俺、技術屋だよな?   作:かんせつ

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第三十四話 見つかった光

 10月3日

 

《鎮守府・提督室》

 

「霧島さん!!」

 

「どうしたの?」

 

私は神代一佐のおかげで作戦参加を見送れるという連絡を頂いてホッとしていたところに大淀が血相を変えて来た。

 

「鎮守府工廠区の一部にロックされた部屋が見つかりました。」

 

「何ですって!?すぐに行くわ。それと、北上にも連絡して。彼女なら何かわかるかもしれない。後、青葉にも連絡を。彼女の情報集計能力が必要だわ。」

 

「わかりました。」

 

私はすぐに報告のあった場所へ向かった。

 

《工廠区・謎の部屋前》

 

私は霧島に呼ばれて工廠区の一角に。私が呼ばれた理由は大体わかる。提督が沈んだ日、私は知っていること全てをみんなに話した。提督がどれだけ影で動いていたか、彼と私たちの関係、彼の胸中に隠されていたことを。みんなはなぜか納得していた。特に響については異様に冷静だった。鎮守府一番の提督っ子だったというのに話を聞いた後は淡々と私の言葉をまとめていった。彼女自身提督と接していくうちに違和感を覚えていたらしい。そう思い返していたら目的地に着いた。

 

「ここがその隠し部屋?」

 

「えぇ、それでパスがわからないの。」

 

「フム・・・。」

 

そういうと私は浮かんだパスを打ち込んでいく。

 

カシャン・・・

 

「え?」

 

「あれま、一発か。まぁ、提督らしいと言えばそうなのかな?多分、提督の身に何かあった時に私に開けさせるつもりだったんだろうね。」

 

「何を打ち込んだの?」

 

「家族。提督はよく私たちを家族だと言っていたから。」

 

「そう・・・。」

 

俺は北上によって開いたドアを通り部屋へ入る。

 

「ここが提督の秘密の部屋か・・・。いたって予想通り機械ばかりか・・・。」

 

「霧島さん、ここ!!」

 

「青葉?・・・これは!!」

 

「KS計画の資料だ。やはり紙で残していたね。データ化すると盗まれたかすらわからない。だけど紙にまとめてしまえばすぐにわかる。これでサルベージ自体ができるようになる・・・けど肝心の提督の魂が宿った媒体が無い・・・。肝心の艤装は自爆寸前に解除されているから最期まで提督と繋がっていないから魂は宿っていないだろうね。本当の媒体を見つけないと・・・。」

 

「それが問題ね・・・すぐにでもイムヤたち潜水艦隊を捜索に出しましょう。」

 

霧島はすぐに連絡をつける。

 

「もう夕暮れですので明日にしてはいかがでしょうか?」

 

「確かに夜はさらに日の通しが悪くなるわね。明日にしましょうか。」

 

私たちはその後鎮守府の頭脳を集めてサルベージの資料を夜通しで解析して明日に備えた。

 

 翌日

 

《鎮守府・正面海域》

 

私は今哨戒任務に就いている。現在足元では潜水艦たちが提督の魂の媒体になってそうなものを探している。私たちは潜水艦たちの護衛兼防衛線構築だ。ただでさえ提督がいないのに加えて先の戦いでの傷が癒えてない。そんなときに襲撃されようものなら今度こそ舞鶴は崩壊する。だからできるだけ最悪な事態に備えられるように防衛線を拡大したのだ。

 

『こちら鎮守府、第四要撃部隊応答願います。』

 

「高雄です。どうしました?」

 

『潜水艦隊からの最終報告で媒体の発見ならずとのこと。終了予定時刻を確認したため、本日の捜索を終了します。第四要撃部隊は直ちに鎮守府に帰還されたし。』

 

「了解。直ちに帰投します。みんな、戻るわよ。」

 

「了解。」

 

私たちは指示通り鎮守府への帰路についた。

 

「ん・・・?」

 

帰っている途中、海面に何かが浮いていた。日の光を反射していたので気づけた。私は少し気になってその何かを確かめに行った。

 

「・・・これって!?」

 

私はその場所へ行って驚愕した。浮いていたものはとても見覚えがあった。

 

「これは・・・提督がいつも欠かさずかけていたペンダント・・・だよね?」

 

私はそのペンダントを拾い確認する。所々焦げているような感じだった。まさに爆発を受けたような・・・。そして持ってみると気のせいか温かいものを感じた。まさか・・・これは!!

