そのポケモンの世界で俺は   作:puc119

9 / 46


誤字報告、感謝。感謝




第8話

 

 

 デブチュウを捕まえたことで、手持ちのポケモンは6匹に。つまり、持ち運ぶことのできる数は最大となった。じゃあ、もし新しいポケモンを捕まえた場合どうなるのだろうかと思い、試しにコラッタを捕まえてみたが、なんと、自動的にパソコンへ送られた。原理とかそう言うことは分からないが、便利なものだ。

 

 さて、捕まえたポケモンの数も増えてきたのだけど、戦闘に使うことのできるポケモンはハラマキとデブチュウの2匹だけ。残りの虫ポケモンズは戦わせるつもりがない。まぁ、ハラマキ1匹いれば問題ない気もするが。元々強かったけれど、進化とレベルを上げたおかげか更に強くなったし。

 また最初は心配だったデブチュウも今ではレベルが11となり、そこそこ強くなってくれた。とは言え、ハラマキと比べるとどうしても見劣りしてしまう。やはりハラマキの強さがおかしいのだろうか?

 

 そんなデブチュウのレベルを上げている中でわかってきたことだが、まずポケモン同士の勝負はターン制らしい。此方のポケモンがどんなに強かろうが弱かろうが、1ターンには1回しか攻撃することができない。そしてそれは野生のポケモンと戦う時も、トレーナーのポケモンと戦う時も同じらしい。

 また、トレーナーのポケモンを捕まえることはできず、何人かのトレーナーのポケモンにモンスターボールを投げてみたが、皆同じようにブチギレた。あんなに怒らなくても良いのに……

 

 そして、デブチュウが毒状態になる度にポケモンセンターへ戻っていたことや、ハラマキのレベルを上げていたこともあり、かなり時間がかかってしまったが、漸くトキワの森を抜けることができた。つまりニビシティへ到着。

 トキワシティにいたおばさんは、ニビシティへよく買い物へ出かけると言っていたが、毎回あの森も抜けているのだろうか? そうだとしたらあのおばさん、ただものではないのかもしれない。

 

 ニビと言えば、鈍色……まぁ、つまり灰色が頭に浮かぶ。しかし、以前の俺のいたあの灰色な世界とは違い、ニビシティには確かに色があった。トキワシティと比べると、落ち着いた雰囲気ではあるけれど、少なくとも俺のいたあんな寂しい世界ではない。

 できることなら、俺もあの世界にだけは戻りたくないんだけどねぇ。

 

 はてさて、ニビシティへ着いたのは良いが、何をしようか?

 そんなことを考えながら、フラフラとニビシティの中を散策していると、ニビシティにもトキワシティと同じように、ポケモンセンターとフレンドリィショップがあった。そして、ポケモンジムと博物館とやらも。

 ふむ、ポケモンの世界の博物館か。それはちょいと興味があるな。所持金は……ああ220円かぁ。これで足りれば嬉しいけれど、ちょっと微妙な気がする。

 トキワの森で戦ったトレーナーは全員虫取り少年だったこともあり、もらえた賞金はどうしても少ない。まぁ、もらえるだけマシと言うものだが。

 

 少ない所持金に不安を抱きながら、博物館の中へ。すると入場料は50円と言われた。あら、随分と良心的じゃないか。

 ああ、でも今の俺の見た目は子供なのだし、料金もきっと子供料金なのだろう。それならこの安さにも納得だ。

 

 博物館の中は思っていたよりも狭く、1階には鳥のようなポケモンの化石と虫……と言うか何と言うか、表現の難しいポケモンの化石があるだけだった。う~ん、入場料から考えると、こんなものなのかもしれないが、もうちょっと色々見たかったな。

 ポケモンの化石、か。つまりこのポケモンは大昔に生きていたってことで、今は生きていないのだろうか? ハラマキはレベルが上がっただけで進化をした。しかし、大昔からポケモンが生きていると言うことは、時間……つまり世代を継いでいくことによる進化もあるってことなんかねぇ。

 てか、そもそもポケモンってなんだよ。植物に蜥蜴や鼠、鳥や虫と、幅が広すぎる。人間以外の全ての生き物がポケモンだとしたら、まだ納得できるが、木や草は普通に生えているんだよなぁ……分からないことだらけの世界だ。

 因みに、博物館の2階には月の石とやらがあるだけで、特に面白いものはなかった。

 

 

