マイ「艦これ」「ブルネイの旭日」(第5部)   作:しろっこ

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秘書艦と共に食堂に着いた提督はブルネイの司令と同席して思い出話に華を咲かせる。対話はやがて秘書艦そっちのけでドンドン変な方向へと進んでいくのだった。秘書艦はブルネイ司令に本土帰還のメンバー表を見せる。彼は意外にも様々な意見を言うのだった。そして……。


第43話(改)<同期の桜とハーレムと>

「そのうち過労で倒れるぞ」

 

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「艦これ」的「ブルネイの旭日」(みほ5ん)

:第43話(改)<同期の桜とハーレムと>

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<<食堂:ブルネイ司令>>

 

食堂の窓から見える空はオレンジと群青色のグラデーションを見せ町の建物や手前の椰子の木とグレーの対比を見せる。風が出てきたのか椰子の木が少し動いている。

 

出された食事を食べながら私は祥高さんに言った。

「やっぱり南国だから腐敗しにくい料理が多いのかな?」

 

「そうですね。ちょっと酸っぱいとか辛い系が多いですね」

その時食堂の空気が変わった。ブルネイ司令が入ってきたらしい。見ると入口側の艦娘たちが敬礼をしているが彼は”そのままで良い”という感じで手を上げながら近づいてくる。

 

「同席しても良いかな?」

彼は私というよりも祥高さんに確認している。彼女はどうぞという感じで会釈をした。

 

彼が席に着くと同時に配膳係……今度はブルネイの電ちゃんが来た。

「あの直ぐお食事をお持ちしましょうか?」

 

「え~っと……そうだね。お願いしようか」

何か予定でもあったのだろうか?一瞬考えた彼だったが結局食べることにしたようだ。

 

「分かりました」

電ちゃんは直ぐに奥へ向かう。

 

イスに腰をかけて開口一番彼は言った。

「今日は、いろいろとお疲れだったな」

 

「ああ、こちらこそ世話になったよ」

お互い気軽に本音で会話が出来る関係……やはり同期というのは良いものだ。

 

「祝賀パーティって言うのかな?あの後に何も行事が無くて助かったよ」

私が言うと彼は笑った。

 

「だろう?だいたいパーティの主賓なんて一番疲れるからな。意外と食事も食べられないし」

彼は経験があるような口ぶりだった。

 

「そういえばお前もついに少将だな」

彼は笑った。

 

「あ、そうか」

そうだ。彼とは不思議と階級から任務まで抜きつ抜かれつで同じ境遇になることが多い。今回は追い越してしまったのか。

 

「まあ、そのうちにオレも追いつくさ……あとお前と同調していないのはケッコンくらいか」

 

「ははは」

私は乾燥気味に笑ってやった。

 

<<食堂:同期の桜>>

 

「お二人は同期と伺っていますが」

祥高さんが割って入った。

 

ブルネイ司令が応える。

「ああ兵学校時代からの同窓生さ。性格から何から正反対だったが同じ部屋だったのがきっかけで仲良くなってね」

 

「そうだな~お前が引っ張ってくれたから私も卒業できたようなものだ」

そう応えると彼も続けた。

 

「まあな。オレは突撃型でお前は後方支援型だったな。それで意外とウマが合ったのかも知れない」

 

「……そうですね。司令はそんなタイプですね」

珍しく祥高さんが同調してちょっと驚いた。

 

直ぐにブルネイ司令は笑った。

「あはは~さすが秘書艦殿は司令を良く見ていらっしゃるなあ」

 

私はちょっと恥ずかしくなった。祥高さんが淡々としているのが救いだが。

 

「だいたいお前は周りの人間に恵まれるよ。例えばオレみたいな人間とかな」

彼は笑った。

 

「ああ、そうだな。感謝しているよ」

私が言うと彼は続けた。

 

「オレに感謝したって仕方ない。運が良いんだよなお前は。美保鎮守府にしてもそうだ。閑職に廻されても良いはずの海軍の問題児たるお前が突然、地元の鎮守府の司令で、しかもそこは艦娘ばかりのハーレムだぞ?」

