アイドルマスターxGE「神を喰らいしアイドル」   作:HiRO12

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えー長らくおまたせいたしました。
今回はオフ回の続きとなっております。
最初に言っておきます。タイトル詐欺というツッコミはうけつけませ~ん
では


第九話後篇「そして事態は動き出す」

第九話後篇「そして事態は動き出す」

 

「あ!春香お姉ちゃんと千早お姉ちゃんだ!」

あの後コウタが連絡を取ってくれてから春香と千早は外部居住区、コウタの家へとやってきていた。待ちかねていたのか入り口にはノゾミが立っていた。

「久しぶりノゾミちゃん!、春香さんですよー!」

「こんにちわノゾミちゃん。今日もよろしくね」

遊びの内容は割愛するが、鬼ごっこだったりかくれんぼだったり歳相応の女の子が楽しくする遊びで、戦いに明け暮れた二人の心に久しぶりに光が指したということは記しておきたい。

「あー楽しかった!」

「春香お姉ちゃんすごいすごい!ノゾミの場所ずばずば当てるんだもん!」

「本当にね、春香は子供っぽいところあるからそれでかしら?」

「千早ちゃん、それはさすがにひどくないですかね?亜美や真美と遊ぶことも多かったから自然とね、あの二人に比べたら全然楽だもん」

「亜美?真美?」

双海亜美・真美。通称765プロのタイフーンガール。その名の通り台風の如きイタズラガール。二人とよく遊んでいた春香は気づけば楽になっていたのだろう。

「ああ、あの二人に比べたら確かに…。えっとね、お姉ちゃん達の友達よ。大切な、ね」

「そうなんだ!いいなぁ、ノゾミも友達いるよ!」

「そう、友達は大切にね。こんな世界ならなおさら」

「大丈夫!皆いい子達だし、それに春香お姉ちゃんと千早お姉ちゃんだって守ってくれるもん!」

その言葉に春香はノゾミをぎゅうっと抱きしめる。子供の暖かな体温が春香を包み込み安らかな気持ちにしてくれる。

「もう!可愛すぎだぞノゾミちゃん!!。こうしてくれるわー!!」

「きゃーきゃー!千早お姉ちゃん助けてー!!」

「うふふふ、ノゾミちゃんそう言う割には顔は笑顔よ?」

「春香ちゃん千早ちゃん。よかったらご飯食べていくかい?、コウタのおかげで支給品がもらえててね、あの子がお世話になってる分こういう形で返させてもらえないかな」

じゃれあってる三人にそんな声がかかる。コウタの母親は笑顔を浮かべながら言っていて、善意のある表情と言葉に春香と千早は断るほうが無礼になると感じる。

「では申し訳ありませんがいただきます」

「だめだよ千早ちゃん、こういう時はありがとうでいいんだよ!」

「はは、春香ちゃんの言うとおりだね。子供が大人に遠慮するもんじゃないよ」

「…はい、ありがとうございます」

その千早の顔はやはりどこか暗い。コウタの母は自然に何かを感じたようだがあえて追求はしない。軽く春香と目が合うが、春香は苦笑をするのみだった。

「千早お姉ちゃん、ご飯、食べたくない?」

「そんなことないのよノゾミちゃん。ご飯できるまで、表で歌を歌いましょうか、お姉ちゃんが教えてあげる」

「本当!?」

「あ、なら私は料理のお手伝いをしてるよ。コウタ君のお母さん、今日は何を?」

「あらいいのかい?春香ちゃん、それならそうだねえ、今日はコウタが卵を届けてくれたからオムライスにしようと想ってね」

「オムライスですか、なら野菜などを刻みますよ。エプロン、ありますか?」

「こっちにあるよ。ノゾミにもちゃんと教えてあげたいけど、今は頼れるお姉ちゃんが歌を教えてくれるからそっちにしようか」

そうして二組に別れることになった。

 

