マイ「艦これ」「ブルネイの旭日」(第5部)   作:しろっこ

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パーティまでの間、控え室で休むことにした提督は、意外な人物が紛れていた事に気づいてちょっと驚くのだった。やがて時間になり、提督たちは再びエレベーターで階下の会場へ向かう。しかしパーティのようなイベントに不慣れな提督は、最初からまごついてしまうのだった。


第32話(改)<司令官はパーティが苦手>

『ざっくばらんな感じで、ご参加くださいね』

 

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「艦これ」的「ブルネイの旭日」(みほ5ん)

:第32話(改)<司令官はパーティが苦手>

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<<控え室:休憩>>

 

案内係の男性は、説明をした。

『パーティ会場は、この下の階になりますので、さほど慌てなくても大丈夫です。それでは15分後に、改めて、お迎えに上がります』

 

『分かった、ありがとう』

私は言った。

 

祥高さんも、付け加える。

『お手数を、お掛けして済みません』

 

『いえ……では失礼します』

彼は、去り際に初めて微笑んでくれた。ちょっと、ホッとした。

 

「さて……んん?」

私は控え室を振り返って驚いた。

 

「あれ?なんで青葉が、ここに居るんだ?」

驚いた私に、彼女はやや困惑したような表情をして答えた。

 

「あれ?……って、やですよ司令。私だって突然、国王陛下から、こんなすごい物頂いて、平然として居られませんから~。落ち着かないんですっ、もう助けてください!」

 

「まあ」

 

「ぽい~?」

祥高さんと夕立も驚いたような反応を見せる。

 

私は言った。

「まあ、まずは皆、落ち着いて座ろうよ」

 

私たちはソファに座った。私は直ぐに青葉に突っ込みを入れた。

「天下の青葉記者も、このサプライズには、混乱したわけか?」

 

青葉は困惑したような表情をしている。

「あ~、いやぁ、その何って言うか別にぃ~……でも、そうかも知れません」

 

珍しく青葉も混沌としているようだ。

 

夕立もカットインしてくる。

「それ~、青葉だけじゃないっぽいよぉ~」

 

珍しくといか、いつも通りというか彼女も、唇を尖らせつつ困ったような顔をしている。その胸には素敵な輝きを見せるネックレス……ああそうか。夕立だって表彰されてサプライズ・ショックだな、良い意味で。

 

<<控え室:表彰の価値>>

 

祥高さんが言う。

「私たちは、表彰のことを事前に知らされていましたけど、青葉さんや夕立は、いきなりでしたからね」

 

青葉は頂いた指輪を見詰めながら、言い訳のように言う。

「そうですよ~。そりゃ私は、ある程度、突発的なことにも慣れてはいますけど、でもやっぱ、こういう”攻撃系”じゃない”奇襲”が来ると、もう正直どうして良いやら……」

 

「ぽい、ぽい~」

ネックレスをもらった夕立も同意している。

 

「うふふ」

祥高さんは二人を見て微笑んで言った。

 

「そうね、艦娘は戦うことに価値がある存在だから。今までも司令部からは出撃命令を受けるばかりで、戦果が上がっても、それが当たり前。勝利して私たちが得られるものは資源や能力の向上だったから、純粋に”表彰”だけっていうのは無かったわね」

しきりにうなづく青葉と夕立。なんだか従順な犬のペットみたいで、お前たちの、その反応は可愛いらしいぞ。

 

私は自分の演説を思い出しながら言った。

「確かに上の連中も艦娘は単なる兵器という認識しか無かっただろう……それを今回初めて”人間並み”に認めてくれたのが、まさにブルネイ政府だったわけだ」

 

青葉が言う。

「そうですね~、私もそう思います。でも司令の演説……私、とても感動しました」

 

「そうか?」

私が見ると青葉だけじゃなく、夕立も祥高さんも、うなづいていた。いや正直あの演説に感動するような"内容"があったのか自信がないので正直、嬉しい。

 

夕立も言った。

「司令の言葉って、何だか私たちを本当に想ってくれている感じがするっぽい。だから私、司令の演説……好き」

 

最期のほうは小さくて聞き難かったけど、その言葉はとても嬉しかった。うつむき加減にちょと頬を紅潮させている夕立は、純朴そのものだった。この娘はホントに素直だよな。

「そうか、ありがとう」

 

でも私が艦娘のことを想う気持ちは本当だ。それが無ければ美保鎮守府の司令なんてやっていられないし、あんな演説も出来ないだろう。

 

「司令が言ったように私、もっと強くなるから、もっと頑張るっぽい」

夕立は呟くように言った。その言葉は、何か響くものがあった。他の二人の艦娘も、微笑んでうなづいていた。

 

やがてドアをノックする音がした。時間だな。私たちは立ち上がった。

 

<<廊下:4階→2階へ>>

 

男性の係員に案内されて、再び階段ではなく、VIPエレベーターで降りる。今回は青葉も居るから、彼女は失礼と言いつつ、盛んにシャッターを切る。私は心配になって釘を刺した。

「青葉、写真も良いけど、シナみたいな国に成金趣味だと誤解されると、ややこしくなるから、こういう場所の写真はあまり表に出すなよ」

 

青葉はチラッとこちらを見てニヤニヤしている。

「心得てますって。これは私の目の保養も兼ねてますから」

 

なんだ、お前の趣味かよ。

 

夕立も言う。

「でも不思議っぽい~。こんな世界もあるんだね~」

 

それと同じ気持ちを、ここに居る美保鎮守府の全員が思っているだろう。

お互いに悪気は無いとしても、階層社会というのは存在している。それが是か非か言うつもりはない。シナのように形だけの平等を唱えて何になる?そもそも私たちの居る軍隊など連中の理論からしたら不平等極まりないだろう。

 

平等か……あの大井が深海棲艦だったとき、境港の路地裏で語っていた言葉を、なぜか思い出した。深海棲艦には身分や階級が無いようなことを言ってた。それが彼女の理想かどうかは別としても結局、連中もシナも同類じゃないか?

