アイドルマスターxGE「神を喰らいしアイドル」 作:HiRO12
楽しく描けてるといいのですが
第9話「何気ない日常のありがたさ」
「んー…♪」
「むにゃ…」
天海春香と如月千早がこの世界へとやってきて約3ヶ月が経とうとしていた。先のタツミとブレンダンとの協力戦以降は時々防衛戦に参加したり小型アラガミを駆逐。
良くてコンゴウなど、基礎的なアラガミの討伐が続いていた。そして今日は珍しくオフなので二人はこうして…。
「千早ちゃん~」
「んぅ、春香…」
いちゃつき、もとい休息をとっていた。くっつく春香の目の前では千早が安らかな寝顔で眠っている。昨夜も遅くまでNornのデータベースで千早は勉強を重ねていた。
同じ頃春香はというと筋トレで汗を流したり神機のメンテナンスをしたりと二人はこの世界にもはや馴染みつつある。
「可愛いなぁ…千早ちゃん、蒼い長い髪なんかもう撫でたくなるし唇も柔らかそうだし…」
さらっと手で梳いてみると綺麗な髪はすぐに春香の手に巻き付く。その得も知れぬ快感に思わずその先に手を出したくなるがそれを理性でこらえる。
「(落ち着け、落ち着くのよ天海春香。人は理性を制御してこそ人、それを制御できないなどアラガミ以下っ…!!)」
落ち着いて何度か深呼吸をしてふと顔を千早に向けると
「おはよう春香。何してたのかしら?」
と、すごいいい顔で笑顔の千早がいて全身の毛筋が沸き立つとはこういうことを言うのかということを身を持って知る春香であった。
「ごめんって~千早ちゃん、起こさなかったのは謝るから~」
「まったく、オフとはいえ貴重な一日なのよ?起きてたならちゃんと起こしてほしいものだわ」
そして二人は着替えを済ませ日課のトレーニングをしながらそんな会話をしていた。始めてきた時には苦しんでいたツバキ教官のトレーニングメニューも今では春香も一通りこなせるようになっていた。
息は切れるが前ほどの疲れも感じない。体がメニューに馴染んできたのだろう。
「だいたい春香を甘やかすのは私の役目よ。私が春香に甘やかされるなんて、失敗だわ」
「意義あり!春香さんはそれに意義を唱えます!、そもそも私が年上なんだから妹を甘やかすのは当然だと思います!」
「あらそれこそ心外だわ、春香の可愛さは保護されるべきよ!つまり春香は保護されている!」
「千早ちゃん時々すごくキャラ崩壊するよね、そんな千早ちゃんも大好きですよ~。でもそれとこれは別!」
と二人のテンションが高まると時々意味の分からないやり取りも現れ出すがそれでも二人の顔は満面の笑みだった。
「よっ、お二人さん。マメだねえ、朝からトレーニングかい?」
そんな二人に声をかけるのはすっかり馴染みやすくなり二人が兄のように慕っているリンドウだった。いつものようにタバコを咥えながら二人の訓練を見守る様子だ
「リンドウさん、おはようございます…」
「おはようございますリンドウさん!いい朝ですね、リンドウさんも体動かしませんか?」
丁寧に頭を下げる千早に軽く敬礼混じりで挨拶と誘いを持ちかける春香にリンドウは手を軽く降って応える
「あー悪い、おじさんは今日は朝からデートなんだわ。デートの前にアナグラを見まわっておこうと想ったら可愛い後輩がみえたからな」
「デートですか。そうですね、リンドウさん話しやすいですし親しみやすいですし、モテますよね」
「さすがリンドウさん!コウタ君が聞いたら泣いてくやしがることを平気で言ってのける!!、でもいいんですか?サクヤさんに悪く無いですか?」
「ははは、ま、あいつもそのうちいい女に会うだろうよ、ああ、サクヤには了解済みだ。たまには羽目伸ばしてこいだとよ」
軽く目を閉じながらそんなことを軽く言える辺りリンドウとサクヤは気心しれた仲なのだろう。
「んじゃお前さんたち今日はオフだろ?しっかり休んどくんだぞ、体が資本だから休める時は休んでおくように」
「了解です!」 「はーい♪」
そしてリンドウはそのまま歩いて行く。二人は微笑み合いながらトレーニングを再開し、めどが付いたら切り上げて筋肉を休ませながら食事を取りに行く。
レーションが多いのは相変わらずだが配給品がもらえるようになった関係で少しは潤うようになりだしている。
ちなみに千早は節約主義なのであまりチケットを使用しない。いざというときのために蓄えておくタイプ、春香も基本は節約だがほしいものがある時は迷わずに使ってでも受け取りに行く。そういう使い方だった。
さて朝食も談笑しながら楽しく食べ終わった後はラウンジを歩いてみる。するとリッカに声をかけられた
「あ、二人共。以前言ってたポール型神機の使用感レポートまだ出てないよ?」
「あ、いっけない忘れちゃってた」
「私もだわ。ついついトレーニングにミッションにで…、えっと、いつまでですか?」
「そうだね、今日はオフだし、明後日までに出してくれたらそれでいいよ。使用感の他にグリップ感とか他にも自分の今扱ってる神機の違和感とかもあったら書いててくれていいからね」
そんな軽いやり取りのあとリッカと別れて歩いていると今度は資料を運んでいるヒバリと出会う
「あ、ヒバリちゃんお疲れ様!。何かお仕事中?」
「春香さんに千早さん。今は交代中なのでちょっとサカキ博士の資料を運んでいたんですよ」
「大変そうですね、手伝いましょうか?」
「本当ですか?助かります、休憩時間もそこまで長くないので手早くすませないといけないんですよね」
