マイ「艦これ」「ブルネイの旭日」(第5部)   作:しろっこ

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一時はどうなるかと思われた金剛VS武蔵だったが……金剛VS武蔵様のバトルは予想された通りの結果となり、提督たちはそのまま午前の会議会場へと向かった。会議では、国際問題も含め意見交換がなされ、次官と作戦参謀がノリノリ、お陰で提督の総括の時間が割愛され、ホッとするのだった。ブルネイ軍関係者との食事が終わって駐車場へ向かった提督たちは、そこで変わったものを見かけた。


第24話(改)<やっぱ、金剛っぽい~?>

「本当の強さとはな、弱い者を護り抜く勇気だ。蛮勇ではない」

 

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「艦これ」的「ブルネイの旭日」(みほ5ん)

:第24話(改)<金剛~ぽい~?>

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<<バトル:金剛VS武蔵2>>

 

武蔵様はまったく表情を変えず、腕を組んだまま続ける。

「金剛、歴戦の勇士たるお前なら知っているだろうが、戦場では傷ついた者、大切な者、より多くの者を護る為に、敢えて敵を引き付けるために矢面に立つことがある」

 

「……し、知ってるネ!」

あれ?ちょっと怯んでいるのか?金剛は。武蔵様よりも彼女の方が動揺しているように見える(無理も無いが)。

 

「デモ、それは囮ね!囮はダメって……」

そこで一瞬詰まった金剛。

 

「テイトクが……いつも言うネ!」

あれ?そのひと言で、なぜか全員の注目が私に集まる。別に非難の目ではないから良いんだけど、急に恥ずかしくなった。いや、まさか金剛が私の言葉を意識していたなんて、そっちの方が意外だった。

 

武蔵様も、金剛のひと言に驚いたような表情を見せた。だが直ぐに、穏やかな表情に変わった。

「……そうだな、私も囮はあまり好きな戦法ではない。だが、それが指令であれば、喜んで囮にでもなるさ」

 

「……」

金剛は答えない。

 

武蔵様は続ける。

「金剛、囮でも何でも構わないが、戦いとは最後の最後まで、全力で戦い抜いてこそのものだ。もしも提督が、お前に囮を命じたら、金剛は喜んで囮になるのか?」

 

「そ……」

一瞬詰まった金剛だったが、すぐに力を込めて言い返した。

 

「それは当然ネ!テイトクは絶対だから……」

ややぎこちない言い方ではあるが、金剛は言い切った。なぜかダブル比叡と榛名さんが驚いている。まあ、普段の金剛が、誰かの命令に完全に屈服するという態度はあまり見せない上に、その相手が他でもない私なのだからな……ちょっと苦笑してしまった。

 

だが金剛、お前の気持ちは嬉しいよ。

 

<<バトル:金剛VS武蔵3>>

 

武蔵様はかなり穏やかな表情になっている。何か、金剛の気持ちが伝わったからだろうか?それでもちょっと意外なことを言った。

「少なくとも、ここにいる日向には、それがあるな」

 

「……!」

自分ではなく、日向が褒められたことで、金剛は悔しそうな表情になった。こういう妙に負けず嫌いな感じが、金剛らしいというか、もうちょっと大人になれって思うんだよな。日向は少し恥ずかしそうな表情をしている。

 

武蔵様は続ける。

「本当の強さとはな、弱い者を護り抜く勇気だ。蛮勇ではない」

 

「……」

何か言い返すかと思ったが、金剛は黙っていた。

 

再びメガネを押さえながら、武蔵様は言った。

「だがな、金剛。今までの私への反論は、お前なりに精一杯、美保鎮守府と、この提督、そして艦娘たちを愛するゆえの反抗と心得る。だがな、愛するがゆえに皆の重荷を静かに背負うことも愛なのだ……単なる兵器や、戦闘ロボットのようには、なって欲しくないぞ、金剛。私の言っている意味が分かるか?」

 

金剛だけではない、その場に居る全員がハッとしたような表情を見せた。そうか、今までのことはすべて金剛なりの鎮守府への想いだったのか……。

 

「金剛、私からもお前には、美保鎮守府の将来を頼む。日向が居なくなれば、支柱となる者がその分、必要になるのだ。それでもお前は、いつまでも提督や秘書艦にばかり、重責を負わるつもりか?」

 

「……」

さすがの金剛もようやくハッとしたような表情を見せた。金剛だってバカではない。いろいろ想うところがあるようだな。後ろの比叡たちも、ちょっと安堵したような顔を……お前たちのほうが、まだ悟りは早いんだな。榛名さんは、あれ?武蔵様の言葉にうなづきながらウルウルしている。

 

技術参謀や作戦参謀、次官たちも、穏やかな表情になって金剛を見詰めている。それは私も同じ気持ちだ。

一時はどうなることかと思ったけど、何とか収まりそうだ。やれやれ……しかし、武蔵様って大きい。大きすぎるよな。いつの間にか来たプレスたちも、一生懸命メモっているし。武蔵様語録でも配信されそうだな。

 

<<バトル:終結>>

 