 

「はぁ?」

 

「失礼します」

ちょうどそこに電ちゃんがブルネイ司令の食事を持ってきた。私はハーレムの話題が中断してちょっとホッとした。電ちゃんか……そういえば美保の彼女はしっかりしていたがブルネイも負けては居ない感じだな。

 

私がしげしげと電ちゃんを見詰めていると彼女は恥ずかしそうに言う。

「あの……何か?」

 

「あ、ごめんね。美保にも君と同じ艦娘がいるのでね」

 

「あ……はい」

電ちゃんは恥ずかしそうに微笑んだ。

 

<<司令対談:ハーレム>>

 

「しし、失礼します」

直ぐに恥ずかしそうにして立ち去る電ちゃん。やはり美保の彼女とは微妙に違う印象を受けるな。

 

「おい、ハーレムを思い出したのか?」

いきなりまたブルネイ司令が突っ込んでくる。

 

「ごほっ!」

危うくスープを噴きかけた。このバカさ加減は学生時代の感覚だが……やめてくれって!ホラ祥高さんも目を丸くしているじゃないか。ハンケチで口を拭う私。

 

「ハーレムなもんか。正直艦娘相手は私にはゴーモンに近い」

祥高さんなら本音を言っても大丈夫だろう。実際彼女はそれを聞いても平然としていた。

 

だがブルネイ司令は不思議そうにニヤけて腕を組んだ。

「バカだな~それでも普通の部隊よりは遥かに楽だぞ。恐らく美保の運営は軍隊というよりは女学校の経営に近い」

 

私は美保の夏祭りや墓参のことを思い出した。女学校というのは最初の着任の際のイメージのままだな。あの緊張感はちょっと。

「だから……それが苦手なんだって」

 

「へ~?そりゃおまえ贅沢ってもんだぞ」

 

「何を言うか?このブルネイだっていずれは大ハーレムになるぞ……」

と、そこまで言って私は慌てて口をつぐんだ。だが幸いブルネイ司令は私の言葉は冗談と捉えたようだった。

 

「へへ~そりゃ、いずれかはなぁ」

彼は頭の後ろに手を組んだ。

 

「ここだけじゃないだろう、艦娘がどんどん量産されたら遠からず日本全土、いや世界中がだな……」

と、そこまで言って彼も慌てて口をつぐんだ。秘書艦の祥高さんが少々こわばった顔をして引いているのに私たちは気付いたのだ。いくら艦娘とはいえ相手は”女性(レディー)”だからな。御ふざけは程ほどにしておくべきだろう。私たちはお互いに顔を見合わせて苦笑した。

 

『秘書艦殿、大変失礼しましました』

なぜか私たちはハモッて二人同時に立ち上がると祥高さんに素直に頭を下げた。こいつと居るとこんなことも柔軟に対応できるんだよな。だが食堂内は一瞬静かになった。そりゃ二人の司令が艦娘に頭を下げている構図なんて滅多に見られるものじゃない。あ、青葉のやつ撮ったな……小さいカメラで。

 

だが私たちが半分冗談でやっていることは直ぐに皆にも分かったようだ。ちょっと間があってからまた元のざわつく食堂に戻った。そんな私たちを見て祥高さんも苦笑しながら言った。

 

「お二人とも座ってください。そう考えるのは御自由ですが艦娘の前では発言に気を付けて下さいね。私たちにだって感情はありますから」

しっかり釘を刺された。

 

『はは……』

私たちは顔を見合わせて苦笑した。その言葉は軽いようだが十分に重たい内容だった。さすがの彼も艦娘の居る軍隊では言動に気を遣わないといけない現状を悟ったようだ。以後はハーレムについて突っ込んで来なくなった。やれやれ。

 

<<司令対談:ケッコン>>

 

黙っていると気まずくなりそうなので私は何か話題を探した。

「そういえばお前はケッコンしていたな。奥さんは外国人……あ、この国の人か」

 

