ハリー・ポッターと二人の『闇の帝王』   作:ドラ夫

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14 第一の課題

「ほら言ったろ、ハーマイオニー。クロは代表選手になったじゃないか」

 

「ええそうね、クロ()代表選手になったわね」

 

「何が言いたいんだよ」

 

「貴方、ここ最近クロの話ばっかりしてるけどハリーが心配じゃないの!?」

 

「もちロン心配してるに決まってるだろ!君こそヨルの話をしてたじゃないか」

 

「私は一回だけよ。貴方みたいに何度もベラベラ自慢していないわ。それに、貴方はクロと仲が良いヨルに嫉妬してるだけじゃない」

 

「何だと!わかった、表に出ろよ、ハーマイオニー!」

 

「今なんで談話室に居るか忘れたの?ハリーがもうすぐここに来るのよ」

 

「君をすぐに倒して戻ってくるさ」

 

「出来ると思う?『平凡な勇者』さん」

 

「ケンカはやめてくれよ、2人とも」

 

「「ハリー!」」

 

「それでハグリッドの用事って何だったんだ?まさかこの大事な時期にまた『尻尾爆発スクリュート』の新しい餌の相談じゃないよな」

 

「まだ『尻尾爆発スクリュート』の方がマシだよ。今回の課題は『M.O.M;XXXXX』の生物を複数相手にするんだ」

 

「おったまげえ。ついにダンブルドアはイカれたのか?」

 

「ふざけてる場合じゃないわ、ロン。これってとっても危険な事よ。『M.O.M;XXXXX』の生物ってつまり、バジリスクとかの事よ。学生どころか大人の闇祓いでさえ相手にするのは危険だわ」

 

「第一の試練は『M.O.M;XXXXX』の生き物を出し抜くんだ。ハグリッドはその輸入を任されてて、今日特別に見せてくれたんだ」

 

「まさかまたバジリスクじゃないよな?」

 

「もっと悪いよ。三頭のドラゴンにアラゴグとその家族。それから人間の顔をしててライオンかなんかの身体をしてるデカイ毒針みたいな尻尾を持ってる奴がいたよ」

 

「それってきっとマンティコアだわ。『怪物的な怪物の本』に載ってたの。えーっと、たしかバジリスクにも匹敵する毒を持ってて、とっても速く動くんですって。それと呪文がほとんど効かないの」

 

「ハリー安心しろよ。君は勇敢に戦ったって僕が語り継いでおくよ」

 

「ロン、冗談はやめて」

 

「冗談なもんか!ハリーの話が本当なら闇祓いが1ダースいたって勝てないよ。昔パパが言ってたんだ、暗黒時代に暴れたマンティコアやドラゴンに対処して闇祓いが何十人も死んだって。それで魔法省はダンブルドアに頭を下げて解決してもらったんだ」

 

「貴方何てこと言うのよ!ハリーは今からそいつらと戦うのよ?何でそんな死人が出たことなんて言うのよ、信じられない。貴方って本当にデリカシーがないわよね」

 

「ケンカはやめてくれ!本気で対策を考えないと本当に死んじゃうよ」

 

「ごめんなさい、ハリー。そういえばセドリックにこの事は話したの?」

 

「まだだよ、夜ももう遅いし。明日話そうと思う」

 

「それじゃあ明日セドリックを図書室に呼んでおいて貰えないかしら?みんなで対策をたてましょう」

 

「わかったよ。ロンもそれでいい?・・・ロン?」

 

「なあ、この事知ってるのはハリーだけなんだよな?」

 

「いや、クラムも知ってるよ。それがどうかした?」

 

「クロだよ!クロが死んじゃう」

 

「「はぁ…」」

 

「なんで溜息なんかつくのさ!ハーマイオニーも言ってただろ?『三大魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)』は各校の親睦を深める事も目的の1つだって!」

 

「あらそう、それじゃあ愛しの(・・・)クロに教えてくるといいわ。私はハリーの命の方が大切だから勉強するから。おやすみ、ハリー」

 

「おやすみ、ハーマイオニー」

 

「なんだよあいつ、不貞腐れちゃって。どう思う?ハリー」

 

「・・・ロン、僕ももう疲れてるから寝るよ。おやすみ、ロン」

 

