。 大体今回は最終回を前後に分けてるから前編読んできて、どうぞ。(ダイマ)

 

「そういうことだったんですね……」

「はぁ……ホモに異性の恋人が出来るなんて……これが東洋の神秘ってやつね」

「あ、てめシャロ、ココアがいいシリアス出してたのに一瞬で無に返しやがって……エクスデスか何か?」

「……当の本人がこれじゃあ……」(呆れ)

「……ぷくー」(膨れっ面)

「おい茶々、千夜の奴がさっきから変になってるから何とかしてくれ」

「千夜は元から変だろ」(諦め)

「……そうだな」(諦め)

「むうぅぅぅ……」

 

 シリアスになってんのココアだけじゃあねぇかYo! どうしててめぇらはそうシリアスブレイカーなんだよ!!

 

「あんたが一番シリアスブレイカーでしょうが」

「なんのこったよ」

「おう、そこから叩き落としてやろうか?」

「すいません許してください、何でもしま……せんから!」

「うん? 今何でもするって……」

「(言って)ないです」

 

 はぁ……分かった分かった、私シリアス辞める!(HND)

 

「あ、そうだ。 朝ココアの実家でパン買ったんだけど……どう? 食べりゅ?」(卵焼き姉貴)

『わーい、食べるー』

「……さよならシリアス」

 

 

 

 

 

 

 

 みんなでパンを食べている時、急に千夜がトチ狂った。

 

「……つまり私が茶々さんの浮気相手になればいいのよ!」

『……え、何それは……』

 

 突然何言ってんのこの子……

 

「だって、茶々さんは恋人さんから浮気公認なんですよね?」

「そう……言ってたわよぞ?」

「じゃあ私と浮気しましょう!」(?)

 

 じゃあって何だよ。 予想の斜め上を行く展開はよし子ちゃんだぜ……

 

「それはだめだ!」

「どうしてリゼちゃん?」

「おう、言ってやれリゼ」

「そいつがいなくなると私の話し相手がなくなるからだめだ!」

 

 おう、お前もおもっくそ私情なのね。

 

「えぇ〜でもリゼちゃんはぁ〜、茶々さんの事好きでもないんでしょ?」(煽り)

「そ、それは……」

「なら私が浮気しても問題ないんじゃない?」(名推理)

「ぐぬぬ……」

 

 ちょっと論破されるのが早いんとちゃう? そんなんじゃ甘いよ。(ダメだし)

 

「ふふふ〜♪ ちゃ〜ちゃさん!」

「あ!」

 

 おいくっ付くな千夜、パン食べ辛い。

 

「うぐぅぅぅぅ!」

 

 急に千夜が強気になってる、この間のモカ姉貴の時は劣勢だったのに……。 嫌な方に成長したなぁ……

 

「ダメだ! こいつは渡さん!」

「おうおめーもかブルータス」

 

 千夜が俺の左側に抱きついているからか、リゼは右側に抱きついてくる。 ん? 何だ……何だこの展開は……

 

「ちょっと先輩! 何してるんですか! 離れなさいよ茶々!」

 

 今度はシャロが俺の前に来て俺の両肩を掴んで揺さぶる。 千夜、リゼ、シャロによるトライアングルフォーメーションが完成した。(他人事)

 

「はぁぁぁぁ……(クソでか溜息)、ダメですよ皆さん」

「おうチノ、助けてくれ」

「……」(無言の裏取り)

 

 どうして後ろに回る必要があるんですか?

 

「茶々さんはウチの貴重な男手です、すいませんが譲れません」

「ファッ!?」

 

 ち、チノが俺の背中に張り付いている……チノまでどうした!?

 

「くぉ……クォクォアぁ……ヘルプミー……」

「え? うー……ん……ピコーン!」

 

 さ、最後の砦にして最強のシリアスブレイカーよ! お願いだからボスケテ!

 

「私が茶々さんの彼女になれば解決だね!」(無垢なる笑顔)

「違うだろ!」

「私はどこに抱きつけばいいんだろ……」

「真面目に考えんな! これ以上To LOVEるったら視聴者に怒られるだろ!」

「あ、頭なら空いてますね!」

「やめろぉ! 俺の頭をその胸に埋めるな!」(キャラ崩壊)

 

 おいおいおいおい……これじゃあまるでTo LOVEるのリト兄貴(ハーレム最前線)やおまもりひまりの優人兄貴(ちょい古兄貴)みたいなハーレム者の主人公みたいじゃあねぇかッ!!

