アイドルマスターxGE「神を喰らいしアイドル」   作:HiRO12

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さて今回は外部居住区に参ろうと思います。
春香と千早が何を感じるのかを表せて行けたらなぁと思います
それではどうぞごゆっくり



第三話前篇「外部居住区での出会い」

第三話「外部居住区での出会い、そして」

 

サクヤとの会話が弾み、表でタバコを吸っていたリンドウと合流しお風呂に入って食事を終える頃にはもう夜になっていた。

「悪い、二人共相部屋でもいいか?」

「ええ、構いませんよ。千早ちゃんと相部屋だなんてお泊り会みたいだね」

「ふふ。そうね、それにしても…皆、大丈夫かしら」

そういう千早が気にしたのは元の世界に残してきた仲間達のこと、765プロで共に汗を流し研鑽を高め合った友たちであった

「皆ならきっと大丈夫だよ。765プロはそんな弱い子達ばかりじゃないはずだし」

「…まぁ今は貴方達がどう生き抜くか考えなさい」

「そうだな、そういうのは部屋でゆっくり話しな?」

そのサクヤとリンドウの言葉に二人は黙って頷く。

 

「あ、そういえばリンドウさん、ここに来た時、家がいっぱいありましたよね?少し気になってたんですけどあそこは?」

「ああ、あそこは外部居住区っていってなまぁ、このフェンリルの支援を受けられなかった人が集まってることが多い」

「あそこからゴッドイーターになる人もいるのよ、ようはオラクル細胞と相性がマッチするかどうか、だからね」

「だが行くなら少し気をつけたほうが良いぞ、さっきもいったように支援を受けられなかった人が集まる場所だからな、お前さん達もフェンリルから援助されてるようなもんだしな。まぁお前さん達なら下手に口出ししなけりゃ一般人とかわんねえか」

「もしかしてゴッドイーターって恨まれてます?」

「一部の市民からはどうしてもね、特に防衛班とかはその辺が大変なんだけど、まぁいろんな人に話聞いてみるのもいいかもね」

心苦しい表情をしながらサクヤが答える。人の恨み、妬みというのは恐ろしいものだ、自分達もアイドルであった頃にある程度味わったこともあるためにわかっているつもりではあるが、生死のかかったこの世界ではそれがなお激化するだろう。

「明日、行ってみようかな」

「春香?」

春香の其の言葉に千早だけではなくリンドウやサクヤも春香を注目する。

「この世界のそういう人たちがどういうふうに生きてるのか興味湧いたっていうか、そんな時代でも人は生きてるってさっき話したからね」

「確かにね、行ってみましょうか」

「うん、いってみよ~!」

「お、お~」

元気よく手を上げる春香に遠慮がち、いや、照れくさそうに遅れて手をあげる千早。そんな二人にサクヤはくすくす笑い、リンドウは無言でタバコを吸い直すのだった

「それでは失礼します」

「また明日色々お願いしますね!」

「あいよ、まぁぐっすり寝るのも難しいかも知れんが夜更かしだけはしないようにな」

「そうね。出かけるなら睡眠はしっかり取っておきなさい」

二人にあてがわれた部屋の前でそう言い残しリンドウとサクヤは別れる。

 

「…リンドウ、あの二人なんだけど」

「ま、あんまり細かいことは言いなさんな。優しいお兄さんとお姉さんが導いてやればそれでいい。だろ?」

「そうね。ふふ、なんだかんだ言ってちゃんと考えてあげてるのね、そういうところ好きよ」

偽りない本心からの言葉、いい加減そうに見える彼が本当は誰よりも優しくて他人思いなのを自分はよく知っている。

「さっきもいったが関わっちまったしな。…そいつはどうも、サクヤ、この後部屋行っていいか?」

「ええ、構わないわよ?、どうせ配給ビール目当てでしょ?」

「ま、そいつもだけどな」

「あら、それ以外にあなたが私のところに来る理由あるかしら?」

「俺を何だと想ってるんですかねえ?サクヤさん。隊長と副隊長のちょっとしたミーティングでもしようや。また一人新人も来るみてえだしそいつのことも交えてな、姉上殿からもう資料はもらってんだ」