「……」

金剛も、かなり精神的に一杯になってしまった感じだな。武蔵様もそれに気付いたようで、スッと金剛に近づくと、その肩をやさしく叩いた。

 

「金剛、心配するな。私はお前の、その一途さが好きだぞ。お前みたいな艦娘も、鎮守府には不可欠だ。頑張れ!」

 

「……」

金剛は、もはや声も出ない。むしろ、その後ろの比叡ダブルスの方が、間近で見る武蔵様に圧倒されて、ガチガチになっている様は、端から見ていると、やや滑稽だった。

 

そして武蔵様は、少し離れて他の艦娘たちと待っていた駆逐艦に声をかけた。

「清霜、行くぞ!」

 

「はい!」

清霜と呼ばれた駆逐艦が、慌てて付いていく。

 

作戦参謀が私に言う。

「武蔵は、直ぐに横須賀へ向けて戻るそうだ」

 

「ええ?航空便とか無いのですか?」

私は思わず声を出した。

 

次官が言う。

「実はな、フィリピンまでならと、あの特使が声をかけてくれたが、さすがに友好国でない便に艦娘だけを乗せるわけにはいかないだろう」

 

「まあ……そうですね」

 

技術参謀も言う。

「ドイツとかイタリアなら良かったがな、彼らも晩餐会まで残るようだから」

 

私たちの騒ぎに気付いた武蔵様が振り返って、微笑んだ。その意外に女性らしい表情に、私はドキッとした。

「案ずるな、清霜も居るしな。やはり海が良いのだ……」

 

なるほど……。すると、ちょっとベソをかいたようにうつむいていた金剛が叫んだ。

「ムサシ!」

 

金剛のほうを振り向いた武蔵様に、敬礼をしながら金剛は言った。

「グッド・ラック!」

 

武蔵様は笑みを浮かべながら軽く敬礼を返し、そのまま片手を上げると、駆逐艦を連れて去っていく。他の艦娘たちも、軒並み敬礼をした。なかなか感動的な……ああ、青葉さんも、そして周りのプレスたちも、しっかりとカメラに収めていた。やはり圧倒的な存在感だったな。

 

「武蔵さんは、いったん鎮守府で補給したあと、そのまま航路で戻ります。なお、今回は潜水艦娘たちも、随伴するようです」

祥高さんが私に報告する。そうか、それなら安心だな。ああ、それで今日は潜水艦娘たちは不参加だったのか。

 

やれやれ、このゴタゴタで一気に疲れた。時計を見ると、かなり時間を費やしてしまっていた。もう鎮守府に戻らずとも、そのまま会議へ直行だな。私と祥高さん、それに夕立は、朝のクルマへと戻るのだった。

 

<<ノリノリ会議:次官と参謀>>

 

ブルネイの軍司令部。そこで午前に行われたブルネイ軍関係者との会議では、防衛次官がノリノリだった。自分がブルネイ設置の道筋をつけたという自負からだろう。ブルネイがやがてアジア防衛のハブになること。シナにとっては第一列島線上に、日本とブルネイが存在することで、太平洋進出に対する強力な抑止力になること。

シナにとっては、それは目の上のたんこぶのようになるので、最初は威圧される可能性が高いが、艦娘が駐留し錬度が上がれば何も心配することはないと、自説をぶっていた。もう、あのタンカーはシナの差し金ってことで決定のようだな。

 

それを受けた作戦参謀が、補足説明で、ブルネイ泊地の存在は、やがてフィリピン周辺海域はもちろん、南アジア全般に睨みを利かせる。航続距離の長い艦船や航空機があればインド洋までもカバーできる絶好のロケーションになるとか。これはその地域のシーレーンの安全確保と同時に、深海棲艦と手を組もうとするシナのような国に対しても、強力な抑止力になるのだ。こういう現場感覚は、日本にいるとぜんぜん分からない世界だな。

 

しかし次官にしても作戦参謀にしても、やはり単なるイノシシではないらしい。軍事作戦面では、それなりのものがある。その点は脱帽せざるを得ない。

 

会議のさなか、シナ政府が正式に日本政府とブルネイ政府に対して抗議を表明。シナの船舶が艦娘に攻撃されたと、濡れ衣を着せてきたらしい。ただ今回はフィリピンの特使とアメリカ軍の関係者が間近に居たことが幸いし、シナの意見には両国が同調しなかった。このため、最初のシナの抗議声明に関しては、国際社会の反応も意外なほど鈍かった。それよりも艦娘という存在が世界的に急速に認知され、そちらへの興味の方が大きかったようだ。軍令部も忙しくなるな。

 

あとはブルネイ司令が、現在の鎮守府への航空基地の併設を発表していた。実は以前から、それを願っていたようだが、なかなかブルネイ側から良い返事が聞かれなかったらしい。それが今回のミサイル騒ぎだ。むしろブルネイ側からも、改めてミサイルおよび航空防衛の相談が持ちかけられたようで、鎮守府側としては渡りに船だったようだ。

 

会議ではブルネイ側から艦娘の量産技術について質問があった。今後、特に武蔵様のような大型艦は着任するのかという確認があった。これは技術参謀からは、可能性はありますとだけ説明があったが、私は補足的に将来は必ず着任するでしょうと答えて置いた。さすがに次官や作戦参謀たちは少し慌てた。だが私は見てきたからな~。その点は太鼓判が押せる。技術参謀も、仕方がないやつ的な顔をしていたが、異論は無かろう。そもそも、未来でのゴタゴタの張本人は、貴女だからね!

