アイドルマスターxGE「神を喰らいしアイドル」   作:HiRO12

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前回よりしばらく間が空いたことをお詫び申し上げます。
そして新年あけましておめでとうございます。
今年もマイペースでこそありますが投稿を続けていこうと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします(礼)

さて話の方はヴァジュラ戦の続きになります。それではどうぞ


第十話後篇「雷虎と蒼い鳥」

春香・千早・アリサが身構える暇もなくヴァジュラは正面に立っている春香に向かって突っ込んでくる。

「散開っ!!!」

春香が声を上げると同時にアリサと千早は左右に飛び散り春香はバースト状態のままハンマーを振り抜き真正面からぶつける。

「ぐぐぐぐ…!!!」

先程まで歯ごたえがあったはずの一撃を受けてなおヴァジュラは温いと言いたげに勢いを殺さずに突っ込んでくる。

「(力がさっきまでと全然違う。正面からは不利ならっ!)」

振り抜きながらバックステップで一旦距離を離すと春香はガンモードに変形させる。

「春香!フォローするわ!」

「こちらにもいるということ忘れてませんか!?」

その声とともに千早とアリサが左右から飛び込む。しかしヴァジュラは鬱陶しいとばかりに唸り声をあげる。

『いかん!アリサ、如月。下がれっ!!』

「「っ!?」」

その声と同時に二人は空中で装甲を展開する。直後ヴァジュラの周囲に雷の膜が展開される。そのまま飛び込んでいたらいつかのコンゴウの時のように大きなダメージを受けていただろう。

「タワーシールドのおかげで、助かったわ」 「生意気なんですよ、アラガミの分際でっ…!!」

『ヴァジュラの活性化中は雷を扱う攻撃はできるだけ避けるか、装甲展開にて防ぐようにして下さい!』

『やつの攻撃をまともに受けると体が麻痺することがある。そうなればやつのペースだ』

「「「了解!!」」」

ヴァジュラは後転で距離を離しつつ、空中で複数の雷球を三人に向かって放ってくる。

「っと!」「甘いですよそんなもの!」「この動きで来るなら…」

春香はサイドステップをしながら弾をうち、アリサは懐に潜り回避しながら大きく回り込み前進、千早は後転で躱しながらガンフォームに変形させ狙撃耐性に入る。

「(千早ちゃんが狙撃態勢に入った)っと、アリサ!援護に入るよ!」

「足を引っ張ったら承知しませんからね!」

千早の狙撃態勢を見た春香がハンマーフォームに変形させヴァジュラの懐に潜り込んでいく。

ヴァジュラは迫りくる二匹の蝿とも言うべき春香とアリサを払おうと回転しながら左右の爪で引っ掻く。細かいステップを刻みつつ翻弄しようとするがバースト状態の春香とアリサはそれを巧みに躱しながら攻撃を仕掛ける。

だがハルカのハンマーもアリサのブレードも先程より素早さを増したヴァジュラの動きと回転しながらのため鬣部分に防がれ決定打とはなりえない。

 

その頃千早の方はと言うとスナイパーライフルのスコープからヴァジュラに狙いをつけていた、周りの空気、風速、角度、全てを頭に入れながらヴァジュラの胴体に狙いをつける、

