理の錬金術師   作:ヤーマラーマ

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第3話

「ふっふっふ!」

 

背後からの蹴りを視線も向けずに上体を前に倒して避け逆に足を掴み今まさに殴りかかってきた者に向けて投げ飛ばす

 

「はっはっはははは!!」

 

左右からの挟み撃ち、右からは炎、左からは氷の槍がこちらを狙っている。ならばこちらからはどうするか、両手を合わせ陣を形成、床の材質は石、錬成するは愚か者どもを貫かんとする石の槍、そして相手の攻撃を防ぐ石の盾。

 

「ぐぇぇ」

「うっ!」

 

盾には早くも罅が入り始めた。これを好機と見たのか四方からの遠距離攻撃、予想以上に盾がもたない。次の一手をどう打つか

 

「くらいなぁ!!」

「この!!」

「あたれ!!」

「らぁ!!」

「しねぇ!!」

 

土煙が舞い辺りは一時の静寂に包まれた。だが同時に妖精の尻尾の面々は後悔していた。やりすぎたと、確かにルークは暴言を言ったがここまでやることはなかったと。しかしその心配は無用だった、土煙が晴れそこにあるはずのルークの姿が無かった、皆がルークを探していると接収(テイクオーバー)の使い手であるエルフマン・ストラウスは地面から伸びた手に足を捕まれ地面に叩きつけられた。

 

「ふっはっははははははは!!こんなものか、こんなものか妖精の尻尾!!これが貴様らの言う魔法擬きよ!さぁ!!次は貴様らの番だろう!!」

 

地面から現れたルークはそう言うと右半身を前に出し手招きをした。かかってこいと、そんなものでは死なないぞと

「上等!!」「やってやらぁ!!」

 

炎の滅竜魔導士、ナツ・ドラグニルと氷の造形魔導士、グレイ・フルバスターはいつもの様子とは比べるまでもないほどのコンビネーションでルークを攻め立てた。拳、肘、蹴り、....攻撃の暇など与えないと言わんばかりの連撃もひらりひらりと避け、受け流し、捌いていく。

 

「バカ弟子、復習だ。錬金術の基本は何だ、言ってみろ。」

 

「と、等価交換の法則...っていうかそんなこといってる場合じゃあ...」

 

ナツとグレイの攻撃はルークが余裕とも言える態度をとったことでますます激しさを増していく。だが当たらない。するりするりとまるで木の葉のようにすり抜ける

 

「まあ、それもあるがな、厳密には違う。基本は円だ、円は力の循環を示しそこに構築式を描くことで力の発動が可能になる。力の流れを見極めること、法則をしること、これこそ錬金術の始まりにして極地だ。」

 

「ごちゃごちゃと余裕かましやがって!!」

「ぶっっっ潰す!!」

 

右手の拳に炎を纏いこちらを粉砕せんとするナツの腕を掴み、軸足を蹴り飛ばす。それだけでナツの体は前方に回転し床に背中を着けることになった。

「っってぇぇ!!」

 

「力の流れを見極めることが出来れば相手の攻撃を避けることも出来る、さらに...」

 

「ナツ!」

 

氷の刀剣を造形し上段で振りかぶるグレイに対しては降り下ろすその前に踏み込み手首を掴む、そして背負い投げの要領でナツと同じく床に叩きつけた。

「っっっがぁ!!」

 

「相手の力の流れを知り、利用し、そっくりそのまま相手に返す。これも力の循環だ。」

 

「ま、マジかよ....」

「ナツとグレイがああも簡単に....」

「こいつはやべぇよ....」

 

間髪いれずに両手を合わせて長さ2m程の槍を錬成。残ったメンバーに対して迫撃を行おうとしたその時だった

 

「やめぃ!!それ以上はワシが許さん。」

 

代目妖精の尻尾のマスター、マカロフ・ドレアーの一喝に周りは圧倒された。杖をついた老人とは思えぬ程の覇気だった。完全に場を飲み込み誰もその場から動こうとはしなかった。

 

「これで喧嘩は終いじゃ、怪我した者を介抱してやれ。ルーク、おぬしはこの場を元に戻せ。それで今までのことは帳消しにしてやる」

 

