6月25日
《舞鶴鎮守府》
「艦隊、帰港しました!!」
「被害状況は!?」
「暁・響・吹雪・北上が小破、古鷹が中破。大破艦はありません。」
「わかりました。同四艦はすぐにドックへ、他ニ艦は補給を。」
「了解しました。」
私・霧島は傍らにいる無線士の大淀に指示を飛ばす。これで偵察隊の帰港が完了した。しかし偵察だけで被害がこれだけとは大きすぎる。ただでさえ物資の消費が激しいというのに・・・。しかし人間に泣き付く事だけは嫌だ。それはみんな理解してくれている。しかし・・・。
「大本営より入電。7月1日に提督を派遣してくるそうです。」
「またか・・・いつも通り、追い払うだけよ。」
「了解です。」
「霧島~お疲れ様ぁ。」
「あ、扶桑さん。無事修復完了してんですね。よかったぁ。」
「それで、状況は?」
「偵察隊が半壊状態で帰還しました。」
「状況は厳しいわね。どうしましょうか?」
「物資も厳しいですし・・・。」
「限界、なのかしら・・・。」
「いえ、まだ大丈夫です!!今諦めたら・・・お姉様たちの無念が・・・。」
「そうね・・・沈んでいったみんなが浮かばれないわね・・・。」
そう・・・全てはあの提督が悪いのだ。さらにここの大部隊を犠牲にしてでも不可能だった四国奪還まで命令されている。・・・なんで人間は私たちを裏切るの?
7月1日
《東舞鶴駅》
「んあぁ・・・やっと着いたな。さってと、鎮守府は・・・。」
大本営のある東京から路線を四つも使って舞鶴市に辿り着いた。しかし自分にとっては見知らぬ土地であるのでここからは歩きとなる。余談だが、俺の大本営で使っていた研究機材は無事着任できたら送ってもらえる手筈となっている
《舞鶴鎮守府・正門》
「しっかし着いたのはいいものの・・・。」
俺は舞鶴鎮守府に着いてすぐに俺は驚愕の事実を突きつけられた。それは鎮守府の損傷が酷すぎたのだ。応急措置が丸見えのところばかりで今にも崩壊しそうな感じだったのだ。辛うじて送られてくる戦況報告からここに
「さってと・・・どうやて入ろうかね・・・。」
《舞鶴鎮守府・司令部》
「正面カメラに人影を発見。大本営から通達があった提督のようです。」
「そう、来たのね・・・追い払って。」
「はい・・・。」
《舞鶴鎮守府・正門》
「っと言うわけで帰って。」
「いや、帰れと言われてもねぇ・・・。」
俺は鎮守府内に入ろうとした瞬間現れた二人組の女の子に鎮守府へ入ることを拒まれている。ご丁寧に兵装まで展開してだ。艦種は駆逐艦、名前は暁と響だったっけ。さて、どうしようか・・・。
「・・・帰って。」
恐い。暁は年相応のような溌剌とした態度でいるがこの響って子はわからない。よくわからないから恐いのだ。さて、俺が取るべき行動はっと・・・、
「ま、ここの指揮官に会うまでは帰らんよ。こっちも命令受けてるんでね。」
「え、ちょ!?」
俺はそう言い地面に座り胡坐をかく。
「ま、つー訳でここで待たせてもらうな。」
「ちょっと、どうする!?」
「・・・一応、報告しよう。」
「え・・・えぇ、そうね。」
そう言うや二人の少女は鎮守府の中へ入っていった。それにしても、正面に隠しカメラか・・・。ご大層なことで・・・。
《鎮守府・司令部》
私には目の前の光景が信じられなかった。大抵の人間はただ弾も何も入ってない見せかけの武器を見せるだけで帰っていった。でも、目の前に映っている男はまったく違った。まったく動じず、逆にこちらを見ているような・・・挑戦的な、そんな感じだった。
「いいわ、私自身が追い払ってあげる。」
私はそう言い残して男の元へ向かった。
《鎮守府・正門》
「さて、どうでるかな・・・いや出てきてもらえると助かるんだけどね。ま、最悪日を改めて・・・とはいかないですみそうだ。」
どうやら動いてくれたらしいようで目の前に別の人物が立っていた。
「戦艦・霧島か。」
「えぇ、よろしく。そしてさようなら。」
そして背中に隠さず堂々と背負っている35.6センチ連装砲を突きつけられる。だが・・・、
「どうした、撃たないのか?」
「あなた死ぬ気?」
「まぁ、
「なっ!?」
「ま、俺は元は指揮官じゃねぇ、ただの技術屋だ。でも、大本営じゃ技術屋のアタマ張ってたからな。砲に弾が入っているかなんて一目でわかるよ。」
「くっ・・・。」
「それで、どうするんだい?」
「何で・・・技術屋がこんなところにいるのよ。」