 

「(流石に5股は)マズイですよ!」

「大丈夫です、茶々さんが一人選べば解決しますよ!」

「一人中学生なんですがそれは……」

 

 これってどうなの……前に貰ったコメントでハーレム目指して、どうぞって言われたけど、俺の意思はどこにあんだよ! つーかミルクはいいのかよ!

 

『いいわよゾ』

 

 あああああもうあの世からボケるんじゃねぇ! 空耳か!? もうシリアスに徹しないんだな!?

 

「さぁ茶々さん……」

「いい加減に諦めて……」

「誰を選ぶか……」

「あ、リゼ先輩選んだら殺すから」

「誰を恋人にするか……」

「え、あ、ちょ……」

『決めなさぁ〜い!!』

「ホ、ホ、ホ、ホアアアアァァァァッ!?」(思考回路壊れる)

 

 その後、何とかその場から逃げ出して誤魔化すことに成功した。 逃げる時元蔵さんがめっちゃ笑っていたのを俺は見逃さなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チカレタ……チカレタ……」

「おう、大丈夫かお主」

「見ろよこの俺の無残な姿をよぉ? 今日だけで今年分の疲れが一気にきたわ!」

「大体はお主の自業自得だろう……」

「俺を癒してくれよティピ太郎ー!」

「ええい離れろ!」

 

 あの後、ラビットハウスに戻るまでの間、何度も何度も誰を恋人にするか聞かれて、ココアは天然で聞いてくるし、チノは俺をチラチラ見てくるし、リゼは乙女みたいな反応しかしないし、シャロは俺を睨んでくるし、千夜は無駄に甘えてくるし……

 

「しかも千夜が絡むとリゼが対抗しだすし……するとシャロが殺気飛ばしてくるし……」

「大変じゃのうお主」

「そしたらココアが……『ならシャロちゃんが恋人になったら?』って聞いちゃうし……そしたら顔を赤くして黙っちゃうし……」

「はぁ……」

「あれはリゼの恋人って意味で赤くなってたんだよなぁ!? 頼むからそうであってくり〜!」

「どうでもええわ」(レ)

 

 俺の愚痴を聞いてくれるのはティピ太郎だけ。 タカヒロさんは店の奥で作業している。 タカヒロさんはただ笑ってるだけだ……いいのかよ、実の娘(○学生)がこんな24歳のホモに気があるとか……やばいだろ!?

 

「ティピ太郎はいいよなぁウサギだから」

「ふん、別にいいことなど数える程しかないわい」

「ふーん……」

 

 そう言えばティピ太郎ってウサギになりてぇっつってウサギになったんだっけ? そんなにウサギっていいもんか?

 

「なぁ、なんでティピ太郎はウサギになりたかったんだ?」

「なんじゃ藪から棒に……」

「気になったんだよ、いいから教えてクレメンス」

「面白い話じゃあないがの……」

 

 面白くしてくれよ。(無茶振り)

 

「……お主、恋人がいたそうじゃな」

「おう、タカヒロさんから聞いたな」

「その恋人が死んだ時、お主は死にたくなったか?」

「ん? ん……死ぬほど悲しくなったけど、死にたいとは思わなかったゾ」

「そうか……。 わしはある一時、全てに疲れていた。 疲れに疲れ切り……その時わしはずっと疑問ばかり抱えていた」

「疑問……?」

「人はな、茶々よ。 目の前が真っ暗になるとな、深い絶望や激しい怒りなど湧いてこん。 ただひたすらに疑問に思うだけなんじゃ、……『何故自分がこんな目に?』、と」

 

 ……そういやぁ、一時期経営難でマジにヤバかったって聞いたな。

 

「そうやって疑問を突き詰めていくとな、『何故自分は人として生まれたのか?』……という深い所にまで突き詰めていくことになる。 そこまでは言ってわしは思った……」

「……もしかして」

「『いっそ、ウサギにでもなりてぇ……』、……とな」

 

 ……いやなんでそこでウサギ?

 

「まぁ、そう焦るな。 ここまでは前置きじゃ」

「……年取ると無駄なことばっか話すんだな」

「まあまあ聞けい。 ……それでのぉ、ある日公園で休憩しとった時にも同じことをついウッカリ呟いてしまってのぉ……」

「どんだけ追い詰められていたんだよ……」

「そしたらその独り言を、ある一人の女の子が聞いとったんじゃ」

「ほーん……」

「そしたらその女の子がのぉ……」

 

『おまじないをかけてあげる! おじいちゃんがウサギさんになれますようにって!!』

 

「……そう言ったんじゃ」

「…………は?」(素)

 

 いやいやいやいや!!