「あらそうなの、ツバキさんも仕事速いわね、…どんな子?」

「明るくて前向き、このご時世に良くもまぁここまでまっすぐ育った感じの奴さ、こういう奴は最終的に伸びると想うぜ。大切に育ててやらねえとな」

「そうね。じゃあ行きましょうか隊長殿?」

「了解いたしました。副隊長殿?」

二人は笑い合いながらサクヤの部屋へ向かう。

 

「わぁ、思ったより狭いけど、いい部屋だね」

二人にあてがわれた部屋には時計やクローゼット、ソファなど最低限必要な物はそろっていた。

「ええそうね。もともと一人用のためかベッドは一つしかないけれど。春香問題無いわよね?」

「えへへ、千早ちゃんと寝れるならベッドが2つあっても1つでしますよぉ」

「もう何言ってるのかしら。でもそうね…今日は色々あったし春香に少し甘えたいかしら」

「わっほい!千早ちゃんが素直に甘えてくれるぅ!千早ちゃ~ん!!」

普段千早はなかなか甘えてくれない、春香から押しに押してようやく少し甘えてくれる程度なのだ。それが自分から甘えたいといってくれている。

「わわっ!?、春香、いきなり抱きつかないの!もう…」

「えへへ、千早ちゃ~ん、すりすり~」

笑顔のまま抱きつく春香と其の頭を撫でながら受け止める抱き返す千早。千早にはわかっていた、これも春香なりに不安を殺すための仕草だということも。そのまま二人は抱き合ったままベッドに腰掛ける。

「春香、きっと大丈夫よ。リンドウさんとサクヤさんもいるもの、きっと護ってくれる」

「うん、そうだね…。でも千早ちゃん、私達今日走って逃げた時、いつもより全然体力あったよね?」

「それは私も少し気になっていたわ、真や我那覇さんにもあの時の私達なら互角にはいけたんじゃないかしら?」

菊地真に我那覇響。765プロが誇る二大ダンススターであり、体力自慢の二人。其の二人にも迫れそうなほどあの時の自分たちは凄かったと今になって想う

「あの二人にも…、そうだね、いけるかもしれない。この世界に来て色々あるけれど…、その辺りもわかっていったほうがいいのかもね」

「そうね、でもとりあえずは明日の事を考えましょう?明日居住区に行って何する?」

「そうだね~。とりあえずはしばらくこっちにお世話になるし、自分たちの生活用品、とりあえず…寝間着、買わなきゃね。でもお金がないのかぁ」

苦笑いでいう春香に千早もまた頷いて返す。何しろこっちに飛ばされた事自体が突然すぎる、パジャマ姿からいつも来ていた私服にこそ何故か変わってはいたが、それ以外の持ち物は全く無いのだ。当然金銭などもあるわけはなく、もし所持していたとしても通用するかはわからなかったが。

「リンドウさんとサクヤさんにお金、借りる?」

「そうするしかないかなぁ、帰る手段が見つからないようならこっちでの労働も考えないとね、さすがにこの世界でアイドルはできなさそうだし」

「この世界の労働…、何があるのかしら」

「それを参考にするためにも明日いってみよう。そうと決まればそろそろ寝ようか」

「ええ春香、お休みなさい…」

「うん、お休み。千早ちゃん」

ベッドに潜り抱きしめ合い眠りにつく。二人のこの世界にきて初めての日が終わりを告げた。

 

「おはよう春香」

その声に春香がぼんやり目を覚ますと笑顔で自分の頭を撫でている千早がいた。手が暖かくて気持よくてもう一度眠りたくなるが踏ん張って目を覚ます。

「おはよぉ…、頭なでてくれてたのぉ…?」

「ふふ、可愛い寝顔してるからついね。さぁ日課の腹筋よ!」

「あ、あの千早ちゃん私今目が覚めたところで…」

「あらそうね、じゃあまずラジオ体操で体をほぐしましょうか」

「…はい」

もはや当たり前のように言う千早に春香は抵抗を諦めた、自分の好きな女の子はこういうところもいつもと変わらないのである。たとえ世界が変わろうともだ。

「さ、さすがに朝一に100回は疲れたよぉ…」

「何をいってるの100回ぐらいで。其の横で私三倍してたじゃない、それにいつもより疲れるペースが少なかったわよ。やっぱり体力あがってそうだしこれなら明日からは回数増やしても大丈夫かしら」

