マイ「艦これ」「ブルネイの旭日」(第5部)   作:しろっこ

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午前の演習が終わり、提督たちは昼食会場(広場)ヘ向かう。そこには金剛がいた。やがて昼になり広場では立食パーティ形式での食事となる。金剛を中心として、提督の周りにはどんどん艦娘が集ってくる。そんな彼女たちを見て提督は、いろいろ考えるのだった。


第1話(改)<艦娘の頑張りと私たちの責任範囲>

「ワタシ、活躍したでショ!」

 

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「艦これ」的「ブルネイの旭日」(みほ5ん)

(改)<艦娘の頑張りと私たちの責任範囲>

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<<午後:ロビー>>

 

いま時刻は、ちょうどお昼過ぎたくらいだ。窓から見える天候は晴れ。埠頭から見える海……というか、あれは大河なんだけど、ほとんど海だがキラキラと輝いている。

 

【挿絵表示】

 

会場から外へ出ると、数箇所ある銃の受け渡し場所に、数人の武官たちが返却の手続きをしていた。私は預けていないが、祥高さんや艦娘たちは預けていた銃を受け取る手続きがあった。

 

彼女たちも近くの受付に並ぶと、担当者にタグとIDカードを見せて、カートの銃と確認をする。そういえば祥高さんの銃は、ハンドガンと呼ぶにはおよそ縁遠い。サブマシンガンの、ごつい奴としか言いようがない無骨さだ。恐らく現役時代の彼女の機銃の一部だと思う。海の上なら気にならないが、これを持ち歩くのはどうなんだろうね?

 

それを言うなら、漣や電の銃だって、要するに機銃じゃないか?ただ彼女たちは手馴れたもので、ちゃんと背負えるような長めのストラップが付いている。ブルネイの技師が作ったのだろう。上手に背負っている。

ただ、小さいとは言っても、まるで小学生がランドセル背負っているみたいで、ほほえましい光景ダナ。

 

祥高さんも割とスリムな体型で華奢(きゃしゃ)に見えるが、そこは艦娘だ。そのサブマシンガンみたいな銃を軽々と肩に下げている。私があまりジロジロ見るから「どうかしましたか?」と聞かれてしまった。

 

「いや、凄い銃だなって思って」

 

彼女は微笑んで言った。

「もう、ちょっと時代遅れなんですけどね。でもこれだけは愛用だったので、どうしても手放せなくて……」

 

「最近は、自動照準装置とか、一部ではあるらしいけど」

 

「そんな高級なものではありませんね~」

 

「でも、一応使えるんだ?」

 

「そうですね。メンテナンスはしていますし、規定の試験も今のところクリヤーしています」

 

「意外と、そういうのがイザと言うとき強かったりするんだよね」

 

「そうですね。私も実戦で、これに何度か助けられました。やっぱり最後は、使い慣れたものが一番だと思います」

ふと見ると、漣と電が、目を丸くしてこちらを見ていた。そうか、彼女たちはほとんど実戦体験が無いんだよな。

 

「やっぱり、実戦って……怖いですか?」

漣が恐る恐る聞いてくる。

 

私より先に祥高さんが答える。

「そうね。正直言って毎回怖いわよ。でも、怖いのは最初だけ。戦場に出てしまうと、そんなこと考えていたらダメね。もう本能で動くしかないって感じかしら。だから日頃の積み重ね、訓練がモノをいうのよ」

 

そういう彼女は、ちょっと目つきが変わったように見えた。過去を思い出したのだろうか?その雰囲気は、やはり”戦士”だった。

 

<<広場:頑張りまシタ>>

 

だが彼女は直ぐにいつもの秘書艦に戻った。

「でも私も今はダメね~。司令の護衛くらいは出来るでしょうけど、実戦は無理だと思うわ」

 

そうなんだ。

 

「そ、そんなこと無いと思います」

電がお世辞を言う。いや、彼女の場合は本気かな?

 

「ありがとう」

祥高さんは、微笑んだ。

 

私たちは、そのまま階段を下りて屋外に出た。日差しは相変わらず刺すようだが、湿気が少ないのが良いよな。風はさほど強くない。

 

建物の横が広場になっていて、既にバーベキューの準備がされていた。テントや椅子、テーブルも置かれ、向こうには給水車や救護車もみえる。日の丸が入っているから、ブルネイの鎮守府の車両だな。

 

もう食事は始まっているようで、各国の武官や、日本人スタッフ、ブルネイの関係者たちが見える。あれ?艦娘もいるのか?

