三代目が死んで、三週間ほどしたある日、放浪の旅に出ていた綱手姫、綱手が帰ってくる知らせが私の元に届いた。
あと三日ほどで木ノ葉に戻ってくるらしい。
「……千手の者に見せるのはあまりよく思わないが、俺はあまりチャクラに詳しくない。プロフェッショナルなんだろ?綱手とやらは?」
変わったことと言えば、サスケが高熱を出して倒れているということだ。
呪印を受けたことによって、サスケの体内の力のバランスが崩されてしまった。
サスケは事故で体が壊れてしまったが、赫映様のおかげて五体満足かつ健康体だった。
体をすげ替えたのだ。
大蛇丸のあの、体を移すやつみたいに。
大蛇丸みたいに支障がでないように赫映様が適切な割合で、すげ替えた体を“サスケの体”として馴染むように特別な力を加えてくださっていたが、それを崩されてしまった。
「えぇですが、大丈夫でしょうか?ほぼ人間の物に変わってるとはいえ、人間じゃない細胞か全体の三分の1……解剖なんて……。」
「そのときは、俺が助けに行く。何か言われたら宗教的儀式だ。とでもいえ。」
「わかりました。」
サスケに関しては、赫映様の通力を使えないため、完全に医学に頼るしかないのだが、今いる医療忍者じゃ、複雑すぎてダメだった。
私の信仰力を使った治療も影響は小さいものの反応が出てしまうのでできないし、焼け付きの医療技術の私じゃかえって危ないのでやめた。
「サスケ、なにか食べたいものある?」
「特にない。」
「じゃぁ、りんご下ろして貰ってくるね。」
サスケは体調悪いって言ってほとんどなにも食べない。
無理矢理いれなければ。
りんごがド定番だよね。すり下ろしりんご!
栄養価が高くて、食物繊維もたっぷりなのだ!
・・
三日して、火影が到着したと、正式にわたしに連絡が来た。
探索メンバーはやっぱり自来也とナルトで無事、綱手を連れ帰ってきていた。
「お初に御目にかかります。今代の南賀ノ神社神主長、うちはミコですわ。」
「ふーん。今代のはガキじゃないかい。それにしてもうちはがわたしに挨拶にくるってことは、何を望むんだい?」
「我が、双子の兄の治療を。」
「双子の。そうかい。で、どこに?」
「 南賀ノ神社本社に。」
そう話すと、綱手は驚いた顔をする。当然だ。
南賀ノ神社本社はうちはにとって、神聖なもの。
一般人でも気軽に入れない場所に、ある程度友好的だが、争っていた一族をいれるというのは異例だ。
私の祭事本家の立場と、赫映様の言葉というので一族を無理矢理丸め込んだが、わたしだっていい気分じゃない。
でも、サスケのため。
サスケが少しでも楽になるなら頼む。
「……本気なのか。」
「えぇ。本気です。みおや様からもそうしろと。サスケの身のため、招きます。」
「ふぅん。それにしても千手の私が火影。うちはの者としてどう思うんだい?」
「……別にどうとも。次代は我が兄ですから。」
「面白いこだ。気に入った。私の弟子にならないかい?」
「意味がわかりません。わたしは大蛇丸の弟子ですよ?あと、蛞蝓は無理。無理無理。」
「あははは、そうかい?」
「そんなことより!早く行きますよ!ちゃっちゃと見てください!」
あぁ、無駄話の多い人!ナルトもお付きのシズネさん?も、なんとかとめてよ。
「今回みてもらうに、少し複雑な事情がありましてね。体内に入ったチャクラを取りだししていただいたい。」
「そこら辺は、できなかったのかい。」
「木の葉にいる医療忍者では、無理でした。我らが干渉すると悪化しますので、医療忍者が最適なのです。そこで綱手様にと。」
「……症状は?」
「症状はインフルに似たものです。ウィルスがチャクラということになっていることだけ違いますね。感染はありません。」
階段を下りていくと、ちょうどシカマルとそのお父さんが降りてきていた。
「お、ミコじゃねぇか。おまえ一気に上忍になったんだって?」
「久しぶりシカマル。
まぁ、そうだね。特設上忍。お飾り称号だけど。てか、シカマルは中忍じゃん。政治的配慮の私と違ってすごい。」
「情報が早いな。」
「まぁ、特設上忍だからね。上忍って言う肩書きよ。実力は伴わない。」
シカマルの昇格理由は忘れたけどね!
それにしても上忍か、私。部下は持たないけど、超政治的配慮だけど!ご意見番とか、上忍の胃のために作られた特別枠。てか、それならカカシはよく私を部下におけたよね。
「で、あの若いのに偉そうなのは?おまえと一緒ってことは大名家の?」
「いや、新しい火影。初代の孫よ。」
「……千手か?大丈夫なのか?つけあがるんじゃ……。」
「次代はお兄ちゃんの手はず。希望はあるわ。」
「……そうか。ったくめんどくせー。」
シカマル達と別れて、数分後、ナルトが話しかけてきた。
「ミコって、なんでそんな偉そうなんだってば?」
「偉そうじゃなくて偉いの!」
ったく、ナルトってば原作知識だけでいいっ思ってるの?誰かが言ってた、情報は生物って!私は特典を使って、常に情報を仕入れてるんだから!
この世界はナルトの世界だけどいろいろとおかしいって事ぐらい分からないのかな?
全くもう!
「ナルトは待っててね。」
「はぁ?なんでだってば?」
「なんででも!
綱手どの!行きますよ!」
とりあえずナルトを引きはそう。理由はない。
ほんとにない。
うちはの土地だから、やっぱり綱手殿に対する目はあまりよくはない。
何人かの老人が私に文句を言おうとするが、他の人に止められる。
老人の半分がいまだに先代が帰還すると信じているようだけど、あの人はもう死んだんだ。
本社に向かうに連れで年齢が高くなっていくのだが、本社近くは祭事本家に従う人たちばかりなのでここら辺に来てしまえば、支線は私にしか向かない。
「ここが、 南賀ノ神社本社。一軒家ぐらいの大きさだね。」
「えぇ、分社と違って参拝は一族のものか大名か火影ですからね。綱手殿、あなたは“火影”として入ってもらいますからね!」
鳥居をくぐると、綱手殿も流石に背筋をピンとさせ静かについてくる。
神様は待っていたかのように階段に座っていたので、軽く挨拶をする。
「みおやさま。つれて参りました。サスケの様子は?」
『容態は落ち着いている。……俺は姿見せた方が良さそうか?』
「いえ、あえて見せない方向で。」
綱手殿は不思議そうな顔をしているが、気にせずに案内する。
「サスケ。入るね。」
眠ってるのか、返事はない。
そのまま入り、サスケの様子を見た綱手殿が眉間を潜めた。
「これは、とりつかれてるのか?」
「気にしないでください。サスケの中に蜥蜴丸のチャクラが見えるでしょう?それの除去をしてください。」
「……わかった。」
「私は離れますが……ないと思いますけど余計なことをしないでくださいね?」
流石に付きっきりだと国境付近の警備がおろそかになる。
動物たちの声を遠距離で聴けるのは私だけなのだから。