「そう?僕はもう少し談話室に居るよ。おやすみ、ハリー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは、その、本当?ハリー」

 

「嘘だと思うなら試合当日に確かめてみるといいよ。嘘かどうかわかるから」

 

「ああ、いや、そのごめん。疑ったわけじゃないんだ。ただ、その、現実味がなくて」

 

「僕の方こそごめん。ちょっとカリカリしてるんだ。頼りになる親友2人がケンカしっぱなしでね」

 

「そうみたいだね…」

 

「ちょっとロン!いい加減に不貞腐れるのやめてよ!クロがもう課題の内容知ってたからどうだってい言うの?そんなにお話ししたいのなら、どうぞご勝手に!誰も止めやしないわ」

 

「不貞腐れてるわけじゃないよ!ただ、どうやって課題の事知ったのか考えてただけじゃないか」

 

「あんな感じで朝からずっとなんだ。何でも、ロンが気になってる娘、ボーバトンの代表何だけど、課題の事を話そうとしたらもう知ってたみたいで機会を逃したみたいなんだ」

 

「あはは…」

 

「2人とも、仲良く(・・・)してるとこ悪いんだけど、こっちの話に戻ってもらっていい?2人からしたら大したことじゃないかもしれないけど、僕とセドリックにとって命は大事なんだ」

 

「ああ、ごめんなさい、ハリー。私そんなつもりじゃないの」

 

「いや、いいよ。それで3人とも、何か案はある?」

 

「その前にちょっといいか?ジニーとジョージとフレッドの3人も呼ばないか。ジニーは頭がキレるし、ジョージとフレッドは僕達にない発想をもってる」

 

「妹を巻き込むのか!?」

 

「落ち着けよロン。セドリックの言う通りだ。あの3人の力は借りたい」

 

「多分ハリーが声をかけたらすぐだと思うわよ?探しに行きましょうか」

 

「じゃあハーマイオニーがジニー、僕とロンでジョージとフレッドを探してくるからセドリックはここで待っててくれる?」

 

「わかった、その間にドラゴンとマンティコアとアクロマンチュラについての本を集めておくよ」

 

「アクロマンチュラ?」

 

「アラゴグの事よ、ロン。貴方自分が襲われたのに、次会った時のために調べたりしないの?」

 

「悪いけど、僕は君と違ってクモの図鑑を見る趣味はないんだ」

 

「2人ともケンカはやめてくれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで」「マンティコアと」「ドラゴンと」「アクロマンチュラを」「退治しないといけないわけだ」

 

「2人とも、ふざけないで!ハリーとセドリックの命が掛かってるのよ? はあい、ハリー、セドリック。災難ね」

 

「やあ、ジニー。僕の命を気にかけてくれるのは君だけだよ」

 

「心外だな、愛する妹よ。ふざけてるわけじゃないさ」「ただ、俺たちの英雄にかかれば『M.O.M;XXXXX』なんて『庭小人』みたいなものだと思ってるだけさ」

 

「それじゃあ『庭小人』に対する説明をそろそろ始めていいかしら?」

 

「待って、ハーマイオニー。ロンがいない」

 

「もう知らないわよ、あんな人!」

 

「おい!サボってたみたいに言うなよ。今マンティコアに関する本を持ってきてたんだぞ」

 

「そんなのとっくにセドリックが集めてるわよ!話が進まないからもう勝手に説明するわね」

 

「待って、ハーマイオニー」

 

「貴方までなに!?ジニー」

 

「もう1人紹介したい人、いや、本があるの」

 

「これは・・・昔見た『カンニングノート』!そうか、これに聞けば一発だ」

 

「「「「「『カンニングノート』?」」」」」

 

「ええ、これにはホグワーツでわかることは全て入ってるの。知りたいことがあれば書き込んむだけですぐ答えが返ってくるわ」

 

「僕、そんなの聞いてないぞ!」

 

「何でロンに話さなくちゃならないのよ」

 

「何でって、僕はお前の兄だぞ!」

 

「兄だからなに?ジョージとフレッドはそんなこと聞いてこないわ」

 

「確かに俺たちに妹のノートを盗み見る趣味はないな、妹よ」「弟よ、止める事はしないが妹の私生活を監視しようとするのは良くないぞ」

 

「それで、その『カンニングノート』に聞けばドラゴン達の対処法がわかるの?」

 

