ただ、遠くから…   作:AQUA BLUE

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約一週間ぶりですね。
遅れてしまってすみませんm(__)m
いやー、もっと早く書けたらいいんですけどね。
小説とは難しいものですな^^;

はじまりはじまり~


行く相手は一目惚れの人!?

 園田さんと一緒に――その発想は全く無かった。好きで、憧れで……それ故に無かった発想。

 

「お供します」

 

 これは、一緒に遊園地へ出掛ける事を意味する。想像し得なかったシチュエーション。願ったりかなったりの話どころか、言葉にできないサプライズが俺に突き付けられたのだ。

 

 彼女は目を瞑って怯えるように返答を待っていた。可愛い。可愛いすぎてくらっとする、耐えろ耐えろ。勇気を出して提案してくれたのだろう。驚愕し思考が混沌としているが、取り敢えず彼女の勇気に応えたい。興奮の第二波を抑えて俺は言葉を紡いだ。

 

 

「俺と園田さんが、ですよね?」

 

 都合が良すぎる現実、夢なのかと疑い念入りに尋ねる。………なんか、夢かと疑うのが定番化してきてる気がしなくもない。

 

「……はい」

「是非、是非!お願いします!! ありがとうございます!! すっごく嬉しいです!!!」

 

 全力で彼女の提案を快諾した。予想の斜め上を超えた、予想の垂直とでも言い換えようか。ハッピーにドキドキクルクル心が躍る。

 

「ふつつか者ですが、こちらこそよろしくお願いします。うぅ……」

 

 園田さんは顔を一層紅潮させていた。そんな彼女を見て俺もキュンとしてしまう。

 

 が、焦燥感が俺を平静に引き戻した。OKが出ても園田さんと俺の日程が合わなければ、遊園地に行くことはできない。

 ここまで誘ってきた皆さんとは一時的なジンクスとすら呼べるレベルに日程が合っておらず、園田さんの場合も嫌な予感しかしない。

 

「今週の日曜日に行くのですが、その日は空いているでしょうか?」

「空いています。土曜日は空いていなかったので、助かりました」

 

 ワオ。良い意味で裏切られました。今ここに、園田さんとのお出掛けの約束が決定付けられたのである。

 

「……成立ですね?」

「そうです、ね?」

 

 たった2日後にお出掛けすると思うと、胸の高鳴りがして止まらなくなった。園田さんは園田さんで緊張しているみたいだった。変な空気。互いに目が泳いで、目を合わせようとするけどもなかなかできず、次第に会話も途切れていく。

 

 

 ――あれ、ちょっと待てよ?

園田さんはどういう風の吹きまわしで、遊園地に行こうという発想になったんだ?

 

 変だ。まともに知り合って半月と数日、だからといって大きな出来事や関係の変化があった訳でもないごく普通の知り合いの男に対し、仮に同情での提案だったとしても――一緒に出掛ける気になるまでの信頼感が湧くものなのか?

 

 まあ、いっか。今はまるで夢のような現実の歓喜に酔いしれたい。前触れなくこんな事を考えてる時だった。

 

 

 

 

 悲劇、突風が舞って

 

 

 

 

 

 油断して力を込めていなかった指先から

 

 

 

 

 

 

 突風(それ)チケット(遊園地)をかっさらった

 

 

 

「「あっ!!!」」

 

 チケットが風に乗って、二人の視界から消えた。“一瞬にして鮮明”な出来事に呆気にとられる。

 

 どうしようもない事に、なってしまった。

 

 

「無くなっちゃいましたね……あはは」

「……」

 

 沈んだ雰囲気だけでもなんとかしようとなけなしの元気で苦笑いする。園田さんは、この惨事をどう思っているのだろう。

 せっかく彼女が提案してくれたのに……俺がしっかりとチケットを握っていれば。

 

 取り返しのつかない後悔と罪悪感が込み上げる。頭がそれらで一杯になりかけた時、園田さんが口を開いた。

 

「風が吹いたのは僅かな間でしたね。そう遠くには飛んでいないはずです……探しましょう」

「そんな申し訳ない! 見つかるかどうかもわかりませんし」

「諦めるのはまだ早いです。探せば見つかるかもしれませんよ?」

 

 それだけ言うと彼女は辺りを見回して、チケットを探し始めた。制止しようとした俺は、彼女の気丈さに感服するばかりであった。

 

 

 

 

 地べた、自販機の下、ごみ箱の中。

 

「見つかりませんね」

「俺はこっちを探してみます」

 

 捜索して相当に経つが、見つからない。隅々まで見てきたのだけど、影形気配なし。もしや駅内には無くて外の方まで飛んでしまったのかな。諦めムードに包まれる俺だったが、園田さんは依然として一生懸命探していた。

 

「どうしてそこまでしてくれるのですか?」

 

 園田さんに問いかけた。そこに深い意味はない。どうしてそこまでしてくれるのか。素直な疑問をそのまま、俺は問いかけた。

 

 園田さんは動きを止め、一呼吸おいて答えた。

 

「困っている人がいたら、助けるのは当然の事です。そして何より…………」

 

 しかし、ホームを特急列車が通過した風圧のせいで俺は「何より」以降を聞き取ることはできなかった。

 気になったのでもう一度聞こうとしたら、園田さんが驚いた様子で俺を見ていた。

 

「戸宮さんの腕に引っ掛かっているそれって――」

 

 彼女が驚いたのも無理はなかった。どこかに飛んでいってしまっていたチケットが俺の腕のあたりに引っ掛かっていたからだ。どうやら電車の風圧で、偶発にも戻ってきたとみえる。アンビリーバブル……。

 

 

 どうなることかと思ったけども、一件落着です。その後は帰りの電車を待って、それに俺と園田さんは乗った。聞き逃しについては詮索する気分にならず、煮え切らない会話を交わしている間にいつもの最寄り駅に着き降りて、それとなく別れた。

 

 

 

 

 

▲▽▲▽

 

 

 

 

 晴れ渡る空の下、歩く。天候ばっちし、見事な遊園地日和。長く感じるとか思っていた土曜日はあっさりと過ぎて当日に。ファッションは一応できる限り頑張ったつもりだが、センスは皆無なので他の部分でカバーできたらいいな。お、待ち合わせ場所見えてきましたな。

 

 また、反対側から園田さんが歩いて来るのも見えた。同時に到着か。園田さんを待たせるとかいうケースじゃなくてよかったけどさ。

 

 一昨日帰りの電車の中で待ち合わせ場所や時間を決めるのも緊張して一苦労だったし。園田さんに提案された時からずっと緊張していたと言っても過言じゃないかもしれない。

 

 歩き、距離が詰まるたび、鼓動が早くなる。余計なことは考えるだけ首を絞める。いつも通り、いつも通り。

 

 いよいよ足を止め、対面した。

 

「い、いいっ、行きましょうかっ」

「はい……!!」

 

 案の定ガチガチだ。なぜだか園田さんも固い。へへ、せいぜい大失態しないように気を付けよう……。

 

 

 一目惚れの相手と一緒に遊園地へ。前途多難なお出掛けが、幕を開けた。




海未ちゃんの誕生日が近付いてきていますね。海未ちゃんに関した何かのお話が書けたらいいな~とか思ったりしますね。おそらく間に合わないでしょうけど(笑)

今回は、前回すんなりとお出掛けが決まりすぎてしまっため、その後の様子を少し掘り下げた回となりました。したがって、お出掛けは次回からでごさいます!

ではではまた次回!

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