ただ、遠くから…   作:AQUA BLUE

10 / 33
キリのいい数字、10。このお話もとうとう第10話に到達いたしました。いつもありがとうございます。
それではどうぞ!


前兆

 今日はすごく仕事の調子が良い!仕事が遅く、期限の瀬戸際ばかりに居る俺が……すこぶる速い!!その速さたるは、仕事の調子が悪い時の課長のスピードに匹敵する。

 課長はかなり仕事が速い部類に入り、調子が悪いと普通の社員くらいの仕事速度くらいである。つまり俺は現在最高に仕事の調子が良いため、普通の社員レベルの仕事の速さになっているのだ! これなら人並みに仕事ができそうだ。ちょっと、いいや、大いに歓喜しながら仕事に集中。いつもの2倍は進みそう。

 

「戸宮、調子いいじゃないか」

「はい課長。自分にしては早く進んでます」

「雪でも降るのかな?」

「降 り ま せ ん !」

 

 そうして仕事の時間があっという間に終わっていくのだった。今日は短く感じた……んー、仕事をひたすら集中して頑張ったからか、体がほてって頭もくらくらする。

 

 ははっ、体調不良ってか。そうかそうか……この類は心配だからすぐ病院だ!あ、今日定休日じゃん、ちくしょうめ。寝たら治るかー。しょうがないや帰ろう。

 

 

 

▲▽

 

 

 

 ジリリリリ。先日ゲットした目覚まし時計が俺を起こす。視界がぼやけている。体温計をはさみましてっと……お熱、36,9℃。オッケー狙い通り! いざ行かん。

 

 

 相変わらずコンビニで買ったスイーツ+水の入った袋を手に提げて、駅のホームへ。あの人は……またまた居ないか。残念! 一目見たかった……。

 そんな溜め息をついた、本日水曜日。

 

 

 おかしいな、昨日に引き続き仕事が速い。良いことなんだけどね? ここはてっきり、昨日の反動が来て必然的に仕事が遅くなる流れかと予想していたのだよ。集中力も全く切れないし、ついに俺覚醒したか? ないない、休憩時間だしトイレトイレ。

 

 

「ん……えっ?」

 

 

 しかし鼻で笑って椅子から立ち上がったその瞬間、体がふらっとした――ような。

 ……ような気がしたに過ぎないので放置。どちらにしろ今日こそ病院行きますから。

 

「戸宮君!皆で飲みに行かない?」

「いいよ。行こうか」

 

 見事にその予定はなくなったのだった。時間からしてもう病院が間に合わないのも理由のひとつ。この女性も同期であり、絢瀬さんに次いで可愛い。可愛い子に誘われて断るはずもなし。

 

 

 その後、男女数人でよく行く居酒屋へ飲みに行ったとさ。

 飲むとは言ったが、俺が飲むのはジュースまで。酒は飲んだことは未だにない。飲めないのかとバカにされることもあるがそこは気にしなーい。

 

 酔っぱらって盛り上がる奴を筆頭に合いの手やら入れる奴がさらに盛り上げる。俺は酔っ払わずに余裕の傍観ポジションだ。最近飲み会は拒否していたが、この空気は嫌いじゃない。

 

 

 

 帰宅がかなり遅くなってしまった。

酔っ払った同期が酒を飲ましてこようとしたから危なかったぜ。明日は木曜だから休日が見えつつある。モチベを曜日で回復し布団に倒れこんだ。

 

 

 

▲▽

 

 

 『ジリリリリ‼』 

 

 目覚ましが、鳴っている。なかなかに目覚めが悪い。起きたいんだが動きたくない。布団の中に入ってても暑いし――って、んな事思ってる場合じゃねぇ!

 

 目を開けてガバッと元気良く体を起こすと、一気にふらついて体がよろけた。眼界に広がる部屋の背景は二重にぶれて見える。寝ぼけるのも大概にするんだ俺様。会社に行くぜ!病院には昨日行けなかったから一応マスクを装着。

 

 

 

「おはようございます」

「おはよう戸宮。危なかったな、あと1分遅かったら遅刻だったぞ。時間ピッタリに来るとは味な真似をするじゃないか」

「え?!申し訳ありません。気を付けます」

「間に合ったし別にいいさ」

 

 あっぶねええ!なんとかセーフ。

 

(……変だな)

 

 余裕をもって出たはずなのに、電車も逃しはしなかったのに。なぜ、ギリギリになった?

 

「おはよう戸宮君!」

「絢瀬さんおはよう。復活したんだね」

「おかげさまでね。その……お見舞いの品、ありがとう」

「どういたしまして。元気になって良かったよ」

 

 品の中身が中身だったけどな。

 

「マスクするなんて珍しいわね。風邪?」

「まさか。予防だよ予防」

 

 おっと、下手に心配をかけるわけにはいかない。

 

「もしかして私、戸宮君にうつしたりしてないかしら……?」

「意外とただの風邪ってうつらないでしょ」

「違うの。だって、私がかかったのは――」

「皆さんおはようございます!」

「絢瀬さん、朝のあいさつが始まったよ」

 

 絢瀬さんが何か言いかけたが、仕方あるまい。依然として仕事の調子が良い。進む進む! 三日連続とは逆に気持ちが悪いが、調子が良いにこしたことはないよね。バリバリ仕事をしすぎた影響か、頭痛がする。

 

「ふー終わったぁ。絢瀬さんお疲れ様、また明日」

「お疲れ様。また明日ね」

 

 さてさて火曜水曜と行けなかった病院へ……あー、間に合うかな?頑張ってみるか。会社を出て、病院へ進む。夜景が煌めいて映り、吹く風が涼しく心地よい。病院には、ここから20分前後で到達できるだろう。時計を確認すると閉まるまで30分、十分間に合…………

 

 

 

 

 

 

 

 俺の意識は突如、そこで途絶えた。

 




戸宮君が倒れました\(^o^)/こりゃ大変。
それはともかく(こらこら)今日の16時からスクフェスで絵里ちゃんのイベントが始まりますね!走る方は頑張ってください! ではでは~
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。