マイ「艦これ」「ブルネイの旭日」(第5部)   作:しろっこ

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自室でもあるGR(ゲストルーム)に戻った提督は明日からの本土帰還に関する作戦を立案していた。人員配置や敵と遭遇した際の作戦について検討して頭を悩ませる提督だったがその時誰かがドアをノックする。突然の夜の来訪者たちに翻弄される提督はなぜか和室があるのを発見して驚く。そしてブルネイ最後のも静かに終わるはずがなかった。


第45話(改)<作戦立案と夜の来訪者>

「エスケープしたらファイヤー!だからネ」

 

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「艦これ」的「ブルネイの旭日」(みほ5ん)

:第45話(改)<作戦立案と夜の来訪者>

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<<食堂:退出>>

 

食堂でブルネイ司令を見送ったあと私も席を立った。テーブル対面の祥高さんが聞く。

「お戻りになりますか?」

 

「ああ。今日は大人しく早く休むことにするよ」

 

「それが良いですね……配置表はコピーをとってまた後でお届けします」

 

「ああ、頼むよ」

私は敬礼をする祥高さんに返礼すると、そのまま食堂を出た。食堂に居る他の艦娘たちも敬礼して私を見送ってくれた。

私は廊下を歩きながら窓の外を見た。今日もブルネイは良い天気だった。そしていよいよ明日は本土への帰還か。まだ一週間程度しか経たないけど実に長い演習期間だった。本当にいろいろなことが起きたからな。

 

ブルネイ司令も言っていた通り明日からの帰還では平穏無事に本土へ戻れるとは思わない方が良いのだろう。部屋に戻ったら時間はあるから、いろいろな対応作戦を考えておくべきか。

 

祥高さんには休むと言ったが結局、指揮官には休む暇はないのだろうな。私は廊下を歩きながら苦笑するのだった。

 

<<GR:作戦立案>>

 

私は自分のGR(ゲストルーム)へ戻った。いろいろあったがこの部屋も今日と明日で最後だ。感慨深いものがある。だがいくつか作戦を検討しなければ。私は手近な便箋に作戦メモを書き始めた。

そういえばそもそも美保鎮守府に着任してからの私が作戦立案のために机に向かうというのも初めてだな。どちらかといえば単なる事務作業が多かった。着任直後はそんなものかな?

 

いくつか想定される状況や対応を書き出してみる。僅か十数分でも次から次へと様々な状況が想定され数枚の便箋があっという間に文字で埋まった。

しかし……私はペンを持つ手を休めて窓の外を見た。日は落ちて空はホンノリと明るいが星空が見える。私は肘をついてボンヤリ考える。どれだけ立案しても結局は現場の状況でコロコロ変わるものだ。ピッタリマッチする作戦なんて簡単には立てられない。それでも何も考えないより事前に様々な状況は想定をしておいた方が良い。リスクヘッジとはそういうものだ。指揮官は全員の命を預かるのだから。

 

その時私はふと演習のときの金剛を思い出した。あの艦娘は度胸も実力も判断力もある。多少感情的なところはあるがイザ前線に出ても十分対処できる艦娘だろう。ただ同じ金剛型同士で組んだら問題ないのだろうけど……他の艦娘と反りが合わない場合、お互いの艦娘にとって同じ作戦行動ではアンマッチが起きるのかな?艦娘部隊の司令官としては、そういった艦娘同士の相性までも考えないといけないのかな?やれやれ面倒だ。私が一番苦手とする項目だ。

 

そんなことを思っていたら誰かがドアをノックする音がした。祥高さんがコピーを持ってきたのだろう。私は返事をするとすぐに出口の扉を開けた。ドアの外には予想通り祥高さんと、意外にも寛代が珈琲とつまみを持って立っていた。

「司令、書類と珈琲をお持ちしました」」

 

「ああ、ありがとう……寛代か、珍しいな」

 

「……」

黙っている寛代。だがちょっと恥ずかしそうな表情だ。

 

祥高さんが言う。

「私が書類のコピーを取っていたらこの子が来て珈琲を指差すんです。それで司令が恐らく作戦立案をしていることを考えまして……済みません。私も配慮が足りなくて」

 

「あ、いや別に謝るほどのことじゃないよ。その気になれば自分でも珈琲くらい淹れるし」

そう言いながら、この駆逐艦「寛代」は相変わらず敏感だなと思った。

 

私は少しかがんで声をかけた。

「嬉しいよ寛代、ありがとう」

 

寛代はうつむいて頬を赤らめた。

 

<<GR:配置再考>>

 

寛代を見ながら私は思った。この子は索敵と通信に特化しているだけあって察知する能力も高い。出来れば大艇に乗せたいな……。コピーした書類をパラパラ見ながら私は祥高さんに言った。