ヴァジュラが春香とアリサの連撃に空へと飛ぶ、空中の制御はいくら俊敏なヴァジュラとはいえ厳しいと思った千早はチャンスと思いトリガーを引く。

「そこっ!!」

音と同時にヴァジュラに飛来していく氷結狙撃弾。千早には手応えがあった。その感覚もあった。だがしかし結果としてその一撃は空を切る。

「なんですって!?」

ヴァジュラは空中に飛んだと同時に、直感で危機を感じたのかバックに合った建物の壁を蹴り。方向を変更したのだった。

そのまま春香とアリサの後ろに回り込み、二人を回転しながら雷を帯びた尻尾で薙ぎ払う。

『ヴァジュラ後方だ!、装甲を展開しろっ!!』

そのツバキの声が聞こえる時にはその雷の尾は春香とアリサを薙ぎ払っていた。

「あぁっ!!」「きゃぁっ!?」

二人はたまらず先程までヴァジュラのいた壁に吹き飛ばされ壁が崩れる。

「痛ったぁい…!!っぁ!?」「グッ…!?、あぁ…」

春香は感覚が鈍くなると同時に痺れが前進を駆け抜けるのを感じる、そして隣のアリサが頭から崩れ落ちるのを見る。

『春香さんとアリサさん、スタン状態に!?。アリサさんの意識がおちました!』

『如月!二人が回復するまで凌げ!、引きつけろ!』

「くっ!!このっ!、こっちに来なさいっ!!」

千早はヴァジュラの注意を二人からこちらに向けるために氷結狙撃弾を撃ち続ける、それを鬱陶しいと感じたのかヴァジュラは千早の方を向く。

「…かかってきなさい。遊んであげるわ」

わざとらしく悠々と神機をスピアモードにしながら指をクイクイして挑発する千早。それにヴァジュラの苛立ちはさらに募り千早の方へ駆け出していく。

「(さて…長い時間になりそうだわ)」

内心で千早は冷や汗を掻きながらヴァジュラを引きつけるためにわざと後退する。ヴァジュラはそれを逃すまいと声を上げて追跡を開始する。

「春香!アリサさんは頼んだわよ!」

「千早ちゃん!?、わかったよ!」

春香も正直に言えば意識を落としたいぐらいに厳しかった。コンゴウ何かとは比べ物にならない重さ。いや、純粋な重さはコンゴウのほうが上だろう。

だがヴァジュラはコンゴウにも劣らない力の上にスピードも加わっている。総合力としてはコンゴウの数倍勝っているのだ。それを何度も紙一重で避けながら戦ってきた。

アリサに近づいた春香は痺れがまだ残る中、脈を確認し問題ないことを確認するとアリサの腕輪と自分の腕輪を接続してあることを試そうとする。それは、フェンリルが認めている生命同調緊急蘇生(リンクエイド)システムだった。

 

【春香・アリサSIDE】

「んっと…、よし、行くよ。アリサ、貴方はむかつくけど、死なれるわけにはいかないの、もう一度起きてもらうよ」

春香は回復剤を飲んでから腕輪とさらにアリサの神機と自分の神機をくっつける。そうすることでリンクエイドシステムが開始される。

「(生命同調緊急蘇生システム。意識を失ったGOD EATERに接続者の生命を分け与え一時的に蘇生させるシステム、だったっけ。私にもかなり負担がかかるけど、このまま死なせるわけにもいかないし、ね)」

その状態から10数秒かかる状態を春香はかなり長い時間と感じていた。向こうでは激しい音が響き合っている。雷が咆哮する音、スピアの刺突音。おそらく千早が必死になって時間を稼いでくれてるのだろう。

「パパ…ママ…」

うわ言でそう聞こえる春香。やはりあの態度は何かしら理由があって取ってる態度そうだと春香は感じる。

「(やっぱりこんな時代だし何かしらあるってことだね、でも私はまだ貴方と仲良くもなれてないの!、それなのに勝手に死ぬなんて許さないよ!)」

 

【千早SIDE】

千早は今から一人でやつと対峙するというのに案外自分は格好つけかも知れないと思っていた。好きな子のために命を張って戦える、下手すれば文字通り死ぬ。その最中だというのに高鳴っていく心臓の音がむしろ心地よいとさえ感じてしまう。

「リンドウさんならこんな時は…無理はせずに自分にできることをするはずよ…」

バカ正直に広い場所に誘い込めばヤツの機動性を引き出させてしまうと判断した千早はこの贖罪の街で特徴的だった教会の中へヴァジュラを誘い込み待ち受けていた。ヴァジュラの足音が響く。やつはもうそこまで来てると判断した千早は一つのドリンク剤を取り出し飲む。

それは体力の上限こそ少し下がるものの、スタミナを引き上げてくれる「ファイトドリンク」を、回収素材である「ハーブ」とともに変換して作っておいた「ファイトドリンク改」であった。

飲むと同時に味こそ平凡だが確かに何かしらの効果を感じさせる感触は得られた。恐らくオラクル細胞と同調させる部分が大きいのだろう。

「さて、準備はできたわね」

そう一人つぶやき空き瓶を放り投げ、パリンという音が響く。それに耳をすませたヴァジュラは教会の中へ迷わず駆け込んでくる。千早の姿を捉えると同時にヴァジュラは威嚇の咆哮をあげる。

「今更そんなもので恐れるほど心臓弱くないのよ。来なさい子猫ちゃん。私を倒さないと、春香とアリサさんは喰えないわよ!」

深呼吸一つの後、そう叫ぶと同時に千早はスピアを構えヴァジュラに向かって走り出す。一撃が劣るチャージスピアはとにかく刺突を弱点部位に突き入れるしか無い。スピアでヴァジュラを狙い撃つ場合、弱点となる場所は胴体か後ろ足。