「ええ、セドリック。この本の中にその知識があれば、だけど。もっとも、今の所分からなかった事はないわ」

 

「なあジニー、お前の成績が良かったのってその『カンニングノート』のお陰か?」

 

「一年生の時はそうね。でも、彼には二年生以降ほとんど頼っていないわ」

 

「一年生って言ったら『最多得点者』になった時じゃないか!」

 

「兄妹喧嘩は後にしてくれないかしら?今大事なのはハリーとセドリックの命でしょう」

 

「ハーマイオニー、君は『カンニングノート』に対して何とも思わないのか?」

 

「だってそれ試験に持ち込めるわけじゃないじゃない。それに答えが分かるんでも、問題が分からなければ意味がないわ。つまり前もって試験の答えを知るのは不可能だわ。結局、成績が良いのはジニーが勉強したからじゃない」

 

「2人ともケンカはやめてくれ!」

 

「ごめん、ハリー」

 

「それじゃあ質問してくれる、ジニー」

 

「『ドラゴンとマンティコアとアクロマンチュラの対処法を教えてくれるかしら?』」

 

『中々面白い質問をしますね、ジニー。勿論構いませんよ。まずはドラゴンからで良いでしょうか?』

 

「大丈夫よ」

 

「おったまげえ!本当に本が会話してやがる」「ムーニーやパッドフットが作ったもんか?」

 

『ドラゴンには『結膜炎の呪い』が有効とされていますが、私はそうは思いません。何故なら『結膜炎の呪い』を浴びさせられたドラゴンは痛みのあまり酷く暴れるのです。なので逃げるだけなら兎も角、戦ったりする場合はお勧めできません。そこで、私がお勧めしたい戦法は2つあります

1つは単純に数で押す方法です。周りの石を人型に変えて全員で突撃させるのです。その土地の材質にもよりますが、土は火にそこそこの耐性があります。なので『プロテゴ・インセンティ 耐火しろ』を併用していれば基本的にはドラゴンに対して有効です

2つ目は機動力で翻弄することです。ドラゴンはトップスピードは速いですが、体に纏わりつくように飛べばその機動力を封じることができます。後は目や脇といった鱗が薄い部分に呪文を少しずつ打ち込んでいけばいいでしょう』

 

「すごいな… 本当に的確なアドバイスだ。僕とハリーなら箒で戦うのが良さそうだね」

 

「でも、箒の持ち込みは出来ないよ」

 

「あら、ハリー。『呼び寄せ呪文』で呼べばいいじゃない」

 

「冴えてるわね、ジニー!箒が来るまでの時間どうしようかしら?」

 

「俺たちのイタズラグッズをここにいる全員で強化すればいい」「それで『検知不可能拡大呪文』をポケットにかけて持ち込むってわけだ」

 

「『検知不可能拡大呪文』なら私が出来るわ、任せて」

 

「ありがとう、ジョージ、フレッド、ハーマイオニー」

 

「気にしなくていいぜ」「俺たちのイタズラグッズがドラゴンにも効くってアピール出来るからな」

 

「それじゃあ僕は念のために『耐火呪文』と『石人形の呪文』を習得しておくよ」

 

「じゃあハリーが『呼び寄せ呪文』を使えばいいね」

 

「ドラゴンは何とかなりそうだな、次に行こう。次の質問してくれジニー」

 

「仕切らないでよ、ロン『ドラゴンはもう大丈夫だからアクロマンチュラについて説明して貰えるかしら』」

 

『アクロマンチュラは個体としての強さは他の『M.O.M;XXXXX』の生物と比べて一歩劣ります。しかし、彼等は恐ろしい速度で子孫を増やし、全員で狡猾な罠を敷いてきます。対処法は『量には質』です。1匹1匹はそれ程ではないので、親玉の所まで一直線に強引にツッコミます。その後で『マキシマ・アラーニア・エグズメイ 蜘蛛よ滅せ』という呪文を当てて、すぐに逃げます。所謂ヒットandアウェイですね。中々に強力な毒を持っているので対策をとっておくと良いと思います。具体的には『不死鳥の涙薬』が良いと思います。ジニーならば造ることが可能です』

 

「ジニー、貴方『不死鳥の涙薬』を作れるの!?」

 