 

本来なら最後に総司令官としての一言を求められる予定だったが、次官や参謀たちが始終ノリノリだったお陰で、時間が押しまくった。結局は、ここでは形だけの挨拶で済んだ。何しろ昼食後は、ブルネイ国あげての表彰式だからな。さすがに、この式典の時間を遅らせるわけにはいかない。

 

そのまま私たちは、ブルネイの軍関係者を交えての昼食会となった。そこではざっくばらんに、今後は日本へブルネイの武官を派遣したいという話題が出た。そっか、美保鎮守府にも、人を迎える体制を整えないと、いけないなあ~。

 

窓から見えるブルネイの空は、何処までも青く、澄んでいた。

 

<<ブルネイ軍本部:駐車場>>

 

ブルネイ軍の関係者との昼食が終わり、解散となった私たちは、軍本部を出て駐車場へと向かう。ブルネイの日差しは強いが湿気は少ない。真っ青な空と白い雲を背景に、緑の椰子の葉がサラサラと乾燥した風に揺れている。日本には、こういう気候はない。特に美保鎮守府のある山陰は、これからの9月、秋から冬にかけて、曇天が多くなる。当たり前だが、そんな日本海側の気候とは大違いだ。

 

人の気質って言うのは、気候風土と密接な関係があるともいう。もし私がこのブルネイに着任したら、きっともう少しは、あの次官のように能天気になるのかも知れないなと思った。願わくば美保の艦娘たちには、山陰の冬の気候風土には、変に馴染んで欲しくはない。もっとも扶桑さん姉妹や、強いて言えば神通さんとか鳳翔さん辺りだと、”島根美人”的に山陰の気候にもしっくり来るかもしれないけどね……いかん、ついつい妄想に走ってしまった。

 

私は「あれ?」という祥高さんの声に、ハッと我に返った。見ると、駐車場の車のところで、夕立があの運転手とにこやかに会話をしている。へえっと思った。私たちが近づくのに気付いた彼らは、ちょっと慌てたように車に戻った。

私たちが近づくと、私の座席側のドアを、あの運転手の青年が、そして祥高さん側のドアは、珍しく夕立が開けてエスコートしてくれた。

 

「ありがとう」

そう言いながら、私たちは車に乗り込んだ。周りの軍関係者たちも、表彰会場へ向かうメンバーは、次々と軍用車や黒塗りの車に乗り込んでいる。

 

車内に入ると、運転手の青年は言った。

「では、出発します」

 

黒塗りの車は、会場へ向けて出発した。

 

<<幹線道路:車内>>

 

車はブルネイ市内の幹線道路を会場へ向けてひた走る。空は抜けるように青い。さっきから、助手席の夕立が、やや上機嫌なのが気になった私は、駐車場での彼女の様子を思い浮かべながら聞いてみた。

「夕立は、英語が喋れたっけ?」

 

夕立は私の質問に、ちょっと驚きつつも、運転手をチラ見しながら答えた。

「ううん、違うっぽい。彼ね~、ビックリなんだけど日本語、上手なんだよ~」

 

「へえ」

 

「いえ、さほどでも……」

いきなり流暢な日本語で返事が来て私は驚いた。祥高さんも驚いている。発音も良いし、なかなかうまいじゃないか?おまけにテナーボイスが魅力的な低音だ(笑)彼は運転しながら恥ずかしそうに続けた。

 

「私の両親が木村知事を尊敬しておりまして、小さい頃から日本語を学んでいました。もともとこの国には日本を尊敬する者が多いですし、まさかこのような形で実現するとは思いませんでした」

 

「すると君のお兄さんも、話せるのかな?」

 

「いえ……」

彼は恥ずかしそうに笑った。

 

「兄は武闘派でして、片言程度ですね」

 

「なるほど……」

兄弟でも性格とか違うからな。

 

「ねえねえ~、凄いでしょ~」

夕立が振り返りながら、ちょっとはしゃいだように言う。そうだね……っていうか、そんな風に舞い上がっているお前の方が気になるけど。やっぱり、夕立も普通の女の子なんだな~って、思ってしまった。

 

そう思っていたら、いつものやつが返って来た。

「ぽい?」

 

「ああ……ぽいな」

私も思わず、意味不明の相づちを打ってしまった。今度は彼の方がちょっと驚いていた。混乱させてごめんね。いろんな艦娘が居るんだよ。でも、そんな私の対応に、夕立はいつになく嬉しそうだった。

 

ブルネイの海も、陽の光を反射させてキラキラと輝いていた。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ5ん」とは
「美保鎮守府:第五部」の略称です。
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