あと、前回の最後の辺り修正しました。エクレールさんが一部エクレールになってたのでそこにさん加筆しただけですけど。
シンクが色々やらかしていたが、今が戦の途中であることには変わらない。俺はレオンミシェリ閣下を止めるために移動していた。まあ、シンク達も来るだろうし、何とかなるとは思うが…
で、現在でかい蟻地獄のような場所にいる。恐らくレオンミシェリ閣下はここを通るだろうが、流石に俺はあそこに行ったら出られなくなるので待機している。
勿論、ここは両国の選手が集まっているので、妨害行動が多く、割とめんどくさくなっている。
「何で俺ばっか狙ってくるんだ?俺シンクに引っ付いてきたおまけなんだからボーナスとかないと思うんだけど…」
愚痴を零しても、何故か妨害行動は止まらない。銃だから残弾に限りがあるんだけどな…
そして、ついにレオンミシェリ閣下がやってきた。どうやらあの黒いセルクルはドウマと言うらしい。セルクルの名前すら強そうなんだけど。
どうやら閣下は迂回する気はなく、そして蟻地獄の中に行く気もなく、そのままジャンプして来た。
「「させるかー!」」
が、シンクとエクレールさんが飛んできた。いや、お前らどうやってセルクルに追いついたんだよ。
少し思考するが、そんなことしている暇はないとすぐに振り払う。そうこうしていたら、シンクとエクレールの攻撃をドウマから飛び降りて回避したレオンミシェリ閣下が紋章砲で叩き落としていた。
「勇者、お前はなんだ!戦いの邪魔をしに来たのか!」
「そっちこそ、僕の邪魔を!」
なんか言い争ってるが、残念ながらまだこちらにも敵選手が来るので、それを止める為に動くことは出来ない。そして、レオンミシェリ閣下が何かを溜めていた。
「獅子王、炎陣!」
そして、レオンミシェリ閣下の周りから火柱が上がり、火炎弾が上から降りそそいできた。
「紋章術ってこんなことまで!?」
「レオ姫のは桁が違う!倒されたくなければ…」
「「とにかく逃げる!」」
流石に二人も言い争っている場合ではないと判断し、逃げ始めた。どうでもいいが閣下、それ味方にも当たってます。そして、蟻地獄の中に近づいてきた敵選手を落としていく俺。近づいて来る方が悪い。だから俺は悪くない。
「大、爆破ァ!」
そして、蟻地獄全体を爆発させた。どうやらあれは、味方のことを一切考慮しない紋章術らしい。…うん、敵にしても味方にしても近くに居たくないわあれ。
『出たー!レオ閣下の獅子王炎陣大爆破!範囲内にいるものは立っていられない超絶高威力の紋章術!敵味方関係なく倒してしまうのが玉に瑕ですが…それにしても凄い!』
「フランボワーズ、確認せい。勇者とタレ耳は死んだか?」
いや、死んだって…まあ、ただ表現が物騒なだけなんだろうけど…
『ええっとですね…』
「そう簡単にやられてたまるかー!」
「にしても高すぎない?ねえこれ高すぎない!?」
『そ、空!勇者と親衛隊長、空に逃げていました!』
おお、高い高い。なんとか視認できる距離に二人いるな。
『だが、これでは紋章砲で狙い撃ちだぞ!?』
おっと、そうはさせない。こんなこともあろうかと借りてた狙撃銃でレオンミシェリ閣下を狙う。
「何?」
…なんなのあの人。長距離からの狙撃に反応して来たんだけど。レオンミシェリ閣下はこちらを潰すことに切り替え、紋章砲でこちらを狙ってきた。
「ちょっとただの一般人に対してオーバーキルなんじゃないですかそれは!?」
全力で車椅子を漕ぐ。…が、移動を始めるタイミングが遅かったのか、車椅子の車輪に掠った。
「うっそだぁぁぁぁ!」
勿論バランスを崩し、蟻地獄の中に転げ落ちる。そして、またこちらに狙いを定めるレオンミシェリ閣下。詰んだこれ。
「酷ぇぇぇ!」
が、なんかシンクが悲鳴に近い叫び声を上げて落ちてきた。どうやらエクレールさんがシンクに回し蹴りをして落としたらしい。まあ文句言える立場じゃないけどな、シンク。
空中から落ちてきたシンクが棒を思いっきり振り下ろすが、閣下は冷静に盾で防御し、斧で反撃。シンクはそれを棒で防ぎ、距離を取る。落下速度も合わさった全力の振り下ろしを防いでも何ともないのは盾がよほど硬いのか、それとも受け流したのか。
