その頃の妖精の尻尾では何時も通り、騒がしく、賑わっていた。各々が話、酒を飲んだりしていた。だがそこに地鳴りの様な、否、文字通り地面は揺れ腹の底から鳴り響く様な轟音がズシンズシンと起こった。この異様な事態に妖精の尻尾の一人、ロキが外を見るとそこにいた者を見て息を飲んだ。
「や、やばい....み、皆ぁ!エルザが帰ってきたぞ!!」
だが各々がバカ騒ぎを終える前に妖精の尻尾の風紀委員長こと、エルザ・スカーレットはギルド内に姿を現した。風紀委員長の姿を見たときにはもう遅いのだ。担いできた角らしきものを降ろすとエルザは言った
「今帰ったぞ、
「お帰り、
「そうか....」
「そ、それよりもエ...エルザさん..そ..そのバカでかいのは何ですかい?」
「こ、これか?」
するとエルザは頬を桜色に染めた。訳の分からない妖精の尻尾の面々は皆一様に首をかしげた。
「これで鎧をな..作ってもらおうとしてるだけだ...別にルークが欲しがっていたからとかではない...」
「そ、そうか...」
もじもじとするエルザにメンバーの一人は思った。爆発しろと。
「そういうのはアイツの前でやれってなぁ」
「バカ、言ってやるな。お前ツンデレってやつだよ。」
「んっんんん!!」
このままでは注意するものとしての威厳が危ういと判断したエルザはこの話を切った。そして一転、凛とした雰囲気を纏って言った
「そんなことより貴様ら、また問題ばかり起こしているようだな。
その言葉に皆はまるで先生に起こられる生徒のように背筋をピンと伸ばした。
「カナ、なんという格好で飲んでいる。ビジター、踊るなら外でやれ。ワカバ、吸殻が落ちているぞ。ナブ、いい加減依頼板の前をウロウロしてないで仕事に行け。それに...」
注意すること五分、さっき弄られた仕返しかと言わんばかりだった。
「ふぅ....まったく世話がやける。今日の所はこれぐらいにしといてやろう。」
さんざん言い尽くしたエルザは一息着くと本題を切り出した。
「ところで、ルークはいるか?まぁ、あまり期待はせんが...」
「あ..あぁ...ルークの野郎は最近見ねぇなぁ」
「そうか......ではナツとグレイはいるか?」
「お、おう...こ...ここにいるぜ...エルザ...」
「な...なんだよ。エルザ...」
いきなり所在を問われたナツとグレイは驚いた。なんだ、また注意か、風紀委員長。心当たりなんて....ある。ナツはルーシィと行った仕事先で港を、グレイは街での露出が
「二人に頼みたいことがあるのだ。仕事先で厄介な話を耳にしてな。本来なら
「つ、つまり...?」
「つまりだ。二人の力を貸して欲しい。ついてきてくれるか?」
これに驚いたのはナツとグレイだけではなかった。殆どの依頼を一人でこなすエルザが二人を頼った。それほどの一大事であるというのだ。
「どうゆうことだよ….?」
「ルーク以外と行くとこなんて見たことねぇぞ.....」
「こんなにデカイ怪物を倒しちまうようなエルザが...」
「出発は明日だ。準備をしておけ」
「あ....いや....ちょっ....」
「俺たち行くなんて言ってな....」
「詳しくは移動中に話す、それではな」
驚く皆を他所にエルザは淡々と告げた。そして用は済んだと取り敢えず帰ろうとするとギルドの入り口に二人の人影が見えた
「ええい!うっとおしいぞ!いい加減離れないか!」
「先生今普通じゃありませんって、こうすることで少しは元気になりません?帰りましょうよ?」
「ならん!!」
そこにいたのはルーク・エインワーズとルーシィ・ハートフィリアの二人、だがルークの腕をルーシィが抱き締めまるで私のものだと言わんばかりだった。そこに立ちはだかるは紅蓮の魔神。瞳の中は嫉妬の炎に燃えていた。
「あら、エルザ。帰ってたの?」
「ああ、たった今な。そんなことより何をしているんだ?」
「あら?見て分かるでしょう?先生を癒してるの」
「お前の胸に手を当てることでルークが癒される訳がないだろう?ルークが嫌がっている。離れろ」
「嫌よ嫌よも好きの内ってやつよ、もしかして何?嫉妬してるの?」
「嫉妬なぞ、私はルークに用がある。尻軽女は黙って消えろ」
「脳まで筋肉で出来てる脳筋女は言うことが過激で怖いわねぇ?」
「あぁ?」
「いい加減決着つけましょうよ、エルザ。まぁ私が勝つんでしょうけどね」
「いいだろう、仕事前のウォーミングアップだ。簡単にくたばってくれるなよ?」
「そうね、それじゃあ」
「それでは」
「「死ねぇぇぇぇぇ!!」」
「「「「やめてぇぇぇぇぇ!!」」」」
ドォン!!ガガガガガガ!!グシャア!!
「ぐぇぇぇぇ!!」「誰か止めろぉぉぉぉ!!」「ぐはぁぁぁぁぁ!!」「誰か!衛生兵を!!」「メディック!メディィィィィィック!!」
「はぁ、久しぶりにギルドに来たと思ったら....」
「貴方も貴方よ?エルザが来てること分かってたでしょ?」
「まぁ、そうだが....」
騒ぎの元凶、と言えるのか分からないがルークはなに食わぬ顔でカウンターに座っていた。なぜこうも仲が悪いのか、昔はそこまでではなかったのだが....
妖精の尻尾の古参メンバー、ミラジェーン・ストラウスはカウンター越しにルークを叱った。
「しかしな、あれは私のせいではないだろう?」
「もう、分かってたなら貴方にも責任があるの。まったく貴方はダメなんだから....」
頬に手を当て此方に微笑むミラジェーン。
「それより何か割りのいい仕事はないか、ミラ」
「エルザが貴方にも来て欲しい依頼があるんですって。まだ正式には受理されてはいないけれど....」
「そんな一銭にもならん事を私がすると?」
「そんなこと言わないの。エルザが困ってるだから助けてあげて?」
「嫌だ、タダ働きは御免だ」
「じゃあタダじゃなかったらいいの?」
「そうだな、相応の報酬が出るなら考えるがお前に出せるのか?この私を動かすほどの報酬が!!まぁ無理だろうがな!!」
「貴方の言うこと何でも一つ聞いてあげる。」
「行くぞ、エルザ。準備しろ。さっさと仕事を片付けるぞ」
「ルークゥゥゥ」「先生ェェェ」
「はっ!?」
背後に殺気を感じて振り替えると二匹の鬼、もといエルザとルーシィが拳を振りかぶっていた。私の記憶はここまでだ。
気づいたら明日になっていて列車に乗っていた。一緒に来ていたグレイに聞いたところ私はあの後引きずられるようにしてギルドの地下に連れていかれその後姿を見ていないとのこと。時折悲鳴が聞こえていたそうだが体の調子がすこぶる良かったのが逆に怖くなった
エルザ ツンデレ
ルーシィ デレデレ
ミラジェーン ダメンズ好き
みたいな?
一話一話を綺麗にまとめたいです。