~春香サイド~

「千早ちゃんのこと、ごめんなさい。悪い子じゃないんですけど」

ハムや鶏肉を刻みながら春香はそう切り出す。軽快な包丁の音とは打って変わってその表情はまるで姉が妹のことを謝るように安らかだった。

「構わないよ。でもあの子の抱えるものは深そうだね。家族関係だろうとはおもうけど」

「…ええ、千早ちゃんは少しばかり理由があって」

「そう…、私達もね、こんな時代だから色々ある。毎日何十人何百人と死んでいく世界だけど諦めていないよ」

「人の生存本能はたくましいですからね」

コウタの母親はたまねぎや人参を刻みながら春香と会話を続ける。毎日の中恐怖を感じながら子供二人を育ててきた彼女。母の強さを感じずには、いられなかった。

「千早ちゃんにどんな事情があったかは知らない。でもね、子供が生まれたことを喜ばなくて、なおかつ自分の娘を心配しない親なんかいないんだよ。例え何があっても」

「ええ、それは本当にそう思います。千早ちゃんもそれをいずれは解って欲しい。祝福されない子供なんかいないってことを」

「春香ちゃんは強いね。でも、貴方も貴方で、無理しちゃだめだよ?」

「…え?」

そう返されるとは思っていなかったのだろう。思わず手が止まり、コウタの母を見つめる。

「春香ちゃんが千早ちゃんを大切に想っているのは短い付き合いだけどすごく解ったよ。あの子を見る貴方の目は優しさに満ち溢れているからね。だからこそ、春香ちゃんも自分自身を大切にしなくちゃいけない」

「それは…」

「親をやってるとね、子供の成長を見ることになる。その中でだいたいの事はわかるようになるのさ、子供の考えていることはね」

「やっぱり敵いませんね。でも、分かりました。その言葉は胸に刻んでおきます」

「ああ、まぁ二児の母の戯言と想って受け流してくれても構わないよ」

「いえ、人生の先輩のありがたいお言葉、受け取っておきます。さぁ仕上げちゃいましょう!特製オムライスですよ!オムライス!!」

「そうだね、やってしまおうか(この子達ならきっと大丈夫とはおもうけどね、コウタ、あんたも男なんだ、しっかり支えてやるんだよ)」

 

 

~千早サイド~

「蒼い鳥~もし幸せ~近くにあっても~♪」

「そうそうノゾミちゃんやっぱり上手よ。見込みがあるわ。ちゃんとレッスンすればいい歌手やアイドルになれるかもしれないわね」

「えへへ、本当?お兄ちゃん喜んでくれるかな」

笑顔混じりでそういうノゾミに千早も笑顔を返し頷く。日頃から目に入れても痛くないと本気で熱く語るコウタのことだ。実際にこんなことをされたら抱きしめて撫で回すに違いない。

「間違いなく喜んでくれるわ。でもコウタさんのことだから俺の前以外では歌うの禁止!!とかいいそうね」

「お兄ちゃんならそう言いそう!でもお兄ちゃんだけのアイドルもいいなぁ」

「…ねえ、ノゾミちゃん、お父さんがいないのって、寂しい?」

「正直寂しくないといえば嘘になっちゃうかな。でも薄情かもしれないけどよくわかんないって気持ちもあるの。だってノゾミが物心付いた時にはもうお父さんいなかったし。でもその分お兄ちゃんがすごく頑張ってくれた」

「そう。お兄ちゃんは、好き?」

「大好きっ!!、お母さんとお兄ちゃんが本当に大好き。二人がいなかったら何回絶望していたかわからないし。ここにアラガミが来た時も、お母さんがいて、お兄ちゃんが戦ってくれるからノゾミは安心して逃げられるもん」

家族を心から信頼してる。その気持があふれるノゾミに思わず千早は涙腺が緩む。自分の手に入らなかったもの、失ってしまったものを改めてつきつけられている気がする。

「(私はどうしたいんだろう。優を失って、お父さんとお母さんの喧嘩を眺めてただけ。歌ってもあの頃のようには返してくれなかった。でも、私は…)」

「…ちゃん?、千早お姉ちゃん?」

「っ!!、ご、ごめんなさい、どうしたの?」

「ど、どうしたのはこっちの言葉だよ。す、すごく怖い顔してたよ?」

「そう、ごめんなさい」

「千早お姉ちゃんは、家族、好き?」

その問いかけに答える言葉はなかった。だが千早はノゾミを抱きしめ、強く抱きしめる。まるで親にすがりつく子供のように。

「千早お姉ちゃん…」

静かに自分を抱きしめる千早には力が入っていると同時に手が震えていて幼いノゾミですらただ事じゃないことが見て取れる。少し思考したが、ノゾミは腕を千早の頭に載せて軽く撫でる。