 

「イェ~イ!テイトク~」

手皿に肉を大盛りにした金剛が駆け寄ってきた。頭の痛いのが居た……もとい、今回は褒めてやるべきだったな。おい、肉がこぼれ落ちているって!

 

「ワタシ、活躍したでショ!」

誇らしげに私の目の前でブイサインを出す金剛。片手の皿から、また肉がぼろぼろとこぼれ落ちる。いつの間にか脇にやってきた比叡……美保の比叡かな?……が、「お姉さま、落ちてますよ~」と言いながら、ちょこまかと金剛の周りで拾い集めている。

 

「そうだな……」

一瞬、ブイサインを出したままの金剛と私は、その場で見つめあったまま静止した。

 

「とても良かった。……うん、良くやったよ。ありがとう」

私はそう応えた。

 

あれ?

金剛が笑顔を引きつらせてブイサインのまま固まっている。肉片を拾い集めていた比叡もそれに気付いて、「お姉さま?」と見上げている。

 

「う、う……」

金剛はブイサインを出したまま、なぜかボロボロと涙を流し始めた。ちょ……っと、何でそこで泣くわけ?

 

「お、お姉さま!」

比叡も心配する。

だが直ぐに我に返ったように瞬きをすした金剛は、涙も拭かずにニッコリして顔を傾けた。

 

「嬉しいデ~ス。テイトクも、やっと私の……」

いつもの金剛なら、冗談みたいな言葉を返してくるんだろうケド、やっぱり後が続かなかった。また静止している。

 

祥高さんが金剛に近寄って、肩に手を当てて言った。

「良かったわね、金剛さん」

 

「……ハイ」

泣きながら、うなづく金剛。それを、やっぱり不思議そうに口を開けて見上げている比叡だった。

 

金剛は、きっと演習のことで私に怒られるとでも思っていたのだろう。だから私の予想外の反応に戸惑ったのかな?

しかし、あんな彼女でも言葉に詰まることがあるんだな~。ちょっと、いつもと違う印象を受けた。

 

だが金剛も、帰国子女という複雑な立場だ。誤解と孤独の中で今まで精一杯、強がっていたのだろうか?ふと、そう思った。

 

<<広場:艦娘たちの昼食>>

 

祥高さんが金剛をなだめていると、横から声をかけられた。

「これ、どれを食べても良いんですか?取り放題なんですか?」

 

見るとブルネイの漣が聞いてくる。そうか、この娘たちは食事というと、食堂での軍隊式のセルフばっかりで、バーベキューとかバイキングっていうのを知らないんだな。

それに、この娘たちは今日は、私たちのエスコート役しか指示されていないから、ここでは配膳をする必要も無い。完全にゲストになるわけだ。

 

私は彼女たちの分の取り皿を二人に渡しながら説明した。

「そうだよ、好きなだけ取り皿に取って良いんだ」

 

「あ、ありがとうございます」

電は恐縮したようにお皿を受け取って頭を下げる。背中の機銃がなんともアンバランスだが、仕方ないか。

 

「適当に取って適当な場所に座って食べたらいいよ。お前たちは英語も喋れないし、他の国の武官が来ても、何も答えられないだろうからな。その時は……」

すると、後ろから声をかけられた。

 

「司令~」

この声は……。

 

振り返って私は声の主を確認して言った。

「おお、青葉さんか……あれ?」

 

私が不思議そうな顔をしたのを見た青葉さんは、すぐに答えた。

「へへ、司令~私、朝は取材記者でしたが、演習中は撮影担当の艦娘ですから立派な兵士なんですよ」

 

そうだったな。最初の記者会見の印象が強かったから、プレス・オンリーかと思い込んでいたよ。彼女はブルネイの漣たちを見て続けた。

「もし、この娘たちに他国の武官たちが話しかけたら言葉とか困るでしょうから私が付き添いますよ」

 

「あ、ありがとうなのです」

電が、すぐに頭を下げている。このリアクションは美保の電と同じだな。

 

「良いのよ、さ、お食事しましょう」

漣と電を促しながら青葉さんは軽く会釈をして立ち去って行く。

青葉……というと寛代もいるのか?と思ったら、向こうに技術参謀と一緒に食事を取っていた。ああ、あそこに居たか。

 

金剛が祥高さんになだめられているのを見て、比叡はブルネイの比叡と一緒に食事を取り始めている。あ、ブルネイの比叡は控えだったのかな?

