アイドルマスターxGE「神を喰らいしアイドル」 作:HiRO12
序盤はどうしても長くなりがちなので活性化までが前半となりそうですね。
何れ書き込みが多くなって同じ相手とかになると短くなるんでしょうけど。
さて、アリサがやってきて春香達がどう戦っていくのか、見ていて下さい
第十話中篇「稲妻を操りし虎」
「ちょっとアリサちゃん本当に行くの!?」
「本当ですが何か?新型が三人でまさか並のアラガミでは勝てないと?」
いきなりミッションを言い出すと言ったアリサはずんずんとカウンターの方へ進んでいく。歯に衣着せぬ言い方に春香は少し苛立ちが強まるものの、理性でそれを食い止めていく。
「そうは言ってないよ、でもまだ私達お互いの戦術も確固としてないんだしさ!」
「アリサさん、この際ミッションは構いません、しかしどのミッションを行くのです?」
春香がなおも食い下がろうとするも千早がそれを食い止め話を促す。いきなり目の前で会話をされておろおろするヒバリを尻目にアリサは見ていく。
「これなんかどうです?、私がいるんですし問題ないでしょう」
「どこからその自信が…、ってこれヴァジュラじゃない!?、だめだよ!これ今の私達だと第一級危険指定アラガミなんだから!」
「そうやってずっと言いなりになっているなら好きにしてください。あなた達が来ないなら、私一人でもいきますので」
そう言い残しアリサはさっさと手続きをしてしまう。
「ど、どうする千早ちゃん?」
「一人でいかせたら何が起こるかわかったものじゃないわ、急いで準備を終わらせて彼女を追いましょう。ヒバリさん、すいませんが、迅速なサポートの準備をお願いします」
「は、はい!!」
そして春香と千早は記憶にあるヴァジュラの対策を可能な限り積んで、慌ててアリサを追いかけるのだった。
「千早ちゃん、ヴァジュラは確か炎と神属性が弱点だったよね!?」
「ええ、そうよ。その次が水だったはず。リッカさんに頼んで作ってもらってた「アレ」、使いましょう!」
「OK!」
「後活性化の時にはスタングレネードが有効になるわ、詰め込めるだけ詰めて行きましょうね」
「うん!」
奢りはしない。二人にとってはまだまだヴァジュラは第一級危険指定アラガミだ。油断すれば待つのは死である。元の世界に戻るためにもまだ死ねない。そのためにも使える手段は惜しまず使うのが二人のやり方だ。
「あ、春香に千早ちゃん!、準備できてるよ!もう装着も完了してる!」
二人が神機保管庫に駆け出すなりリッカはそういって完成した神機のロックを解除してくれた。前に持っていた神機とは付け替え一つで別の顔を見せる。
春香の神機は今回は、四角い紫色の模様が織り込まれたハンマー、名前を「フィ・ドラジェ」という結晶鎚であり、持ち手に守りの力を与えるハンマーでもある。
さらに銃身は銀色の「ブルタルヘイル」、装甲は属性の耐性をあげた「対属性バックラー 改」の組み合わせだった。
千早のほうは紫黒の槍「フリークリスタ」というチャージスピアを持っていた。この武器は水晶のように美しく、そしてアラガミの力を封ずる「封神」の力を持った槍だった。
銃身に「ファルコン」を強化させた蒼き狙砲「スワロウ」そして雷耐性に特化させた「対雷タワー 改」を装備していた。
「相手はヴァジュラ、生半可な相手じゃないけど頑張って!!」
「ありがとうございます!、アリサちゃん死なせるわけには行かないので行ってきます!!」
「無事を祈っていて下さい、リッカさん」
「あ、ちょっとまって!、二人の神機にはそれぞれ、オラクル細胞と同調して効果をだすいわゆる「強化パーツ」をつけておいたから、これ読んでおいて!」
そう言って千早に紙を渡すリッカ。
「何から何までありがとう!頑張って来るね!」
「行ってきます!」
二人はリッカに見送られジープの元へ駆け出した。
「遅いですよ、来るならさっさと来て下さい」
「すいません、私達にとってはまだまだ危険なアラガミですから神機の付け替えや携帯品に準備をしていたので」
春香に話させると話が進まないと判断した千早がアリサに軽い謝罪を行う。昔の自分ならどうしていたか、こんな時に自分勝手だった時の自分の経験が生きるだなんて皮肉だと思いながらも話は進めていく。
「運転は私がするよ。千早ちゃん贖罪の街でよかったよね?」
「ええ、お願いするわ春香」