そして、エクレールさんが空中から斬りかかり、またレオンミシェリ閣下は防御する。が、反撃する前にシンクが攻撃、行動を潰していく。そして、シンクとエクレールさんが同時に交差攻撃をし、レオンミシェリ閣下の斧と盾を破壊する。そして二人はその勢いのままもう一度交差攻撃をする。がレオンミシェリ閣下は空中に逃げる。
まあ、ここにいるのが二人だけならここでまた紋章術を使ったりするのだろうが、生憎こちらにもまだ一人残っている。
「ぱっと思いついた紋章術Part2!よくわからんビーム砲!」
狙撃銃から紋章砲を撃ち出す。勿論空中を飛び、回避手段がないレオンミシェリ閣下に命中。装備していた防具を破壊した。
「ふむ…チビ勇者とタレ耳相手と思って少々侮っていたが、思わぬ伏兵がおったか。このまま続けてやってもよいが…それではちと、両国民へのサービスがすぎしてしまうのう」
そう言って、レオンミシェリ閣下は今の自分を見せつけるかのように両腕を上げてポーズを取る。やめてください刺激が強いです。
「レオ閣下、それでは!」
「うむ。わしはここで降参じゃ」
そして、レオンミシェリ閣下が小さな白旗を何処からか取り出し上げる。そして、戦場に盛大な花火が上がる。
『まさか、まさかのレオ閣下が敗北!総大将撃破ボーナスが加算されます!今回の勝利条件は拠点制圧ですので戦終了とはなりませんが、このポイント差は致命的。ガレット側の勝利はほぼ無いでしょう』
…勝ったのか、俺たち。
「ありがとうございます、勇者のご友人。おかげで勝利することができました」
と、エクレールさんが車椅子を持ってきてくれ、話しかけてきた。
「あー、えっと、エクレール親衛隊長。そんな風に畏まらなくても、俺はそんな大層な人間じゃないですから、気軽にハルトって呼んで下さい」
「そうです…そうか。なら、私のこともエクレと呼んでくれ。エクレールや親衛隊長は少し言いにくいだろう?それと、敬語もなしで」
「…わかった、エクレ。お疲れ様」
「ああ、お疲れ様」
そして、次にシンクが俺のところにやってきた。
「やったね!春人!」
「あ、うん。何か、無我夢中になってたから、勝ったって実感ないんだよな。実際いいとこ持ってっただけだし」
「それでも凄いよ!春人って、紋章砲の説明受けてなかったよね?」
「ああ。でも、さっきの紋章砲、今やって見せろって言われても出来ないぞ。無我夢中だったから、感覚で撃ったようなもんだから」
そんな感じでシンクと話していると、中継をしていたレオンミシェリ閣下がこちらにやって来た。
「勇者、それに勇者の友人よ。親衛隊長が居たとはいえ、わしを討ち取ったのは褒めてやろう。だが、今後このような活躍が出来るとは思うなよ?」
そして、シンクにマイクを投げ渡す。
「あ、ありがとうございます!姫さ…」
ま、という前にレオンミシェリ閣下は不機嫌そうに尻尾をピンと立てる。
「…閣下!」
そして、閣下と呼ばれ、満足そうに笑う。余程女の子っぽい扱われ方が嫌いなのだろう。
「閣下との闘い、怖かったけど楽しかったです!」
「レオンミシェリ閣下。今回私は殆どおまけのような活躍でした。けど、次は自分の実力で勝ってみせます!」
本気で勝てるとは思っていない。けど、ここまでの差があっても、やはり強い人には勝ちたい、という思いが沸き上がってくる。どうやら、俺もシンクと同類だったらしい。
「ふむ…流石にレオンミシェリ閣下は長いな。レオ閣下か、閣下と呼べ」
「はい、レオ閣下!」
…あれ?なんか知らんうちにガレットの代表に気に入られたっぽい。
そして、レオ閣下はシンクを見て、尻尾でエクレの方を指す。どうやらマイクを渡せということらしい。
そしてシンクがマイクを手渡しに行った後に、レオ閣下が何か言い出した。
「撮影班、タレ耳に寄れ。面白いものが撮れるぞ」
面白いもの?シンクとエクレとレオ閣下以外のこの場にいる全員が疑問に思いつつも、エクレに視線が集まる。
シンクがマイクを手渡し、エクレも何かを言おうとするが、その瞬間にエクレの衣装が全て破け、白い逆三角形だけを着けた裸になる。
「あっ………なっ……」