つまりあの素早いヴァジュラの後ろ、もしくはサイドを取ることを要求されるのだ。

「(そう、普通ならね。でも、今回はあくまで時間稼ぎ、春香とアリサさんが緊急同調蘇生システムを成功させて戻ってくるまでの時間を稼ぐだけ。つまり、やつをあっちに戻らせなければいい話)」

迫ってくるヴァジュラの突撃をバックフリップで回避。飛ばしてくる雷球を先程ヴァジュラがしたように壁を蹴ってさらに回避。その動作をしてる間に神機を巧みに操作し、グライドモードにスピアを展開。千早の着地と同時にその硬直を狙って連続で撃ってくる雷球はチャージグライドの推進力で無理やり回避する。

思わぬ回避の仕方にヴァジュラは雷球を止め千早に爪での連撃を行うために軽くステップを踏み繰り出す。しかしヴァジュラのその爪は空を斬る。

「そうはさせないわ!」

ヴァジュラが空を斬り見渡すときには千早は上にいた。千早は突進の勢いをそのままにスピアを床に突き刺し走り高跳びの要領でヴァジュラを飛び越えたのだ。

「後ろ、とったわよ!!」

その勢いのまま空中からスピアを薙ぎ払い尻尾にまずは一撃、着地と同時に振り返り軽くスピアを回しながら反転

「続けて後ろ足っ!!、はぁあっ!!」

そのまま息を吐きながら覇気を込めた突きの連撃を見舞う。水晶槍「フリークリスタ」の連撃が弱点である後ろ足を突き入れていく。ヴァジュラは鬱陶しいとばかりに再び唸り声をあげる。

その動作が先程行った雷の膜と判断した千早は攻撃を中断しバックフリップで後ろに退く。

直後、千早が先程までにいた範囲を含めた周囲に雷の膜が広がる。だがバックフリップで範囲外に逃れた千早には被弾することはなかった。

『如月、いいペースだ。その狭さだとやつも痺れをきらしているな、得意の動きを殺されている』

『ええ、ツバキ教官、春香とアリサさんはどうですか?』

『ヒバリが言うには、今討伐活動が問題ない当たりには戻ってきている。だがアリサの意識だけが戻っていない』

『わかりました。このペースでもう少し時間を稼ぎます』

『基本的にはそれで問題はない、だがやつも壁や天井を使った動きはしてくるだろう。狭い場所故に全ての方角に気を配れ』

『了解!!』

 

【春香・アリサSIDE】

「アリサ…」

春香はアリサを支えるために手を握りながら自分も小さい頃に風邪を引いたりして心細い時は姉や母がこうしてくれたことを思い出す。

そうして握ったときに春香は何かが流れ込んできた気がした。

「何、これ…!?」

小さい頃のアリサが、どこかに隠れている。それを探す母親と父親をくすくす笑いながら見るアリサ。かくれんぼでもして遊んでいたのだろうか?、だが次の瞬間それは悪夢に変わる。

突然やってきた黒いヴァジュラに似たアラガミがアリサの父と母を喰っていく。

「(やめてぇ!食べないでえええ!!!)」

映像の中ではアリサが叫んでいる。だが実際聞こえていれば自分も食べられることをわかっているのか声には出せずにその光景を震えながら見ていた。

「(アリサはこれを目の前で見てたってこと…!?、これなら色々狂っても…)」

思考にハルカが頭を回していたその時

「んぅ…」

アリサが目を覚ます。春香はその様子に思考を止めアリサに声をかける。

「大丈夫…?」

「今、のは…、貴方の…?」

「え?」

「何かが流れてきて…、貴方に似た小さな女の子と、もう一人黒いリボンをした、その子に瓜二つな女の子が…」

「…大丈夫?戦える?」

罰が悪くなった春香は話をそらすようにアリサの体調を問う。

「もちろんです。…如月さんは!?」

『如月はお前達の時間を稼いで一人で戦っている。今のところ善戦こそしているが一人でいつまで保つかわからん、教会に迎え」

『『了解!!』』

「アリサ行くよ!。今度はしくじらないでよね!!」

「当然です!、次はあんな無様にはなりませんよ!」

軽く互いに回復錠を飲みながら走る。

「(千早ちゃん、無事でいてよっ…!!)」

 

その頃千早はヴァジュラとの激戦を続けていた。互いに壁や天井を利用しつつまさに狭い空間をフルに使った死闘が繰り広げられている。

ヴァジュラの爪をステップで交わしその爪に向かってカウンターの薙を繰り出せばヴァジュラも同じくステップで回避。さらに刺突をギリギリの距離を狙って穿てばソレは懐に入り込みつつ被害の少ないたてがみ部分で器用に受け流す。

