サスケの妹は生物の支配者   作:イェス

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波の国編 2

霧が立ち込める海を渡っていくと、マングローブと町が見えてくる。

木の葉の里とまるで違う風景に、ナルトが驚きの声を思わず出して、なぐられた。

当然だ馬鹿

近くには作りかけの大きな橋が見えていて、クレーン車が作りかけの橋の先端に物を引っ掻けて止まっているのがみえた。

 

クレーン車があるのに、一般車の普及がまだだったり、なにかと不便なんだよね。

電気は通ってるのに、パソコンないし。

周りが水だらけで、前世が島国とはいえマングローブとなんか画面の向こう側にしかなかったから内心ではしゃぎまくりなんだよね。

今が任務じゃなかったらはしゃげたのに。

 

ナルトは、先の戦闘(笑)でなにもできなかった反動か、意気込んでいるみたいだけどら強敵(ザブザ)がくるまではなにも起こらない。

やっぱ、生物を支配下におけるってのがチートな力だ。

木々を通して周りの把握や、羽虫による探索。動物にたいしての聴き込みなんかもできちゃう。

支配下に完全におくから視覚も聴覚も触覚も嗅覚も繋げられる。

ある程度の原作知識もあるし、楽々よ。

ただ、大蛇丸ポジがどんなやつだかわからないのが厄介なところ。

カブトも健気に大蛇丸の部下やってたしね。

 

で、この先よくあるのが、ザブザ&白の勧誘。

かなりの確率で転生者は率いれている。

私は率いれようとは思わないけどね。

やっぱり、二人は死んだほうが綺麗に終われるんだと思う。

この私に火影様に掛け合う力も権力もないし、私が助けたいと思わなかったからだ。

原作で、『あぁ。かわいそうに。』とは思ったけど、それだけだしね。

どうしてもねじ曲げたいと思ったのは、兄さんの死亡フラグ。

今の状況でフラグがわからない以上、そこのところ兄さんには自身を大切にしてもらわなければならないのが歯がゆいというか、なんというか。

 

でもさ。

ゆきうさぎで北極うさぎ思い出したんだけど、座ってるときまんま“うさちゃん”なのに、立ち上がったときのこれじゃない感が半端ないよね。

毛の改良をした羊と頭をすげ替えたか、コラかと思ったもん。

 

「そこかぁ‼」

 

ナルトが誰もいないところに手裏剣を投げる。

すぐ近くに誰かがいるのを木々が教えてくる。

 

「ナルト。」

「なんだってば?」

「あっち。」

「そこかぁ!」

 

先生も気がついたようで、私が指差した方に近寄っていく。

無論、ナルトの手裏剣はユキウサギの頭上の木に刺さっていて、うさぎが泡を吹いている。

 

「ご、ごめんってば!うさこう!」

 

原作通り、変わり身用のウサギで綺麗な白兎だ。

頼りないが、一回ぐらい身代わりになるだろう。

少し、可愛そうだが、忍びに道具として育てられたんだ。有効活用しなければ。

 

「ミコ。」

「うん。サスケ。変わり身用のウサギだ。後方に一人、大きな武器を持ってる。かなりの実力者だよ。私たちじゃ、倒せない。」

 

「全員ふせろ!」

 

その声がかかると同時に、私はタズナさんを伏せさせる。

うさぎが逃げようとしたので、力で服従させ留まらせる。

すぐに頭の上を首切り包丁が回転しながら通過し、木に刺さる。

その柄にザブザが立ち、私たちを見下ろした。

 

「へー、こりゃこりゃ霧隠れの抜け忍、桃地再不斬君じゃないですか。」

 

ナルトが駆け出すのを制し、先生はザブザを睨み付ける。

 

「邪魔だ。下がってろ。お前ら。こいつはさっきの奴らとは()が違う。」

 

どんなに小さな優しい一面があるとしても、ザブザは殺らなきゃいけない。

抜け忍は絶対悪。

率いれるのもよくないし、私ごときの地位じゃできるはずがない。

殺らなきゃ殺られるこのばにおいて、正義も糞もない。

いかに生き延びるか。それだけだ。

今の私じゃ、戦うことなんてできない。

羽虫(ヘイシ)が集まりきらない。

 

「写輪眼のカカシと見受ける……じじいを渡してもらおうか。」

「卍の陣だ。タズナさんを守れ。お前達は戦いに加わるな。

ザブザ、まずは俺と戦え。」

 

