12月19日
「提督、全員揃いました。」
「ありがとう。ではこれより発動する反抗作戦の概要を説明する。」
蒼一の言葉でブリーフィングルームに少なくない声が漏れる。集合をかけた理由は作戦会議だった。だが漏れた声は集合理由が正反対だったことに対する驚嘆の声ではなく、待ちに待った反抗作戦開始という言葉への歓喜の声だった。
「作戦目標は北方の西波・北平の二つの棲地奪還だ。投入戦力は舞鶴のみ。よって舞鶴鎮守府の防衛戦力以外の戦力をすべて投入する!!」
「なっ!?」
「確かに驚くだろう。だが、投入可能戦力が舞鶴のみである以上、出し惜しみはできない。それに鎮守府とて数時間は持つから大丈夫だ。」
「決行日は?」
「明後日、1000だ。時間はあるからそれまでに艤装等の調整は怠らないように。以上解散。」
蒼一の言葉で艦娘たちは部屋から出て行く。準備を整えに行く者、本日の任務に向かう者、作戦に向けての訓練に行く者。それぞれ目標を決めて作戦のために動き出す。
「さて、俺も準備をするか。」
蒼一も過去の情報から有力な情報を探すために提督室に戻る。
そして時間は過ぎ、勝負の時が来る。
「それでは提督、お気をつけて。」
「そっちもな。鎮守府のことを頼むぞ。」
現在舞鶴艦隊の準備が整い艦娘たちは既に神威へ乗船し、後は防衛組の妖精たちと最終確認を行っている。
「お任せください。」
「じゃぁ行ってくる。」
俺も神威に乗り、
『対潜ソナーに反応なし。』
『同じく対空レーダーに反応なし。現在敵偵察機確認してません。』
出航後のCICは慌しくナビ妖精たちが各種レーダーを確認して不意の事態に備えていた。
『第一機動部隊旗艦の赤城です。CIC、応答願います。』
『こちらCIC。どうしました?』
『定時報告です。艦載機からの報告では現在異常はありません。』
『お疲れ様です。引き続きよろしくお願いします。』
神威のレーダーだけでなく、空母勢の艦載機も併用して念には念を重ねている。
『提督、間もなく戦闘海域に突入します。』
「わかった。艦娘に艦尾カタパルトへの召集を。俺も向かう。」
『了解。』
ナビ妖精に指示を出して俺もカタパルトへ向かった。
「提督、全員揃いました。」
「わかった。これより作戦行動に入る。予定通り先遣隊は俺たち海上強襲部隊が受け持つ。機動部隊は海域周辺の警戒、水雷船隊は機動部隊の護衛。主力艦隊と要撃部隊は俺たちの後に続いて棲地への直接攻撃だ。全員、己が役目を果たし、必ず帰って来い!!」
「はい!!」
「では出撃だ。」
俺を先頭に大和・武蔵・秋月・照月・初月が続いてカタパルトに立つ。
「海上強襲部隊旗艦桐生、参る!!」
俺の号令でカタパルトから俺たち六人は神威から出撃、そのまま神威の艦種を護るように進む。そして後ろで次々と艦隊が出撃してそれぞれの配置に向かう。
『提督、全艦隊の出撃および配置、完了しました。』
「よし、海上強襲部隊全員に告ぐ。これより最大戦速で棲地に突入する。各自警戒を怠るな!!」
「了解!!」
俺たちは暗雲が立ち込める海域に突入した。今のところ機動部隊の艦載機からの報告では敵棲地に目立った動きはなしとのこと。そろそろ敵の偵察機に見つかる頃合だろう。
ヴァンヴァンヴァン
色々と考えている間に敵の防衛ラインの近くまで進んでいたようで電探に反応が出て、最大望遠で敵の影が見える。
「っと、全員戦闘用意。これより敵防衛線を強行突破。第一機動部隊は偵察から対艦攻撃へ切り替えろ。」
『了解。』
「俺たちはあくまでも道を作る役だ。極力戦闘は避けて前に進むことを第一に。敵は要撃部隊が仕留めてくれる。では、突貫!!」
蒼一の号令で彼を先頭に六人は敵陣へと突入する。こちらに気づいた敵艦が接近してこちらへ砲撃を仕掛けてくる。だが蒼一たちの目的は敵防衛線の突破と敵本陣への直接攻撃であり、些細な砲撃には目もくれず奥へと侵攻していく。そして蒼一たちに目を奪われている隙を後から続く主力艦隊や機動部隊の艦載機からの攻撃で成す術もなく撃破されていった。
「流石は桐生の艦隊と言ったところか。練度が凄まじく高い。」
蒼一の隣で武蔵が後ろの光景を見て感嘆の声を漏らす。普通だと敵陣の奥に進むにつれて攻撃は増すはずなのだが、今の状況は進んでも一向に反撃の激しさが増す気配が見えないのだ。
