これより下の前書きは本編とまったく関係ないただのお礼なので読み飛ばしても大丈夫です
ランキングで15位となっていました!いやあ驚きすぎて5回くらいF5を押してしまいました
ランキングにのれたのは読者の皆様やお気に入り登録してくださった方、評価をつけてくれた方のおかげです
そしてこの作品を書くモチベーションがあるのは感想を書いてくださる皆様のお陰です
※『誤字報告機能』と『一言付き評価』へのお礼は秘所性の問題から削除させていただきました
【必要の部屋】
「それでは魔法の練習をするぞ」
「なんでヨルが?魔法についてならあいつの方がいいんじゃないの?」
「我が主人はお前を孵化させるために『妖精王の豪炎』を2週間使い続けたのだ。その上お前の願いをきき、魔法耐性の高いドラゴンを無理矢理『動物もどき』に変えた。どうやっても再び実体化できるようになるまで二ヶ月はかかる」
「そっか、そうなの…… それじゃあ、仕方ないわね。それで、魔法を教えてくれんでしょ?それなら『妖精王の豪炎』がいいわ」
「あれは我が主人しか使えぬ呪文だ。今使ったとしても、自分が焼かれるのがオチだぞ。お前に教える呪文も、教え方も我が主人からすでに言われている」
「あいつが?ほんとマメねえ」
「お前に教えるのは『エクスペリアームス 武器よされ』と『プロテゴ 守れ』の2つだ。この2つの呪文は雷より遅く、炎より威力がなく、水よりも汎用性が乏しく、石よりも脆い。しかし多くの魔法使いが習い、闇祓いも頻繁に使う。何故だかわかるか?」
「人間のことなんて知らないわよ… でも、そうねえ。簡単に習得出来るからじゃないかしら?狙われ易いのは子供な訳だし、大人にしか使えない呪文なんて意味がないもの」
「確かにこの呪文は簡単だ。しかし最も重要なのは『特徴がない』ことだ」
「?それってどういう… あ、分かった!それってつまり『明確な弱点』が無いってことでしょ!」
「そのとおりだ、存外賢いな。この2つの呪文は雷のように誘電されず、炎より弱点がなく、水のように濁らず、石よりも柔軟だ。これといった長所はないが、これといった短所も無い」
「なるほどねえ、結構人間も考えてるのね。確かに動きながら呪文を唱えるのだったらとりあえず何にでも効くものがいいわよね」
「そうだ。人間は我々と違い魔法を一撃でも喰らえばそれまでだ。だから汎用性が高い魔法が洗練されていった」
「あー、確かに人間には鱗がないものね」
「魔法での戦い方は基本的に2つだ。1つは『守ってから攻撃』もう1つは『避けてから攻撃』だ。故に今から防御したり、避けた瞬間に『エクスペリアームス 武器よされ』を反射的に放てるように訓練する」
「流石にあいつが考えただけあって理にかなってるわね」
「それではまずは手首の動きと発音からだ。杖を持て」
「あ、ごめんなさい。血とブランデーを飲まなきゃいけない時間だわ」
「む、もう30分経ったのか」
「ふむ、時間はかかったが大体魔法は即座に撃てるようになったな」
「……その、ヨル、ごめんなさい。色々付き合わせちゃって。私30分に一回、血とブランデーを飲まなきゃならないし、素直じゃないし。あいつの頼みとはいえ、ストレスになったでしょ?」
「・・・昔に我が主人が言っていたのだがな。人の、と言ってもお前はドラゴンだが、は様々な面を持っている。そして一見愚かに見えても、見方を変えれば優れていることもあるのだ」
「・・・」
「つまりお前の不器用さはただ短所なだけではないという事だ。そしてその事を私と我が主人は心得ている」
「・・・あんた達変わった人間と蛇よね」
「私が変わったのはここ最近だ。変なのは我が主人ただ1人だ」
「他人の言葉に影響される蛇なんて十分変よ」
「他の生物と仲良くしているドラゴンも相当変わっているがな。さ、おしゃべりはここまでだ。戦いの訓練を始めるぞ」
「そうしましょうか。お辞儀をすればいいのよね?決闘のルールなんだっけ」
「うむ、それではいくぞ!」
3…2…1
「「『エクスペリアームス 武器よされ』!」」
◇◇◇◇◇
ホグワーツで『ウィーズリー』と言えば誰?と問いかけてみると、7割の人がジニー・ウィーズリーと答え、残りの3割はフレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーと答えるだろう。
理由はちゃんとある
ジニー・ウィーズリーはホグワーツ始まって以来の天才と呼ばれる人気者だ。
一年生にしてその年の『ホグワーツ最多得点者』となったのだ。純血でありながら『秘密の部屋』に連れてかれたのはスリザリンの後継者が彼女を恐れたため、という噂があったほどだ。