 

『写輪眼のカカシ』

 

うちは一族以外で、写輪眼を使う先生はあまり良くない。

はっきりいって私も嫌いだ。

サスケもそうだと思う。

“うちは一族”の特別な物を何ら関係ない人間に使われるのはいい気がしないもので、今にも抉り取ってしまいたいぐらいだ。

 

「シャリンガンってなんだ?」

「瞳術っていう先天的潜在能力があるの。後天的なものもあるけど、まれね。

その中のひとつが写輪眼。」

「幻術から体術、忍術を見通し跳ね返す眼力を持つと言われている。」

 

サスケが補足をして、ナルトに伝える。

 

「ただ、それだけじゃない。それ以上に怖いのはその目で相手の技を見極めコピーしてしまうことだ。

俺様が霧隠れにいたころ、お前の情報がのってたぜ。

千以上の術をコピーした男、コピー忍者の駆け出すのカカシ。ってなぁ。

……さてと。

お話はこれぐらいにしとこーぜ。俺はそこのじじいをさっさとやんなくちゃねらねェ。」

 

これから起こるイベント的にもまだまだ兵士が足りない。

双子の意志疎通でどうにか話を引き伸ばせないかとサスケにアプローチするが、難しいみたいだ。

逃げるにしても、私の窒息術は鼻と口を隠しているザブザには通じない。

刺すにしても最低、カだし、カは大きすぎる。

ユスリカがギリギリバレるかバレないかの瀬戸際なのに。

蜂も近くにいない。最悪ダニ?周りが草ばっかだけど、さすがにあそこまではね。

 

「つっても……カカシ!お前を倒さなきゃならねェーようだな。」

 

ザブザが水面に移動して、霧隠れの術を発動する。霧が出てきて見通しが悪くなってくる。

これじゃぁ、兵士どもを動かしたとしても、捕らえられない!

いや、思い出せ!まずザブザが現れる場所を!

 

「8か所…咽頭・脊柱・肺・頚静脈に鎖骨下動脈・腎臓・心臓…ククク、どの急所がいい?ククク……」

 

すぐに、訳がわからない重圧が、物理的じゃない、精神的な圧力を感じる。

けど、大丈夫。半人前な私たちをカカシ先生が守ってくれる。

そう思えば、少しだけ軽くなるような気がする。

 

「サスケ。安心しろ。お前達はオレが死んでも守ってやる。俺の仲間は絶対殺させやしなーいよ。」

 

次だ。

 

「それはどうかな?」

「“お前たち”‼」

 

相手は水分身だ。羽虫どもは濡れたら使えなくなる。

木の根を操り、串刺しのようにザブザを突き上げる。が、避けられる。

すぐにカカシ先生が体術で本体と体術で格闘するが、予定調和。お決まりに先生が捕まった。

 

「ククッ偉そうに、額あてまでして忍者気取りか……。」

 

……?

なんだろう。この違和感は。

 

「か、カカシ先生!」

「お前ら‼タズナさんをつれて速く逃げるんだ‼こいつとやっても勝ち目はない‼オレをスイロウに閉じ込めている限りこいつはここから動けない!水分身も本体からある程度の離れれば使えないはずだ!とにかく今は逃げろ!」

 

あぁ、そうか。ナルトだ。

原作じゃあ、ナルトは騒いでた。

襲われた。

カカシ先生の戦闘にすげェと言っていた。

油断してるはずだったのに、油断せず、静かにしていた。

よく考えたら、私の毒消しで泣きわめかないなんてあり得ない。

ナルトはなにかおかしい?

 

「ミコがいるからなにか変わると思ってたんだけど、誤差だったな。」

 

え?

なに、今の呟き?

 

もしかして、これってスレナル?もしくは転生?

スレナルだったら、誤差も変わるも言わない。逆行か憑依か転生?

いや、でもボソッとなにかいった。その言葉が、「一人増えた分、バタフライエフェクトよ要領で何かが変われば~」的なことだったら、スレナルの可能性が生まれる。

転生だとしたら、知識を持って幼少期に特訓したでんでんがあるかもしれない。

私が私になったのが最近過ぎて、わかってなかったんだ!

 

「ミコ、心配するな。オレがいる。」

「あ。うん。」

 

ヤバイ。

思い出せ。思い出すんだミコ!私が私になる前の記憶を!カムバック!

 

どうして仲良くなった?