「ええ、ト…『カンニングノート』が教えてくれたのよ」

 

「後で私にも教えてくれるかしら?となると問題は『マキシマ・アラーニア・エグズメイ 蜘蛛よ滅せ』ね。誰か使えるかしら?」

 

「僕、その呪文なら使えるよ」

 

「本当かいロン!?」

 

「ああ、実はアラゴグに襲われた後で調べたんだ」

 

「・・・ロン、ごめんなさい。ちゃんと対策立ててたのね」

 

「いや、いいのさ。僕もさっきド忘れしてたからね」

 

「ロン…」

 

「あー、2人とも良い雰囲気のとこ悪いんだけど、話進めていい?」

 

「も、もちロンさ!」

 

「早く話の続きをしましゃ…しょう」

 

「ごほん、それじゃあドラゴンの時と同じ戦法でいいね?僕が『呼び寄せ呪文』で箒を呼ぶからセドリックが時間を稼ぐ、ポケットにはイタズラグッズに加えて『不死鳥の涙薬』を入れておく」

 

「アクロマンチュラもどうにかなりそうね、次はマンティコアについて調べましょうか」

 

「『マンティコアについての対処法を教えて』」

 

『マンティコアは顔が人間に見えますが知能は高くありません。どころか、常に血に飢えている獣そのものです。なので『双子の呪い』でダミーを複数作り、ダミー達を血で塗るといいでしょう。そして自分たちは『スコージファイ 清めよ』を使えば間違いなく狙ってきません。最初は尻尾の切断から始めることをお勧めします。バジリスクと違い本物の不死鳥の涙でなくとも、『不死鳥の涙薬』で傷を癒すことができます。しかし、毒の周りは早く、刺されてから20秒ほどで死に至ります』

 

「なあ、結局これってドラゴンに使った戦法でどうにかなるんじゃないか?」

 

「ドラゴンはこの世で最も強い種族よ。その対処法が他の生物にとっても有効だとしても、何の違和感もないわ」

 

「じゃあ早速準備を始めちまうか」「ジニー、手伝えよ」

 

「わかったわ。それじゃあ私達はイタズラグッズと『不死鳥の涙薬』の製作に取り掛かるわね」

 

「材料はどうするんだい?」

 

「新聞に載って以来、たくさん送られてくるから大丈夫よ」

 

「それじゃあ僕達は箒での実戦訓練をするよ」

 

「それじゃあ私とロンは計画を煮詰めるのと、予想外な事が起きた時のできる限りの対処法を考えるわね」

 

「それじゃあ、1週間毎にここで集まってそれぞれの報告をし合おう。ロン、ハーマイオニー、ジニー、フレッド、ジョージ。僕とセドリックのためにありがとう」

 

「僕からも、ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

【試合当日】

「やあやあ、皆揃ってるね!それじゃあ早速競技の説明に入るよ。この袋の中にはある危険な生物のミニチュアが入ってる。それぞれ引いてもらった生物と戦いながら、『金の卵』をとってきてもらう。ここまでで何か質問がある人は?・・・よろしい、それでは早速ダームストラングから引いていって貰おうか」

 

「・・・クモだ」

 

「記念すべき1校目、ダームストラングの対戦相手はアクロマンチュラの群れに決定!続いてボーバトン。さ、引いてくれ」

 

「・・・ドラゴンね」

 

「素晴らしい!ボーバトン代表選手の対戦相手は三頭のチャイニーズ・ファイアボール種に決定!さ、最後はホグワーツだ」

 

「・・・マンティコア」

 

「ラストを飾るホグワーツ代表選手の対戦相手はいくつかの『保護呪文』がかけられているマンティコアに決定!これで各校の対戦相手が決まったね。まずはダームストラングからだ。試合会場に入場して、ダンブルドア校長の開会宣言を待ってくれ」

 

 

 

 

 

 

 

「みな、老人の言葉なんぞ興味ないじゃろうから早速開会宣言に移ろうかと思う。大砲が鳴ったらかいーーー」

 

ドンッ!

 

「はあ、フィルチ・・・まあよい、『三大魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)』開催じゃ!」

 

 




というわけで三大魔法学校対抗試合開催です。
殺意5割増しですね。

リーダ・スキーターが出てこないのはトムが一晩で何とかしました

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