「何でって、そりゃぁ上から提督になれって言われたからよ、一応命令には従わないといけないんでね。それにある計画をここで実行しないといけないからな。」
「何、その計画って。」
「ん?そうだな。まずはここを通してもらわないと話に「霧島、大変よ!!」・・・緊急事態か?」
霧島と駆け引きをしていると鎮守府からまた別の女性が出て来た。あれは扶桑か?血相を変えてまで来たのだ。何かあったのだろう。
「扶桑さん、慌ててどうしたんですか?」
「敵の艦隊が接近中なのよ!!」
「何ですって!?すぐに戦闘配置に「ヴァア!!」んなっ!?すでに鎮守府に到達しているというの!?」
横から奇声が聞こえたのでその方向を振り向くとそこにはまさに異形と呼べる生物がいた。あれが深海棲艦か。艦種は駆逐艦のようだが、資料で見たがやはり物は実際に見てみないとな。
「霧島、すぐに戦闘開キャァァ!?」
「ちっ・・・攻撃開始か!!」
俺たちの目の前にいた一体の深海棲艦は攻撃を開始、最初の目標は扶桑だった。
「何ボサっとしているの!?あなたは早く逃げなさい!!」
「ん~とは言われても敵さんは逃がしてくれなさそうだけどね。」
俺の言葉を裏付けるように深海棲艦は次にこちらへ砲を向けていたのだ。しかしまだ装弾中なのかこちらへの砲撃は来ない。
「ちっ・・・これでも、!?しまった、装弾してなかった!!」
霧島が俺の前へ出るも、元々彼女がここに来たのは俺への威嚇のためで戦闘ではない。よって彼女の兵装には弾が入っておらず、砲はむなしい音を発するだけだった。さってと・・・。
「っ!!」
ドウン!!
「え・・・?」
「グ、ギャァァ!?」
俺はすぐさま腰の拳銃を抜き、発砲。弾は見事に敵の装甲を貫通し内側からダメージを与えた。
「なんで人間が深海棲艦を・・・?」
「今は説明している余裕はねぇよ。」
そう言いつつも余裕を持って的確に会敵数秒で予測できた敵装甲の薄い部分を的確に撃ち抜いていく。
「ガ・・・ギュルアァァ!!」
悲鳴のような断末魔を残して深海棲艦は内部からの爆発でその体を四散させた。周りを見渡すが、接近を許したのは一体だけのようだった。
「さて、これで終わりか。試作型だが結構いけるようだな。」
「・・・どういうことなのか
「わかった。ついでにここにいる艦娘全員を集めてもらえると助かるな。」
「・・・善処するわ。」
《鎮守府・食堂》
俺は話をするために鎮守府の食堂であろう場所に案内された。霧島はどこかかへと去っていき案内は扶桑にしてもらった。移動中は終始会話は無かった。そして今は食堂にいるのだがボチボチ集まってくる艦娘たちからの視線には恨み、怒りといった負の感情があったような気がした。さて、どうしようか・・・。
「
何か意味ありげに霧島が訴えるように全員が揃ったことを教えてくれた。
「んと、どこから話そうかね・・・。」
「まずは駆逐艦とはいえ、どうしてあなたが深海棲艦を撃破できたのかを説明してもらいましょうか。」
「えぇ!?」
霧島の言葉に食堂全体が驚きの感情に包まれる。まぁ当然だろう。何せ現在唯一深海棲艦を倒せるは彼女たち艦娘だけのはずだから。
「んと、まずは俺が使った拳銃だな。コイツは上から支給されたものを自分でカスタマイズしたものだ。改造内容は弾の初速を最大限に上げている。それで一番の要因は装填した弾だな。」
俺はそう言いながらホルスターから予備弾倉を取り出し中から一つの弾を取り出す。
「コイツもちょいと改造した代物だ。俺は一式貫通弾って呼んでる。弾に溝を作ることで摩擦熱を発生させて装甲を焼き貫くって感じだ。」
「一応技術屋としての腕はあるようね。でも、あなたを提督として認めるわけにはいかないわ。」
「なら逆に聞こうか。君たちの求める提督とは何だい?」
「指揮能力があって・・・私たちをちゃんと見てくれる人よ。」
「ちゃんと見てくれている人ねぇ・・・。それで俺はこれからどうすればいいんだ?」
「そうね・・・
「いいのか?」
「不幸にもあなたに助けられたからね。借りは作りたくないの。」
「なるほどねぇ・・・。ま、これからよろしく頼むよ。」
俺は手を伸ばし握手を求めたのだが霧島がその手を握ることは無かった。
「それじゃ、早速働いてもらいましょうか?」
「お、おう・・・。」
そう言われて俺は霧島の案内の下、早速仕事場へ向かうことになった。
霧島のキャラ崩壊、申し訳ありません。