「明日の配置は取りあえずこの案で行くが状況によってはまだ微調整する可能性がある。それは各班長に伝えておいてくれ」

 

「分かりました」

祥高さんは答えた。

 

だが彼女は私が寛代をジッと見ているのを見て何かを察したのか、ちょっと考えてから言った。

「寛代……ですか?」

 

さすがだな。

「ああ。やはりこの子の索敵能力は欲しい。だが技術参謀も同じ機体に乗るかな?」

 

「ええ、でも作戦最優先で検討されれば同じ機体でなくとも問題ないかと存じます」

秘書艦は答える。

 

「そうだな」

確かに、あまり個人的な事情を考えすぎてもいけない。あくまでも全員が無事に本土へ帰るというのが至上目的だ。それを実現するための最善の策を検討すべきだ。

 

「では祥高、下がります」

彼女は敬礼をした。時間差で後ろで寛代も敬礼している。

 

「ああ、ご苦労」

私も返す。ちょっとボーっとしていた寛代が祥高さんに手を引かれて退出していく。大丈夫かな?あの子は。まあいい。せっかく珈琲が入ったから小休止してから作業を続けようか。

 

一服してから私は再び机に向かい、検討作業に入った。

 

<<GR:来訪者1>>

 

ずっと作戦を立案していてふと気がつくとあっという間に数時間経っていた。窓の外はもう真っ暗だ。こんなに長時間机に向かっていたのは久しぶりだな。いよいよ本土に帰るという状況下で私もいつもとは違った緊張感を持って集中できたのだろう。

 

「やれやれ~」

そう呟くと私はメモや便箋を机の上に投げ出した。脳みそを絞った感じだ。だいたい素案は出尽くしたな。もう良いだろう。私は机を離れて部屋の中で大きく伸びをした。窓からは鎮守府やその向こうの街の明かりが見える。

 

「ちょっと早いけど寝ても良いかな?」

別に良心が咎めるわけでもないのだが言い訳のように私は呟いた。

 

その時誰かが扉をノックした。私は慌てて返事をした。

「はい」

 

誰だ?祥高さんかな……そう思いながら私はドアを開けてもっと驚いた。

「hey~テイトク~↓」

 

「ええ!金剛ぉ?」

こんな時間に金剛が枕を抱えて立っている……戦闘服ではなく寝巻き姿で。そそる……もとい彼女がそこに居るという状況も驚きだが、それ以上にいつものハイテンションさがない静かな金剛だという事実の方がビックリした。

 

「ど、どうした?元気ないな」

正直、こういう金剛って不気味だよな。

 

「ウン相談……というよりオネガイね」

ぽつぽつと単語を並べるように訴える彼女。なんだ金剛は困っているじゃないか、イカンなあ~彼女を疑った自分を反省する。

 

私はちょっとかがんで彼女の顔を覗き込むようにして聞く。

「お願い……って何だ?」

 

「ウン……眠れない」

私の顔が近いのを意識したのか枕に半分顔を埋めてモゴモゴ言っている。

 

「だ、だから……?」

その答えは、私自身十分に分かっているハズだ。だが私はバカみたいに早合点して勝手にドキドキしていた。やばいよな、もしここに青葉が来たらどうするんだ?(ドキドキ)

 

<<GR:来訪者2>>

 

だがロー・テンションの金剛は力なく首を左右に振る。

「ウウン違うの。あんな事やこんな事じゃなくて……側にいてくれるだけでイイの」

 

落ち着いた語り口の金剛って……絶妙だな。良いぞ……って何が?(←自分で突っ込みを入れる)

私は逸(はや)る気持ちを抑えて聞く。

「おい比叡はどうしたんだ?」

 

「あの子は先に寝たネ。薄情者……」

金剛は廊下を見て口を尖らせている。

 

「いやしかし私は男性だし……」

半分ニヤけていたと思うが私は頭をかきながら杓子定規に困った素振りを見せた。

 

だが彼女は「ウフッ」と笑うと少し立ち位置をずらした。その彼女の背後には寛代がいて、こちらを黙って大きな瞳でジッと見上げていた。ちょっと笑うんだがその笑みが小悪魔みたいだ。

「ゲッ!寛代か?」

 

私の”ゲッ”には構わずに金剛は私の腕にしがみ付いた。

「テートクの心配はダイジョウブね!何かあったら寛代がアラート出すヨ」

 

(チッ!)

という私の心の中でまた別の”悪魔”が舌打ちしていた。

 

「いや、待て待て~!」

ビックリした!見ると廊下の向こうから本物のデーモンが来やがった。

 

<<GR:デーモン軍団>>

 

「おいこら!誰がデーモンだよ」

やってきたのは寝巻き姿の作戦参謀……って何で貴方まで枕抱えているんですか?