さらにホグワーツ1の天才と言われたセドリックとの『決闘クラブ』での戦いは、ギルデロイ・ロックハートの唯一の功績と言われ、決闘を見た多くの生徒達がジニーとセドリックのファンになった。
そしてもう一方の双子はもちろん、イタズラの天才という肩書きで有名である。
しかし、最近では意外にも魔法使いとしての優秀さが認められているのだ。
双子は幼い頃からジニーを特別可愛がってきた。しかしジニーはホグワーツに入学すると魔女としての才能を開花させ、セドリックに憧れるようになった。
フレッドとジョージはジニーにとっての『憧れのお兄ちゃん』でいたかったのだ。だから2人は魔法使いとして自分達を磨く決心をしたのだ。
元々成績優秀だった2人だが、柔軟な発想をイタズラから魔法の研究に向けた結果、2人はメキメキとその実力を伸ばした。
追い風として、マクゴナガルをはじめとした双子に頭を悩ませていた教師達が喜んで手を貸した事もある。手のかかる生徒ほど可愛い、というやつだ。
去年まで監督生だった主席卒業のパーシー・ウィーズリーの事もあり、今やホグワーツでの『ウィーズリー家』は貧乏一家ではなく、天才の称号だ。
しかし、これをよく思わない者が2人いた。
1人はジニーの兄であり、双子の弟でもある、ロン・ウィーズリー。彼は優等生ではないが、魔法薬学に目を瞑れば劣等生ではない。
しかし、英雄のハリー・ポッターと学年主席のハーマイオニー・グレンジャーと共に3人でヴォルデモートから賢者の石を守り、マグル生まれを恐怖のどん底に陥れた『秘密の部屋』の怪物を倒すのに一役かってしまったのだ。
そしてメキメキと頭角を現していく兄妹達。周囲の生徒達、いや教師達含め、彼に期待するのは自然の成り行きだった
しかしロンが三年生になり、一月が経ったころ、彼が平凡である事が分かると一部の人が離れていった。また一月が経ち、さらに多くの人が離れ、三ヶ月経つ頃には誰も彼に期待しなくなっていた。
彼の本当に素晴らしいところは単純な能力とは別のところにある事に気がつかないまま・・・
そして反比例するように実力を発揮していく兄妹や親友達。ハーマイオニーは学年主席であり、ハリーは英雄にして最高のシーカーだ。劣等感を感じるのは当然だった。
自分は必要な存在なのか?ハリー達の友達として相応しいのか?ウィーズリー家にいていいのか?
悩む彼は気がつかない。周りの友達や家族は一切そんな事は気にしていない事に。
劣等感と悩みを抱えたまま彼は、
グリフィンドールVSスリザリン
のクィディッチの試合場へと向かった。自分と違い、試合に出る親友と兄達を応援するために。
『ウィーズリー家』について悩んでいたもう1人の人物はドラコ・マルフォイだ。
自分が見下していた貧乏一家の人間は今やホグワーツ内で誰もが認める優秀な魔法使いになっていた。
確かにウィーズリー家は純血だ。それは疑いようのない事実であり、古さという一点だけならマルフォイ家とも同格だ。
しかし、尊敬する父上と対立する家であり、自分が所属するスリザリンと敵対するグリフィンドールに所属する者達だ。
だがマルフォイの胸に浮かぶのはジニーとセドリックの決闘。
自分とハリーとの戦いなどお遊びだというかのような戦いだった。
マルフォイは優秀だ。だから分かってしまうのだ、彼等が本当に優れた魔法使いであり、自分の目標とするべき人物である、と。
2人とも驕ることなくあれからも魔術の研鑽に励み、その影響はホグワーツ全体、自分達の寮であるスリザリンにさえ及んだ。
そんな2人と対等であるマグル生まれのハーマイオニー・グレンジャー。
そしてあの2人もマグル生まれを差別していない。
本当に純血主義は素晴らしいのか?もし間違っていたら今までの自分は何なのか?尊敬する父上は正しいのか?様々な葛藤を抱えながらマルフォイは自分の価値観を考え直す。
そんな思いを振り切りながら、
スリザリンVSグリフィンドール
のクィディッチの試合場へと向かう。自分の正しさをハリー・ポッターを倒すことで証明するために。
悩む2人の若者
だが、それでいいのだ
なぜならここはホグワーツ
救いを求める者には必ず与えられる場所
というわけでそろそろ話に原作主要キャラが関わってきます。
今のところハーマイオニーって名前しかでてない…
というかこの話本当はもっと早く投稿する予定だったんです。しかし、データが消えてしまい書き直しました
本当は4000字くらいあったんですが3300字となりました
700字どこに行ったんだろ…
内容思い出したら加筆するかもしれません。加筆した場合タイトルに(修正版)て付けときますね