ヴァルキリードライヴ 7人の戦乙女と小さき勇者 作:ダーク・リベリオン
ついに定期戦当日を迎えたここビクニでは今までの特訓の成果をみせようと張り切る生徒達の熱気で溢れていた
それは桃とパートナーを組み、張り切るちひろも同じことだった
しかし、開始数分前、突然理事長が急遽パートナーを自由性からクジによる抽選式に変更することを発表
この事態に多くの生徒達は驚く
理事長の指示のもと、生徒達は渡された封筒に書かれた番号と同じ番号の人とパートナーを探しに行った
そんな中、ちひろもまたパートナーを探しに拠点へと趣いたちひろはそこでお腹をぐ~ぐ~鳴らせた満腹丸だった
「うにゃ~」グ~
「っ…」
拠点にてなぜか机の上にぐったりとしている満腹丸に呆気に取られていた
「あ、あの~満腹丸さん?」
「うみゅ~?…あっ、ちーちゃんなのだ~」
声をかけられちひろの存在に気づいた様子だった
「どうしたんですか?こんなところで?」
「満腹丸ちゃんはお腹がすいたのだ~」グ~
そう言うと満腹丸のお腹がさらに激しくなる
「まぁ、見ればわかりますけど、どうして?」
「昨日は特に美味しいものがたくさん出たのだ~…んで満腹丸ちゃんはそれらをいっぱい食べたのだ~…そしたらポイントがなくなっちゃったのだ~」ウ~
「な、なるほど…」アセアセ
ここではビクニポイントがなければ規定の食事以外の食事はできない
つまりそれは食事を楽しむ満腹丸にとって拷問にも近しいものである
「おなかすいたのだ~」グ~
情無い声をあげる満腹丸をなんとかしてあげたいちひろだったが
定期戦を戦うパートナーを探さなければならないこともありどうするべきかと悩む
そんな中、時計を見てみると今の時刻は11時30分を回っていた
「(たしか定期戦開始は13時からでしたね…)」
理事長が言っていた時間までまだ少し時間があった
「……仕方ない」
定期戦が大事なことは承知しているが、それでも目の前で困っている人を見過ごすことはできないとちひろは行動にでる
「おなかすいたのだ~…だれか満腹丸ちゃんにたべものを~」ぐ~
弱々しい声で僅かな望みを込めて食べ物を恵んでくれと願い出るも
周りの子達は見つけたパートナーたちと定期戦の打ち合せをしており誰も満腹丸に目もくれなかった
「こ、困ったのだ~」グ~
もはや万事休すと言わんばかりの満腹丸だった
プ~ン
「っ!こ、この匂いは!?」キュピ~ン
突然、満腹丸の鼻が敏感に反応し、先ほどまでぐったりとしていた彼女は何処へやらという感じにシャキっと立ち上がる
そんな彼女の目の前に現れたのはデカ盛りのカツ丼を乗せたお盆を必死に落とさないように満腹丸のもとに持ち運んでくるちひろの姿があった
「おお~!カツ丼なのだ~」ダラ~
自分の目の前に置かれたカツ丼を見て目をキラキラさせるとともにヨダレを垂らす
「満腹丸さん、これをどうぞ」
ちひろはそう言いながら自分が持ってきたカツ丼を満腹丸の前にすっと差し出す
「た、食べていいのだ?」プルプル
「はい♪」
「うっほほ~い♪いただきますなのだ~♪」
喜びの声を上げながら右手に橋を、左手に丼を持ち、すごい勢いでかっ込み始めた
それを見ていたちひろは満腹丸の食いっぷりに驚きの顔を浮かべるのだった
「ぷ~。ご馳走様なのだ~♪」ポンポン
カツ丼を平らげ、膨れたお腹を太古のように叩く
「それは良かったです」
「でもこのカツ丼どうしたのだ?」
「はい、僕結構ポイント溜まってたんでそれを使って」
「ちーちゃん、満腹丸ちゃんのために…」
お腹をすかせた自分のためにポイントを使ってカツ丼をご馳走してくれたと知り満腹丸は感動を覚えた
「ありがとうなのだちーちゃん♪」ダキッ
「むぐっ!?」ポニョン
嬉しさのあまり抱付く満腹丸だったが、抱きついた結果、彼女のその我が侭ボディ且つ豊満なそれがちひろの顔を押しつぶす
「満腹丸ちゃんは嬉しさで気持ちがいっぱいなのだ~この恩は一生忘れないのだ~♪」
「しょ、しょれはよかっふぁれふ」アセアセ
お礼を述べる満腹丸にちひろもしてよかったと満足した
そんな時だった。ふと満腹丸の服から一枚の紙が落ちた
「あ、満腹丸さん紙が落ちてますよ」
ちひろが落ちた紙を拾う
「…えっ?」
紙を見たちひろは驚く。その紙には番号が書かれていた
『42番』
「ま、まさか僕のパートナーが満腹丸さんだったなんて」アセアセ
「っ?てことはちーちゃんが満腹丸ちゃんのパートナーなのだ?」
なんと偶然にもパートナーは目の前にいたのである
「よ、良かった~」フ~
「えっ?」
急にとても安堵した顔をするちひろに満腹丸は何事かと思った
「いや~知らない人と組むことになったらどうしようかと思ってたんですけど、満腹丸さんで良かったです」ニパ~
「満腹丸ちゃんもちーちゃんで良かったのだ」
「満腹丸さんがパートナーなら僕は依存はありません。満腹丸さんこれからパートナーとしてよろしくお願いします」
これからこの定期戦を戦い抜く彼女へ礼儀を尽くそうと握手をかわそうとする
「うん、こちらこそよろしくなのだちーちゃん」
「はい♪」
それに気づいた満腹丸もちひろと握手をかわす
時は満ち、ちひろは満腹丸とともに指定された場所にやってきた
カチャカチャ…ゴーン!
島全体に響く時計の音
『生徒のみなさん、無事にパートナーと会えましたね?準備は万全?作戦は完了したかしら?』
定期戦の開催時刻となり、巨大スクリーンに理事長顔が映り、まずは挨拶から始まった
そして生徒達全員に定期戦への心意気を問うた
『大丈夫そうね。ではこれよりビクニ定期戦を開催します。それでは対戦の組み合わせを発表しますね。まずはえ~っと42番のペアの人たち』
「42番って僕たちですね満腹丸さん」
「本当なのだ~!」
「でも、1番最初って少し緊張しちゃいます」
理事長がいきなり自分たちのペアの番号を呼んだことに驚き、緊張をしつつも期待に胸膨らませていた
『次に対戦相手の発表に映るわねえ~っと、対戦相手は~?…41番のペア』
「っ!」
ちひろは理事長が発表した番号に驚く、なぜなら41番といえば
「41番…41番ってもしかして!」
「ぬふふふ~♪」
「っ!」
すると後ろから声が聞こえ向いてみるとそこには対戦相手である乱花とマナがいた
「いきなりしょっぱなからちひろに当たるなんて私ってやっぱりついてる~♪」
「乱花お姉ちゃん!」
なにやら怪しげな顔を浮かべながら乱花はちひろを見据えるのだった