「そろそろ敵本陣だ。さて、よーやく出番だ。」
「ずいぶんと楽しそうですね。」
「まぁな。いつも思うが俺も戦うことができると思うと嬉しくてな。」
「大本営にいたときは何時も言ってましたからね。」
「さぁて、参る!!」
俺は勢いよく敵本陣に展開している敵艦めがけて速度を上げて突っ込む。後の五人も同じように続く。
「主砲旋回、照準定め・・・撃てー!!」
腹に響くような砲撃音と衝撃波が発生する。そして数秒後に目の前にいた数隻の敵艦が爆発する。主副合わせて16門から放たれた砲弾が着弾したのだ。外れた砲弾は盛大に水しぶきを上げて海に沈む。その激しさを見てか、残っている敵艦が俺目掛けて砲を向ける。だが唐突に残った敵も反撃すらできずに次々と爆散していった。
「戦艦は提督だけではないですよ?」
「ふっ・・・私もいるぞ!!」
敵を撃破したの大和と武蔵は俺の左右に並ぶ。それに呼応するよう奥から絶えず敵艦が姿を現す。
「さて桐生よ、どうする?」
「無論、撃破する。」
「では、参りましょう。」
「主副16門構え!!」
「全主砲、なぎ払え!!」
「遠慮はしない。撃てぇ!!」
重なった三人の声と同時に先ほどとは比べようがないほどの膨大な轟音と衝撃波があたりを覆った。後ろに控えていた秋月・照月・初月は衝撃波とそれの余波で発生した波を見て、改めて目の前にいる三人が出鱈目だと思った。
「アナタタチハ・・・モウ、カエレナイ!!」
「ヴァァァ!!」
突入して数分後、後続の主力部隊と連携してあらかた目に映る敵艦を撃破したところでようやく姫級のお出ましだった。
「ようやくお出ましのようだな。さて、どうする?」
「第一主力部隊は軽巡棲姫の相手を、第二主力部隊及び第一機動部隊は敵残存艦の撃破。重巡棲姫は俺たちで撃破する。以上、行動開始!!」
蒼一の号令で各艦隊が告げられたとおりの役目を果たすために動く。どうやら重巡棲姫を護衛しているのは水雷戦隊が数隊と戦艦級が十隻といったところか。
「シズンデシマエ!!」
俺たちも重巡棲姫に撃破のため接近したのに気づいたのか、重巡棲姫は先制攻撃とばかりに周囲の敵艦と同時に魚雷を発射してきた。
「提督、ここは私たちが!!」
やっと出番とばかりに秋月たちが俺たち戦艦の前に踊り出て、主砲を発射し、迫り来る最低限の魚雷を爆破することで防いだ。
「ヤッテシマエッ!!」
魚雷攻撃が防がれたことに怒りを覚えたのか、重巡棲姫は周囲の敵艦に指示をするような仕草をすると、敵艦はこちらへ向かってくる。どうやら重巡棲姫は突撃を命じたようだ。でもまぁ、こちらからすればいい的だ。
「噴進弾装填開始、完了。発射ァ!!」
シュン、という小さな音がした瞬間、蒼一の艤装から白い煙と共に無数の噴進弾が飛び立った。そして数秒後、接近してきた敵艦に衝突し、派手な爆発を起こして敵艦を次々と沈めていった。
「ヴァァァ!!」
仲間を一瞬で沈められたことに怒りを覚えたのか、重巡棲姫は俺が撃ち漏らした僅かな艦と特攻を仕掛けて来た。
「そう感情を剥き出しにされると撃つのを躊躇っちまいそうだ。だが敵である以上、仕方あるまい。」
俺はそう言って装填済みの砲を向け、発射する。発射された砲弾は重巡棲姫に吸い込まれるように飛んで着弾、そして近くにいた艦も巻き込んで大爆発を引き起こした。
「撃破、完了だな。」
煙が晴れたところに敵の姿が無いことを確認して俺は神威との連絡をとる。
「神威、ほかの艦隊の様子はどうなっている?」
『水雷戦隊及び機動部隊の全艦娘に被害は無し。第一主力艦隊は依然軽巡棲姫と交戦中。被害状況は金剛・比叡が小破、他の負傷艦は無し。第二主力艦隊、要撃部隊全艦も継続して敵残存艦の掃討中。中破以上の艦はいません。っと、報告です。第一主力艦隊、軽巡棲姫を撃破したとのこと。』
「わかった。全艦隊に通達。これより作戦を第二段階へ移行する。北平島への直接攻撃を開始する!!」
『はい!!』
少し流れが良すぎる気もするが俺はそのまま北平島へと進路を向けた。
皆さんお久しぶりです。まさかバイトが忙しくて一ヶ月も投稿が遅れるとは思っていなかった、かんせつです。
・・・今更ですがここって何を書けばいいんでしょうね?