Qアカデミー入学後、席が隣だった。

 

どんな風に仲良かった?

Qイノやヒナタと一緒にナルトと遊んでた。

その頃からイノはナルトのことが好きだった。

 

おかしい!おかしい!これは許されない!

イノはサスケのことが好きでなきゃいけない!

やっぱり、ナルトはおかしい!私も心を寄せていた。

それは許されない!

 

「ミコ。大丈夫だ。」

 

ナルトが私に微笑んでいる。

ザブザと対面し、頼みの綱がたたれて動揺してると思ってくれてるのだろう。落ち着かなきゃ。

 

「うん。」

 

すーはー。

すーはー。

よし。落ち着こう。

 

 

「本当の忍者ってのはいくつもの死線を超えたもののことをいうんだよ!」

 

ナルトが真正面からザブザに突っ込んでいく。

 

「ば、馬鹿!よせ!」

「あ!ナルト‼なに考えてんのよ!」

 

突っ込んでいったナルトだが、原作のようには行かなかった。

ナルトは水分身を破壊して見せたのだ。

 

「眉なし。悪いことはいわねぇ。今すぐ手配書(ビンゴブック)に新しくのせとけ。

いずれこの葉隠れの火影になる男。木の葉の里のうずまきナルトとな!」

 

カッコつけてそう宣言して本体に挑みにいこうとする。

 

「俺様の水分身をやるとは、いがいだったが、その程度じゃ、まだ忍者ゴッコだな。

オレぁよぉ、お前らくらいの年の頃にぁゃよ、この手を血で染めてたんだよぉ!」

 

真っ赤な血の量じゃ、私はザブザに負けるけど、命の数じゃあ私の方が勝ってるね。

命は平等に生き物に与えられる。

差が出るのは肉体の違いによるもの。

私は常人の何倍もの命を消費してるもん。

死んだら死神になれちゃうぐらいね。

 

「鬼人……再不斬。」

「ほう、少しは聞いたことあるようだな。」

「その昔、“血霧の里”と呼ばれた霧隠れの里には、忍者になるための最大の難関があった。」

「ふん。あの卒業試験まで知ってるとはな。」

 

「……まさか、デストーナメント?勝ったものが敗者を貪る……とか。」

「ククク、悪くねぇなその発想。

そんなもんだ。

貪りはしなかったが、同じ釜の飯を食った仲間同士が二人組になり、殺り合う。

どちらかの命尽きるまで……。

それまで助け合い、夢を語り合い、競いあった仲間だ。」

「……。」

 

よし、会話に入り込んだ。

時間が稼げる!

 

「10年前、霧隠れの卒業試験で大変革を遂げざるをえなくなる、悪鬼が現れたからだ。

躊躇も躊躇いもなく、その年の受験者約100名を食らいつくした。」

 

「楽しかったなぁ……あれは。」

 

「!」

 

ザブザには殺意がない?脅し?

忍者と認めていない私たちには本気を出さないってこと?

 

ザブザが()でサスケに攻撃を加える前に、サスケの前に滑り込む。

大の大人のエルボーを手で受けるので、はっきりいって、骨折したと思った。

 

「なっ!」

「ミコ!」

 

ナルトが驚いているが、関係ない。

思った通り体が動いて驚いている。

さっきの戦闘で、動けないと思い込んでいたんだ。きっと。

いまじゃ、体は羽根のように軽く感じる。

おもいこみか、やっと体に慣れたかの違いがあるけれど、悪いことじゃない。

けりをいれて、後退させることならできる。

 

「死ね!」

「悪いけど、まだ死ねない!」

 

相手はチャクラが練り込まれた水分身。純水じゃないはずだから電気が通る!

転生特典のひとつ、火と毒と雷を受けたら回復して、自由に扱える体質!

これを認証してくれじじいは気前がいい!

