マイ「艦これ」「ブルネイの旭日」(第5部)   作:しろっこ

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いよいよ午後の表彰式会場へ到着する提督と秘書艦だった。ブルネイ迎賓館の豪華絢爛さに圧倒される提督たちだったが、そこもまた指揮官の重要な任務の場所なのだと諭されるのだった。提督たちは、ロビーでイタリアやドイツの武官、そして艦娘たちと話をする。それは注目の的だった。


第25話(改)<ロビーは豪華っぽい!>

「ロビーは豪華っぽい!」

『あなた日本人なの?』

 

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「艦これ」的「ブルネイの旭日」(みほ5ん)

:第25話(改)<ロビーは豪華っぽい>

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<<表彰会場:現地到着>>

 

表彰式の会場は、ブルネイの王宮のすぐそばの迎賓館のような建物だった。ここも敷地の周りは、報道関係の車でいっぱいだったが、中には入れない。柵の外から、警備員に注意されつつ、記者やカメラマンが群がっている。

 

運転手の青年は言う。

「開会までは、まだ1時間以上ございますが、後は案内の指示に従って下さい。私は閉会までは、こちらで待機しております」

 

「分かった。ありがとう」

 

祥高さんが聞いた。

「夕立さんはどうします?付いて来ますか?」

 

1名までは随行員ということで、中には入れるらしい。

 

「うーん……」

珍しく悩んでいる夕立。何だか思案して変な顔をしているこの艦娘って可愛らしいよな~。すると、意外に青年が口を挟んだ。

 

「せっかくだから付いて行きなさい。軍人がこういう表彰を受けるのは名誉なことであるし、それを間近で見るチャンスも、軍人であっても滅多にないことですよ」

にこやかに促す青年。

 

夕立はそれを聞いて考えを決めたようだ。ニコニコしながら言った。

「うん、わかったっぽい。祥高さんに付いて行くっぽい」

 

「そうね、それが良いわね」

祥高さんも笑った。

 

青年は言った。

「銃はトランクに入れたままにして置きましょう。恐らく持ち込みは出来ませんし、さすがに会場内では不要でしょう」

 

「そうだね、そうしようか」

私は答えた。

 

祥高さんも、夕立に向かって半分冗談っぽく言った。

「でも、いざとなったら、あなたに護衛をお願いね」

 

「任せるっぽい」

夕立は珍しくガッツポーズをした。そういえば、最初に実家に行ったときも護衛艦夕立だったな~。実家では全然、役に立たなかったけどね。私は思わず母親に、玄関の扉の角をぶつけられたことを思い出した……あれも、ほんの一ヶ月ちょっと前の話。それが今は南の国で表彰式とはね。そして、この場に”護衛艦夕立”と一緒に居るというのも、不思議な縁だ。そう思いつつふと夕立を見た。

「ぽい?」

 

「ああ、ぽいな」

なぜか、最近は自然に応答できる自分が怖い。まあ、こうなるのも夕立とも何か縁があってのことだろう。

 

<<表彰会場:ロビーへ>>

 

開会までは時間があるが、普通の人は衣装の準備だの何だの準備で忙しいようだ。とはいえ、私も祥高さんも軍人だから、さほどドレスアップする必要もない。強いて言えば、祥高さんが”化粧直し”をして、ありったけの勲章を追加するくらいだろうか?

 

この会場は、王宮に隣接し、かなりセキュリティが厳しい。また今回は参加人数も厳選されているので当然、艦娘たちは参加できない。随行員(護衛艦)の夕立と、プレス担当の青葉が特別に許可されたくらいだな。そういえば帝国海軍の一員として参列する作戦参謀も艦娘だった。つい忘れてしまう。ふと見ると、向こうには次官と彼女の姿も見えた。

 

今日は鎮守府に残った艦娘たちは、午後から夜までは、哨戒当番を除いて全員がフリータイムだ。まあ興味のある艦娘たちは、鎮守府でTV中継でも見ているのだろう。

 

中継?

 

そうか、下手したら、この模様は日本にも報道されるわけだ。帝国海軍としては、久々のビッグニュース。しかも深海棲艦だけでなく、シナの横暴を曝け出す形で凹ませた訳だから、大本営が飛びつかないわけがないだろう。防衛次官も鼻、高々だろうな。

 

いずれにせよ海軍だけでなく美保鎮守府も、今後は注目されるだろうし、艦娘たちも同様だ。それが良いのか悪いのか……まあ、艦娘たちは基本的に大丈夫だろうが。

むしろ、私を始めとした人間の軍人の方がしっかりしないといけないだろうな。

 

私たちはセキュリティゲートを通って、ロビーへと入って行った。

 

<<ロビー:豪華絢爛>>

 

「……!」

私たちはロビーに入って、その豪華絢爛さに度肝を抜かれた。

 

「わあ~」

「ロビーは豪華っぽい!」

 