 

改めて周りを見渡すと午前中の演習組の艦娘たちも軒並み食事を取っている。演習が終わって、すぐにこういう場に参加できるのも艦娘ならではのコンパクトさだな。

 

ちょっと離れたテーブルには既にブルネイの扶桑さんと山城さんがペアで居た。向こうのテントには、赤城さんと加賀さんも仲良く並んで座っている。

また午前中は控えだったブルネイの伊勢と美保の日向も揃って並んでいるし、さらに日向はブルネイの最上にも声をかけている。航空戦艦と航空巡洋艦か。そういえばその最上は演習中に金剛に流れを乱されて大変だったけど。それでも今見る限りは特に落ち込んでもいないようだから安心した。

 

結局、金剛のほうが泣いてしまったからな。意外と最上のほうがメンタル面は強いのかな?……あ、金剛を泣かせたのは私か。これは反省。

その金剛は祥高さんにいろいろ心情を吐露しているのか、だいぶ笑顔が出るようになっている。安心した。

 

<<広場:私たちの責任範囲>>

 

ついつい艦娘たちにばかり注目してしまったが、それ以外にもブルネイの関係者や日本人、そしてドイツとイタリアも見える。でも例の海外の艦娘たちは、この場には居ないようだな。まあ、わざわざ休んでいるのに、ここまで引っ張り出すのも大変か。

 

日本人といえば本省の次官はブルネイ司令との会食のようで、ここには居ないが本土からの陸軍関係者は数名来ている。陸軍といえば、まるゆを思い出すが彼らは、まるゆとかにもある程度、関係のある所から来ているのかな?

 

あれ?そういえば天龍さんとブルネイの龍田さんが居ないな。夕立も……。

 

「龍田さんと夕立さんは午後から演習に参加するので、この場には来ていませんよ。もちろんブルネイの天龍さんも」

祥高さんが傍に立っていて説明をしてくれた。いつのまにか元気になった金剛とは、もう分かれたらしい。でも……そうだな。まだ一時間以上あるとは言っても、演習前だから、龍田さんたちは、のんびりバーベキューってわけにも行かないか。

 

私は汗を拭きながら祥高さんに言った。

「でも午前中は取りあえず、大きな問題も無く終わってよかったよ」

 

「そうですね」

小皿を片手に持ちながら彼女は言った。

 

「午後からは一般公開演習ですから、別の意味で気を使いますね」

祥高さんは答える。

 

「そうか……そうだね」

午後の演習会場になる川面を見ながら私も応えた。ちょっと配慮が足りなかったな。

 

そんな私を見て何か察知したように彼女は言う。

「いえ大丈夫です。司令はあくまでも艦娘たちの心配をすることに集中してください。演習会場や、その周辺への気配りは本省やブルネイ側の仕事、責任の範囲です」

 

そう言ってもらえると心強い。私は、ちょっと肩の力が抜けた思いだった。

「そうだな。まずは、しっかり食べること。腹が減っては戦は出来ぬ、だ」

 

「はい。しっかり召し上がってください」

そう言って彼女は微笑んだ。その後ろには漣と電が座って笑いながら食事をしていた。彼女たちを見ていてふと美保に帰ったら、こういう企画も良いなと考えていた。

 

……目が合った青葉さんがウインクをしてきた。だから誤解を招くから、そのリアクションはやめてくれって。でも彼女も変わったよな。

 

その時、ブルネイの哨戒機が頭の上を通り抜けた。責任の範囲か……。

 

 

<<広場:演習変更と金剛>>

 

「テイトク!」

 

「はい?」

振り返ると元気になった金剛がいた。相変わらずお皿は肉で大盛り。肉食系か?こいつは。

 

「ホントは艦砲射撃と航空機支援があったデス。でも私たちが出る直前に変更されたデス」

なんだ演習メニューが変更された話か。最後のはカットされたんだよな。

 