ショルダータックルの要領で突っ込んできたヴァジュラの攻撃をバックフリップでサイドを取るようにかわせばヴァジュラは千早のいる空中に向かって雷球を飛ばす。捕食の隙もなく、かといって相手の攻撃も決定的な一撃に千早を捉えられない

「まったく…きりがない、わね。はぁ、はぁ…!、流石にそろそろ厳しいかもしれないわ…!!」

疲れを感じる中、ヴァジュラもまた前足で地面をこすりいつでも飛び出せる構えを取っていた。疲れてるのは五分のはず。じりじりした戦いが続く最中、ヴァジュラの背後から胴体に向かって爆発型の弾丸が飛んでくる。

「春香っ!!、アリサさん!!」「千早ちゃんおまたせっ!!」「またせましたね、反撃といきましょう!」

その球の正体は復活して合流した春香とアリサのものだった。待ちわびた二人の復活に千早は思わず顔がほころぶ。一方のヴァジュラは先程までの広い空間と違い狭さを感じ、同時に不利を悟ったのかステンドガラスがあった場所から飛び出すと一目散に走って去っていってしまう。

「逃げたっ!?」

「待ちなさい!!」

『アリサ待てっ!!』

「アリサさん!落ち着いてください、今は私、も…」

千早がその声と同時にふらっと膝から崩れ落ちる。

「千早ちゃんっ!?」「如月さんっ!?」

駆け寄り体を起こさせる二人。千早は惹きつけるのに必死だったのか、すうすうと吐息を立てて眠りについていた。

『お前たちが復帰作業をしている間如月は一人で止めていたからな、無理もない』

「千早ちゃん…ありがとう」

『ヴァジュラは撤退、オラクル反応、遠くへ向かいました。現段階での危険度は削除。ミッションはクリアでもありませんが失敗でもありませんね』

コンソールを操作しながらヒバリが三人の無線に言葉を通す。

『天海、アリサ、お前たちは如月を連れて戻ってこい。アリサ、わかっているな。お前のしたことは勝手なことだ、相応の処罰は受けてもらう」

「…わかりました」

腑に落ちないぶすっとした声を隠そうともせずにアリサが答える。

そして三人は極東支部へと帰還するのだった。

 

「アリサ、お前への罰は一週間の独房入り、そしてその後一ヶ月のトイレ掃除だ」

「分かりました」

極東支部に帰ってきていきなりツバキ教官が言い放った言葉がそれだった。アリサはぶすっとしながらも独房へ向かって歩き出す

「アリサさん、大丈夫かしら?」

「気にすることないと思うけどね、あれぐらいでヘタれるならその程度だと思うし」

「もう春香ったら。心配だったんでしょう?」

「まぁね、認めてあげないけど」

言い合う二人にツバキが近づいてくる。

「天海、如月、ご苦労だった。ヴァジュラと戦い生き延びた新人は少ない中、よくやったな。だがこれにおごるな。死ななかったとはいえ、成功したわけでもないからな」

「「了解っ!!」」

そのツバキの言葉に敬礼を返しながら二人は頷く。

「それと、支部長がおよびだ。お前たちはこの後すぐに支部長室へと向かってほしい」

「支部長が、ですか?」

「分かりました」

疑問におもう春香に、うなずきながら返す千早。そして二人はこの後支部長室でこの極東支部の支部長とあうことになるのだった




いかがでしたでしょうか
今回始めてリンクエイドがでてきました。
こちらがその説明になります
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リンクエイド
正式名称=生命同調緊急蘇生システム

GOD EATERが用いている「P53アームドインプラント」同士を接続させ、生命力とオラクル細胞を同調させ、倒れた仲間に生命力を送り込み
活動問題がないところまで活性化させる。

一撃死であったり呼吸や心肺が止まっていなければ立ち上がらせることはできるが、其の実質は無理やり同調させている仮治療もいいところな技術。
なので、フェンリルとしては回数制限は三度。それ以上行うと最悪、被治療者の身体や精神がどうなるか保証できない。


緊急蘇生にかかる時間は約10秒。
また接続し、体力を分け与える方にも当然負荷がかかる。身体的な負担と精神的な負担がどちらもかかるため、リンクエイドが
あるからといって気を抜いてはならない。あくまで緊急蘇生システムという名前が示す通り緊急時の応急手当でしかないのだ
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このようになっております。ご了承下さいませ。
それでは又次回、次は支部長との出会いや何かしらのミッションを描こうと思います
又同時に天海春香・如月千早についての伏線も少しずつ入れていこうかと。
では次回もよろしくお願いいたします
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