私が山陰という地方の田舎者であるうえに、ここに居る艦娘も含め、全員が世間知らずの軍人どもだから仕方がないけど……絵に描いたような豪華な迎賓館。例えるなら、あれだ。中世ヨーロッパのベルサイユ宮殿のようなキラキラした感じ(イメージ)。とにかく壮麗のひと言という他はない豪華さだ。

転びそうな毛足の長いじゅうたんに、重厚な調度品。当然、高い天井にはシャンデリアが当たり前のように連なっているし、壁もいちいち装飾があって、金銀の縁取りがまた、これ見よがしに張り付いている。

 

いつも無骨な鎮守府とか、軍事施設にばかりいるから、この落差は、あまりにも凄まじいものがある。目が眩むというのはまさに、このことだな。

 

「ぽい、ぽい、ぽい~!」

夕立もしつこいくらいに感嘆の声を上げている。それを見て、ああ、良かったな~お前、駐車場で留守番してなくてって思った。あの彼は、こんな世界もあるのだということも含めて、夕立にこれを見せようとたのかも知れない。

 

「凄いですね……」

祥高さんも、絶句している。私は既に言葉を失っている(笑)

 

ブルネイはもともと石油やゴムが取れるため、軍事資源的にも豊かな国だという認識はあった。その道筋をつけたのがあの木村知事だ。それによってブルネイは豊かな国になり、治安も安定している。

 

そもそもブルネイの鎮守府は、かなり余裕を持って大きめに造られている。その大半が、実はブルネイ政府からの補助で立てられているという噂も聞いていた。駐留する他国軍のために、そこまでするほどの親日的な国なんだという程度の認識だったが……これを見て納得した。ここは本当に豊かな国なんだ。これはシナ辺りに狙われてもおかしくはない。労働者の敵とか、ブルジョアジーとか難癖付けて来そうだもんな。

 

この建物自体、隣の王宮に隣接しているから、外見は比較的に質素に見えたけど、中に入ればさすがは迎賓館だ。改めて自分がここに居ても良いのだろうか?と思わずには居られなかった。

ロビーには、軍人っぽいのは、私たちを含めて、ほんの少々だけ。あとはスーツやドレスを着たVIPだらけ。金髪の人も多いから、アジアだけでなく、各国の大使たちも呼ばれているんだろう。

 

「おい!」

この声は……振り返ると、ああ、やっぱり作戦参謀!彼女も浮いているだろうと思いきや、あれれ?いつの間に着替えたのか?さっきの軍での会議よりもピシッとした軍服に変わっている、これ見よがしの勲章を……

 

<<ロビー:参謀と次官>>

 

「悪かったな、これ見よがしで!」

 

「いえ」

相変わらず私の独白にも敏感な作戦参謀と、その隣には、防衛次官がいた。

 

作戦参謀は、私たちに近寄ってきて言った。

「悔しいがな、祥高姉さんの方が数は多い……って、そんなことは、どうでもいい!」

 

いや、独りで勝手に突っ込みいれて……なんだか、作戦参謀も性格が変わったよな。ちょっと角(かど)が取れたというか。

「私の角(ツノ)のことはどうでも良い、お前がピシッとしろ!」

 

「心得て居ります!」

私も半分冗談気味に敬礼をしてみた。

 

「だから……」

そこで彼女は、止まって苦笑した。

 

「まあ良い。今日の主役は実質、お前だからな……期待しているぞ」

 

「ハッ!」

近くで腕を組んでニヤニヤしていた防衛次官も加わってきた。

 

「とうとう迎賓館デビューに、表彰式デビューか。今日はお前の新しい誕生日だな」

 

意外と気の利いたことを言う。そういう次官も、イタリア武官に負けないくらいに、立派なスーツを着込んでいる。

「今は分からないことだらけだろうけど、こういう社交場みたいな場所でのやり取りも、司令官の重要な任務の一つだ。ここはアジアだが、こういう社交場はだいたい西洋流だ。特に西洋では単独での社交場への参加というのは余り良い顔をされない」

 

「あ……」

そうか、それで次官も”女性”の作戦参謀とペアなのか。そういう私も秘書艦と、その護衛艦まで居るし。ちょっとホッとした。

 

「最初はこういうロビーで適当にやり取りをするんだ。そのうち、お前のような”主賓”とか”来賓”には、案内が来るからな。適当にウロウロしておけ」

 

「なるほど」

 

「ほら、向こうの武官たちも、お前と話しをしたそうだぞ」

見ると、イタリアとドイツの武官が、やはり艦娘を連れて、こちらを見ている。まずはイタリアが近寄ってきた。

 

『チャオ~』

 

<<ロビー:武官たち>>

 

イタリア武官が近寄ってきて言う。

『あらぁ~、なかなか凛々しくってよ』

 

『ありがとう』

 

『ウフフ、立場(位置)が人を成長させるって言うのは、あるようね』

褒めているのか、社交辞令なのか、何ともいえないな。

 

ドイツも言う。

『そうだな。彼の置かれた立場もあるし、男子たるもの、やはり戦いを通して成長するとも言える』

 