そんな会話をしながら三人はヒバリが任されていた資料を運んでいく。
「ヒバリちゃんはオペレーターになって長いの?」
「そうですね、随分と板についていましたしかなりのベテランなのでは?」
「そうですね。私は今17歳になるんですけどもうかれこれ二年はやっているでしょうか。それと私は実は最初神機使い候補者として入ったんですよ」
『え!?』
そのヒバリの言葉に二人は驚く。
「ふふ、話すたび皆に驚かれます。でも私と適合率の高い変色因子がなかなか見つからなくて、仕方ないのでツバキ教官にオペレーターとして回ってくれと言われてそれ以来」
「なるほど、でもいつもありがとう!、ヒバリちゃんの通信なかったら状況把握辛くて」
「ええ、ヒバリさんみたいな裏方がしっかりしてくれてるから私達も戦える。ありがとうございます」
「でも本当に大変なんです。人員誘導に業務連絡にオペレートとして戦場の状況把握して、報酬の支払処理や外部からの来客応対に…、ふふ、たまにいつ休めと?っていいたくなる時もありますよ」
そうどこか遠い顔をして語る彼女に、二人はフェンリルの闇を見た気がした。
「と、とにかく水分補給と、汗を流すのはしっかりしてくださいね?倒れるほど無理せずに変わってもらえる時は変わってもらわないと…」
「そ、そうだよ!?ヒバリちゃん倒れたら心配する人多いんだから!私達もそうだし、リンドウさんやサクヤさん、あ、タツミさんも!」
タツミ。その名前を出した春香に千早は「あ」と言いたそうな目をしてヒバリを見ると…
「ああ、タツミさんの相手もそうですね…。あの人、普段は来るくせに時々来てほしい時に限って来てくれなかったりするんですよね、ふ、ふふふふふ…」
うわぁと開いた口がふさがらない千早と春香に誰が口を出せるだろうか。この状況で口を出すことは地雷を踏むことだと同じだと察する。
「やぁ、すまないねぇ、申し訳ないが年をとると資料一つ運ぶのも大変でね。天海君と如月君もお手伝いありがとう」
「サカキ博士お疲れ様です」
「博士!おはようございます!、それとお疲れ様です!」
「資料はここにおいておきますね?、それと先ほど支部長からご連絡がありました。ようやくめどが付いたのでそろそろ帰ると」
そのヒバリの言葉に春香と千早はヒバリを見る。
「支部長って確か…、シックザール支部長だったっけ」
「ええ、ヨハネス・フォン・シックザール支部長。この極東支部を統括する最高責任者ですね」
「そうか、ヨハンがようやく。ならばこれから忙しくなりそうだね…」
「それほど、なのですか?」
「エイジス計画についてはこの前話したね?それの最高責任者もヨハンなのさ、彼が帰ってくるということはその計画が再び進みだすことを意味する。大変とは思うがついてきてくれたまえ」
『了解しました!』
「では私はこれで。春香さんと千早さんも今日は英気を養ってくださいね」
「またねー」 「ええ、竹田さんも無理しない程度に」
その二人の言葉にヒバリは手をふって出て行く。サカキは一息ついて落ち着くと二人を見やる。
「どうだい?二人共、こっちには慣れてきたかな?」
「そうですね!最初はどうなることかと思いましたけどなんとかしています。ちょっとたまに危ない時も有りますけど今のところは問題なくクリアできています」
「私もですね。春香ほどは立ち回れませんが皆さんがフォローしてくれることがとても嬉しいです。それだけに速やかに上達していかないと、という気持ちも大きいですね」
「なるほど、現状を把握しこれからをどうするかを考えているのはいいことだね。でもそれゆえに焦るのはいけないことだ。人間所詮できないことはできないんだからね。如月君も一歩一歩でいい。君の隣には頼れる親友がいるんだからね」
「はい、もちろんです」
その言葉に千早はしっかり頷き春香はそんな千早を微笑んで見守るのだった。
それが終わり歩いていると今度はコウタと出会う。よく人と出会う日だなぁと二人は思いながら自然とコウタと目が合う。
「目と目が合う~♪」「こらこら春香」
「?、二人共どうしたんだ?」
「なんでもないよ、コウタ君こそ今日はミッションあるの?」
「ああ、俺はこれからエリックさんやタツミさんとミッションでな、せっかくだから第一部隊以外とも交流を重ねておけっていうリンドウさんの命令でさぁ。でも俺としてはサクヤさんとも行きたいんだけどなー」
「いいことだねー。コウタ君はコミュニケーション力高いし皆で行ってくればいいと思うな」
「そうね、…それにしては随分そわそわしていますね?」
「ああ、ノゾミのことがちょっと気になってな…」
藤木ノゾミ。コウタが目に入れても痛くないというほどかわいがっている妹。二人がGOD EATERになるきっかけを作った子でもあり春香達も大好きな少女だ。
「コウタ君最近ミッション忙しそうだもんね。様子見てきてあげようか?」
「そうですね、そろそろもう一度外部居住区も見てみようと思っていましたしコウタさんさえ宜しければ」
「マジ!?いやぁ助かる!、あれからノゾミの奴春香と千早さんが来るの結構楽しみにしてたからさ、よかったら頼むよ!」
その二人の提案に二つ返事で頷くコウタ、そして午後の時間は外部居住区へと行く事になったのだった・
後半か中盤へと続くわけですが、このあたりから話が少しずつ動き出して行く予定です