「お兄ちゃんがね、ノゾミが泣きたい時はよくこうしてくれるの。だから今日は私が千早お姉ちゃんにしてあげるね」

「ありがとう、ごめんなさいね、お姉ちゃんなのに…」

「ううん、千早お姉ちゃんだって泣きたい時ぐらいはあるもんね、でもここからは春香お姉ちゃんに甘えたほうがいいのかな?」

「なっ、どうしていまそこで春香の名前が出るのっ!?」

思いもよらぬ春香の名前に赤面混じりに抗議する千早。しかしノゾミは千早の腕から器用にぬけ出すと駆け出す。

「だって春香お姉ちゃんと千早お姉ちゃんって特別な感じがするんだもーん、えへへー鬼さんこちらー!」

「こら待ちなさいノゾミちゃん!お姉ちゃんをからかってゆるさないわよー!!」

春香とコウタの母親がご飯ができて呼ぶ10分ほどの間、二人は駆けずり回っていた。当然だが途中でノゾミがバテて千早に捕まったのはいうまでもない。

二人の特製オムライスに舌鼓を打ち合い、進められるまま千早とノゾミがおかわりをしたり、コウタの話やノゾミの話、春香や千早がGOD EATERになってからのことなどで笑顔が絶えなかったがさすがに時間も時間なのでお暇することにした。

「また来てね!!」

「いつでもおいで。フェンリルのこともあるだろうけど、時間があるときはこっちに来るのもいいものさ、私達はいつだって歓迎するよ」

「お兄ちゃんにたまには帰ってきてねといっておいてください!」

「ええ、また来ます」

「ノゾミちゃんまたね~。お母さんもまた来るときまでお元気で、防衛戦がありましたら手伝いますので」

そう言葉を交わし合い別れ、二人は極東支部へと帰宅するのだった。

 

「さてレポートの時間ね」

「宿題と一緒で…、楽しい時間の後ほど雑務仕事はやる気がなくなるよね」

ついた二人はすぐさまミッションカウンターの脇にあるテラスに座りレポートを広げる。そして二人はとりかかる

「えーっと重さは特に問題なし、もう少し叩いた時の重量感がほしい…、もう少しハンドフレームの長さの調節とブースター起動時の動作の正常さを…」

「取り回しの良さにもう少し改善が欲しい。チャージグライドの制御に少し不安定さあり。スナイパーモード時のブレ幅調整を行いたい…」

二人は極東で初のポール型神機の扱いを行うので自然と書き込む量も増えてくる。しばらくの間無言で集中してるとコーヒーのいい匂いが鼻腔をくすぐる。その匂いに振り向いてみると…

「はぁい、精が出てるわね?、よかったらこれ飲んで?」

「サクヤさん、お疲れ様です」

「わーい、サクヤさんのコーヒーだ、いただきまーす」

サクヤのコーヒーはアナグラ内でもちょっとした絶品として知られている。程よい苦味が口の中を駆け巡り、それでいてどこかホッとする。そんな美味しさがあった

「美味しい、いつもありがとうございます」

「サクヤさん、そういえばリンドウさんは今日デートらしいですよー?」

その言葉にサクヤは少しムッとしたような表情を浮かべる。

「あら、あの人私には何も言っていかなかったのに。リンドウも白状ね、こんな美人がそばにいて他の女とデートだなんて」

そう笑顔を混ぜながら茶目っ気をだしていう当たり二人は本当に良いパートナーだなぁと思っていた。

「リンドウさんとサクヤさんは幼なじみと聞きましたが、やはりGOD EATERにも二人で…?」

その千早の問いかけにサクヤは少し間を空けてからいう。

「私は元々オペレーターにいたのよ。ヒバリと同じで、適合神機が見つかるまでの間ね。リンドウと後ソーマ、そしてツバキ教官かな、最初から一線で活躍してたのは」

「ツバキ教官も!?」「すごい人とは思っていましたが、やはり元GOD EATERだったのですね」

「ええ、そうよ。あの頃から三人は凄腕のGOD EATERだったわ、しばらくしてツバキ教官がある程度の腕いったところで突然引退、後任を育てるといって教官に回ってね」