「ああ。しがらみもあるが逆に便利なこともある」

彼は答えた。

 

「あの義兄さんとか?」

 

「そうだ。彼のお陰でブルネイでもかなり行動しやすいのは事実だ」

 

「そうか。美保にもそういう人が居ればいいけどな」

 

「何を言うか。お前の地元だろう?」

 

「いや地元だからこそ難しい側面もあってだな……」

……と、ここでまた祥高さんを放置してしまったことに気付いて私は慌てて彼女を見た。

 

「済まない祥高さん。親しい間柄なのでついつい話が弾んでしまって」

 

だが彼女は普通に答える。

「いえ大丈夫です。艦娘たちも仲の良い子同士だと同じような感じですから」

 

「ああ……そうか」

また女学校を連想した。すると秘書艦は普通の学校で言えば教頭先生くらいの立場になるのかな?

 

ブルネイ司令が突っ込んでくる。

「ケッコンっていえば肝心のお前はどうなんだよ?」

 

「何のことだ?」

反射的に誤魔化す私。

 

「とぼけやがって。帝国海軍の少将以上……少なくとも提督や司令の立場で独身なのは恐らくお前くらいだぞ」

 

「ああ……」

そういえばこいつも次官も神戸鎮守府に居る旧友も既婚者だったはずだな。

 

彼は畳み掛けるように言う。

「いっそ艦娘とケッコンしてしまえ!」

 

「いや……それは想定外だ」

思わず予防線を張ってしまった。そういえば技術参謀はそのパターンだったな。寛代はその娘だ。

 

「何が”いや”なものか。何十人もの艦娘がいれば、そのうちの何割かはお前に興味を持つはずだ。お前がいくら鈍感でもな!ウン絶対にそうなるって」

 

「そうかなあ~」

 

「ああ」

彼の話を聞きながら私は何気に思い浮かべてみた。私が比較的親しいといえば日向か大井か金剛あたりか?だが日向は横須賀へ行くし大井は娘が居るし、金剛は比叡も居るから微妙に違う印象だよな。彼女の場合は新しく着任した妹を見ればもっと意識が分散することだろう。

 

「まあケッコンなんてタイミングと勢いだからな」

ブルネイ司令はそう言いながらやっと夕食を食べ始めた。お前も雑談し過ぎだって。

 

いつの間にか暗くなった空には月が昇っていた。

 

<<資料:配置表と司令の役目>>

 

祥高さんは資料を取り出してブルネイ司令に見せた。

「ご参考までに、こちらが明日の本土帰還作戦における機体ごとの隊員配置表です」

 

単に帰るだけなのにやっぱり大げさだよなと私は思った。だがブルネイ司令は意外にも反応が違った。

「なるほど見せてもらおう……」

 

そう言って直ぐに書類を受け取って内容を確認している。

「まあオレは美保の艦娘のことは分からないから個々の適合よりも艦娘たちの艦種と人員配置の密度くらいしか意見できないが」

 

彼は食事を食べながら丹念に見ていたが、やがて顔を上げた。

「この司令と秘書艦の配置も、おまえ自身は了承済みか?」

 

「ああ」

私は応える。

 

彼は書類を置いた。

「そうかそれなら問題なかろう。帰還時はかなりの確率でドンパチやるだろうし。一度来たから分かるだろうが本土は遠い」

 

「なるほど」

戦闘か?それは気が付かなかった。

 

彼はちょっと深刻な顔になった。

「ブルネイ沖の防衛戦の直後だろう?感情を持つ相手なら深海棲艦だろうがシナだろうが何らかの形で攻撃を仕掛けてくると見るべきだ。オレからも可能な限り台湾やフィリピンにも話をしておく。お前からも防衛次官経由で軍部や政府を通して各国とも調整を図っておいた方がいいぞ。最悪台湾かフィリピン近海に不時着ってこともあり得る」

 

「そうなんだ……面倒なものだな」

私はゲンナリした。

 

