俺、技術屋だよな?   作:かんせつ

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第九話 四国奪還作戦

 7月12日

 

《淡路仮設拠点・司令部》

 

『第一連合艦隊より報告。小豆島敵棲地を壊滅とのこと!!』

 

『九州連合艦隊より報告。豊後水道の奪取に成功とのこと。豊後水道を中心として残党勢力の駆逐にあたるそうです。』

 

「わかった。第一連合艦隊は帰投。九州艦隊にはご苦労と伝えておいてくれ。」

 

『了解しました。』

 

俺たち四国奪還部隊は約一週間で四国の三分の二を奪還していた。淡路島付近に沈んでいた艦娘たちも見つけ次第舞鶴でサルベージを行い、現在では第三次奪還作戦で轟沈した艦・計41隻全てのサルベージが成功し全員が四国奪還に参加してくれた。おかげで鎮守府防衛の戦力も整い、後ろの心配をせずに全力で四国奪還を進めていった。後は四国南方の土佐湾付近を残すのみとなっていた。

 

 

 

 7月15日

 

《司令部》

 

「さて・・・残りは土佐湾となった。だが、敵四国占領艦隊がここに集結しているといってもいい。よって総力戦が予想される。こちらの戦力は呉の三艦隊17隻・堺の三艦隊16隻・舞鶴の十一艦隊65隻・中津のニ艦隊12隻・日南のニ艦隊12隻・・・合計122隻だ。拠点防衛にニ艦隊を残し、残りの艦隊全てを以って包囲網を構築し一気に敵残存艦隊を撃滅する!!」

 

『はい!!』

 

「基本は12隻の連合艦隊で作戦行動に移ってもらう。中津・日南・呉は西から、残りは東からで挟撃をする。あくまでこれは撃滅優先だが本命は四国奪還だ。敵が当海域がら離脱した場合は追撃は不要だ。」

 

俺は最高の激励をするべく一息入れる。

 

「これより四国奪還作戦最終段階に移る。目標は見つけ次第沈めてやれ!!全艦の健闘を祈る!!」

 

『はい!!』

 

「よし、先遣隊から出撃開始!!」

 

『了解。第一艦隊出撃!!続いて第二艦隊出撃準備!!』

 

どんどん艦娘たちが出撃するのを確認していくうちに、自分は一線を引いた後方で結果を待つしかないと思うと、自分の無力さに苛立ちを覚える。

 

『全艦隊の出撃を確認しました。』

 

「よし、これより全艦へ最終命令を伝える。絶対に、帰って来い!!いいな!?」

 

『はい!!』

 

「頼む・・・俺たちの仲間を・・・家族を守ってくれ・・・。」

 

俺は無意味とわかっていながら胸のペンダントを握り、祈る。

 

 

 

《司令部》

 

『第一連合艦隊より報告!!敵土佐湾の敵棲地への攻撃成功とのこと!!』

 

「よし、すぐに補給隊を向かわせろ!!第一艦隊に通達。一度撤退して補給隊との早期合流を図れ!!付近で待機している第二艦隊に通達。直ちに土佐湾の防衛に向かえ!!」

 

『了解!!』

 

『こちら第二艦隊、了解!!』

 

『九州艦隊より入電!!沖の島敵棲地を攻略!!防衛線を構築したとのこと!!』

 

「わかった。九州艦隊にはご苦労と伝えてくれ。それとそこの防衛に全力を尽くしてもらえ。」

 

『了解!!』

 

「呉泊地に打電!!瀬戸内海付近に艦隊を派遣、北へ逃亡を図る敵艦隊を予想して迎撃に向かわせろ!!」

 

『了解。直ちに打電します!!』

 

『第二艦隊より入電!!土佐湾の占拠に成功とのこと!!』

 

「よし、陸戦部隊に通達。土佐に陸路で至急建設物資を送り防衛線を構築せよ!!」

 

『了解!!直ちに作業に移ります!!』

 

目まぐるしく変化していく四国の海域図を見て俺は安堵していた。轟沈艦を出さずに四国奪還が見えてきたのだ。

 

『第一連合艦隊、補給隊と合流を確認!!』

 

「よし、補給完了後第二連合艦隊と合流して土佐湾の哨戒にあたれ!!」

 

『了解です!!』

 

「全部隊に通達する。本日7月15日1408を以って、四国の完全奪還を宣言する!!」

 

『よっしゃぁ!!』

 

『やったぁ!!』

 