返事をする前にアリサは既に乗り込んでいる。当たり前のように後部座席に。
「(この子、昔の千早ちゃんなんてレベルじゃない。ひどい、ひどすぎる)」
「(私もここまでじゃなかったわよ…?、この調子で大丈夫なのかしら)」
そしてジープの中。アリサはただ背筋を伸ばして目を閉じている。寝ているわけではなく完全にシャットアウトしているのだろう。
「春香、リッカさんの説明読んだわ」
「分かった。オラクル細胞と同調するって言ってたよね?、たぶん、結晶みたいな感じなのかな?」
「ええ、そうよ。アラガミの素材でできた結晶体で私達のオラクル細胞に同調して様々な効果を呼び起こすみたい。私には防御力とオラクルを高めるもの。春香には純粋に体力とスタミナを底上げしてくれるわ」
「助かるよ。リッカさん」
その時、春香と千早のヘッドセットに通信が入る。
『あ、ヒバリさんですか?目的地には後10分ほどで…』
『天海、如月。どういうことだこれは。説明しろ』
その突き刺すような声に春香と千早はさあっと血の気が引く音を感じる。
『きょ、教官、これは、その』
『アリサさんが来るなりミッションと言い出したので、新型同士の波長や連携を確かめる意味合いも込めて行きました。彼女の実力を確かめたいのはこちらとしても一緒でしたので』
『天海、それは事実だな?、アリサが連れ出したとかではないんだな?』
『多少強引なところはありましたが後半部分は私の本心でもあるので事実です。それに、一人で行かせるわけには行きませんでした』
『やれやれ…、仕方のない奴らだ。だが忘れるな、今のお前達の実力ではまだまだな相手だ。死ぬなよ、最悪の場合はアリサを気絶させてでも逃げてこい』
『了解!』
『ヒバリのサポートの横に私もつく。ヴァジュラとの交戦経験は私にもあるからな』
『死ぬわけにはいきませんよ。最悪の場合は逃げます』
『ああ、それでいい。死んだら何もならないからな』
こういうところは弟のリンドウにそっくりだと思いながら春香は更にジープを進ませるのだった。
「あの、アリサさん。そろそろ目的地につきますけどアリサさんの神機はどうなってます?戦略を練りたいのですが」
「見てわかりませんか?」
「千早ちゃん言っても無駄だよ、教える気ないんだったらそれなりの対策だってある。アリサちゃん、もうちゃんもいらないね。アリサでいいや」
「どうぞご勝手に」
「着いたらアリサに先に仕掛けさせる」
「春香!?」
「そこまで自信あるなら少なくとも一撃で持って行かれたりなんかはしないとおもうから先に戦う様子みてそれで判断する。私と千早ちゃんはしばらく銃撃でバックアップ、これでいいよ」
「あ…なるほど」
春香の考えはアリサの闘い方が分かるまでは自分と千早でバックアップ。分かり次第その都度対応していくというとり方だった。本当ならこんな闘い方でなくちゃんと話し合って戦略を取りたいのだがアリサが好き勝手する以上は仕方ない。
「まぁ刀身はロングブレードだろうけど後は本当に実戦でだよ。私も死にたくないしね」
「ええ」
空気が、重い。昔の私はこんな空気をばらまいていたのかとある種の自己嫌悪が千早にのしかかる中、ジープはついに目的地についたのだった。
「着いたね、ほら、獲物があそこにいるよ。行ってきたら?アリサ」
「言われなくてもすぐに行きますよ」
そんな軽いやり取りがありながらアリサは悠々と立っている「ヴァジュラ」に向かってガンフォームに変形しながら歩いて行く。
ヴァジュラは虎のようなアラガミで雷を操る。動きも素早く翻弄されてる間に仕留められる神機使いが多く、ここを超えられるかどうかが極東に於ける神機使いの一つの登竜門なのだ。
「アサルトか…」
「春香、私も撃つわね、貴方も観察をほどほどにしたら来なさいよ」
「わかってるって千早ちゃん、少しの間お願いね。後私はあそこのお邪魔虫倒してるから」
春香はアリサの動向を観察しながら遠くから狙っているコクーンメイデンの元へ向かっていく。。アリサが撃ちはじめ、ヴァジュラとの戦闘を開始すると同時に、千早も遠くからスナイプしていく。スワロウは氷の弾丸との相性がいいのでそれを位置取りしながら胴体に向かって撃っていく。
「(なるほどね、アリサの動きは基本に忠実、それでいて無理をしない、か。アレならたしかに演習でトップクラスなのも頷ける)」