彼は続ける。

「まあ司令官なんて調整役みたいなものだ。だから実際の戦闘指揮なんてストレスも多いし出来れば別に参謀役の担当者を立ててそいつに執らせた方が早い。お前も今回の指揮で懲りただろう?だったら今後のことも考えておくべきだな。軍隊は前衛と後衛で仕事は分散させないとそのうち過労でブッ倒れるぞ」

 

「ああ、そうだな。参考になるよ」

さすがにこれは他人事ではない。今回も大変だったが確かに今後だって何が起こるか分からない。一年生指揮官として、まだまだ知らないことだらけだな」

 

「だからお前は恵まれているんだ。周りに出来のいい部下がたくさん居るじゃないか?」

それを聞いて思わず正面の祥高さんを見た。彼女も自覚したようでちょっと恥ずかしそうに下を向いた。ああそうか、目の前に素晴らしい補佐官が居たな。

 

「そうか……」

今さら気付いた私はバカみたいだなと思った。だが彼女だけではない。戦闘能力の高い艦娘に、青葉のような器用な艦娘と、留守を守る大淀さんだって立派だ。

 

ちょっと考え込んだ私を見てブルネイ司令は慰めるように言った。

「良いよ、そんなに気に病むな。そのボーっとしたところもまたお前の個性だからな。その性格に救われる艦娘だって居るはずだよ」

 

「ああ」

本当に私は良い友人に恵まれているな。

 

<<艦娘:五月雨の夢>>

 

「話は変わるが、お前は夢を見るか?」

いきなり話題が飛んで驚いた。

 

「なんだいきなり……まあ良く見るほうだと思うが」

私は先の戦闘中に倒れてから見た大井の幻(まぼろし)や五月雨の成仏した夢を思い出していた。だがリア充っぽい彼に話してもバカにされそうなので黙っていたのだ。

 

ところがブルネイ司令は続けて意外なことを語り始めた。

「実はオレ五月雨の夢を見たんだ」

 

「え?」

思わず絶句した私。その反応を見て彼は直ぐに私が隠していた五月雨の夢のことを悟ったような顔をした。

 

「やっぱりお前もそうか……実はオレあまり夢なんか見ない性質なんだが」

既に食事を終えた彼は手を上げて給仕を呼んだ。直ぐに漣が飛んできた。

 

「は~いご主人様、何でしょうか?」

やめろ、その言い方。

 

「このテーブルを片付けて珈琲を入れてくれ」

 

「はいご主人様。畏(かしこ)まりました」

いつの間に着替えたのかフリルの付いたメイド服できびきびと敬礼をした漣は直ぐにテーブルの食器を片付け始める。またその服装が似合っているから苦笑するな……何処からそんな服仕入れたんだよ!直ぐに電ちゃんもやってきて……目を丸くした彼女は普通の服装でホッとしたが……駆逐艦二人で手分けをして食器を下げ始めた。

 

それを見ながらブルネイ司令は続ける。

「お前も見たんだろう?五月雨の夢を」

 

まさか彼から切り出されるとは思っていなかったが今さら隠しても仕方あるまい。

「ああ見た。夢の中だが五月雨はとても凛々しい格好をしていたぞ」

 

「そうか」

彼は腕を組んで何かを考えているようだったが、ゆっくりと語り始めた。

 

「不思議な話だがオレも夢で五月雨を見たんだ。オレは迷信なんか信じないがさすがにあの事件があってからだからな……超常的なものって言うのか?夢の中のあいつはとても現実感があって驚いたよ。さすがにある程度は信じざるを得なくなったな」

彼自身そう言いながらもまだ半信半疑な様子だった。

 

それまで黙って聞いていた祥高さんが口を開いた。

「五月雨はどんな様子でしたか?」

 

「ああ、多分美保と同じだろうが高級将校のような格好をしていた。そうだな……美保の秘書艦の正装と同じ雰囲気だ」

彼は思い出すようにポツポツと話し始めた。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ5ん」とは
「美保鎮守府:第五部」の略称です。
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