7月4日
《ブリーフィングルーム》
「みなさん、久しぶりデスネー。」
「えぇと無事、サルベージが成功。戦艦金剛が鎮守府に復帰してくれることになった。これより四国奪還作戦を開始する!!」
「しかし、現在の戦力の倍以上を以ってしても無理だった奪還作戦など無理です。今は戦力増強を重視するべきです。」
「確かに、過去の奪還作戦に参加した艦数は現在の約二倍だ。だが、指揮系統は十分だったか?」
「確かに前提督の指揮には問題はありました。ですがいくら十分な指揮があったとしても鎮守府の防衛にも戦力を割かないといけません。」
「確かに鎮守府の防衛も大事だ。だが、今回の作戦には全ての艦を以ってあたるとする。」
「いくらなんでも無謀すぎます!!」
「鎮守府防衛については大丈夫だ。これを見てくれ。」
俺の合図と共に部屋前面に設置されたスクリーンには今も改修作業中の鎮守府沿岸の様子が映し出される。だがその映像には昨日までの鎮守府の面影は無かった。
「えぇとこれは?」
「大規模改修中のウチの様子だ。ここをよく見てくれ。」
俺は指揮棒で半分ほど設置されているものを指す。
「鎮守府正面に21式単装砲合計200門。最大射程は仰角45度で約30km。零距離射撃でも3kmは届く。牽制には使えるはずだ。そして対艦誘導弾発射機装甲型30基合計120門、対空誘導弾発射機装甲型30基合計120門、20mm連装機銃100基合計200門、迎撃機80機。通常では砲台や発射機は建物に偽装してある。これらが現状、ウチの君たちを除いた鎮守府の防衛戦力となる。」
「いくらなんでもあの大本営がこれだけの兵装を寄越すなんて・・・。」
「それについては実験という名目で俺が持ってこさせた。」
「はぁ!?」
「いやぁ、これでも提督兼大本営技研の最高顧問だからな。所謂、職権濫用か?実験中の防衛兵装全部持ってきた。」
俺はドヤ顔でサムズアップする。それに艦娘たちは呆れた反応をする。ちょっと・・・ショックだな。俺、がんばったのに・・・。
「よく上が許可したね・・・。」
「まぁ、舞鶴は日本海側の最大拠点だし、このぐらいしてもらわないとな。それで、防衛について
「なるほど。確かにこれだけの防備があれば少しは持ちこたえれる。ですが反攻戦力はどれくらいなのですか?まさか私たちだけって言うのは・・・。」
「いや、流石にそれは無い。一応ウチの管轄である呉と堺の二つの泊地に加えて佐世保管轄の中津にも協力してもらうつもりだ。艦隊についてはウチは再編成後の全五艦隊。呉と堺も全艦隊、中津からは二艦隊を出してもらう予定だ。三方からの一斉反攻作戦を執る。」
「はい!!」
「まずは淡路島奪還だ。そこを前線基地として再使用する。舞鶴に防衛兵装が完全配備され次第、堺へと向かう。予定では明日1000に移動開始だ。以上、解散!!」
《提督室》
俺は建造妖精から防衛兵装が全て配備された報告を聞いていた。その時だった。不意に俺の携帯が鳴り始めた。俺は妖精たちを退出させ携帯を取る。
「真那か。どうした?」
『例のやつが建造を開始したわ。竣工次第、試験航行をした後、そっちに海路で送る予定よ。」
「わかった。いやぁ、実験という名目はいいねぇ。どんどん戦力が整っていくよ。」
『もう防衛兵装の配備は終わった?』
「あぁ。無事、全ての兵装の配備が終了したのを確認したところだ。そして四国奪還作戦開始だ。」
『着任早々大規模作戦ね・・・。一応バックアップは用意しておくわ。後、そっちの艦隊の指揮は任せる。』
「あぁ、やっと守れるんだ。彼女たちを、俺の手で・・・。」
『そういやアンタが戦術部じゃなくて技研を選んだのもそれが理由だったわね。そしてその集大成がアレだものね。艦娘母艦神威ね・・・。あれは大したモノよ。』
「まぁ、俺の・・・技研の技術の結晶とも言えるからな。確か、竣工には一ヶ月ほどかかるんだったな。」
『えぇ。いくら建造妖精と言えど、精密機器はお門違いだからね。そいじゃ、話はこれくらいよ。じゃぁ、戦果を待ってるわ。』
――――――――――――
7月5日
「提督、全員の点呼完了しました。」
「よし、鎮守府の指揮は一応俺だが、各自状況によって柔軟に判断して動いてくれ。バックアップはまた大本営に頼んである。よし、出発だ。」
「はい!!」
《堺泊地・リニア駅》
「桐生提督、連日ご苦労様です。」
「お出迎えご苦労様です。では、すぐに司令部に入ります。」
「わかりました、こちらです。」
俺と艦娘たちは菊谷司令官に案内されてここの司令部へと向かった。
《堺泊地・司令部》
「まずは現状報告を。」
「はい。現在淡路島付近に敵棲地を複数確認。数は淡路島北方に4、南方に4。淡路島本土には棲地らしきものは確認できていません。それに各棲地に姫・鬼級は確認していません。」
「この数は同時に叩かなければならんな。しかし、動かせるのはウチと堺のみ・・・。四国本土の状態は?」
「淡路島を越えようとすると敵の対空砲火でほとんどの偵察機が打ち落とされているのでウチでは無理です。ですが呉の方が成功したとの事。ですが・・・。」
「情報は多いほうがいい。報告を。」