「千早ちゃんは色々おかしいよね。って待って待って!朝一の回数増やされると色々おかしくなる!」

「さぁ朝ごはんたべてリンドウさんのところにいくわよ!」

「千早ちゃ~ん!?」

いつもは春香が引っ張り千早が苦笑いしながらついていくのだがたまにこうして逆転することもある、なおその際の千早はたいてい今回みたいにどこかがおかしくなることが多い。

 

「うーん…、軍なだけあってレーションが主になるね」

「まぁこんな世界だもの、食べられるだけありがたいと思わなきゃ、贅沢は敵よ」

「でもさぁお菓子作りが趣味の春香さんとしては色々ほしいわけですよ!」

「そうね、春香のお菓子はとても美味しいもの。この世界でも食べられるならそれはとても癒やしになるでしょうね」

春香のお菓子作りの腕はアマチュアでありながら下手なお店のお菓子なら上回れるほどである。千早も良く頂いていたし其の美味しさは保証できる。

「うーん、戦争の時みたいに配給になるのかな?」

「そうなんじゃないかしら。気になるならリンドウさんやサクヤさんに聞いてみる?」

「ん、どうした?」

「あら、朝から何か相談かしら?」

噂をすればというやつである。リンドウとサクヤがそこにはいた。

「あ、リンドウさんサクヤさん、おはようございます」

「おはようございます!、あのですね。食材って手に入れられないのですか?」

「あ~、まぁ配給チケット貰えればね。良かったらターミナルで色々調べてみたらどうかしら?色々あるでしょうし」

「俺的にはあまりしてほしくないところだな」

そのリンドウの言葉に春香は少しむっとなる。

「どうして、ですか?」

「配給の条件がフェンリルのデータバンクへの登録だからな。それにまぁ問題はないと思うが万が一オラクル細胞の変色因子との適合が確認されたら適合試験を受けるのが強制になっちまう」

「適合試験。まさか、GOD EATERへの?」

「ええ、実質フェンリルの管理下に置かれるようなものよ」

そのリンドウとサクヤに二人は黙ってしまう。まだこの世界に深く関わるかは決められていない。そんな状況での管理下に置かれるのは辛い。

「まぁ焦らなくてもいい、お前さん達は外部居住区見てくるんだろ?、色々見て回って自分の目で決めればいい」

「わっ、リンドウさん、頭撫でないでくださいよぉ」

「ははっ。お前さん達ちょうど撫でやすいからな」

「ありがとうございます」

頭を撫でられて焦る春香に赤くなりながら笑顔で礼をいう千早。そして四人での朝食はつつがなく進んでいく

「あ、それとですね、リンドウさんサクヤさん、その、お金少し、貸してほしいです」

「あら、何か買うもの、ああ、そうか女の子だものね。着替えいくつかほしいわよね?」

「やっぱりわかってくれる女性はいいですね。その通りです」

「あー…、ちょっと待ってな?それなら少し貸してやる」

そういってリンドウが部屋に戻り、少し経った頃幾つかの硬貨を持って戻ってきた。

「こいつがFC(フェンリルクレジット)っていうんだが一応外部居住区でも使える硬貨だ。まぁ仕事が決まってから返してくれりゃいい。楽しんできな」

「はいっ!!、ありがとうございます!」

「ありがとうございます」

そして二人は外部居住区へと足を運ぶのだった

 

「ここが外部居住区か」

「家が固まってるわね、やっぱり人が身を寄せあって生きてるのかしら?」

二人はそれから2時間後、外部居住区にたどり着いていた。

「そうだね、それにあの町で見たような喰い痕もある。やっぱりアラガミも来てるんだ…」

「大きい壁があるけど、あれも喰いちぎるのかしら?」

そう行って二人が見上げる先には大きな壁があった。リンドウやサクヤに聞いた話では対アラガミ装甲壁といってアラガミの苦手とする因子を使うことによってアラガミの侵入から守るようにしているらしい。

「みたいだね、なんでもゴッドイーターが持ち帰ってきたコアから採取できる因子を使ってるんだったかな?」

「でも、あれだけ大きな壁でも食べるなんて、すごいわね。本当に…」

正直想像ができない。あのような壁ですら簡単に喰いちぎる生物を。しかし春香は最初にいた贖罪の街でいくつか見ていたために不思議と納得できてしまった。

「そうだね、しかし混沌としてるなぁ、さっきから喧騒がなかなか耐えないね」

「そうね。日本でいうホームレスもいるし、仕事を求めて詰め寄ってたり…」

 