「引き続き各隊は哨戒及び土佐泊地の防衛にあたれ!!」

 

『了解!!』

 

「やりましたね、提督!!」

 

「あぁ、みんなよく・・・がんばってくれた・・・。」

 

「轟沈艦も確認できず。大戦果ですね!!」

 

「これは俺だけではできない、みんながいたからこそ手に入れられたんだ。」

 

「後は敵の反撃に備えて迅速に土佐泊地を建て、防衛線を構築しなければ。すぐに大本営に打電して横須賀で訓練中のニ艦隊を至急向かせてくれとな。」

 

「了解です!!」

 

 

 

 7月16日

 

《淡路島仮設拠点・司令部》

 

『土佐泊地から入電!!同泊地へニ艦隊の着任を確認とのこと!!』

 

「よし、これより四国奪還部隊は撤退を開始する。土佐泊地に滞在していた第一・第二連合艦隊は直ちに淡路泊地へ帰投せよ!!』

 

『了解!!』

 

 

 

《淡路島・沿岸》

 

俺は司令部では待ちきれず、艦隊が帰投する沿岸でみんなの凱旋を待っていた。そして待ってから30分が経った時、ようやく双眼鏡に艦隊の影が見えた。

 

『第一連合艦隊より入電。これより拠点へ帰港するとのこと。』

 

「こちらも肉眼で確認した。すぐさまドックの準備を。それと堺のドックも準備するように伝えてくれ。」

 

『了解、直ちに準備に入ります。』

 

司令部と連絡を取っている内に艦隊が肉眼で確認できるくらいに近づいていた。そして艦隊も俺に気づいたのかこちらへ向かってくる。

 

「提督、全艦隊帰投しました!!」

 

「ご苦労様。よく、がんばってくれたな。そして・・・・よくぞ戻ってきてくれた!!」

 

「はい!!ありがとうございます!!」

 

連合艦隊旗艦霧島を初めとして皆が敬礼を取り、俺も敬礼で応える。傷は目立つがそれが激戦の証であり、勝利の証であった。

 

「負傷艦はすぐにドックに。中破・大破艦を中心に淡路のドックへ、小破艦は堺のドックで入渠するんだ。」

 

「はい。直ちに。」

 

拠点へ向かっていく我が舞鶴の精鋭たちを見送りつつ大本営の方向を向いて俺は呟く。

 

「四国は無事奪還したぜ。そう簡単に思惑通りに進むと思うなよ。」

 

それは舞鶴を潰そうとしていた保身派連中への対抗の合図でもあった。

 

 

 

 7月17日

 

《堺泊地》

 

「提督、全艦隊の点呼、完了しました」

 

「よし、帰ろうか。俺たちの家にな。」

 

「桐生提督、任務お疲れ様でした!!」

 

「菊谷司令もご苦労様です。では、失礼する。」

 

俺と総勢65名の艦娘を乗せたリニアは舞鶴へ向かった。

 

 

 

《舞鶴鎮守府》

 

「提督、お疲れ様です!!」

 

「おう、出迎えご苦労。なんとか敵襲も無かったようだな。」

 

「えぇ、なんとか。」

 

「よし、直ちに戦勝会の準備だ。艦娘は準備がが整うまでは部屋でゆっくりしておきなさい。俺は大本営に連絡してくる。」

 

「はい、了解です!!」

 

慌しく準備に向かう筆頭妖精とそれぞれの部屋へと向かう艦娘たちをよそに俺は提督室へ向かう

 

 

 

《鎮守府・提督室》

 

「真那か、俺だ。」

 

『無事、舞鶴に着帰ったようね。四国奪還、お疲れ様。ほんと、上の連中はど肝抜かれていたわよ。』

 

「そうか。すぐ本部に呼ばれるだろうな。」

 

『ちょうど明後日に呼ばれるわよ。指令書は着いているはずよ。』

 

「あぁ、これだな。報告会か・・・まーた難題でもふっかけられんのかね。」

 

『多分ね。今度は日本海側でしょうね。あっちには海底資源が豊富だからね。』

 

「まったく、やっかいなところに配属されたもんだ。」

 

『そうね。まぁ、お父さんを初めとした艦娘派が上手く防いでくれるわ。』

 

「そう願っているよ。」

 

『そういえば改修が完了した鎮守府はどう?』

 

「みんな驚いていたよ。たった二週間離れていただけでこの変わり様だからな。俺も執務放って見学に行きたいよ。」

 