 

「っ!!こちら北上、鎮守府、直ちに応答願います!!」

 

『こちら鎮守府、どうされました?』

 

「提督の魂の媒体らしきものを発見!!」

 

『!?わかりました。どういったものですか?」

 

「提督が肌身離さずかけていたペンダントです。」

 

『了解。霧島さんにも連絡を入れます。北上さんはそれを失わずに鎮守府へ持ち帰ってください。』

 

その言葉で通信は切れる。

 

「北上さん、提督のペンダントって?」

 

「これだよ。少し焦げているけどね。」

 

「確かに、見覚えがあるな。提督が唯一最期まで身に着けていたものだとすれば・・・。」

 

「うん、媒体の可能性があるかもしれない。すぐに鎮守府に戻ろう!!」

 

私はペンダントを首にかけ、最高速で鎮守府へ帰った。

 

《港》

 

「北上!!」

 

「あ、霧島。」

 

私たちが港に着いた時には大勢の艦娘が集まっていた。それだけ提督の物が見つかったのは大きいのだろう。

 

「それで、提督のペンダントは?」

 

「ここにあるよ。」

 

私はかけていたペンダントを霧島に渡す。

 

「確かに、提督の物ね・・・すぐに工廠に行きましょう。」

 

霧島の言葉で全員が工廠へ向かう。

 

《工廠》

 

「サルベージの準備は?」

 

「すでに準備終了。いつでも稼動可能です。」

 

「わかったわ。一応サルベージ方法を確認しましょう。」

 

私と霧島、大淀、青葉の情報解析組がサルベージの資料を見返す。

 

「これと言って不足しているものは無さそうね。」

 

「ペンダントが媒体になっているかどうかは実際にやてみないとわからないですが・・・。」

 

「そうね、それはともかくやってみないとわからないというのは変わらないわ。」

 

「霧島さん・・・ここ。」

 

大淀が指したところには驚愕の事実が記載されていた。

 

『現段階では確認されていないがサルベージによって深海棲艦を生み出してしまう可能性がある。理由として艦娘と深海棲艦には共通点がある。それは彼女らを構成している核だ。現在ではその核は軍艦の魂であると考えている。艦娘は当時の軍艦の魂が日本を守るため、再び戦うと決意した魂が核となっていると思われる。だが逆に敵である深海棲艦の魂は沈んだ時に発生した怨念よって怨霊化した魂が核となっている可能性がある。どの艦が敵に回っているかは不明だ。もしかしたら一つの船の魂が敵味方に分裂しているかもしれない。現に艦娘内では同じ名前の個体が存在し、敵には艦娘のように無数の種類はいないが逆に同型の個体が多く存在している。そして俺の推測が当たっているとすれば艦娘になり、もう一度沈んでしまった場合、怨念によって轟沈艦が深海棲艦になってしまう可能性も否めない。しからば推測結果からサルベージ対象の艦の魂が怨念化してい場合深海棲艦を生み出してしまう可能性があると結論付ける。』

 

私たちはその推論を見てゾッとした。考えてみればこうして全員が存在していること自体が奇跡だったのかもしれない。サルベージに失敗すれば深海棲艦を生み出してしまうかもしれないのだ。

 

「確か提督は・・・再起時に深海棲艦と同じ反応を出していましたね・・・自爆直前にも・・・。これは・・・。」

 

「そうね・・・私たちですら歯が立たなかった相手をギリギリまで追い詰めた。さらにハンデさえなければ自爆すら無しで倒せたかもしれない。それが深海棲艦化が最高の状態だとして、自爆時に深海棲艦化していた場合、サルベージしたら深海棲艦としてサルベージされるかもしれない・・・。危険にもほどがある賭けになるわね・・・。」

 

「はい・・・これは厳しいですね。もし提督が自我を呑まれていた場合は・・・。」

 

考察をしていくうちに工廠内が暗い雰囲気になってしまう。私は静かにその雰囲気を耐えていた。

 

「少し・・・考え直した方が良いかもしれないわね・・・。」

 

だが・・・霧島の答えに私の大事な何かが切れた気がした・・・。




え?見つかるの早くないかって?気のせいだ。
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