アイドルマスターxGE「神を喰らいしアイドル」   作:HiRO12

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第二話です。
極東支部に到着です


第二話「極東支部、そして神を喰らいし者達」

「もう少し歩いてくれな、この先に俺たちが乗ってきたジープがあるからよ」

青年に言われながらいま二人は自分たちが逃げてきた道を歩いている。タバコの臭いが染みながら二人は青年の後ろ姿をみていた。

大きくて頼れそうな背中と素直に感じる。コートの背中部分には何か狼のようなマークが刻まれている

 

「よっと」

段差を飛び越え、彼が春香と千早に手を貸し、二人も超える。がっしりとした大きな手だ。

「ありがとうございます!(わぁ、大きな手…)」

「助かりました。(すごく頼れる人かもしれない、でもあんな武器を片手で担ぐなんて…)

「なぁに気にすんな。おいサクヤ、要救助者二名救出完了したぞ」

その声に顔をだすのは、一人の女性。綺麗、それが素直に抱いた感想。

「知ってるわよ、だいたいそのオウガテイルを撃ったのは私なんですけど?隊長殿」

「あ、こいつは失敬、頼れる部下を持ってると隊長さんは楽ですわ」

「全く…、あ、怖くなかった?私は橘サクヤよ。そしてこっちのだらしない隊長殿が雨宮リンドウ」

サクヤにリンドウ、それが二人の名前らしい。

 

「でも…貴方達なぜこんなところに?この贖罪の街はね、フェンリルが指定した危険区域よ?」

「えっと、それは…」

「その…」

二人で目を合わせどうしようかと悩む。何しろ状況が状況でふたりともお互いがなぜここにいるかすらまだ完全に把握できていないのだ。

「おいサクヤ、事情聴取はアナグラでもできるだろ?、とりあえずまずは二人をアナグラに連れて行こうや」

「あ、ごめんなさい、そうよね、いきなりオウガテイルに追われたら一匹でもそうなるわよね。ごめんなさいね、いっけないなぁもう感覚麻痺してるかも…」

「いえその、ちゃんと後で話しますから」

「ええ、助けてもらった恩もありますので」

「無理に強がらなくてもいいぞ、さぁアナグラまでひとっ走り頼むぞサクヤ君!」

「了解いたしました、隊長殿」

タバコを咥えながらにっとした笑顔でいうリンドウに、それにウィンク一つで応えるサクヤ

「いい関係なのかな」

「少なくとも、親友っぽいわよね」

そんな二人に春香と千早は小声で微笑み合うのだった

 

サクヤの運転するジープは過ごしやすかったがどうしても道が道なだけに揺れることもあったがそうして走ることおおよそ一時間といったところだろうか

どうやら二人が目標とする場所が見えてきたようだ。パイプラインが広がり背後には大きな防壁、人々が生活する居住区がありその先に、大きな一つの建物があった。二本のパイプラインもそこからでていてどうやらそこが中心施設らしい

「あそこが俺たちの拠点フェンリル極東支部、通称アナグラだ。まぁ無駄にでっかいところでもあるけどな」

「そういうこと言わないのリンドウ。私達ゴッドイーターの拠点となり、生活もできるいいところよ。良い人も多いしね」

「そうなんですね、ところでゴッドイーターっていうのは?、リンドウさんやサクヤさんみたいな人たちのことなのかな?」

「ええ。それにこの世界、あんな生物がうようよいるのですか…?」

「まぁな」

「そうね」

其の問いかけにリンドウとサクヤは言葉を失う。二人からすればこの世界のある程度常識事項を知らないわけである。

「ま、アナグラでゆっくりお話してやるよ、来訪者さんとでもいえばいいか?」

「そうね、貴方達が何者なのかはともかく。とりあえずアナグラいったらシャワーでも浴びる?さっぱりしたいでしょ?」

「それ賛成です!、それにお腹もすいちゃって、えへへへへ」

「そうね、走ってばかりで疲れました。汗を流したいです」

「やれやれ、神経が図太いのか繊細なのかわかんねえな」

「ふふふ、怯えてるだけよりは全然良いわよ、食欲があってお風呂に入る気持ちもある、それだけ望みがあるなら大丈夫よ、きっとね」

そう言い合いながらジープはアナグラの駐車場へ入っていく

 