 

作戦参謀は軍人とは思えないユルユルのままこっちへやってきた。

 

「あ……これか?防空頭巾だ」

へえ(呆れ顔)

 

「寛代だけでは心もとないだろう、私がお目付け役だ。姉貴も了承済みだ」

要らない……ってか母親(技術参謀)はそれでイイのか?まったくのん気な姉さんだな。

 

作戦参謀は枕を突き出して言う。ナンデスカそれは?

「連れない奴だな。最後の夜じゃないか……ブルネイのな」

 

含みのある言葉だな。

「含蓄があると言え……イイから中に入ろう」

 

このままでは押し切られるぞ。その時私は背後に人の気配を感じた。思わず振り返るとなぜか大井が居た。

「え?」

 

「あの……司令」

何で大井親子まで寝巻きで出てくるんだ?手をつないで……ここは鎮守府じゃないのか?一体なんだ、旅館か!

 

彼女は申し訳無さそうに言う。

「この子がなかなか寝付いてくれなくて……廊下に出たらフラフラとこちらに引き寄せられたの」

 

「Oh~それはナイスタイミングね」

金剛がカットイン!おい、嬉しそうに言うなよお前……って、コラ!

 

「きっとその子も一緒にこの部屋に入るべきね」

勝手にGRの中に入れるなって!あ~あ、お前ら皆まとめてデーモン軍団か?

 

「何をしている司令!早く入れ」

そのデーモンがドアから半身出して言う。だから枕を突き出さないで下さい。

 

「はあ~」

結局、こういうことになった。

 

<<GR:なんで和室>>

 

結局、金剛や作戦参謀、それにに大井が自室から布団を持って来た。輸送船団……ってか、お前ら本気でココで寝るつもりなのか?信じられないな。

 

仕方なしに部屋に戻った私は今さら気付いたのだがGRには襖を開けるとなぜか畳の部屋があった。思わず「はあ?」改めてこの鎮守府の設計は日本人かな?と思った。そして躊躇なく艦娘たちによって、そこに布団が敷かれる。

しかし机から布団が見えるという妙な構図も何となくどこかの”伝説の鎮守府”を髣髴とさせるよな。

 

大井は祥高さんと同じ部屋だから結局、布団を運ぶドタバタで同室の祥高さんまで様子を見にやってきた。最初は目を丸くしていた彼女だが妹(作戦参謀)が居るので取りあえずは安心したようだ。

 

だが彼女は意外な提案をしてきた。

「司令、こんな状態でお休みできますか?宜しかったら私の部屋に来られます?」

 

一瞬”え!”っと思ったが、それは”シット”という金剛のひと睨みで却下された。そりゃそうだ、私が同室していることが彼女がやって来た第一目的であり重要な条件なのだから。さすがの祥高さんも今回だけは引き下がるようだ。

私はただ青葉が来ないことだけを冷や冷やしながら願っていた。だが不思議とその晩に限って、いつもは敏感な青葉が出てこなかった。よほど疲れているのだろうか?

 

<<GR:そして布団>>

 

早速敷かれた布団で大井と娘が添い寝して、その隣で金剛と寛代が寝る。

その金剛が布団の中から人差し指を立てつつ言う。寝るときはアンテナ外すんだね……新鮮。

「テートク~、エスケープしたらファイヤー!だからネ」

 

「分かったよ。今夜は部屋から出ないから」

 

「プロミス!」

そう言って人差し指を私に突き出す。おい、上官に失礼だぞ!

 

「はいはい」

だが今までは弱音らしい弱音を吐いたことのない金剛が急にどうしたのだろうか?さっきからこの点がちょっと疑問だった。だが金剛は「グッナイト」というが早いか、気がつくと枕を抱いたまままどろみの中へさっさと”轟沈”していった。

その横の大井親子と寛代はそれ以前に”沈没”していた。

 

「はあ~」

私は机で大きくため息をつく。あれ?目の前には、なぜ作戦参謀?

 

「参謀は休まれないのですか?」

私は問いかけたが彼女は書類を手にしていた。

 

「おい、これは何だ?」

まずい!明日の帰還作戦の素案が机の上に出しっぱなしだった。慌ててしまおうにも既に数枚ゲットされてしまった。

 

「おいおい、どれもイマイチだなあ~」

一番見られてはいけない人に見つかってしまったようだ。嫌な予感がするな。彼女はボサボサの頭に手をやりながら何かを考えていた。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ5ん」とは
「美保鎮守府:第五部」の略称です。
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