「おぉい!まだ仕事入らねえのかよ!もうこっちは一ヶ月通い詰めてんだぞ!このままじゃ飢えちまうよ!!」

「そうだそうだ!、早く仕事を斡旋しろぉ!!」

「落ち着いてください!、現在こちらも動いておりますのでどうか、どうか冷静に!!」

「テンプレ回答なんかいらねえんだよ!実績出しやがれ!」

「フェンリルは富を独占して自分達の懐のみを裕福にしている!我々はこの独占状態に断固として反対する!!、この抗議デモにどうかご協力をいただきたいっ!!」

「お姉ちゃん、お腹すいたよぉ…」

「大丈夫だ、姉ちゃんがなんとかしてやるからな」

そんな人々の喧騒を耳にしながら春香と千早は歩いて行く。

「(そうか、これがサクヤさんやリンドウさんが言ってたことか。ゴッドイーターはフェンリルの犬と思われてるわけか…、わぁ、あれはハローワークみたいなところかな、すっごい騒然としてるよ)」

「(護ってもらうだけ護ってもらって富の独占だなんておかしい話だけど、そう捉える人もいるわけね、う、助けてあげたいけど、今は私達も自分が生きていくだけで精一杯なの…、ごめんね)」

仕事を求めたり飢えている子供、そういう光景を見て二人の中に思いが高まっていく。だがそれでも人は生きているということも改めて思い知らされる。考えて見れば自分たちの世界でも第二次世界大戦の後何もなかった世界から人は這い上がった。人の生存本能はそれだけすごいのかもしれない。

そんな二人の目の前から一組の男女が走ってくる。だが街の喧騒に気を取られてる二人は気づいていない。

 

「あははお兄ちゃんこっちこっち~!!」

「待てよノゾミ~!っておい、前っ、人いるっ!!」

「え?わっ!」

「あわわわっ!?」

「あら?」

ぶつかってきた女の子は春香を巻き込みずっこけ、それに千早は二人が転げてから気づく。

「こらノゾミ、ちゃんと前見ないとだめだろ~?」

「えへへ、お兄ちゃんごめんなさい」

「俺じゃなくて、このお姉さん達に謝りなさい」

「は~い、お姉ちゃんたちごめんなさい」

てへへと舌を出して笑う少女はとてもかわいい、この笑顔をみたらぶつかって巻き込まれたことぐらいどうでも良くなるような笑顔だった。

「可愛いね、でも良かったらそろそろどいてくれないかな?」

「あ、ごめんなさい」

「いやぁすいません。妹がご迷惑を」

そういったのは一人の男の子だった。年の方は自分たちと同じぐらいだろうか、黄色の帽子とマフラーが特徴的、そして何よりも目をひくのが人懐っこそうなその笑顔だった。

「お兄さんだったんですね、兄妹で仲良く遊んでたのですか?」

「ええまぁ、この前ちょっとばかりフェンリルの方に行ってて帰ってくるなり遊ぼうって誘われて」

笑顔でそう答える彼の表情は本当に満ち足りていると言った感じだった。心の底から妹を愛していることもはっきり見て取れる。

「フェンリルのほうですか?、…あ、其の腕輪。リンドウさんやサクヤさんが付けてたものと同じ?まさか…」

「そうだよ!お兄ちゃんGOD EATERになったの!」

ぎゅっとそのノゾミという妹は兄の腕に自分の腕を絡める。とても嬉しそうだ。

「そうなの、お兄ちゃんのこと、好き?」

「うん!大好き!!」

「あー…ここで話し込むのもあれだし、俺たちの家来ます?母さんもいますし」

「宜しいのですか?」

「ええ、良かったら是非来てやってください。ノゾミもなついてるみたいですし」

「わかりました、えっと…」

「コウタ、藤木コウタです」

「コウタさんにノゾミちゃんですね。私は如月千早と申します」

「私は天海春香!よろしくね、コウタ君にノゾミちゃん!」

こうして四人のちょっと不思議な邂逅は済んだのだった




ゲームでも言ってるんですけどフェンリルに対する抗議デモってやっぱりあるんですね。外部居住区の雰囲気はどうしても表すのが難しいですが、こういうところも自分なりに描いて行きたいとは思っています。

そしてとうとう出てきました藤木兄妹。コウタは春香さんでプレイする前の主人公の相棒でしたのでお気に入り度がぱねえです

それでは、また~
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