 博物館を出て、一度大きく伸びをする。

 ん~……このあとはどうすっかね? ジムへ行っても良いけれど、ジムへ行ったところで、ポケモンを捕まえられるってわけではないよなぁ。それにジムって響きがなんだか怖い。怖いのなら近づかないのが一番だ。

 所持金は170円と少なく、元の世界ならビールの1缶くらいは買えるが、どうせ売ってくれやしない。クソが。うん、それならもうニビシティに用事はないか。

 

 そんじゃ、ま。先へ進むとしようか。

 

 体力にはまだまだ余裕はあったけれど、一応ポケモンセンターへ寄ってポケモンを回復させてから出発。タウンマップを見る限り、次はハナダシティって街を目指すことになると思う。

 

 そして足取り軽く、ニビシティの東へ伸びる道を進もうとした時だった。

 

 

「おい、お前! ポケモントレーナーだろ? タケシが探してるんだ! ちょっとついてこい!」

 

 

 とかなんとか、変な若い男にいきなり声をかけられ、無理矢理連れて行かれた。なんなんだコイツ。

 そんななんとも非常識と言うか、ちょっと関わっちゃダメな奴に手を引かれ、連れて行かれた先はポケモンジムだった。どうやら、コイツの言っていたタケシと言うのは、このポケモンジムの人間らしい。とは言え、ポケモンジムには興味ないんだがなぁ。

 爺さんにも暇になったら行くとしか言ってないし。

 

「勝てる自信があるなら戦ってみろよ!」

「勝てる自信もなければ、戦う気もないわ」

 

 しかし、ソイツはそんな俺の言葉は無視して何処かへ行ってしまった。なんだったんだ……

 

 連れてこられはしたが、やはりポケモンジムには興味がない。どう考えても時間の無駄だし。俺には世界中のポケモンを捕まえると言う、オーキドの爺さん曰くポケモンの歴史に残る大切な仕事があるんだ。ポケモンバトルなぞオマケ程度だ。

 

 そんなわけで、ポケモンジムは無視して再び、ニビシティの東へ伸びる道へ。

 

 

「…………うっわ」

 

 

 しかし、その場所には何故かまたアイツがいた。マジかよ。

 てか、『うっわ』じゃねーよ。俺が言いたいわ。

 

 嫌な予感がしつつ、アイツへガンを飛ばしながら、アイツの前を横切……

 

「……お、おい、お前! ポケモントレーナーだろ? タケシが探してるんだ! ちょっとついてこい!」

 

 はいはい、知ってました。分かってました。

 

 そして、再びポケモンジムの前へ。

 

「勝てる自信がなくても戦ってみろよっ!」

 

 セリフがちょっと変わった。けれども、やることは変わらないらしい。ホント、なんなんだアイツは。あの場所を通る全てのポケモントレーナーに同じことをやっているのだろうか? そうだとしたらなかなかの根性だ。

 

 まぁ、根性だけなら俺も負けないが。

 おっさんを舐めちゃあいけない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひ、ひっぐ……お、お願、お願いだ、だから……タ、タケシと、たた、戦っ……て、く、くれよぉ」

 

 25回目の挑戦。ついにアイツが泣き始めた。なんだよ、情けない。これならまだあのグリーンの方が頑張っていたと思うぞ。グリーンの場合、話しかけるだけじゃなく、ポケモンバトルまでさせられていたのだし。

 とは言え、なかなかの根性だ。全力でダッシュをしようが、ハラマキを出して近づいたら攻撃するぞオーラを出しても、コイツは俺をジムへ連れて行った。

 『最近の若者はー』何てよく叫ばれる世の中だが、この世界にはこんな若者もいるのだな。まぁ、俺はコイツが嫌いだけど。

 

 ふむ、これはどうしたものか。この様子じゃアイツは俺を通してくれやしないだろう。3回目くらいの挑戦で予想できたことではあるが……う~ん、やはりジムへ行かないとダメってことなんかねぇ?

 仕方無い。面倒だが、ジムとやらへ入ってみることにしよう。レベル上げくらいにはなるかもしれないし。

 

 随分と無駄な時間を過ごしてしまった気もするが、アイツには精一杯の嫌がらせもできたのだし満足。それじゃ、お邪魔します。

 

 トキワシティにもポケモンジムはあったが、こうやって実際に中へ入るのは初めて。初めてと言うのはなんだって緊張するもの。

 

 そんな気持ちで中へ入って見えてきたのは――

 

 

 上半身裸で腕を組み、仁王立ちしている変態だった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。