火水風地の伝説史 〜第1章 「神様の祟り」〜 作:Telar
現代日本、五月中旬、福島県白沢町・・・
その町に16歳の若き巫女、火天和泉(ひてん いずみ)は来ていた。どうやら、この町にいる神様のお祓いをして欲しいという依頼のようだ。
「全く、なんでこんなしょうもない事を私がやらないといけないのよ・・・」
そう言って彼女は、お祓い当日である明日に向けて、この町にある民宿で泊まることにした・・・
次の日の朝、外に出てみると警察が慌ただしく動いていた。
(何かあったのだろうか)
そう思いながら見ていると、突然警察がこの町の出入口である道路や駅を全て封鎖してしまったのだ。
「ちょっとちょっと、なにしてるのよ!」
彼女が怒るのも仕方が無い。仕事が終わればさっさと帰るつもりだったからだ。
「実は前日の夜中、この町で子供の失踪事件がありましてね、誘拐の可能性もあるので一時的に町の出入りを封鎖させてもらいます。」
そう言われ、なす術もなく追い払われてしまった。
「全く、今日は厄日だわ・・・」
彼女は不満げそうに顔をしかめ、民宿へと戻ることにした
民宿へと戻ると、入り口の前で何やら3人の男達が集まって会話をしている。
「何やってんのあんた達。」
「あ、これはですね、ちょっとこの事件についてどうするか話してたんですよ。何しろ
町に閉じ込められちゃった訳ですしね。」
そう話しているのは、エクソシストとして活動する筏 乖(いかだ かい)という男だ。彼もここにお祓いの依頼を受けてやって来たらしい。
「じゃあ、そこの二人は?」
「俺は跳井 鰻太(はねい まんた)。ここに宗教を広めにきた狂信者さ。」
「ふーん。よく分かんないけどいいわ。」
「僕は天合 富蒼(てんごう ふそう)。浮浪者をやっているんだ。」
「浮浪者!?どういうことよ?」
「いやー、実はアフリカで行方不明になってね、日本では死んだことになってたらしいんだよね。」
「じゃあなんでここにいるのよ。不法入国?」
「それは聞かないお約束。」
「ごめん」
とりあえず、3人の事情は分かった彼女は、
「それで、話って何を?あなた達、知り合いでは無さそうだし・・・」
「実は、どうやら失踪事件の真相がわかるまでこの町は出られなさそうなんだよ。出口
に警察の人がいただろ?あれは犯人がこの町から出ていないって分かっているからなんだ。それで考えたんだけど、警察が調査をしている間に僕らがその犯人を捕まえちゃおうと思ったのさ。」
「なるほどね。、だから同じようにこの町に来たばかりの人を集めて相談してたのね。」
「そういうこと。」
これを聞いて、彼女にある考えが浮かんだ。この人たちと共に行動すれば、早いうちにこの町から出られるのではないか、と。
「だったら私も一緒に行動するわ。私も同じ境遇だし。」
「本当?それなら助かるよ。」
こうして、犯人探しに協力することにした彼女だが、一つだけ腑に落ちない事があった。
「跳井さん、だっけ?ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
「なんだい?」
「いや、最初から気になってたんだけど・・・」
そう言って、彼女は叫んだ。
「なんであんた「せんとくん」の被り物をしてるのよ!!」
彼女が指摘した跳井さんの頭には、確かに大きなせんとくんの被り物がある。明らかに角が邪魔そうな大きさだ。
「はっはっは。いやーやっぱりそこは聞かれるかー。」
「いやそうでしょ!そんな大きなもの被ってたら違和感ありすぎでしょ!」
「まーまー落ち着きなさい。これにはちゃんとした理由があるんだよ。」
「理由?」
「私の顔は生まれつき醜くてね。見た人がいつも不快になるらしいんだよ。だからこれ
で隠そうってわけ。」
「だからといってせんとくんというのはチョイスとしてどうかと・・・」
「見るかい?」
「結構です!」
一同はどっと、笑いの空気に包まれた。
こうして、異色ではあるが意気投合した4人は、この事件を解決するべく動くのであった・・・
いかがだったでしょうか?どんな事でもいいので、感想や御指摘を頂けると有難いです。シナリオはまだ途中なので、進み次第執筆をしていきたいと思います。