アリサは先程から無茶な動きは決してしていない。左前45度程を保ちながらヴァジュラの動向を探り、飛び越えて来るようなら懐にもぐって尻尾を斬る。振り向いてくる頃に横をとりステップを挟み足を斬り、隙きあらば飛び込み尻尾を斬る。その繰り返しだった。
春香があらかたコクーンメイデンを始末する頃にはアリサの動向は読めるようになっていた。それを見て春香がヴァジュラの元へと駆け出す。
「春香、おかえり」
「うん、ただいま。お邪魔虫は始末したよ、これあげる!」
そう言って春香は千早とアリサにコクーンメイデンから奪っておいたアラガミバレットを受け渡す。リンクバースト状態になったアリサは一瞬動きが止まる。
「これがですか。礼なんかいいませんので」
「いちいち可愛くないなぁ!!」
「貴方に可愛いなんか言われたくないですよ!」
『お前達喧嘩している場合か!』
『ヴァジュラ、接近しています!』
「「解ってます!!」」
言い合いながらアリサはこれまで通りに尻尾を斬っては離脱し、春香は右斜45度からステップを入れつつヴァジュラの顔面を殴っていく。ヴァジュラがこっちを向けばアリサと春香は散開し、再び二手から攻め込む。
傍からみれば喧嘩しているように見えて実戦になれば息が合うコンビに見える。しかしこれはアリサと春香があっているのではない。春香がアリサに合わせているのである。
春香はヴァジュラの動きを見切った上でアリサと逆回りになるように動いているのである。そうすれば衝突も少なく動けるというわけだ。ヴァジュラのセオリーから少し外れるため、春香の危険度が少しあがるがそこは器用な春香。見事に対応してみせる。
前爪の攻撃をバックステップで回避、そのまま飛んでくる雷球を地面を蹴って方向転換からのステップで往なし、駆け抜ける。
顔面を殴り尻尾を斬り足を突き刺し捕食する、三人はリンクバーストの状態を維持しながら前衛と後衛を巧みにスイッチしながらヴァジュラに攻撃を仕掛けていく。、
「アリサさん!そちらに!!」
「わかっています!、スイッチします!!」
そのアリサと千早の掛け合いの後に、アリサはドローバックショットで下がりながら神属性の連射弾を打ちつつ、千早はグライドモードを展開させチャージグライドでヴァジュラの前足に向かって突っ込み突き刺す。
前足を突き刺されヴァジュラは咆哮を上げる。更に千早はそのままスピアに体重をかけてヴァジュラの前足に飛びつき抉るようにスピアをぐりぐり上下に動かす。前足を振り千早を振り落とそうとするも必死に千早は捕まり手放さない。
「弾薬が切れるまで打ち尽くしますっ!!」
アリサのその掛け声とともに胴体に向かって連射弾が更に降り注ぐ。連射弾の弾幕にヴァジュラがたまらず身じろぎをする。
「悪いけどまだ離してあげないわ、春香っ!!」
「了解!!」
千早の掛け声と同時に春香が飛び出しヴァジュラの顔面に向けて思い切り振り下ろす。その戦鎚の一撃はヴァジュラの顔から右目に向かってを思い切り穿ち、血液が飛び出す。
そしてもう一撃春香は横薙ぎに一撃を繰り出し十文字に顔面を穿つ。
行ける!完全に優勢を取っているという思いが三人を包み込む。だがしかし
『オラクル細胞活性化するぞ!ここからが本番だ!』
そのツバキの声とともに三人は自然に身構える。そう、まだヴァジュラは活性化をしていない。春香は素早く反動を利用して離れ、千早もヴァジュラの前足を蹴り、その勢いでスピアを地面に突き刺し高飛びの要領で背後に着地する。
その直後、周囲に雷が降り注ぎヴァジュラの周りを覆う。
『これがヴァジュラの活性化、稲妻を操りし虎の本領だ』
『気をつけて下さい、出来る限りのサポートは行います』
「…行くよ、千早ちゃん、アリサ」
「ええ、春香。アリサさんもここからが本番ですよ」
「誰に向かっていってるんですか、あなた達こそ足を引っ張らないで下さいよ!」
「OK,じゃあいこっか。GO AHEAD!!!」
その春香の掛け声とともに三人は駆け出すのだった。
以上となります。
三人共なんだかんだで新型で成績も良いので口ではいがみ合いながらも自然に合わせてる感じになります。
少し補足をするなら二人がアリサに合わせてる部分が今はまだ多いです。
これが自然に三人で合わせられたら良いのですが。
それでは後篇でお会いしましょう。ドロン