 

わが国を始めとした枢軸国側、イタリアもドイツも独裁国家ではあるが、一度も暴動が起きたとか、反乱分子が現れたことは無い。大東亜戦争も10年以上続いたが、後半はゲリラ戦になっていた。

結局、国連の提案で枢軸国側がかなり譲歩させられ、わが国では朝鮮半島や太平洋周辺の島々を強制的に解放させられた。その後は国連の信託統治とか言っていたが結局、朝鮮半島は半分シナに占領されている。

 

太平洋の島々だって、わが国に統治されていたときの方が治安も経済も安定していたと国連に訴えている国もある。でも常任理事国が許可していない。その常任理事国の一つがシナだからな。笑い話というか悪夢だ。そう思っていたら2階へ到着した。

 

<<2階:エントランス>>

 

エレベーターを降りると、広いエントランスホールになっていて、シャンデリアと絨毯(じゅうたん)だ。夕立の言葉を借りるまでもなく、ここは、もはや異世界だ。

だがこういった世界も結局は私たち軍人が護っているからこそ存在するのだ。それに対する自負心、誇りは持つべきだろう。

 

しかしローマ時代から政治家(権力者)と軍人、あとは平民という社会構造は、大して変わっていないのかもしれない……いや、複雑なことを考えるのは止めよう。白けるばかりだ。

 

ここで青葉と夕立と分かれる。彼女たちはセキュリティチェックと受付が必要。私たちは、簡単なボディチェックだけで、そのまま係員の男性に従って横の通路から奥へと進む。国王陛下は来られないだろうけど、他のVIPが来るのかも知れないな。

 

ガラス張りの細い通路で、係員の男性から説明を受ける。これからパーティだが、基本的に最初の乾杯と、最後にもう一度、私のスピーチがあるだけで、あとは1時間半程度、立食パーティ形式となるそうだ。

これが終わったら、駐車場まで案内されて、そのまま鎮守府へと戻る流れ。なるほど、もう一回、喋らないといけないのか。私は心の中で苦笑した。

 

表彰という恩恵には感謝の言葉で応えないと、タダでは返してくれないのだ。まあ、それが上に立つものの義務なのだろう。司令官というのは、つくづく大変だな。

 

<<会場裏:入場?>>

 

給仕係が出入りする通用口みたいなところから会場の様子がチラチラと見える。もうほとんどお客さんも集まっているみたいだ。

そこで私が何も考えずに会場に入ろうとすると、慌てて係の男性に制止された。

『司令、ご入場もタイミングがございますので、しばらくお待ちください』

 

『ああ、そうなのか』

”田舎者丸出し”って感じで自分が恥ずかしくなった。祥高さんも苦笑している。やれやれ、ここに青葉が居なくてホント良かったよ。格好の新聞ネタだな。

 

男性は頭を下げながら言う。

『申し訳ございません、導入にも流れもございまして、まず司会進行を担当する政府の秘書長官が最初に入場します。そのあと、長官が改めてお二人を、ご紹介しますので、そこで、お二人で並んでそこの入り口からご入場下さい』

 

『分かった』

そうか、あの美人長官が来るのか。そう思う間もなく、その本人がやってきた。私は目を丸くした。もともと美人だけど、パーティドレスを着ているから、なおのこと美人に見え……もとい絶世の美女だ!天は二物を与えるんだなあ~。

 

さっきのリベッチオもキレイだったけど、艦娘(駆逐艦)と”大人の女性”ではやはり勝負にならない。それは仕方がないな。

 

<<会場裏:美人秘書官>>

 

リアルでキラキラが付いていそうな美人秘書官は、私たちに挨拶をする。

『司令、これから、もうひと時のお時間を頂戴いたしますが、よろしくお願い致します』

 

『こちらこそ、よろしくお願いします』

私と祥高さんも、頭を下げた。本当にゴージャスが服着て歩いているような華麗なオーラ満載だな。

 

ここでちょっと疑問が湧いた。ブルネイの王女様はベールみたいな物を被って居られたけど、秘書官はベールもなく、まるで映画スタアの如きである。何故、この二人の装束にギャップがあるのだろうか?……まあ良いか。

 

彼女は説明した。

『これから私が開会を宣言し、簡単な挨拶をしたあとで、お二人のお名前を、お呼びします。そのタイミングで、この入り口からお入り下さい』

 

『はい』

美人には丁寧な返事をする私。バカ?

 

『先ほどは、ブルネイ国および王室共催でしたので、少々形式ばって居りましたが、この時間は国務省主催です。先程のような仰々しさはございませんので、ざっくばらんな感じで、ご参加ください』

そういって微笑む彼女。やっぱり近くから見ても美人は美人だ。

 

秘書官は腕時計を見ながら言った。

『そろそろ開始いたしますので、よろしくお願いいたしますね』

 

『はい』

多分、私の鼻の下は伸びっ放しだろうな。祥高さんは黙っているが、あまりこういうことには、うるさく突っ込んでこない艦娘で良かった。

秘書官は、軽く会釈をすると、そのまま会場へと入った。そして会場からは開会を宣言するアナウンスが聞こえてきた。

 

私と祥高さんは、裏側で待っていた。お互い、こういう場面だと、黙っている。しかし今、私の隣に居るのが祥高さんで良かった。金剛とかだったら、きっとケリを入れられるか、チクチク言われているに違いない。クワバラ、クワバラ。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ5ん」とは
「美保鎮守府:第五部」の略称です。
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