…俺は無言で空を見上げる。そう言えば、二度目に二人が同時攻撃をしたときに、シンクの棒がエクレに当たってたような気が…
『勇者、親衛隊長に誤爆!防具破壊を通り越し、服まで破いてしまった!』
うわぁ…うわぁ。シンクうわぁ。
「ハッハハハハ!また来るぞ!今度はきっちり侵略してやろう!」
そして、レオ閣下を見ると、レオ閣下は颯爽と去っていった。それだけなら十分格好良かったのだが、わざわざエクレに寄れと言っていたあたりが格好よさを異常に下げている。
『ここでレオ閣下、堂々とご退場。これは次の侵略戦にも期待が高まりますね!』
『そうですね。ですが、まだこの戦も終わったわけではありません』
『そうですよ。戦場の皆さん、最後まで気を抜かず、タイムアップまで頑張ってください!』
【おおーーーーーー!!】
実況の人が激励の言葉をかけ、戦場が盛り上がる。ふとシンク達はどうしているのかが気になったが、少し離れたところでエクレに斬りかかられていた。
「だからごめんって!わざとじゃないって!」
「知るか!斬らせろ!一回斬らせろ!!」
「は、春人、助けて!」
「悪いが、わざとじゃないにしても、胸揉んだり服破ったお前が全面的に悪い。諦めて斬られとけ」
「そんなぁ!」
『それにしてもこの勇者、強いし凄いが、やはりアホか?』
「ほっといてよ!」
『そして騎士エクレール、美味しい映像ありがとうございました!』
「やかましい!!」
なんか、エクレが裸見られたのに実況軽いな…俺達の世界じゃ放送事故なんだが…ひょっとして、こっちの世界じゃ普通によくあることなんだろうか。
『さて、ガレット軍が勝利していれば、この後は会場でガレットの地酒祭りが行われる予定でしたが……』
『このままビスコッティ軍が勝利すれば、戦勝イベントの開催は、ビスコッティ側の権利になりますね』
『フィリアンノ城のミルヒオーレ姫、今回のイベントはやはり』
「はい。フィリアンノ音楽ホールから音楽と歌の宴をお届けします」
「姫様のセットリストも、バッチリあります!」
歌?
「へー、姫様歌とか歌うんだ」
いつの間にか俺の近くに来たのか、シンクが呟く。まあ止まったので、勿論エクレに小突かれる。
「歌うんだ、とはなんだ!姫様は世界的な歌い手であらせられるんだぞ!」
その言葉に、俺達は驚く。
「世界!」
「凄いな、姫様」
「そうだよ。お疲れ様、勇者殿とご友人。エクレールも」
「兄上」
いつの間にか、隣に男性が居た。エクレのお兄さんなのか。着替えを持ってきて、シンクに何も言わない辺り、やはり服が破れたりするのは普通のことらしい。
「姫様は他国との間や交流の際、楽団を連れて世界中で歌われているんだ」
「あ、なるほど。だから世界的なんですか」
「ただ、近頃は戦続きでツアーもめっきり滞ってしまってね。我々も久しぶりに姫様の歌を聞けるぐらいなんだが」
なるほど。なら姫様の歌が好きな人は凄い嬉しいんだろうな。
「貴様も姫様の歌を聴けば、納得するだろうよ」
「活躍してくれた勇者殿には特等席で聞いて頂くとしよう。もちろん勇者殿のご友人も」
なるほど。あ、でもなぁ…
「ありがとうございます!でも、ちょっと一旦家に戻るか、向こうに連絡したいんですけど」
「あー、そういや俺も家族に連絡しなきゃな。終業式終わってからはすぐ帰るつもりだったから」
「「え?」」
え?
「何を言っているんだ、お前達は?」
「召喚された者は、帰ることも連絡を取る事も出来ない。それが召喚のルールだ」
…ちょっと待って、待ってくださいよ。
「ア、アハハハ。ソンナ、ジョウダンナンテ…」
「いや、冗談ではなく、本当のことなんだが…」
「そ、そうは言っても、何か方法が…」
「そんなもの、無いに決まってるだろ」
「「…嘘だぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
俺達は今日、ここで二度目の絶叫を出した。
本当に二人は何でセルクルに追いつけたんでしょうね。ドウマはゆっくり走ってたんでしょうか。
戦闘描写が下手くそなので、一期の二話を見ていない人にちゃんと伝わったかが不安です。
アドバイスや感想、誤字脱字報告など、心を抉ってくる発言でなければ受け付けております。