「ふわー…ひろぉい」

「本当ね、圧巻だわ、戦争物の軍事基地みたい」

「ま、みたいもなにもまさにそうなんだけどな」

「ようこそフェンリル極東支部へ、歓迎するわ」

二人はそう言われながらも周りを見渡す。多くの人が会話をしながらオペレーターと思わしい女性と話したりつつがない雑談を行っていたり、テーブルで軽食をとっていたり…

パソコンのような機械もあり、そこで何かをいじってる人もいる。

「あ、ヒバリちゃん?今度のお休みデートいかない?」

「お断りです。あ、ミッションの受注ですか?それでしたら…」

「たく、最近は実入りが少ないミッションが多い、金にならねーじゃねえか」

「お前はさっさと金を稼いで俺への貸しを返済しろ」

「えーっと、グボロ・グボロやコンゴウの特性は…、どの辺りのポジションをとれば誤射が少なくなるんだろう…?」

「あなたの誤射はポジション取り以前の問題だと思うけど…?」

そんな会話を耳にしながら、案外こんなものなのかなと二人はクスリと微笑み合う。

 

 

「こっち来てくれ」

そういうリンドウの声について行きながら視線を多く感じる。

リンドウがエレベーターを操作し、歩いて行く。すれ違う人たちがリンドウに敬礼を交わしながら二人に興味を持った目線で見てはリンドウに手で追い払われる。

「リンドウさん、さっきからすれ違う人たちがすごい挨拶してますけど、もしかして偉い人なんですか?」

「春香…、サクヤさんが隊長っていってたじゃない。やっぱり隊長にもなるとすごいと思うけど」

「ははっ。そんな大したもんじゃねえよ、プレッシャーの割に安月給でさぁ?」

「リンドウももう少し隊長としての自覚もちなさいよ、まったく」

そして入った一つの部屋は医務室だった

 

「ま、一応体のチェックをするがてら事情聴取もしたいんだけどよ、お前さん達、なんであんなところにいたんだ?迷ったわけじゃないんだろ?」

「えっとですね…、正直いうと、私もよくわかってないんです。目が覚めたら、いたというか…、あはは」

「え、春香もそうだったの…?」

「千早ちゃんも!?」

互いに同じ状況だったことに驚き二人は目をあわせる

「私はあの日、久しぶりにちょっと行くところがあって、その後家に帰って眠りについたわ。でもその後夢で一人の女の子にあって、目が覚めたら、あそこにいたの」

「…同じだ、私も夢で女の子にあった。おぼろげではあるけど覚えてる」

「ふむ、お前さん達とりあえず其の話は黙っておけ、そうだな、表向きはアラガミに家族がやられて逃げていたところを俺とサクヤが保護したことにする」

「リンドウ?」

「お前さん達の服、それに、アラガミやゴッドイーターに関してもわかってなかった、どう見てもこの世界、いや…この時代の人間とはおもえねえからな」

出会って間もないが二人もリンドウが真剣な顔をしていることぐらいはわかる。彼が親身になってくれていることも。

 