何となく、ドイツも相変わらず固いな。

 

しかし、イタリアにしてもドイツにしても女性である”艦娘”を連れているとはいえ、どちらも外見は少女だから。社交場に相応しいかどうかは何ともいえない。とはいえ、この二ヶ国の武官たちの対比は相変わらずだ。イタリアは、武官も華やかならば、艦娘のリベッチオも、ものすごいヒラヒラが付いたスカートに、肩丸出しのドレスだ。このくらいゴージャスなら、社交場にも相応しいのかもしれない。

 

一方のドイツは武官が軍服なら艦娘も、ピチッとした感じの軍服だ。それはスマートで格好は良いが、この場ではちょっとね……(いや、わが国だって人のことは言えないけど)

さすがにドイツは、いつもの腕の赤い腕章はつけていない。噂では、あのマークを嫌悪する人も皆無ではないらしい。そこは式典に配慮したのだろう。

 

実はさっきから夕立が、リベッチオの衣装を羨ましそうに見ている。しかしドイツの艦娘は無表情で、服装には無頓着な感じだ。まぁ夕立の軍服は、比較的オシャレな方だし、何より夕立自身が金髪だからな。放って置いても、そこそこ社交場にもマッチする感じだ。夕立の様子に気が付いたのか、リベッチオが英語で話しかけてきた。

 

<<ロビー:リベッチオと夕立>>

 

『ねえ、さっきから気になっていたんだけど』

 

「ぽい?」

夕立は、何となく反応した。

 

『あなた日本人なの?』

 

「ぽい?」

夕立が金髪だから、ハーフか何かだと勘違いしたのだろう。だが夕立は英語は駄目なはずだ。ましてやイタリア語はもっとダメだろう。それでもリベッチオは気を利かせて英語で話しかけてくれたようだが、やっぱり夕立は”ぽい?”しか言わない。こりゃダメだ。このままだと宇宙人かと思われてしまう。すぐに祥高さんが助け舟を出した。

『この艦娘は”夕立”、純粋な日本生まれよ。英語は無理ね』

 

『へえ~』

リベッチオだけではない。大人しそうなドイツの艦娘も、同じ艦娘だからだろうか。夕立に興味があるような表情をして見ている。

気が付くと私たちの周りのVIPも、艦娘たちの会話を遠巻きにしながら興味深そうに見ている。何となく、あれが例の”艦娘”か?という感じのささやき声がチラホラ聞こえる。

 

<<ロビー:ドイツと艦娘>>

 

そういえばドイツの艦娘の名前を、ずっと聞いていなかったな。私はドイツ武官に尋ねてみた。

『失礼ながら貴国の艦娘の名前を伺っていませんでした。差し支え無ければ、教えて頂けませんか?』

 

『ああ』

ドイツ武官は、躊躇することなく答えた。

 

『この艦娘はU-511です。総統閣下は”Uちゃん”と御呼びになりたいそう、お気に入りなのです』

 

『へえ、あの総統が?』

そういえば、その件は聞いたような気がするな。あの総統も老いてなお、鼻の下を伸ばすだけの活力は残っているらしい。

 

『それもあって、わが国でも艦娘の量産化技術は喉から手が出るほど欲しいのです』

なるほどね。ドイツにとっては、いろんな意味で、艦娘量産化技術が欲しいのだな。総統閣下がさらに元気になれば、ドイツの未来も明るいだろう。

 

彼は続ける。

『このたび、この地で艦娘の量産化技術が確立したとか』

 

情報が早いな。

『今すぐでなくても構いません。将来的にはぜひ、ドイツに……』

 

『あらぁ~、ヌケガケはダメよ!』

そこでイタリアが乱入!

 

『わが国も同盟国なんだからぁ~、独り占めするのはズルいわ!』

いや、そういう次元の話ではないんだが。

 

『失礼します』

そこで、ブルネイ側のスタッフらしき人物が2名、私たちに声をかけてきた。

 

<<ロビー:案内係>>

 

見ると、祝典の付き人らしい、きっちっとした身なりの男性と女性だった。

『こちら日本海軍の総司令官と秘書艦のお二人で、よろしいでしょうか?』

 

『ああ』

 

『式典のご説明を致します。お二人の控え室のご準備が整いましたので、ご案内いたします』

 

『分かった。お願いする』

ついに来たか……。ちょっとドキドキするな。

 

『こちらは、御付きの方でよろしいでしょうか?』

女性の方が夕立を見ながら確認をする。

 

『ああ、そうだ。秘書艦に同行する護衛艦”夕立”だ』

 

『かしこまりました。では夕立様もどうぞ』

 

「ぽい」

彼らは夕立の奇襲攻撃「ぽい」にも動ずることなく、祥高さんと夕立に案内を続けた。さすが、案内係も格の違いを感じさせる(笑)

 

私たちは、次官や武官たちに会釈をして、そのまま案内係に従った。改めて私たちが主賓なのだと思うと緊張するな。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ5ん」とは
「美保鎮守府:第五部」の略称です。
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