『それは良かったわ。こっちもがんばったかいがあったってモンよ。それじゃ、報告会で待ってるわ。』

 

「はいよ~。」

 

 

 

《食堂》

 

「それでは四国奪還、そして淡路島艦隊お帰り!!皆の健闘に乾杯!!」

 

「乾杯!!」

 

俺の言葉と共にグラスのぶつかる音が食堂に鳴り響いて宴が始まる。俺も食事を始める。

 

「提督、よろしいでしょうか?」

 

「ん、霧島か。それも金剛四姉妹揃ってどうしたんだ?」

 

「提督。改めて比叡たちを助けていただいて、ありがとうございます。妹がなにか迷惑をかけませんでしたか?」

 

「迷惑も何も、会って早々艦砲を向けられたよ。」

 

「それは!!妹が本当にすみませんでした・・・。」

 

「いやいや、彼女がいなかったら鎮守府は崩壊していたかもしれん。むしろ鎮守府を守る者の鏡だ。」

 

「そうでしたか。では今後ともよろしくお願いします。」

 

「あぁ、こちらこそ頼む。」

 

そう言い金剛姉妹は席に戻っていった。さて、食事を・・・。

 

「ねぇ司令官!!」

 

「・・・暁か、どうしたんだい?」

 

「雷たちを助けてくれてありがとう!!」

 

「あぁ、無事戻ってきてくれたもんな。しかし、恐くないのか?二度まで沈んでいるというのに・・・。手を回せば普通の生活だって送れるというのに・・・。」

 

「確かに恐くないといったら嘘になるわ。でも、あなただったら私たちを守ってくれる。そんな気がするの。」

 

「守る・・・か。わかった。全力で君たちを守ろう。だから君たちはここを守ってくれ。」

 

「えぇ、雷に任せなさい!!」

 

「了解なのです。」

 

「・・・これは良いものだ。」

 

「ちょ、響!?」

 

「こら響、はしたないわよ!!」

 

「うらや・・・ズルイ!!」

 

「あわわ、どうしようなのです・・・。」

 

膝に乗る響、それを叱る暁、本音が駄々漏れの雷、慌てる電。カオスだ・・・。

 

「いやぁ、愛されているねぇ・・・。」

 

「クマー。」

 

「ニャー。」

 

「球磨型五姉妹か。」

 

「おい、コイツはいつもこうなのか?」

 

「ん~大本営の時は見た限り、いつもこんな感じだったかな~。」

 

「それよりも北上さん、早く戻りましょうよ。」

 

「こっちもこっちでマイペースなことで・・・というより、どうにかしてくれよ・・・。」

 

「う~ん諦めた方がいいと思うよ。じゃね~、がんばって~。」

 

「あ、待って北上さぁん。」

 

「失礼する。」

 

「クマー。」

 

「ニャー。」

 

「ほら、響。飯が食べれないから降りてくれ。」

 

「・・・仕方が無い。」

 

「ほら、行くわよ!!じゃぁね、提督。」

 

「ふぅ・・・まるで嵐だな・・・。」

 

その後も改めてと助けられた艦娘たちが俺にお礼を言いに来たが毎回毎回嵐を引き起こしては去っていった。こりゃぁ、今後が大変そうだ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~第四時四国奪還作戦報告書~

 

 7月6日  舞鶴・堺連合艦隊 淡路島の奪還に成功

 

 同月8日  同艦隊 四国紀伊水道を奪取

 

 同月9日  呉艦隊 瀬戸内海を奪取 四国北部の敵棲地の孤立化に成功

 

 同月12日 連合艦隊 四国北部の完全奪取に成功 九州艦隊 豊後水道の奪取に成功

 

 同月15日 全艦隊 四国南部の敵棲地に一斉攻撃を開始

 

 同月 同日 四国南部の敵棲地を全て壊滅 四国奪取を完全成功

 

 同月16日 土佐泊地を建設 ニ艦隊を配属し四国南部の防衛にあたる

 

 同月25日 呉泊地を呉鎮守府に改名 中国地方・四国地方各泊地の管轄を任ずる




この頃、伸びるUAと来るかもしれない感想にwktkとニヤニヤが止まらないかんせつです。この話を以って一章は完結となります。え?展開が速いって?すみません、基本、蒼一視線で進めているので一章の艦隊決戦は少な目となりました。ですが二章以降では彼以外にも主点を変えていこうかと思います。では、今後ともよろしくお願いします。
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