「信じて、くれるのですか?」

「リンドウさん」

「まぁ助けて関わっちまったしな、サクヤ、お前も道連れだ」

「はいはい、まぁそうなっちゃうのよねえ、じゃあふたりとも名前を聞かせてくれる?」

「天海春香です!、天の海に春が香る…これで天海春香です」

「如月千早です、2月を表す如月に、千に早い、これで如月千早」

言いながら受け取った紙にペンで名前を書き示す。

「いい名前だ、それで、この世界がどうなってるかなんだが、お前さん達が生きてた時代は何年になるんだ?」

「2015年です」

「…こっちはね」

そういってサクヤが携帯端末の日時表記を見せる。そこには

「2071年…、そう遠くない未来、なのね…」

「おそらく一つの並行世界に貴方達はとんだんでしょうね」

「並行世界、確か、世界にはいくつもの可能性があってそれだけ世界の数もある、っていうのでしたっけ」

「ああそうだ。それでだな…今から約20年前、突然さっきの生物のような生き物、通称「アラガミ」が出現した、前触れも何もなくな」

「へ?、い、いきなりですか?」

「それも何も前触れもないまま…」

「そうよ、本当に突然だったの、そのまま生物の進化学を無視したような速さで進化していったわ、力無い人たちはすぐに蹂躙されていった」

『…』

其の言葉に二人は先程までの街の様子を思い出す、あれだけの痕を作り出すような生物が多くいるこの世界。ゲームや物語のような世界に来てるという実感が二人を包み込む

「で、でも軍や兵士もいたのでは…?」

「そ、そうですよ!ミサイルとか拳銃とか、実体剣とか!」

「まぁ、そう想うよな…、当然の疑問だ。だが奴らには既存の兵器は一切通用しなかった。核兵器ですら吸収しちまうような奴らだったんだよ」

「う、そ…」

「か、核ですら…」

核兵器、春香や千早の生きてきた日本では禁忌とすら言われている恐ろしい兵器、それを吸収した。其のことから理論が通用するような相手ではないことを嫌でも悟ってしまう。

 

「で、でもサクヤさんはさっきのアラガミを撃ったんですよね!?」

「そう、研究を進めていくうちにね、アラガミは学習する単細胞生物「オラクル細胞」の塊だってことがわかったの」

「オラクル細胞、ですか。あ、もしかして、其の武器って!」

「ほう、天海は発想力がいいな、そうさ、俺のあの剣やサクヤの銃にはオラクル細胞が使われてる、そのオラクル細胞を使った生体兵器を俺たちは「神機」と呼んでいる」

「神機。神の兵器…」

「其の神機を用いてアラガミを倒す神を喰らいし物、それをいつしか人は「GOD EATER」と呼ぶようになったの」

「ゴッド、イーター…」

「まぁお前さん達には色々突然すぎるわな、サクヤ。簡単に体の様子を見てやってくれ、俺は外に出てる」

「わかったわリンドウ、また後でね」

そう言い残しリンドウは医務室を出て行く、春香と千早はどうしても言葉が重くなる

「怖い?」

「はい、とんでもなく怖い世界に来てしまったんだと思います」

「…そうね、はっきりいってとんでもなく怖い世界だと想う、でも、それでも人は生きているのですよね?」

「ええ、生きてるわ、生存本能。生き残りたいという欲望や願い、其のために人は賢しく戦い続けるの。昔も今もこれからもね」

そしてサクヤが二人の体をチェックしていく

 

「うん、特に目立った怪我はなさそうね。良かったわ、ふたりとも可愛い女の子なんだしね。そういえば貴方達いくつなのかしら」

「私は18です」

「私は17ですね、春香のほうが一つ年上なんです」

「若いわね、私は今21よ。二人共この世界に来るまでは何してたの?やっぱりその年令だし学生?」

「学生でもありましたけど、それと並行してアイドル活動をしていました」

「主に歌を歌ったり踊ったり、そしてドラマや映画の撮影なんかもしたり」

「あらすごいじゃない!、ならそのうち私やリンドウに聞かせてほしいな、貴方達の歌声を」

「全然構いませんよ!、サクヤさんやリンドウさんみたいなお客様は大歓迎です!」

「ええ、私は歌が歌えればそれで構いませんので」

その後も女の子同士の会話は弾んでいく。

 

「(あいつら丸聞こえなんだよなぁ…、ま、天海も如月もサクヤと二人のほうが話しやすいだろ、少しでも落ち着ける空間になってくれりゃいいんだが)」

医務室の表でリンドウは密かに二人のことを心配していた。

「(しっかしあいつらがアイドルか、まぁ天海も如月も笑顔がにあう女の子だしな、不思議と納得しちまう)」

そんなことを思いながらタバコに火をつけ一服する。考える事は山のようにある。簡単なチェックのみにしたが後ほど本格的なメディカルチェックもさせたほうが良いだろう。世界を超えたともなればこちらの世界に来た際に体に何か起こっているかもしれない。それに…

「(支部長殿にこの事は話さないほうがいいだろうなぁ、あのおっさんのことだ、世界を超えてやってきた女二人。興味を惹かないわけがない。いずれにせよ天海と如月は、俺とサクヤで力になってやらねえとな)」

そう密かに一人で決意するのだった。




第二話でした。
いやぁ、GEの世界って絶望しか感じないですよね、主人公たちがすごいだけで世界としてはもう。
そんな世界で二人がどう生きていくのかをお楽しみください

二人がGEになるまでもう少し話が進みます。まだ今のうちは一般人としての二人の話が続くとおもわれますので、どうか気長にお付き合いのほどよろしくお願いいたします(礼)
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