 

「あなたは水よ。」

 

ザブザの水分身がただの水になる。

それをサスケは見てから本体に向かって走り出す。

走りながら風魔手裏剣を使用する。

援護として虫どもに風馬手裏剣のマネをさせ後ろから近寄らせる。

 

「甘い!」

 

サスケの投げた手裏剣は左手で捕まれてしまった。

虫どもはジャンプして避けられてしまった。

が、これでいい。

虫どもは霧散してザブザの視界を邪魔させて、サスケが右手に向かってクナイを投げる。

一旦、サクラとタズナさんのいる方に跳んで、手を休める。

 

「大丈夫!?」

「うぅ、痛い。」

「打撲ね。おじさん、気を付けて!」

 

サクラがクナイの構えをといてバックから薬?を取り出した。

 

「い゛っだ!」

 

サクラが軟骨的な物を塗ってくれた。

エルボーを食らって体力が削られたから、自分で毒を生成して、それを飲んで回復する。

打撲したところにも毒を皮膚下で生成して、内出血部分を癒していく。

 

「よかった!カカシ先生が!」

 

先生が解放されたようでなによりだ。

 

「よくやった。サスケ、ミコ。」

 

そして先生は戦闘を始める。

サスケもこちらに戻ってきて、ナルトを途中で拾ってきた。

ナルト、使えない!

カッコつけて肝心なときに動いてないじゃない!

頑張りなさいよ!

 

そんな視線を送ってみれば、そっぽを向いた。

 

なんだこいつ。

 

「ふ、オレが出るまでなかったって話だってばよ。」

 

目の前から迫る水をナルトの後ろに回ることで弱める。

ザブザは木にぶち当たり、先生が止めを刺そうとしたところで、横槍がはいった。

ザブザに千本を突き立てた白って言うザブザの仲間がね!

 

仮死状態になったザブザに先生が近づいて脈をはかる。

原作知識がなかったらわからないし、医療のスペシャリストでも、何でもない先生ならわからないだろう。

仮に生きてるっぽくても、死にたてホヤホヤだから勘違いするかもしれない。

ここで、私が出来るのは、私兵を白かザブザにくっつけること。油目一族の使役する虫と違って、私の私兵として使ってる虫は、現地調達のごくごく自然な虫だ。チャクラを使って使役もしてないから感知系の人にだって、手下だとバレない。

ただ、虫が多いなって思われるだけ。

 

あのマフラー?とかうってつけだ。毛糸はしがみつきやすいし、結んであるから引っ掛かりやすい。

 

「ありがとうございました。僕はずっと確実にザブザを殺す機会を伺っていた者です。」

「確か、霧隠れの追い忍だな?」

「追い忍?」

「そう。ボクは“抜け忍狩り”を任務とする霧隠れの追い忍舞台のものです。」

 

どうにかザブザが生きてると、先生に教えられないものか。

言うと怪しまれるしねぇ。

 

白がザブザを担ぐ。

酔っぱらいに肩を貸す感じに。

よく考えれば、死体をあんな風に持つ必要はないはずだ。暗部ならそこんところはっきりするはず。

どうせ処理するんだ。傷ついても楽に運んだ方がいいと思う。

 

「死体処理。するでしょ?私、見たことないから興味があるわ。仮にもあなたの手伝いをしたのだから、見せてくれないの?」

「……別に、見せてもいいですが、覚悟はありますか?僕の見たところ、君たちは忍びになって間もない。」

「そーね。私達はまだ一年未満のルーキーよ。でも、これから()()()()滅多に経験するかも分からない。ひとつ、優しいお兄さんなら耐性の一つや二つくれないのかな?」

 

仮面の下の表情は見えないが、考えていることだけならわかる。

どう、返してくるのか。

 

「どうして僕が、優しいお兄さんだと?」

「ん?だって、死体処理はその場でするってことを私は聞いてるもの。

それをやらないのは、一目でルーキーちゃんと見抜いたからでしょ?十分優しいよ。

もしかして、その抜け忍、仮死状態だったりして。」

「っ!」

「あはは。

まぁ、そぉ言うのって、小物が強者を恐れて噂するものだからね。私達から見たら、あっけなさ過ぎてそうにしか思えないんだ。だから灰になるまで見てみたいの。」

 

気づいてくれ先生。

仮死状態に対する反応を!

 

「ふふ、僕の方法なら見ない方が今後生きていけるよ。

それでは失礼します。」

 

逃げられたか。

まぁ、虫をつけてあるからいつだって情報は得れる。

 

「ふー、さ!俺たちもタズナさんを家までつれていかなきゃならない。元気よく行くぞ!」

 

「ハハハッ!皆超すまんかったのォ!

あ!ワシの家でゆっくりしていけ!」

 

豪快な笑顔のあと、ずざぁ。と先生が倒れた。

 

 

「え?なに?どうしたの?」

「カカシ先生?」

「センセ?」

 

「か、体が動かない。」

 

「「……。」」

 

ほんとに強いの?先生って。

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