「だから比叡も赤城も日向だって活躍できる場があったのに……」

分かったから、あまり白熱するとホラまた肉がこぼれている。そして比叡がチョコマカと肉片を拾い集めている。こいつもマメだな。

 

「だからって扶桑さんとか最上を無視するのは可哀想だろう」

私が言うと金剛はちょっと脹れて反論してきた。

 

「私は可哀想ではナイですか?」

 

「いや、決してそういう意味では……」

 

「どーゆー意味デスか?」

何だか金剛には、いつも押されるよなあ。誰か助けてくれ。

 

「あ~手伝います」

そう言ってやって来たのは、あれ?比叡か。どっちの艦娘か知らないが……と思ったら二人で金剛の周りで”回収”を始めている。何だよ、助けに来てくれたんじゃないのか?

 

そのとき落ち着いた声でカットインしてきた艦娘がいた。

「金剛さん、もう良いでしょう」

 

見ると日向だった。これも相変わらずマイペースだよな。

「演習とはいえ戦場ですから臨機応変。予定通りに行かないことの方が多いと考えるべきでしょう」

 

「……」

いいぞ、金剛が怯んだ。

 

「規律という観点からは褒められませんが、もしあれが戦場ならば金剛さんの判断は間違っているとは言えませんし」

ほう、日向が褒めるとは珍しいな。

 

金剛も自分の行動が責められず、むしろ褒められたことにちょっと機嫌を直したようだった。胸を張って言った。

「もちろんデース!私はいつでも真剣なのデス」

 

うん、それは認める。そこが良いところだよな。

 

<<広場:加賀と赤城と>>

 

「そうね、金剛さんはスタンドプレーが多いけどアレが戦場ならむしろ、積極的な姿勢のほうが良い場合が多いわね」

いつの間にか近くまで来ていたブルネイの加賀さんだった。日向と加賀さんって何となく似ているよな。

 

すると赤城さんもやってきた。

「航空機支援を十分にお見せできなかったのは残念ですが、久しぶりに加賀さんと一緒に出撃できただけでも……」

 

そこまで言って、”あっ”という表情になった赤城さんだった。

「ご、ごめんなさい。加賀さんは量産型でした……」

 

そうだよな。でも赤城さんがかつて一緒に実戦を通過したオリジナルの加賀さんと違和感が無いくらいに、この量産型加賀さんも完成度が高いということだろう。それは別に悪いことではないと思う。事実ブルネイの加賀さんも、ちょっと微笑んで言った。

「そう言って貰えると嬉しいわ、赤城さん」

 

そういえば私はオリジナルの加賀さんは、ほとんど会ったことがないけど、赤城さんが間違えるくらいだから、ほぼ瓜二つなんだろう。なかなか未来レシピの効果は大きい。いずれ、そう遠くないうちに美保の艦娘たちも、どんどん量産化タイプが増えていくのかな。オリジナルと量産型……でも私たちも混乱するが本人たちはもっと混乱するだろうな。このブルネイにいる漣と電だって、もし美保に連れて帰ったら、お互いが大混乱しそうだ。

 

でもそういうことも含めて美保鎮守府としては積極的に取り組んで前例を作っていくべきなのかも知れない。そうも思えた。

 

「ボクも、そう思います」

おっとビックリした。ブルネイの最上か。

 

「確かに、せっかくの演習の機会で残念でしたけど、でも実戦ってこんな感じなんだろうなって。そう思えただけでも収穫は大きいです」

 

「謙虚だね~、最上は」

横から出てきたのはブルネイの伊勢だった。そういえばこの艦娘も、だいぶ元気になった。確かこの伊勢は試作量産型だったが今のところまったく問題ない。こういうのを”安定”しているというんだろう。

試作段階でもレシピがうまく行く場合もあるのだろうか?私は建造は詳しくないがそんなことも考えていた。

 

ふっと日向を見ると今までに無いような穏やかさというかリラックスした表情をしている。姉妹艦や同系の使命を持つ最上と一緒なのがもしかしたら良い効果をもたらしているのだろう。それが試作型量産型の”伊勢”にも良い効果をもたらしている一因なのかもしれない。そう感じるのだった。

 

『もし、宜しいですか』

そのとき誰かが私の後ろから声をかけてきた。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ5ん」とは
「美保鎮守府:第五部」の略称です。
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