……あ、いきなり痛かったですかね?こんなセリフを言ってみたかっただけです。
短いですが、はじまりはじまり~
蒼かった空は今やオレンジ一色に染まり、その
日没も近いので最後に何か乗って遊園地をあとにしようと、俺と園田さんはまだ乗っていない観覧車に立ち寄っていた。
「いい眺めですね」
「山から眺める風景とはまた違った赴きがあって新鮮に感じます」
「え、園田さん山登りするんですか?」
「まあ……」
景色を嗜みながら、また時々は互いの方を見ながらほのぼの語り合う。ちなみに俺達は向かい合う形で座っている。彼女の隣に座ろうと試みる大胆さは持ち合わせていないからな、うん。
「なにやら浮かない様子ですが、思うところでも?」
「山頂アタック――いえ……少し昔のことを思い出しただけで」
園田さんは苦笑した。山頂アタック、だっけ? その単語からはどんな思い出なのか想像が曖昧にしかつかないけれど、彼女にとって嫌だったことではなく、懐かしい、楽しかった思い出である事だけは苦笑に孕まれている朗らかな雰囲気からわかった。
「興味深いですね。よければ聞かせてもらえますか?」
「お、お断りします」
「それなら聞かずにおきますね」
断られてしまった。いざ言うとなると恥ずかしいのかな……興味はあるが詮索はよすか。俺は違う話題切り出すため考え始めた。
しかし。
「話したくないわけではなくて……」
「んん?」
「笑わないでくださいね?」
ああ、園田さんってチョロいのかもしれない。
「いいんじゃないです……か? くっ、フフ……」
「わっ、笑わないでと言ったではないですか!」
「山を登っていたら本来の目的を忘れていたって……す、すみません笑ってしまっ……はははっ!」
「もう!!」
すまない園田さんや。耐えられなかった、ツボにドストライクしちゃった。そしてぷりぷり怒る彼女もイイ……おうふそんなに詰め寄らないで、嬉しいけど心臓に悪い!!
「園田さん園田さん!ゴンドラが一番高い所に着いたようですよ!?」
「話を逸らさないでください!」
逸らす狙いはあるが嘘はついていない。会話を弾ませる間に乗っているゴンドラのローテーションは徐々に進んで、どっこい頂点付近まできていた。
「ほっほら、絶景!」
「わあ……」
意識が外に向いてくれたみたい。責め立てるのを忘れ、園田さんは風景に夢中になった。
頂点ねえ。巷じゃ、その辺りでゴンドラの中キスだの告白だのあるとアツイそうな。けっ、さぞイベントが発生したら面白いでしょうね!
馬鹿な考え事を脳裏に封じ込め、窓からの風景を俺も眺めることにした。
遊園地の敷地の全貌が見渡せて、さきほどは見えなかった遠くも鮮明に一望できた。あんなに歩きまくって、手当たり次第にアトラクションもほぼ全て乗ったのにな――こう見ると広すぎとさえ思っていた遊園地がチンケだな。
視認できても人はせいぜいアリほどの大きさ……ここはかなり高いな。高所恐怖症じゃなくてよかったよ。
遊園地と人、そういえば。
「坊や、あれから遊園地楽しめたかなあ」
二つのワードでそれとなく迷子の坊やの事が頭をよぎった。
「元気なあの子なら、きっと」
ふっと漏れた独り言に顔を上げて園田さんが反応した。聞かれてたと思うとなんだか恥ずかしい。
「もう一回迷子になってたりしてないといいのですけど。あげたストラップなんかは坊やが大きくなればすぐ捨てられそう……まあ、とりあえず坊やが楽しんでくれれば、ね」
独り言を無かったことにはできぬ。恥ずかしさに話をフェードアウトさせるべく適当に流そうと、そう言った。
それがまずかった。
園田さんが数瞬。いいや、たったの一瞬。
悲しげに顔を歪めたのだ。
二人を運ぶゴンドラが高さのピークを過ぎて、地上へと下降を始めていた。
まず!
なかなか一区切りつかなくて申し訳ありません。
本当は今回ぐらいでお出掛けに一区切りつけようと思っていましたが、もれなく長引いているので(私のせいです)どうせなら伏線も回収しちゃおう!ってなわけでもう少し続かせることにしました。
ま、まあ?「長めに書けば最後までいけるんじゃねえのかゴラァ!」と思われれば全くその通りですが…なにぶん長文はからっきしでして。精進しますm(__)m
言い訳して良いわけぇ!?
…………もうすぐで一区切つくことだけは確かでございます。はい。
ではではー!