「では・・・これを見てください。」
「!?これは・・・。」
「四国本土周辺全ての海域に敵艦隊が展開されています。」
「これまで見てきた中では最大の棲地と化しているな・・・。」
「はい・・・どうやらそのようですね。」
「まずは淡路を奪還しないとこちらの戦力は使えないしな・・・。よし、明日一気に敵棲地を攻撃する。舞鶴・堺の全戦力を以って叩く。堺の戦力は?」
「ウチは16隻が着任しています。」
「16か・・・ウチは五隻の五艦隊25隻。よし、これで敵棲地を叩く!!艦隊編成は堺の艦隊を臨時にウチの艦隊に編入、全艦隊の再編成を行う。六隻一艦隊と五隻の七艦隊、計八艦隊を編成。第七・第八艦隊は補給隊として運用、間髪いれずに敵棲地を叩く!!決行は明日1000とする。今日は明日に向けて十分に休憩を取ってくれ。編成は夕食後発表する。以上、解散だ。」
「はい!!」
淡路さえ奪還できれば今も海底に沈んでいる子たちを呼び戻せるかもしれない。そうなれば鎮守府のほうも安心できる。全ては運次第ということか・・・。
7月6日
《鎮守府・司令部》
「これより淡路奪還作戦を開始する。先遣隊として第五、第六艦隊。続いて主力第一から第四艦隊が各方面に追従する。補給隊の第七・第八艦隊は待機。よし、第五艦隊から出撃開始!!」
『了解。第五艦隊旗艦利根、出陣!!』
『第五艦隊の出撃を確認。続いて第六艦隊は出撃を開始してください』
『了解。第六艦隊旗艦北上、出撃!!』
『全先遣隊の出撃を確認。』
「わかった。先遣隊は近海への警戒を怠るな!!」
『了解!!』
「続けて主力艦隊、出撃開始!!」
『第一艦隊旗艦霧島、出撃よ!!』
『第二艦隊旗艦扶桑、出撃いたします!!』
『第三艦隊旗艦飛龍、抜錨!!』
『第四艦隊旗艦伊勢、出撃します!!』
『全主力艦隊の出撃を確認。これより作戦行動に入ります。指示を!!』
「よし、全艦隊に通達。これより作戦通り敵棲地への攻撃を開始する。第一・第二艦隊は第五艦隊を先遣隊として淡路島を迂回し、北方の敵棲地を叩け!!第三・第四艦隊は第六艦隊を先遣隊として南方の敵棲地を攻撃せよ!!」
『了解!!』
『北方艦隊より報告!!敵棲地二つを攻略とのこと!!』
「よし、直ちに補給隊第七艦隊を向かわせろ!!」
『続いて南方艦隊から報告。こちらも敵棲地を二つ攻略の模様!!』
「第八艦隊を向かわせろ。それから陸地奪取部隊に通達。これより強襲船舶での淡路島占拠を図れ!!」
『了解。これより船舶で淡路島に接近します!!』
「賽は投げられた。後は結果を待つのみだ・・・。」
『北方艦隊より入電!!北方の敵棲地全て攻略とのこと!!』
『南方艦隊からも入電!!南方の全敵棲地攻略完了とのこと!!』
『陸地奪取部隊より報告!!淡路島の完全奪取を確認!!』
「よし!!出撃中の艦隊に通達。すぐに最寄の陸地から淡路島へ上陸し合流後、防衛線を張れ!!それから建設部隊に通達。直ちに明石海峡大橋の復旧作業に入れ!!陸地奪取部隊は直ちに仮設拠点を建てろ!!」
『了解!!』
「本時刻1509を以って淡路島奪還を宣言する!!」
『よっしゃー!!』
『やったぁ!!』
俺の声に反応し、無線を通して皆の喜びの声が聞こえる。
「よし、俺もすぐさま淡路に渡る。これより堺泊地の指揮を堺泊地司令菊谷に委任、第七・第八艦隊は堺泊地へ帰投後休息を取り、泊地の防衛にあたれ!!」
『了解。』
「では、堺を任せます。」
「わかりました。桐生提督もお気をつけて。」
菊谷の敬礼に俺も敬礼で応える。
『桐生提督、移動の準備、整いました!!』
「よし、すぐに向かう!!」
《淡路島仮設拠点》
「提督、お疲れ様です!!」
「霧島、みんなお疲れ様!!よくがんばってくれた。」
「ありがとうございます!!」
「淡路島に変化は?」
「第三次奪還作戦時の拠点付近がほとんど海没しています。」
「そうか・・・四国との距離は?」
「およそ10キロほどに開いています。しかし敵艦隊が展開されており近づくことは困難かと・・・。」
「それについては一案がある。今はここの防衛を最優先とする。」
「はい!!」
『建設部隊より報告。明石海峡大橋の復旧完了との事!!』
「わかった。全員休息及び夕食を取ってくれ。次の集合は2000だ。」
「了解!!」
『そう、無事淡路を奪還したのね。』
「あぁ、みんなのおかげだ。」
『それにしても一ヶ月かかった淡路奪取を一日でこなすとは、流石は裏作戦部長ね。』
「一々それを出すな。それよりも予想以上に四国本土の防衛網が固そうだ。宮崎の日南泊地にも応援要請を出そうと思っている。」
『かなり大戦力・・・それが当然でしょうね。各鎮守府・泊地の連携。なぜ前までの提督たちはしなかったんだろうね。』
「手柄を焦る故にか・・・自国防衛の意識が薄いからだろうな。」
『まったくもってその通りよ。西都には私が佐世保を通じて指示しておくわ。後の指揮権はアンタに委任するようにしておくから。』
「了解した。」
俺は携帯を閉じて一息ついて呟く。
「さて・・・これからが本番だ!!」
奪還が早いのには突っ込まないでください。 (m。_。)m お願いします・・・。