「私が?おいおい、私はいきなりコイツらが仕掛けて来たから反撃しただけではないか。いわゆる正当防衛というやつだよ。」

 

「ワシが何も知らぬと思っておるのか。一部始終見ておったわい。それに、これからはおぬしも妖精の尻尾の一員になろうと言うのならそれくらいはよかろうて」

 

「ちっ!」

 

不機嫌さを隠さず舌打ちをすると両手を合わせた。その手を地面に着けると乱闘が始まる前と遜色ないほどにまで修繕された。パンパンと白衣に着いた埃を叩くとルークはマカロフに向かいここに来た目的を果たさんと告げた

 

「これでよかろう?さぁ、それでは要件を済ますとしようか、マカロフ」

 

「その前に妖精の尻尾の印を刻んでもらうぞ。ルーシィとやらもこっちに来なさい。」

 

「は、はぁ...」

 

そう言うとマカロフは二人にスタンプの様なもの手渡した。

 

「どこでも良い。好きなところに付けなさい」

 

「じゃあ、私ここで」

 

「はぁ、面倒な」

 

ルーシィは手の甲に、ルークは右胸に、それぞれ妖精の尻尾の紋章を刻んだ

 

「それでは、マスター?約束は守ってもらうぞ?」

 

「分かっておるわ、皆喧嘩は終いじゃ。さぁ飲め飲め」

 

二人はギルドの奥に行ってしまった。残された者は皆しばらくポカンとしてしていたが次第に元の喧騒を取り戻し始めた。

 

 

 

ルーシィside

 

はぁ、どうしよう、この空気。先生が無茶苦茶やったせいで何か私まで可笑しなものみる目で見られてる気がするわ。こ、これはまずい....

 

「くそ!あの野郎。いつか必ずぶっ飛ばす...」

 

ああ、さっそく恨み買ってるわ。な、なんとか弁明しておかないと

 

「ご、ごめんなさい。ナツって言ったかしら?」

 

「ああ、ルーシィか。別にお前が謝ることじゃねーよ。俺が弱かったからやられただけだ、次は必ず俺が勝つ」

 

よ、よかった。私に飛び火したりはしなさそうだ.....

 

「じってしていて、今直すから...」

 

「お?」

 

クナイを取りだし地面に刺し五亡星を描く。

錬成反応の後ナツの打撲は綺麗になくなった

 

「すっげぇな!アイツも凄かったけどルーシィもあんなにつえーのか?」

 

「あ、あんなには流石にできないわよ....?まあ、ちよっとくらいなら...」

 

あれ、ナツって人意外といい人なのかしら

 

「そういや、エルザに連れて来たけどよ。知り合いだったのか?」

 

「そうね、結構先生に仕事を依頼に来るのよ、エルザ。それにたまに先生に鍛えてもらってるの」

 

「まじかよ!!ってことはアイツ、エルザの師匠ってことか?!」

 

「うん、まぁ不本意だけど姉弟子ってことになるわね」

 

「何が不本意だって?ルーシィ」

 

「うわ!いきなり後ろに立たないでよねエルザ、ビックリするじゃない!」

 

「お前が不本意などと言うからだ。」

 

全くこのツンデレ女には困ったものよね、研究者に来てはルークルークって。先生の前ではツンツンしてるくせに私にはやれこんなことしてもらっただのやれこんなこと言われただの嬉しそうにのろけてくるだから。

 

「何だかとても不本意なことを考えていた気がするなぁ?」

 

くっ!相変わらず勘が良いわね...

 

「そ、そんなことないわよエルザ。それより先生はまだ帰ってこないの?」

 

「そうだな、しばらくは戻らんだろう。」

 

「....騒がしくなりそうね」

 

「だが、ルークにも様々な人と接して欲しい。いつも研究室に閉じ籠っていてはアイツの世界はそこまでで終わってしまう。」

 

「ーーーーー.....これから、宜しくね。エルザ」

 

「何だ改まって.....こちらこそだ、ルーシィ」

 

これは物語が始まる4年前の話

これより世界は加速する

 

 

 

 

 




BOOK・OFFで原作30巻分を5500円にて購入しました。関係ないんですけどヨルムンガンドにはまっちゃいました。ヨナかわゆい
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