「…律子さんみたい」

「リツコ?」

「ええ、私達の仲間の一人です。トップアイドルと言われる領域までいったのに、満足感は得られたからっていって元々やりたかったプロデュース業に転身したんです」

秋月律子。メガネでおさげでナムコプロの頼れるツッコミ係にしてお姉さん。元Aランクアイドルにして現在は竜宮小町のプロデューサー。彼女をふと思い出す。

「なるほどね、どこにも似たような人はいるものか、さて、報告書の方はどう?確認兼ねてチェックしてあげる」

そういってサクヤに見せようとした時

 

〈緊急連絡、緊急連絡、第七班がウロボロスのコアの隔離に成功!整備・解析班は至急集合されたし!、繰り返す、第七班が…〉という放送が流れだす

「ウロボロスって。この前千早ちゃんとターミナルでみた・・・あれ?」

「確かそうだったわね、あれだけ大きなアラガミでも倒せるものなのね」

そう言い合う春香と千早の隣で複雑そうな表情をするサクヤ。

「いやーただいまー!あれ、三人ともどうしたの?」

その声にそちらを向けばミッションが終わったタツミとエリックとともにコウタがいた。

「あ、三人ともおかえりなさい。ミッションはどうだった?」

「おう!バッチリだったぜ!俺とエリックさんの銃弾がこうズガガガガー!って飛び交う中をタツミさんがシュタタタタって駆け抜けてさ!」

「ふふ、いいコンビネーションだったのね」

「おうよ!三人にも見せてやりたかったぜ!」

「華麗に決めさせてもらったよ。それよりも、ウロボロスのコアの隔離、か」

「いやー俺も見たことあるけどあれはさすがにやばかったね。あれを倒せるのは素直にすごいと思うよ」

「ウロボロスってそんなにすごいんっすか?」

そのコウタの言葉に全員が呆れたような表情でコウタを見る。

「コウタ君?少しはちゃんと勉強しなよ」

「コウタさん、ターミナルを調べれば簡単な概要は出てきますよ。今みてみたらどうですか?」

その苦笑混じりの春香と千早の言葉にコウタは携帯端末でノルンを呼び出し見てみる。

「で、でけえ!、なんだこりゃ!?これを倒してコア隔離したってことっすか!?」

「そう、だーかーら、すげえんだよ。ま、お前たち新人三人は見どころはあるけど今行けば間違いなく死体の仲間入りだよ。焦ることはねえさ」

「そうそう、華麗に戦うためには踏むべき順序がある。くれぐれも見誤って無謀な闘いだけはしちゃいけないよ?」

「ええ、あなた達はまだまだこれからよ。リンドウや私達もいる。一歩一歩着実に進むことが大事だからね」

『はい!』「おっす!!」

タツミ・エリック・サクヤの先輩GOD EATERに支えられ春香たちは順調に踏み出していた。そしてその後は報告書を添付してもらい、リッカに提出する。

リッカは二人の報告書をみて満足したようで必ず良い調整をすると約束し、その後二人は部屋に戻って眠りにつく。

 

その頃、上空を飛び交う飛行機の中には一人の男女がいた。

男性は白い服に少しウェーブかかった金の髪、女性は赤い帽子と少し露出度の高い服、そして何よりも人を目線で刺せそうな鋭い瞳が印象的だった。

「さて、これから君は極東支部に到着するわけだが、くれぐれも頼むよ?」

「わかっています。アラガミはこの手ですべて絶滅させます。私より優秀なGOD EATERなんて、いるわけないんですから」

「頼もしい限りだよ、アリサ・イリーニチナ・アミエーラ君」

「どうも」

彼ら二人が極東支部に帰ってくることで、極東支部に再び新たな風が吹くことを、今はまだ誰もしらない




ふぅ、以上となります、ようやく最後の二人を出せました…
次回からストーリーがまた進んでいくことになります。このペースで書き上げようと思ったらどれぐらいかかるんだろうか、まじ震えてきやがったぜ
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