 

「オイオイオイオイオイオイオイ!! じゃあその『おまじない』ってやつのせいでティピ太郎になったってわけかぁ!! その女の子は『魔法使い』だとか『ファンシーな精霊』だとか……そんな『ファンタジーやメルヘン』みたいな出来事があったって言うのかぁぁぁぁぁ!!」

「落ち着かんか、騒がしい。 お主、あれじゃろ? 人の話をちょっとだけ聞いて頭ごなしに否定するタイプじゃろ? もうちっと聞けい」

 

 ナアナアナアナアナアナアァ!? この街にそんな言い伝えだとか伝承があるとか、今さら無しだからな!?

 

「じゃから聞けい! ……そもそも、わしはその女の子とは会うことはなかった。 この姿になってからもな……」

「……ほーん」

「じゃが、その女の子にわしはほんのちょっぴりの元気を分けてもらった。 じゃから何が何でも頑張らなければならぬ、そう思った。 ……例えウサギになってでもな」

「……いやその理屈はおかしい」

「そもそも、わしはあの時点でもう年だった。 もしかしたら何年後には死んでたかもしれん」

「……」

「今なら分かる……わしは多分……その女の子にここのコーヒーを飲ませたかったんじゃ。 あの子がもう一度この街に来た時、感謝を込めてお返しをしたかった。 じゃから無意識のうちに、『このままでは死ねん!』、そう思ったから、今のこの姿になったんじゃろう……多分な」

 

 人は死ぬ気で頑張ればウサギになれるのか……たまげたなぁ……

 

「……時にお主は」

「おん?」

「辛い過去を思い出し、人であることを止めたくなったか?」

「……昔はな」

 

 俺ってば無駄に過去が壮絶すぎるし、もし周りに話したらドン引きものだけど……

 

「タカヒロさんに呼ばれて……この店でココアとチノに出会って、リゼと再会して、ちょっと離れてるけど千夜やシャロとも出会って……気が付いたらアホ程の人と出会った」

「……」

「昔と違って……一人ぼっちになることがほとんど無くなった。 寂しさを感じることはない……」

 

 ウサギは寂しいと死んじまうんだろ? だから……

 

「……『俺はウサギにならなくていい』……だってもう一人孤独に死ぬことはないからな」

 

 ウサギが死ぬ時はいつも一人だ。 だから俺は人でいい。

 

「そうか……そうじゃな、この店のマスコットウサギはわしだけでいいからの!」

「おう、やっぱりその姿好きなんすねぇ」

 

 俺は……俺のことが好きだけど嫌いだよ!(二律背反)

 

 以上! 閉廷! 君たちもう帰っていいよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……かの巨匠、野獣先輩はこう言った。

 

『お前のことが好きだったんだよ!』

 

 レイプする相手に『好きだった』と伝えた。 もしこの思いがもっと昔、野獣先輩が生まれるより前、つまり前世やあるか太古の時代からの思いだと仮定しよう。

 

 野獣先輩はアイスティーの中に睡眠薬を盛る等の、人として屑な行動をしているが、もし前世等の記憶を引き継いでいるとしたら……? 文字どおり積年の思いが募りに募って暴走した結果が昏睡レイプなのかもしれない。

 

 この仮定を元に今回、人が前世の記憶を引き継いで生まれるのに何年かかるか、我々(一人)はついに発見した! 死んだ年から、その生の記憶を引き継ぎ、そしてその生に記憶を引き継ぎ生まれる。

 

 かかる年月はおおよそ……『1145141919810893364364年』である!!

 

 そうすると人は前世の記憶を引き継いで生まれるのだ!!(ガバガバ理論)

 

 つまり……

 

 

「さぁ、茶々さん!」

「いい加減に決めてください!」

「誰が一番なのか!」

「もうごまかなさいで!」

「決めてください!」

「もちろん一番最初の恋人である私だよね?」

「か、勘弁しちくり〜!」

 

 この馬鹿騒ぎは終わらないのである……(Q.E.D.)

 

 

 




完ケツです。

嘘です!(TRNKS)

色々ありますが、後に設定公開回を上げるのでそちらで色々いいます。

ご質問してくだされば可能な限り答えますので、コメントして、どうぞ。(乞食)

それでは今回も誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。
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